チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

Obsidianは2025年2月に仕事で使う場合も無料になり、それまで企業に求めていた商用ライセンスの購入は任意になりました*1。アプリ本体は個人でも企業でも無料で、有料なのは同期の「Sync」と公開の「Publish」というオプションだけです*2。最近は「AIと組み合わせてメモを第二の脳にする」という文脈で、私のところにも「Obsidianってどうですか?」という質問が増えています。

ただObsidianのメモの実体は、PCのフォルダに置かれたMarkdown形式のテキストファイルです*3。Claude CodeのようなAIエージェントから見れば、Obsidianのフォルダも普通のフォルダも変わりません。先に結論を言うと、AIにメモを読ませて探す・まとめるのが目的なら、Claude Code+ローカルフォルダで十分です。Obsidianを入れる価値があるのは、スマホで読み返す・整った見た目で眺める・1行だけサッと書き足す、のどれかを日常的にやる人です。

この話題は、私もXで紹介しました。


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Obsidianとは|中身はローカルのMarkdownファイル

Obsidianはメモを書いて整理するためのアプリです。メモ同士をリンクでつなぎ、あるメモを「どのメモから参照されているか」を一覧できるバックリンク機能が特徴として知られています*9。Windows・macOS・Linuxに加えてiOSとAndroidのアプリもあり、PCとスマホの両方で使えます*10。

Obsidianとは?Claude Code時代に本当に必要か|使い方と活用事例(画像1)
画像:茶圓のX投稿より(@masahirochaen)

大事なのはデータの持ち方です。公式ヘルプによると、メモはMarkdown形式のプレーンテキストとして「Vault(保管庫)」に保存され、Vaultの正体はPC上の普通のフォルダです*3。プレーンテキストなので、ほかのテキストエディタやファイル管理ツールでもそのまま編集できると明記されています。設定だけはVaultの中の .obsidian という隠しフォルダにまとめて置かれます。

項目内容
データの形式Markdown形式のプレーンテキスト(.md)
保存場所PC上のフォルダ(Vault)。サブフォルダも含む
設定の保存場所Vault直下の隠しフォルダ .obsidian
対応OSWindows / macOS / Linux / iOS / Android
本体の料金個人・仕事とも無料(商用ライセンスは任意)

つまりObsidianは「独自のデータベースに文章を閉じ込めるアプリ」ではなく、「フォルダの中のテキストファイルを見やすく編集するためのビューア兼エディタ」と捉えるのが正確です。ここがNotionなどのクラウド型ツールとの一番の違いで、同時にClaude Codeと相性がよい理由でもあります。

Obsidianの料金|本体は無料・SyncとPublishが有料

料金はシンプルです。本体は無料で、必要な人だけが有料オプションを足す形になっています。2025年2月の発表以前は、2人以上の企業で仕事に使う場合に商用ライセンスが必要でしたが、現在は任意で、払いたい企業が開発の支援として買う位置づけです*1。

プラン・オプション料金(米ドル)内容
本体無料個人・仕事とも制限なく利用可能
Sync Standard月4ドル(年払い)/月5ドル(月払い)1つのVaultを同期・容量1GB・履歴1か月
Sync Plus月8ドル(年払い)/月10ドル(月払い)10個のVaultを同期・容量10GB〜・履歴12か月
Publish1サイト月8ドル(年払い)/月10ドル(月払い)メモをWebサイトとして公開
Catalyst25ドル(買い切り)個人による開発支援・早期版の利用
Commercial license1ユーザー年50ドル任意。企業による開発支援

SyncはエンドツーエンドでAES-256の暗号化をかけると公式に書かれています*4。容量やVault数の上限はプランごとに決まっており、Standardは1GB、Plusは10GBから最大100GBまで追加できます*5。スマホでも同じメモを読みたい人にとっては、このSyncが実質的な「Obsidianを使う理由」になりやすいところです。

Claude Codeで代わりがきく機能|関連メモ・横断検索・要約

Claude Codeは、指定したフォルダの中のファイルを読み、編集し、コマンドを実行できるAIエージェントです*8。もともとはプログラミング用ですが、読む対象はコードに限りません。Markdownのメモが入ったフォルダを開けば、そのままメモの検索や整理を頼めます。

Claude Codeの基本的な使い方やWeb版・Coworkとの使い分けは、以下の記事で解説しています。

Claude Codeとは?Web版やCoworkとの使い分けから使い方・料金を徹底解説

Claude Codeとは?Web版やCoworkとの使い分けから使い方・料金を徹底解説

Obsidianの売りとして挙げられる機能を、Claude Codeに置き換えるとどうなるか。私の感覚では次の3つは自然文で頼んだ方が早く、柔軟です。

やりたいことObsidianでのやり方Claude Codeでのやり方
関連メモをたどるリンクを張ってバックリンクやグラフで見る「顧客Aに触れたメモを全部出して」と頼む
横断検索・集計検索機能やプラグインで条件を組む「先月の議事録から決まったことだけ表にして」と頼む
要約・整理本体の機能としてはない「このフォルダのメモを論点ごとにまとめて」と頼む

関連メモをたどる

Obsidianのバックリンクは、メモ同士を [[メモ名]] の形でリンクしておくことが前提です。リンクを張らずに名前だけ書いた箇所も「未リンクの言及」として拾えますが、メモ名と同じ表記だけが対象です*9。Claude Codeなら「顧客A」「A社」「Aさんの件」が混ざっていても、文脈から同じ話題だと判断してまとめて出してくれます。日々リンクを張る手間がいらないのは大きな差です。

横断検索と集計

Obsidianでは、検索の構文を覚えたりプラグインで条件を組んだりして集計します。Claude Codeでは条件を日本語で伝えるだけで、結果をMarkdownの表やCSVにして新しいファイルとして保存するところまで任せられます。条件があいまいでも聞き返しながら進めてくれるので、最初から正確な検索式を考える必要がありません。

要約と整理

ここはそもそもObsidian本体にはない領域です。散らばったメモから週報を作る、議事録から未決事項だけを抜き出す、古いメモを月別のフォルダに移す、といった作業はAIエージェントの得意分野です。ファイルの移動や名前の変更もできるので、「整理しておいて」と頼めばフォルダ構成ごと組み直してくれます。

非エンジニアがClaude Codeで業務を速くした具体例は、以下の記事で解説しています。

【実践編】Claude Codeの活用事例10選|非エンジニアでも業務が10倍速になる使い方

【実践編】Claude Codeの活用事例10選|非エンジニアでも業務が10倍速になる使い方

それでもObsidianが活きる活用事例|スマホ・見た目・1行メモ

逆に、Claude Codeが苦手な場面もはっきりしています。Obsidianを入れる価値があるのは主に次の3つです。

  • スマホで読み返したい — iOS・Androidのアプリがあり、Syncを使えばPCで書いたメモを移動中に読めます。Claude Codeはメモを「眺める」ための道具ではありません
  • 整った見た目で眺めたい — 見出しや表、画像、リンクがきれいに表示され、メモのつながりをグラフで俯瞰できます。テキストエディタで生のMarkdownを読むより頭に入りやすい人は多いはずです
  • メモを1行だけサッと足したい — 思いついたことを1行書くだけなら、AIに頼むよりアプリを開いて打つ方が速いです。AIを起動して指示を書く方が手間になる場面では、軽いエディタに分があります

加えて、2026年2月のデスクトップ版1.12ではObsidian CLIが追加され、ターミナルからObsidianを操作できるようになりました*6。公式ヘルプによると、CLIを使うには1.12.7以降への更新が必要です。デイリーノートへのタスク追記や保管庫の検索、テンプレートからのメモ作成などのコマンドが紹介されています。CLIは起動中のObsidianに接続して動き、起動していなければ最初のコマンドで立ち上がる仕組みです*7。

このCLIを使えば、Claude Codeからデイリーノートやテンプレートなど「Obsidianの機能そのもの」も呼び出せます。どちらか一方を選ぶというより、書く・眺めるのはObsidian、探す・まとめる・整理するのはClaude Codeと役割を分けるのが現実的な組み合わせだと見られます。

ObsidianとClaude Code+フォルダの比較|どちらを選ぶか

迷ったときは、普段の自分の動き方で決めるのが一番です。判断材料を表にまとめました。

観点Claude Code+ローカルフォルダObsidian(+Claude Code)
データの形式Markdownなどのテキストファイル同じ(Markdownファイル)
検索・集計自然文で柔軟に頼める検索構文やプラグインで組む
要約・整理得意本体にはない(AI連携で補う)
スマホでの閲覧向いていない公式アプリ+Syncで快適
見た目・俯瞰生のテキスト整った表示・グラフビュー
1行メモの速さAIの起動が手間になるアプリを開いてすぐ書ける
追加費用有料プランまたはAPIの従量課金が必要*8本体無料・Syncは月4ドル〜

注意したいのは、どちらを選んでもデータは同じMarkdownファイルだという点です。最初はClaude Code+フォルダで始め、スマホで読みたくなったらそのフォルダをObsidianのVaultとして開けば済みます。Obsidianに移っても、やめても、ファイルはそのまま残ります。乗り換えのコストがほぼゼロなので、「とりあえず入れておく」より「必要になったら入れる」で困りません。

なおClaude Codeはターミナルのほか、デスクトップアプリやWeb、IDEの拡張機能からも使えます*8。ターミナルに抵抗がある人は、デスクトップアプリから始めるのがおすすめです。

非エンジニアがデスクトップアプリで始める手順は、以下の記事で解説しています。

Claude Codeデスクトップアプリの使い方ガイド|非エンジニアでも始められる10の理由

Claude Codeデスクトップアプリの使い方ガイド|非エンジニアでも始められる10の理由

企業で使うときの使いどころと注意点|ナレッジ管理の判断基準

個人のメモ術としてなら上の結論で十分ですが、会社で議事録や顧客情報を扱うなら、もう少し考えることがあります。ポイントは「どこにデータがあり、誰が読めて、AIに何を渡すか」です。

企業での使いどころ

  • 個人の業務メモ・調べもの — ローカルのMarkdownに貯めてClaude Codeで検索・要約するのが最も手軽です。ツールを増やさずに始められます
  • 議事録から週報や提案の下書きを作る — フォルダにまとめておけば「今週の顧客MTGから論点を整理して」と頼めます。人が仕上げる前の叩き台づくりに向きます
  • チームで共有するナレッジ — ローカルフォルダは基本的に1人用です。複数人で同じ情報を編集・閲覧するなら、権限管理のある社内のドキュメント基盤を正本にした方が安全です

注意点

  • AIに渡す範囲を決める — Claude Codeに読ませたファイルの内容は、処理のためにモデル側へ送られる前提で考えてください。顧客の個人情報や契約書などを同じフォルダに混ぜず、読ませてよいフォルダを分けておくのが基本です
  • バックアップを持つ — ローカルに置くということは、PCが壊れれば消えるということです。Gitやクラウドストレージ、Syncのバージョン履歴などで、別の場所に複製を持っておきましょう
  • プラグインを入れすぎない — Obsidianはコミュニティのプラグインで機能を足せますが、社用PCでは何を入れたか管理しにくくなります。AIで代わりがきく機能はプラグインで足さない方が運用は楽です
  • ライセンスの扱いを確認する — 仕事での利用は無料になりましたが、Sync・Publishは有料です*2。会社として使うなら、誰の契約で同期するかを決めておくと後で揉めません

社内のメモや議事録をAIに読ませる仕組みを、個人の工夫ではなく会社の仕組みとして整えたいという相談も増えています。法人向けAIリスキリングサービスの導入社数No.1*の弊社デジライズが、AIコンサルティング&開発のサービス資料を無料でお送りしています。既製のAIサービスでは要件が満たせず、自社に合わせたシステム構築や環境の検討が必要な場合の進め方をまとめています。

※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)

Claude Code+フォルダで始める使い方|最初の3ステップ

最後に、Obsidianを入れずに始める場合の最小構成を紹介します。すでにObsidianを使っている人は、手順1のフォルダをそのままVaultに読み替えてください。

  1. メモ用のフォルダを1つ作る — 「notes」などの名前で作り、議事録・調べもの・日報のようにサブフォルダを分けます。ファイルは.mdで保存します
  2. フォルダでClaude Codeを開く — 作ったフォルダを作業場所に指定してClaude Codeを始めます。ルールを書いた CLAUDE.md を置くと、毎回の会話の最初に読み込まれます*8
  3. 自然文で頼む — 「顧客Aに触れたメモを全部出して」「今週の議事録から決まったことを表にして」「古いメモを月別に整理して」のように、普段の言葉で依頼します

CLAUDE.md には「メモの命名ルール」「要約は箇条書きで」「顧客名は略さない」のような約束を書いておくと、頼むたびに説明し直す手間が減ります。ここまで整えると、Obsidianのプラグインで作り込んでいたことの多くは不要になるはずです。

まとめ

  1. 仕組み — Obsidianの中身はPCのフォルダに置かれたMarkdownファイルで、AIから見れば普通のフォルダと同じです
  2. 料金 — 本体は仕事でも無料になり、有料なのは月4ドルからのSyncと月8ドルからのPublishだけです
  3. 代わりがきく機能 — 関連メモ探し・横断検索・要約整理は、Claude Codeに自然文で頼む方が柔軟です
  4. Obsidianが活きる場面 — スマホで読み返す・整った見た目で眺める・1行だけ書き足す、のどれかを日常的にやるなら入れる価値があります

私も一応入れてはいますが、ほとんど開いていません。私のおすすめは、まずClaude Code+ローカルフォルダで始め、スマホで読みたい・見た目で眺めたいと感じたときに同じフォルダをObsidianで開くことです。データは同じMarkdownなので、後から足しても何も失いません。ほかにもObsidianならではの良い使い方があれば、ぜひXで教えてください。

参考資料

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。