チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

「ドライバーが足りないのに、本部の業務は減らない」
「配車の調整や荷主への報告書づくりで、一日が事務作業で終わる」
「AIを導入したいと思いながら、何から始めればいいか分からないまま時間が経っている」

2024年4月のドライバーの時間外労働規制から2年半が過ぎ、2026年4月には改正物流効率化法の第2段階も始まりました。規制への対応が一巡する一方で、人手不足と本部の管理業務という課題は残っています。

この記事は、運送会社・倉庫会社の経営層と、本部で管理業務を担っている方に向けて書いています。物流×生成AIの現在地から、大手4社の取り組み、物流に近い業務を抱える企業の導入事例、そして今日からコピペで使えるプロンプト5選までをまとめました。


法人向けAI研修の導入社数No.1*の弊社デジライズが、生成AIの基礎知識から社内導入の6ステップ・定着のポイントまでを1冊にまとめた「はじめての生成AI社内導入ガイド」を無料で配布中です。

※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)

2024年問題の先にある、物流業の構造変化

2024年問題の先にある、物流業の構造変化

「2024年問題は乗り切った」という空気がある一方で、公的資料が示す数字は「まだ終わっていない」と読めます。まず押さえておきたい3つの事実を整理します。

論点記事で参照する公表値出典(公表時点)
2030年度の輸送力不足(再検証)平均で約7%〜最大で約25%(1.7億トン〜7.2億トン)国土交通省の検討会 提言案(2026年3月)
規制を守りきれていない事業者改正改善基準告示で「守れていない基準がある」29.9%全日本トラック協会(2025年3月公表)
荷物の量令和6年度の宅配便取扱個数 50億3147万個(前年度比 約0.5%増)国土交通省(2025年8月公表)

輸送力不足は「克服済み」ではなく「先送り」されている

国土交通省の検討会は、当初想定されていた2030年度の約34%のトラック輸送の需給ギャップのうち、約14%は官民の取組の成果等により概ね克服できたとしています(同時に輸送需要も約12%減少)。

一方で、2026年3月の検討会が足元の経済動向や物流需要の変化を勘案して再検証した結果、2030年度には平均で約7%〜最大で約25%(1.7億トン〜7.2億トン)の輸送力不足が生じうるとされています(国土交通省「2030年度に想定される輸送力不足への対応方針」(PDF)p.1・提言の公表(2026年3月3日))。

2026年3月31日には「総合物流施策大綱(2026年度〜2030年度)」が閣議決定されました。物流の停滞を招かないよう、次の施策を用意し、輸送量の推移に応じて必要な施策を講じる方針です。

  • トラックドライバーの荷待ち・荷役等時間の短縮
  • トラックの積載効率の向上
  • 陸・海・空の「新モーダルシフト」
  • 宅配便の確実な受け取り
  • ドローンでのラストマイル配送

出典:国土交通省 報道発表(2026年3月31日)・総合物流施策大綱(PDF)p.49〜50

規制を守りきれない事業者は現実に残っている

全日本トラック協会の「物流の2024年問題対応状況調査結果」(2025年3月公表)では、令和6年4〜9月の半年間で480時間超(=年960時間の半分超)のドライバーがいる事業者が27.4%でした。

改正改善基準告示についても、「守れていない基準がある」と回答した事業者が29.9%にのぼります(調査結果(PDF)p.3)。

守れていない基準の内訳は「1日の拘束時間」59.3%、「1日の休息期間」42.0%、「1ヵ月の拘束時間」38.4%と続きます。運行管理の側で見るべき項目が増え、事務の負荷がそのまま増えている状態です。

「AIを使いたい」と「使えている」の差は大きい

LOGISTICS TODAY と Hacobu が2025年10月に実施した共同調査(荷主・物流事業者232社/268名の有効回答)では、業務でAIを活用しているのは36.6%にとどまりました。一方で今後の導入意向は「積極的に活用したい」52.6%・「機会があれば活用したい」43.3%で、95%以上が前向きです。

導入の壁として最も多かったのは「AIを使いこなせる人材がいない」50.4%、次いで「効果が見えにくい」47.4%、「ツール選定が難しい」38.1%でした(Hacobu リリース(2025年11月18日))。人材・効果検証・ツール選定が並んで上位に来ています。

物流における生成AIユースケース全体像

物流における生成AIユースケース全体像

物流業務のどの領域で生成AIが効くのか、全体像を整理します。現場のオペレーションから本社管理まで、幅広い領域が対象になります。

業務領域主なユースケース導入難易度
配車・ルート管理配車計画の叩き台作成・荷主向け調整文書・変更連絡文の生成★☆☆(低)
倉庫オペレーション在庫レポートの要約・ピッキング指示書の作成・入出庫記録の整理★☆☆(低)
運行管理・法令対応改善基準告示チェック補助・日報のドラフト・指導記録の作成★★☆(中)
荷主折衝・営業運賃交渉資料・定期報告書・提案書・見積書のドラフト作成★☆☆(低)
ドライバー教育安全教育資材の生成・ヒヤリハット事例の整理・OJT手順書の作成★☆☆(低)
事故・クレーム対応事故報告書・顧客へのお詫び文・再発防止策文書の作成★☆☆(低)
採用・人事求人票・入社案内・各種社内通知文の作成★☆☆(低)
国際物流・貿易書類インボイス・B/Lなど貿易書類のチェック補助・HSコード調査補助★★★(高)

物流でAI導入が止まりやすいのは、次の3つの事情があるからです。

  1. 既存システムとの連携が必要になる — TMS(輸配送管理システム)やWMS(倉庫管理システム)にAIを組み込む場合は、APIやデータ形式、権限設計を個別に確認する必要がある
  2. 情報の機密性が高い — 配送先・荷物量・ルートは競争優位の源泉で、汎用のクラウドAIに入れることへの懸念が正当にある
  3. 現場の多様性 — 大手物流企業から地域の運送会社まで、業務内容も規模もシステム環境も違い、汎用の答えがない

だからこそ、最初に手をつけるのは「書く仕事」です。荷主への連絡文、定期報告書、安全教育資材は、システム連携なしで明日から始められます。上の表で難易度が低い領域が本部・管理業務に集中しているのは、そのためです。

「まずは何ができるか知りたい」といった情報収集段階でのご相談も大歓迎です。導入の流れや具体的な支援内容をまとめた資料を以下よりご覧いただけますので、ぜひお気軽にご活用ください。

物流でAIを使う前に決めておく社内ルールと法令対応

物流でAIを使う前に決めておく社内ルールと法令対応

物流業でAIを使うとき、多くの会社が最初に止まるのが「荷主の情報を入れていいのか」という論点です。ここを先に決めておくと、現場が迷わず使い始められます。

リスク1:荷主情報・配送ルートの機密管理

荷主ごとの物量データ・配送ルート・契約条件は、競合に知られると致命的な情報です。使い始める前に、次の3点を1枚紙にして配ってください。

  • 入力禁止情報を明確にする — 荷主名・具体的な物量・契約単価・専用ルート情報は、個人向けプランのAIに入力しない
  • 匿名化のルールを決める — 「A社の{品目}を週{N}件」の形に置き換えてからプロンプトに使う
  • 法人向けの契約に切り替える — ChatGPT Business・Enterprise、Claude Team・Enterprise などの法人向けプランでは、管理者が組織単位で設定と権限を管理できる。個人向けの ChatGPT Plus・Claude Pro とは扱いが異なるので、社内情報を入れる段階で切り替える

リスク2:改善基準告示との整合

AIでシフト計画・配車計画の叩き台を作る場合、出力されたスケジュールが改善基準告示に適合しているかは、必ず運行管理者が最終確認してください。

改善基準告示は令和4年12月に改正され、令和6年4月1日から適用されています(厚生労働省「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」)。

AIは拘束時間の超過チェックや連続運転時間の確認の「補助」には使えますが、法令遵守の最終責任は人間が持つ——この線引きを先に社内で明文化しておくのが安全です。

リスク3:改正物流効率化法(2026年4月の第2段階)

改正物流効率化法(正式名称「物資の流通の効率化に関する法律」)は、2025年4月と2026年4月の2段階で施行されました。2026年4月からは、一定規模以上の事業者が「特定事業者」に指定され、中長期計画の作成・提出や定期報告などが求められます。

このうち物流統括管理者(CLO)の選任義務があるのは、特定荷主(法第47条)と特定連鎖化事業者(法第66条)です(国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト|物流統括管理者(CLO))。

区分指定基準
特定第一種荷主・特定第二種荷主・特定連鎖化事業者取扱貨物の重量 9万トン以上
特定貨物自動車運送事業者等保有車両台数 150台以上
特定倉庫業者貨物の保管量 70万トン以上

出典:国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト|特定事業者の指定

計画書や定期報告の文書量が増える局面は、生成AIの効きどころでもあります。過去の取組を整理して文章にする作業は、叩き台をAIに出させて人が直す形に置き換えられます。

大手物流企業のAI活用はどこまで進んでいるか

大手物流企業のAI活用はどこまで進んでいるか

大手では、問い合わせ対応・伝票処理・出荷予測・在庫最適化など、複数の業務領域でAI活用が実務に入っています。各社の公式リリースで数値が確認できるものだけをまとめました。

企業取り組み公表されている効果
ヤマトコンタクトサービス生成AIによるメール問い合わせ対応FAQ提案のマッチ率 85%(従来の約2倍)/対応業務の約20%を自動処理・抑制
佐川急便・SGシステムAI-OCRによる配送伝票入力の自動化作業時間を月間約8,400時間短縮
日本通運物流Webアプリ「DCX」のAI出荷予測算出時間を1〜2時間程度から約5分へ短縮
ロジスティードSCDOS 協調型在庫コントロール支援サービス分析業務を月25時間削減、在庫を6〜15%削減できる見込み

ヤマトコンタクトサービス:生成AIで問い合わせメールの2割を処理

ヤマトコンタクトサービスは、配送状況に関するメール問い合わせに応答する生成AIシステムを構築しました。FAQから最適な回答を検索して提示する仕組みで、提案のマッチ率は従来の約2倍となる85%まで向上しています。

メール問い合わせ対応業務のうち約20%をAIが自動処理・抑制しており、オペレーターが使うFAQにも同じ仕組みを適用して対応品質の底上げにつなげています(日本オラクル リリース(2025年7月7日))。

佐川急便・SGシステム:AI-OCRで伝票入力を月8,400時間削減

佐川急便では、配送伝票情報の読み取りから既存システムへのデータ連携までを自動化するAIシステムが稼働しています。繁忙期には1日に100万枚もの配送伝票を人手で入力していた業務が対象です。

公表されている効果は作業時間を月間約8,400時間短縮、手書き数字(サイズ・重量)の認識精度は99.995%以上。〇で囲まれた数字や取り消し線で修正された数字も読み取れるとしています(SGシステム お知らせ(2019年8月2日))。

日本通運:出荷予測の算出を1〜2時間から約5分へ

日本通運は、物流Webアプリ「DCX」のデータ分析オプション「Business Insight」で、2025年4月からAIを活用した出荷予測サービスを提供しています。2026年5月には機能を強化し、1アイテムあたり1〜2時間程度を要していた計算プロセスを見直し、算出時間を約5分へ短縮しました。

予測は日別・週別・月別で最大半年先まで対応し、統計的な確率に基づく10段階の予測結果から、欠品リスクを抑えたいのか過剰在庫を避けたいのかに応じて選べます(NIPPON EXPRESSホールディングス リリース(2026年5月14日))。

ロジスティード:在庫分析の月25時間を削減

ロジスティードは、物流センターの在庫適正化を支援する「SCDOS 協調型在庫コントロール支援サービス」を提供しています。在庫管理のデータ分析を自動化し、AIとシミュレーションで見える化する仕組みです。

杏林堂薬局の物流センターを対象とした実証実験(2021年7月開始)では、熟練担当者のデータ集計・加工・分析業務を月あたり25時間削減できること、さらに物流センターの在庫を6〜15%削減できる見込みを確認。これを踏まえて2023年度からサービス提供を始めました(ロジスティード ニュースリリース(2023年7月5日))。

デジライズの導入事例:物流に近い業務を抱える3社

デジライズの導入事例:物流に近い業務を抱える3社

ここで紹介する3社は物流会社ではありませんが、倉庫の搬送設備づくり・多店舗展開を行うクリーニング企業の本部業務・電話とFAX中心の受発注という、物流の本部業務とよく似た現場を担っています。同じ構造の業務がどう変わったかという視点でご覧ください。

ホクショー株式会社 様|Excel業務が1時間→10分に

ホクショー株式会社様の生成AI導入事例

石川県金沢市に本社を構える創業73年・従業員350名のメーカーで、主力製品の「垂直搬送機」は物流センターや工場内でフロアをまたいで物品を自動搬送する設備です。導入前は「生成AI=画像やイラスト」の印象が強く業務活用のイメージが湧かず、他部署の業務も見えづらい状態でした。弊社の法人リスキリング研修(短編動画での学習+部署横断ワークショップ)を受講いただいています。

業務導入前導入後
Excelマクロ・関数の作成マニュアルを確認して都度書き直し作業時間が約80%短縮(1時間→10分)
社内文書・メール作成—効率化と品質向上を両立
部署間のナレッジ共有他部署の業務内容が見えづらいワークショップで知見が共有される状態に

参考:ホクショー株式会社 様 導入事例(デジライズ)

ロイヤルネットワーク株式会社 様|16時間の集計が1時間に

ロイヤルネットワーク株式会社様の生成AI導入事例

山形県に本社を置く創業65年の老舗クリーニング企業です。東日本エリアを中心に店舗を展開し、家庭向けのホームクリーニングに加えてリネンサプライなどの法人向けサービスも提供しています。受付や工場業務など幅広い職域を抱え、ITスキル差による属人化が課題でした。文書やメールの作成に時間がかかり、Excelの関数知識の偏りから集計作業も遅れていました。

業務導入前導入後
スプレッドシートの集計16時間1時間(ChatGPT×GAS連携)
提案書・会議資料の作成テンプレートを探す手間が発生目的と相手を入力するだけで短時間で高品質なひな形
顧客対応メール表現の正確性に個人差精度とスピードが向上し返信業務の負担が軽減

参考:ロイヤルネットワーク株式会社 様 導入事例(デジライズ)

九州SSK株式会社 様|半日の文章作成が数分に

九州SSK株式会社様の生成AI導入事例

1951年創立で、福岡県の本社を中心に九州内で7拠点を展開し、自動車部品・用品から整備工具までを扱う総合販売商社です。資料作成・議事録・メールといった文章業務の負担が大きく、一つの案件に半日を要することも珍しくありませんでした。業務の棚卸しや改善案も、社内だけの視点では発想がマンネリ化していたといいます。

業務導入前導入後
資料・議事録・メール作成半日を要することも数分でドラフトが完成
業務の棚卸し・改善案づくり社内の視点だけで発想が固定AIとの対話で新しい切り口が出せるように
社員のAIへの姿勢個人で無料版を触る程度「まず触ってみよう」という前向きな空気が定着

参考:九州SSK株式会社 様 導入事例(デジライズ)

事例と同じ研修の内容・進め方・料金は、サービス資料でご確認いただけます。

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こうした事例のように、自社の業務フローに合わせたAIチャットボットやカスタムAIシステムを構築したい場合は、弊社デジライズのAIコンサルティング&開発サービスで設計から開発まで支援しています。

物流現場で今すぐ使えるプロンプト5選

物流現場で今すぐ使えるプロンプト5選

ここからは、物流・運送業の現場で実際に使えるプロンプトを5つ紹介します。コピペして、あなたの職場の荷主名・ルート・状況に置き換えて使ってみてください。扱うのは次の5場面です。

  1. 配車変更の荷主向け連絡文 — 急な受注変動・車両トラブル・欠勤への対応
  2. 月次運送実績レポートのサマリー — 荷主向けの定期報告
  3. 事故・トラブル発生時の報告書 — 社内向けと荷主向けを同時に作る
  4. 改善基準告示チェック補助 — 乗務スケジュールの事前確認
  5. ドライバー向け安全教育資材 — ヒヤリハットの横展開

プロンプト①:配車変更の荷主向け連絡文作成

使用場面: 急な受注変動・車両トラブル・ドライバー欠勤で配車を変更する時

あなたは物流・運送業の配車管理担当者を支援するアシスタントです。
以下の配車変更情報をもとに、荷主向けの連絡文を作成してください。

# 変更情報
- 対象日:{日付}
- 荷主名:{会社名}
- 変更の種類:{配送時間変更 / 車両変更 / 数量変更 / その他}
- 変更の理由:{理由を簡潔に}
- 変更後の内容:{変更後の配送時間・車両・数量など}

# 条件
- 敬語(丁寧語)のビジネス文書
- お詫びの一言を含める
- 変更後の対応内容を明確に伝える
- 次のアクション(確認電話が必要か等)を明示する

文書は件名から本文まで完成形で作成してください。

プロンプト②:月次運送実績レポートのサマリー作成

使用場面: 荷主向けの月次実績報告書を作成したい時

あなたは物流会社の営業・業務管理を支援する専門家です。
以下の月次データをもとに、荷主向けの実績報告書を作成してください。

# 対象月と荷主情報
- 対象月:{年月}
- 荷主名:{会社名}

# 実績データ
- 総運送件数:{N}件
- 定時配達率:{%}(前月比 ±{%})
- 事故・クレーム件数:{N}件
- 特記事項:{あれば記載}

# 出力形式
1. 月次サマリー(200字以内)
2. 前月比較と主要指標の評価
3. 改善実施内容(あれば)
4. 来月の取り組み方針(3点)
5. 請求関連の補足(あれば)

荷主が短時間で全体像を把握できる構成でお願いします。

プロンプト③:事故・トラブル発生時の報告書作成

使用場面: 交通事故・荷物破損・遅延が発生した時、荷主や社内への報告書を素早く作成したい

あなたは物流会社の運行管理者を支援する専門家です。
以下のトラブル情報をもとに、社内報告書と荷主向け報告書の2種類を作成してください。

# トラブル概要
- 発生日時:{日付・時刻}
- 発生場所:{場所}
- ドライバー名(イニシャルでも可):{名前}
- トラブルの種類:{交通事故 / 荷物破損 / 大幅遅延 / その他}
- 経緯:{時系列で簡潔に}
- 現在の対応状況:{対応済み / 対応中 / 未対応}

# 出力形式
【社内報告書】
- 発生状況・原因・影響範囲・対応内容・再発防止策

【荷主向け報告書】
- お詫び + 発生状況(簡潔)+ 対応内容 + 再発防止策
- 荷主が次のアクションを取りやすい構成で

両方とも事実のみを記載し、責任逃れの表現を避けてください。

プロンプト④:改善基準告示チェック補助

使用場面: ドライバーのシフト・乗務スケジュールが労働規制に適合しているか確認したい時

あなたは物流会社の運行管理業務を支援する専門家です。
以下のドライバーの勤務スケジュールについて、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示、令和6年4月1日適用)」に基づくチェックを行ってください。

# ドライバーのスケジュール
- 前日・当日・翌日の始業/終業時刻:{時刻}
- 当日の休憩時間:{合計時間}
- 連続運転の中断時刻と各中断時間:{時刻・時間}
- 直近2日の運転時間/直近2週間の運転時間:{時間}
- 当月の拘束時間累計/年間の拘束時間累計:{時間}
- 36協定で定めた1年の起算日:{年月日}
- その起算日からの時間外労働累計と残りの勤務計画:{時間}
- 例外的な取扱いの適用有無:{あり/なし・内容}

# チェック項目
1. 拘束時間(1日・1か月・1年)の超過有無
2. 休息期間の確保
3. 運転時間(2日平均の1日・2週平均の1週)と連続運転時間
4. 労働基準法上の時間外労働(36協定で定めた1年につき上限960時間)の見通し ※改善基準告示の拘束時間とは別の管理項目

違反または懸念がある場合は理由と対処法を具体的に教えてください。
入力データが足りない項目は推測せず「判定不可」と明記してください。
※最終判断は必ず運行管理者・社労士が行ってください。

プロンプト⑤:ドライバー向け安全教育資材の作成

使用場面: 社内の安全教育・ヒヤリハット事例の共有資材を作りたい

あなたは物流会社の安全管理担当者を支援する専門家です。
以下のヒヤリハット事例をもとに、ドライバー向けの安全教育資材を作成してください。

# ヒヤリハット事例
{事例の概要を記入(場所・状況・対応・原因仮説)}

# 作成する資材
1. ヒヤリハット事例シート(A4 1枚)
   - 状況説明(イラスト代わりのテキスト説明を含む)
   - なぜ危なかったか(原因分析)
   - 正しい行動・予防策
   - 今後の確認ポイント

2. 朝礼用スクリプト(3分以内)
   - ドライバーへの伝え方(話しかけるような口調で)

現場のドライバーが「明日から気をつけよう」と思える内容にしてください。

配車・倉庫管理・荷主折衝・ドライバー教育など、部署別のプロンプトをスクリーンショット付きでもっと見たい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

物流・運送業×生成AI プロンプト&スクショ事例15選|現場ですぐ使える部署別テンプレート

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倉庫・工場側の業務で使えるプロンプトも見たい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

製造業のAI活用事例15選|現場でそのまま使える生成AIプロンプト付き

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物流業での生成AI導入ロードマップ

物流業での生成AI導入ロードマップ

進め方の目安を3フェーズで示します。期間はあくまで目安で、社内の体制や人数によって前後します。

フェーズ期間の目安やること確認する指標
10〜3ヶ月「書く仕事」から始める管理者が週1回、使えた事例を共有できているか
23〜6ヶ月部門別テンプレートと法人契約の整備月次報告書・荷主連絡文の作成工数
36ヶ月〜業務プロセスへの組み込み転記・集計作業がどれだけ消えたか

フェーズ1(0〜3ヶ月):「書く仕事」から始める

対象は荷主への連絡文・月次報告書・事故報告書・安全教育資材です。ツールは ChatGPT か Claude のどちらか1つに絞り、複数を並行導入しないほうが定着します。

同時に、荷主名・住所・物量を入力しないという匿名化ルールを1枚紙にして周知します。使い方より先に「入れてはいけないもの」を配るのが、現場が安心して触り始めるコツです。

フェーズ2(3〜6ヶ月):部門別テンプレートと法人契約の整備

  • 営業・配車・運行管理・安全管理の部門別プロンプト集を整備する
  • 個人向けプランから法人向けプランへ移行し、社内情報を扱える体制を整える
  • 物流効率化法の中長期計画・定期報告のひな形をAIで下書きできる状態にしておく
  • 月次報告書と荷主連絡文の作成工数を記録し、削減量を可視化する

フェーズ3(6ヶ月〜):業務プロセスへの組み込み

  • TMS・WMSとのAPI連携で、データ取得→要約・分析→報告書生成までをつなぐ
  • 配車・バース予約などの物流SaaSと組み合わせ、手元のデータを分析に回す
  • 優良プロンプトをチームで共有し、ドライバー教育・運行管理の手順を標準化する

荷主側(小売・流通)が物流にどんなAI活用を求めているかを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【2026年最新】小売業×生成AI 完全ガイド|業務別ユースケース・大手事例&プロンプト5選

【2026年最新】小売業×生成AI 完全ガイド|業務別ユースケース・大手事例&プロンプト5選

ここまで読んで「自社の業務にどう取り入れるか、社内でどう広げるかを具体的に考えたくなった」方へ。法人向けAI研修の導入社数No.1*の弊社デジライズが、生成AIの基礎知識から社内導入の6ステップ・定着のポイントまでを1冊にまとめた「はじめての生成AI社内導入ガイド」を無料で配布中です。

※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)

まとめ:物流の生成AI活用は「本部の文書業務から」始める

まとめ:物流の生成AI活用は「本部の文書業務から」始める

大手の公開事例では、問い合わせ対応・伝票入力・出荷予測・在庫分析など複数の領域でAI活用が進んでいます。そのうえで、生成AIを小さく始めるなら、システム連携を要しにくい連絡文や報告書などの文書業務から手をつけるのが現実的だと私は考えています。

この記事の要点は次の3つです。

  1. 輸送力不足はまだ続く — 2030年度に平均で約7%〜最大で約25%の輸送力不足が生じうると国土交通省の検討会が試算している
  2. 最大の壁は人材だが、それだけではない — AI活用は36.6%にとどまり、「使いこなせる人材がいない」50.4%に加えて「効果が見えにくい」47.4%、「ツール選定が難しい」38.1%も上位
  3. 先に決めるのは社内ルール — 荷主情報の入力可否と法人向けプランへの移行を決めてから、現場に配る

半日かかっていた文章作成が数分のドラフトに変わった事例があるように、文書作業を圧縮できれば、その分を現場サポートやドライバーとの対話に回せます。まずは来週の荷主向け連絡文を1通、AIに下書きさせるところから始めてみてください。

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。