チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

「生成AIが便利なのは分かるけど、製造の現場で具体的にどう使えばいいの?」
「品質管理や生産管理にChatGPTを使ってみたいけど、何を入力すればいいのか分からない」

製造業の現場では、生成AIの便利さは知られていても「自分の業務でどう入力すればいいか」で止まってしまうケースが目立ちます。私自身、たくさんの製造業の方とお話しするなかで、「画像検査や予知保全のような大がかりなAIは知っているけれど、日々の報告書づくりや技術の引き継ぎに使えるとは思っていなかった」という声を何度も聞いてきました。

そこでこの記事では、品質管理・生産管理・設備保全・技能伝承・調達事務・食品製造という製造業のあらゆる現場で、明日からそのままコピーして使える生成AIの活用事例を15個、プロンプトの全文つきで紹介します。それぞれ「どんな場面で使うか」「入力するプロンプト」「AIから返ってくる出力イメージ」の3点セットで載せているので、読みながら手元のChatGPTに貼り付けて試せます。

さらに後半では、プロンプト単発の使い方から一歩進んで、現場の日報を自動で要約して翌朝の申し送りに変える「ワークフロー」の考え方も紹介します。「プロンプトひとつでここまでできるんだ」「仕組みにすればもっと楽になるんだ」という実感を持ち帰ってもらえれば嬉しいです。

なお、本記事のプロンプトはChatGPTを前提に紹介しますが、基本的な構成はGemini(ジェミニ)など他の生成AIにもそのまま転用できます(出力の形式や細かな使い勝手はサービスごとに異なります)。

製造業のAI活用はどこまで来ているか

製造業のAI活用はどこまで来ているか

製造業のAIと聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは「画像で外観検査をするAI」や「センサーで故障を予知するAI」ではないでしょうか。これらは従来から使われてきた”見分ける・予測する”タイプのAIで、専用の設備投資や長い開発期間が必要になることが多いものです。

一方で、この記事で扱う生成AI(ChatGPTなど)は、文章を読んで・書いて・整理するのが得意なAIです。不良の原因分析レポート、作業標準書、点検手順、ベテランの技術のマニュアル化、サプライヤーへのメール——こうした「これまで人が時間をかけて書いていた文書」を、下書きレベルまで一気に肩代わりしてくれます。設備投資はいりません。ブラウザでChatGPTを開くだけで、今日から始められます。

先行している企業の動きを1つだけ紹介します。パナソニック コネクトは、複数の大規模言語モデルを活用した自社向けAIアシスタント「ConnectAI」を国内全社員約11,600人に展開し、2024年の実績として年間44.8万時間(前年比2.4倍)の労働時間削減を達成したと発表しています(出典:パナソニック ニュースルーム ジャパン(2025年7月7日))。規模こそ大きいですが、その中心にあるのは「文書作成・情報整理をはじめとする日々の業務をAIに任せ、人は判断とものづくりに集中する」というシンプルな考え方です。そしてこれは、あなたが今日ChatGPTに1つプロンプトを入れるところから始められることばかりです。

ここから紹介する15個のプロンプトには、主に架空の部品メーカー「株式会社ミナト製作所(従業員130名/自動車部品のプレス加工・切削加工)」のサンプルデータを使っています。会社名・工程名・数字を自社のものに置き換えるだけで、そのまま実務で使えます。うまく使うコツは3つだけです。

  1. 自社の業務データを組み込む — サンプルの製品名・工程名・数字を自社の実データに置き換えるだけで、一般論から自社特化の回答に変わります。
  2. 出力形式を指定する — 「表形式で」「A4 1枚に収まる分量で」「箇条書き5項目で」と指定すると、そのまま社内資料に使える形で返ってきます。
  3. 1回で完璧を求めず対話で磨く — 出力を見て「○○工程の条件も考慮して」と追加指示すれば、現場に即した内容に近づきます。

あわせて、使う前の安全ルールも3つだけ決めておいてください。この記事のすべてのプロンプトに共通する前提です。

  1. 機密を入れない — 顧客名・図面・未公開仕様はプロンプトに含めない(サンプルは架空データに置き換える)
  2. 数値・基準を推測させない — 入力していない公差・規格値・安全基準をAIに補完させない。出てきた数値は「要確認」として扱う
  3. 正式文書は人が承認 — AIの出力はたたき台。品質・安全・法令に関わる文書は、必ず担当部門の承認を経てから正式化する

【品質管理】そのまま使えるプロンプト3選

【品質管理】そのまま使えるプロンプト3選

品質管理は、製造業の中でも「報告書を書く」「原因を整理する」場面が最も多い領域です。不良が出るたびに原因分析レポート、是正処置の記録、検査基準書——どれも生成AIが得意とするところ。まずは品質管理の3つのプロンプトから見ていきましょう。

①不良原因分析レポートを作る

どんな場面で使うか:品質不良が発生した際に、なぜなぜ分析や4M分析を踏まえた原因分析レポートのドラフトを素早く作りたいとき。

# 指示
あなたは製造業の品質管理を支援する専門家です。
以下の不良品情報から、原因分析レポートのドラフトを作成してください。

# 不良概要
・製品名:ブラケット部品(プレス加工品)
・不良内容:寸法不良(穴位置の公差外れ)
・発生日:2026年○月○日
・発生数量:50個 / ロット500個(不良率10%)
・発見工程:出荷前検査

# 製造条件
・使用設備:プレス機A(稼働年数8年)
・金型:No.123(前回メンテナンス:3ヶ月前)
・材料ロット:LOT-2026-XXX
・作業者:ベテラン担当者A

# 分析の視点
1. なぜなぜ分析(5Why)
2. 4M分析(Man / Machine / Material / Method)
3. 過去の類似不良との比較の観点
4. 推定される真因
5. 暫定対策と恒久対策の提案

# 出力形式
・各項目を3〜5行で簡潔にまとめる
・具体的な数値や事実を明記する
・対策は優先度付きで3つ以上提案する

出力イメージ(ChatGPTから返ってくる内容の抜粋):

なぜなぜ分析(5Why) – なぜ穴位置が公差外れになったか → 金型の位置決めピンに摩耗があった – なぜピンが摩耗したか → 前回メンテから3ヶ月、加工数が想定を上回っていた – なぜ想定を上回ったか → 増産に伴い金型のメンテ基準が加工数に追いついていなかった

>

推定される真因:時間基準のメンテナンス計画が、増産時の加工数増加に対応できていなかった

>

恒久対策(優先度順) 1. 金型メンテを「期間基準」から「加工ショット数基準」に変更 2. 位置決めピンの摩耗を定期測定し、交換基準を数値化 3. 増産時のメンテ前倒しルールを標準に追記

ポイント:情報を多く与えるほど、的を射た回答が返ってきます。ただしAIの分析は「たたき台」です。出力された真因は必ず現場の実態と照合し、現場の知見を足して最終化してください。責めるための書類ではなく、再発を防ぐための書類にするのがコツです。

②是正・予防措置つきの品質会議議事録を作る

どんな場面で使うか:週次の品質会議の議事録を、決定事項と是正・予防措置(CAPA)の進捗管理まで含めて作りたいとき。

# 指示
あなたは製造業の品質管理を支援するアシスタントです。
以下の品質会議のメモから、是正・予防アクションを明確にした議事録を作成してください。

# 会議情報
・会議名:週次品質会議
・日時:2026年○月○日 10:00〜11:00
・出席者:品質管理課長、製造課長、技術課長、保全係長
・議題:先週の品質実績と是正措置の進捗確認

# 会議メモ
(ここに会議中のメモや音声の文字起こしを貼り付け)

# 議事録の構成
1. 会議概要(日時・出席者・議題)
2. 品質実績報告の要約(不良率・クレーム件数・重大不具合の有無)
3. 是正措置(CA)の進捗
   | 発生日 | 不良内容 | 原因 | 対策 | 担当 | 期限 | 状況 |
4. 予防措置(PA)の進捗
   | 対象リスク | 予防策 | 担当 | 期限 | 状況 |
5. 本日の決定事項(5W1Hで明記)
6. 新規の宿題事項と次回の確認事項

# 出力条件
・決定事項は太字で強調
・期限切れ・遅延は目立つ表記にする
・状況は「完了 / 進行中 / 未着手 / 遅延」で分類
・是正/予防措置は表形式で一覧化

出力イメージ(是正措置の表の抜粋):

| 発生日 | 不良内容 | 原因 | 対策 | 担当 | 期限 | 状況 | |—|—|—|—|—|—|—| | 6/12 | 穴位置ずれ | 金型ピン摩耗 | ショット数基準メンテへ変更 | 保全A | 7/5 | 進行中 | | 6/20 | バリ残り | 刃具摩耗 | 交換周期の見直し | 技術B | 6/30 | 遅延 |

>

本日の決定事項:バリ残り対策の遅延について、製造課が応援を出し7/3までに完了させる(担当:製造課長)。

ポイント:製造業の品質会議で大事なのは、単なる議事録ではなく「是正・予防措置の進捗が追える」ことです。決定事項を5W1Hで明確化し、次回に確認すべき宿題を可視化すると、PDCAが回る議事録になります。前回の議事録も一緒に貼り付ければ、「先週決めた対策がどうなったか」まで自動で追いかけてくれます。

③検査基準書のドラフトを作る

どんな場面で使うか:新製品や工程変更に伴う検査基準書を、抜けなく効率的に作りたいとき。

# 指示
あなたは製造業の品質保証部門を支援する専門家です。
以下の製品情報をもとに、検査基準書のドラフトを作成してください。

# 製品情報
・製品名:樹脂成形部品(筐体カバー)
・図面番号:DWG-2026-XXX
・材質:ABS樹脂
・主要寸法:200mm × 150mm × 30mm
・用途:産業機器の外装部品

# 検査基準書の構成
1. 適用範囲
2. 外観検査基準(傷・汚れ・変色・バリ等)
3. 寸法検査基準(重要寸法の公差と測定方法)
4. 機能検査基準(嵌合・組立性等)
5. 検査頻度と抜取方式
6. 不良判定基準と処置
7. 記録様式

# 出力条件
・基準値は、この情報に含まれる値・図面や顧客要求で指定された値のみ記載する
・提供されていない公差・基準値・検査頻度は推測せず「要入力」と表示し、確認先(顧客図面・検査仕様書など)を添える
・検査方法と使用測定器を明記
・限度見本の要否を判断
・表形式で見やすく整理

出力イメージ(寸法検査基準の抜粋):

| 検査項目 | 基準値 | 測定器 | 頻度 | |—|—|—|—| | 全長 | 要入力(顧客図面の指定値) | ノギス | 要入力(抜取方式は品質保証部門が指定) | | 取付穴位置 | 要入力(顧客図面の指定値) | 要入力(測定器は検査仕様書で指定) | 要入力 | | 外観(傷・変色) | 限度見本を参照 | 目視(照明条件を指定) | 要入力 |

>

限度見本の要否:外観(変色・ウェルドライン)は言葉で表現しにくいため、限度見本の作成を推奨します。

ポイント:公差や基準値は顧客図面・規格で決まるものなので、AIに作らせてはいけません。このプロンプトの価値は、「どの項目に基準が必要か」の抜けを可視化してくれることです。「要入力」の欄を顧客図面・検査仕様書で埋め、品質保証部門でレビューしてから確定してください。「うちの過去の不良で多いのは○○」という情報を足すと、その項目の検査が手厚い基準書になります。

【生産管理】そのまま使えるプロンプト3選

【生産管理】そのまま使えるプロンプト3選

生産管理は「情報を集めて、整理して、関係者に伝える」仕事の連続です。日報の集約、急な計画変更への対応、交代時の引き継ぎ——どれも生成AIが力を発揮します。ここでは3つ紹介します。

④生産日報を要約して申し送りを作る

どんな場面で使うか:複数ラインの生産日報を集約し、翌朝の朝礼や次シフトへの申し送りに使える要約を作りたいとき。

# 指示
あなたは製造業の生産管理を支援するアシスタントです。
以下の複数ラインの生産日報から、翌朝の朝礼で使う「申し送りサマリー」を作成してください。

# 本日の生産日報
・組立ライン1:計画500台 / 実績480台(達成率96%)。15:00に搬送コンベア停止で20分ロス。
・組立ライン2:計画300台 / 実績310台(達成率103%)。特記なし。
・検査工程:不良12件(うち寸法不良8件・外観不良4件)。ライン1の寸法不良が増加傾向。
・設備:ライン1の第3ステーションで異音の報告あり(保全へ連絡済み)。

# 申し送りサマリーの構成
1. 本日の生産実績(ライン別・達成率)
2. 発生した問題と対応状況
3. 明日への引き継ぎ事項(優先度順)
4. 注意して見てほしいポイント

# 出力条件
・朝礼で1分で読み上げられる分量
・数字は具体的に
・「誰が何をするか」が分かる引き継ぎにする

出力イメージ(抜粋):

本日の実績:ライン1は96%(搬送停止で20分ロス)、ライン2は103%。全体はほぼ計画どおり。

>

明日への引き継ぎ(優先度順) 1. ライン1第3ステーションの異音 → 保全が朝一で点検。稼働前に確認を。 2. ライン1の寸法不良が増加傾向 → 金型・刃具の状態を始業前チェック。

>

注意ポイント:ライン1は不良・設備の両面で要注意。無理な挽回運転は避ける。

ポイント:日報は「書いて終わり」になりがちですが、AIを使えば複数ラインの情報を横断して「明日、誰が何を見ればいいか」まで整理できます。毎日同じ書式で日報を貼り付ければ、要約の精度も安定します。この使い方は後半の「ワークフロー」章で自動化まで踏み込みます。

⑤生産計画調整の叩き台と影響整理を作る

どんな場面で使うか:急な受注変動や設備トラブルで、関係部門との調整会議の準備を素早く整えたいとき。

# 指示
あなたは製造業の生産管理を支援するアシスタントです。
以下の状況をもとに、生産計画調整の「叩き台」と「関係部門への影響」を整理してください。
※最適解の計算ではなく、調整会議の準備資料として使います。

# 現状
・対象期間:来週(月〜金)
・対象ライン:組立ライン1・2
・稼働シフト:2交代(8時間 × 2)
・現在の計画:製品A 500台、製品B 300台

# 変動要因
・新規受注:製品C 200台(納期:金曜)
・設備トラブル:組立ライン1が火曜午前に4時間停止予定

# 制約条件
・製品Aの納期は木曜で変更不可(顧客確定納期)
・製品Bは±20%調整可能(在庫補充用)
・残業は1日2時間まで(労使協定上限)
・外注は製品Bのみ対応可能

# 出力形式
1. 調整の方向性を3パターン提示(概算レベル)
2. 各パターンで影響を受ける部門と確認事項(営業/調達/物流/人事)
3. 調整会議で決めるべき論点リスト
4. 見落としがちなリスク要因

出力イメージ(抜粋):

パターンB:製品Bを外注に一部振り、ライン2で製品Cを前倒し生産 – 調達:外注先の受け入れ可否と材料手配を金曜納期から逆算して確認 – 物流:製品Cの出荷枠を金曜午後に確保できるか – 人事:ライン2の残業2時間×2日の承認

>

見落としがちなリスク:外注品の受入検査に要する時間を計画に織り込めているか。

ポイント:生成AI単体では、すべての制約を満たす最適解や実現可能性までは保証できません。ここでの役割は「複数案の叩き台」と「関係部門への影響の洗い出し」に限定し、最終判断は生産管理担当と関係部門の協議で行ってください。制約条件を明文化して入力すると、AIが的外れな案(=ハルシネーション)を出すのを防げます。

⑥交代・引き継ぎメモを整える

どんな場面で使うか:交代勤務の引き継ぎや、休暇に入る前の業務引き継ぎメモを、抜けなく分かりやすくまとめたいとき。

# 指示
あなたは製造現場の引き継ぎを支援するアシスタントです。
以下のメモを、次の担当者が迷わず動ける引き継ぎ書に整えてください。

# 引き継ぎ元のメモ(走り書き)
・ライン1、午後から調子悪い。第3ステーションの締め付けトルクがたまに低く出る。とりあえず手締めで対応中。保全に見てもらう予定だけどまだ来てない。
・材料、あと2ロットで切れる。発注はかけたけど入荷は明後日。
・A社向けの出荷、明日10時のトラック。検品まだ半分。
・新人の田中さん、工程2まではOK。工程3はまだ一人にしないで。

# 出力してほしいもの
1. 申し送り事項(緊急度:高→低で並べる)
2. 「次の担当者がやること」チェックリスト
3. 判断を止めておくべき事項(勝手に進めてはいけないこと)

# 出力条件
・走り書きの内容を正確に反映(情報を足したり削ったりしない)
・専門用語はそのまま、曖昧な表現だけ明確化

出力イメージ(抜粋):

申し送り事項(緊急度:高→低) 1. ライン1第3ステーションのトルク低下 → 現在は手締めで応急対応。保全の点検待ち。稼働継続の可否は保全確認後に判断。 2. A社向け出荷(明日10時)→ 検品が半分。今シフト中に残り半分を完了させる必要あり。

>

判断を止めておくこと – 新人・田中さんの工程3の単独作業は不可(工程2までは可)。

ポイント:引き継ぎの事故は「言った・言わない」から起きます。走り書きのメモをAIに整えさせるだけで、緊急度順・やることリスト・止めておくことが明確になります。ここで大切なのは「情報を足させない」こと。プロンプトに「メモの内容を正確に反映し、勝手に補完しない」と明記しておきましょう。

ここまで品質管理・生産管理での使い方を見てきました。「現場ひとりの効率化」から「部門・会社としての活用」へ広げるとき、多くの企業がつまずくのが「何から整えればいいか」という全体設計です。弊社デジライズは、法人向けAI研修の導入社数No.1*として、製造業を含む多くの企業のAI活用を支援してきました。研修の内容・進め方・料金は、サービス資料でまとめてご確認いただけます。

※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)

【設備保全】そのまま使えるプロンプト2選

【設備保全】そのまま使えるプロンプト2選

設備保全は、記録が命の領域です。溜まった保全ログを分析に活かしたり、点検の抜けをなくす手順書を作ったり——生成AIは「記録を読み解く」「手順に落とす」のが得意です。ここでは2つ紹介します。なお、センサーで故障を予知するタイプの予知保全は専用のシステムが担う領域で、ここで紹介するのは「人が書いた記録・手順を整理する」使い方です。

⑦保全ログを分析して傾向レポートを作る

どんな場面で使うか:設備の保全履歴から故障の傾向を読み取り、予防保全の計画づくりに活かしたいとき。

# 指示
あなたは製造業の設備保全を支援するアナリストです。
以下の保全ログから、設備の傾向分析レポートを作成してください。

# 設備情報
・設備名:NC旋盤 A-001
・導入年:2019年
・稼働時間:約25,000時間

# 保全ログ(直近6ヶ月)
・6/15:主軸モーター異音 → ベアリング交換
・8/20:切削油ポンプ故障 → ポンプ交換
・10/05:NC制御エラー → 基板交換
(実際のログをここに貼り付け)

# 分析の視点
1. 故障頻度と傾向(増加 / 減少 / 横ばい)
2. 故障パターンの分類(機械系 / 電気系 / 制御系)
3. 故障間隔の傾向
4. 推奨する予防保全項目
5. 部品の予備在庫の推奨リスト

# 出力条件
・グラフ化すべきデータを明示
・ログ件数が少なく傾向を断定できない場合は、その旨と追加で必要なデータを明示する
・稼働予定時間が分からない場合、次回点検時期は算出しない(「要データ」と表示)
・素人にも分かる言葉で

出力イメージ(抜粋):

故障パターンの分類:機械系2件(ベアリング・ポンプ)、電気/制御系1件。

>

傾向の判断:記録が3件のみのため、増加傾向かどうかの断定は保留します。判断には過去1〜2年分のログ、または同型の他号機との比較データが必要です。

>

推奨する予防保全 1. 主軸ベアリングの振動測定を月次で追加(異音→交換が発生しているため) 2. 切削油ポンプの予備を1台常備

>

次回点検の推奨時期:要データ(今後の稼働予定時間が分かれば算出できます)

ポイント:ここで注目してほしいのは、出力例のAIが「データが足りないので断定しない」と答えている点です。プロンプトにその条件を書いておけば、AIに無理な結論を出させずに済みます。設備固有の特性は、メーカーの保守マニュアルや過去の修理実績と照合して判断してください。ログの書式を統一しておくほど、分析の精度が上がります。

⑧点検チェックリスト・保守手順書を整える

どんな場面で使うか:メーカーのマニュアルや社内の安全基準に散らばっている手順を、現場で使いやすい手順書・チェックリストの形にまとめ直したいとき。

# 指示
あなたは製造業の設備保全マニュアル作成を支援するアシスタントです。
以下に貼り付けるメーカー保守マニュアルと社内安全基準の内容を、
読みやすい保守手順書と点検チェックリストに整形してください。
手順・安全確認の追加や省略、意味が変わる言い換えはしないでください。

# 対象作業
・設備名:射出成形機 B-003
・作業内容:金型交換作業
・所要時間の目安:60分
・作業者要件:保全担当(経験1年以上)

# 元にする資料(ここに該当部分の全文を貼り付け)
・メーカー保守マニュアルの金型交換ページ
・社内の安全作業基準(エネルギー遮断・施錠等の手順を含む)

# 手順書の構成
1. 安全注意事項(元資料の記載をそのまま転記)
2. 必要工具・器具リスト
3. 作業手順(ステップ・バイ・ステップ)
4. 品質確認ポイント
5. 作業完了後の確認事項

# 出力条件
・元資料にない手順・数値を追加しない。不足している項目は「要確認」と表示する
・危険作業には⚠️マークを付ける
・初心者でも理解できる平易な表現
・写真を撮っておくべき箇所を明示
・最後にチェックリスト形式の確認表を付ける

出力イメージ(チェックリストの抜粋・元資料からの転記で構成):

作業前チェック ☐ エネルギー遮断・施錠:社内安全基準の該当手順をそのまま転記 ⚠️ ☐ 金型・シリンダー周りの確認:メーカーマニュアルの指定手順を転記(記載のない項目は「要確認」と表示) ☐ 必要工具:メーカー指定リストを転記

>

作業後チェック ☐ 型締め力の設定値:メーカーマニュアルの指定値を転記 ☐ 試運転の確認手順:元資料の記載どおりに転記

ポイント:安全手順は、AIにゼロから「発明」させてはいけない領域です。必ずメーカーのマニュアルと社内の安全基準を渡し、AIの役割は整形と抜けの可視化に限定してください。そのうえで、完成した手順書は実機での確認と安全管理部門のレビューを経てから正式化します。既存の手順書を貼り付けて「読みにくい箇所・曖昧な表現を指摘して」と頼む使い方も有効です。

【技能伝承・ナレッジ化】そのまま使えるプロンプト3選

【技能伝承・ナレッジ化】そのまま使えるプロンプト3選

ベテランの退職と若手の育成は、製造業で最も切実な課題のひとつです。「頭の中にある技術」をどう組織に残すか——生成AIは、この技能伝承を強力に後押しします。ここでは3つ紹介します。

⑨ベテランのノウハウを文書化する

どんな場面で使うか:熟練作業者の暗黙知(勘・コツ)を、インタビューをもとに教育資料に落とし込みたいとき。

# 指示
あなたは製造業の技能継承を支援する専門家です。
以下のベテラン作業者へのインタビュー内容から、ノウハウ文書を作成してください。

# インタビュー対象
・作業者:勤続35年の溶接工
・専門領域:TIG溶接(ステンレス・アルミ)
・担当製品:精密機器の筐体

# インタビュー内容
(ここにインタビューの文字起こしを貼り付け)

# 文書化の構成
1. ノウハウ概要(何ができるようになるか)
2. 作業の勘所(五感で判断しているポイント)
3. 失敗しやすいポイントと対処法
4. 品質を左右する重要パラメータ
5. 習得ステップ(初心者→中級→上級)

# 出力条件
・「〇〇の音がしたら」「△△の色になったら」など感覚的な表現を具体化する
・写真・動画を撮っておくべきポイントを明示
・チェックリスト形式で自己評価できる構成にする

出力イメージ(作業の勘所の抜粋):

溶融池の見方:アークを当てて溶融池が「鏡のように光る」状態が適温。白く濁ってきたら入熱過多のサイン。動画で30秒だけでも記録しておくと、言葉より伝わります。

>

失敗しやすいポイント:アルミは酸化被膜の除去が甘いとブローホールが出やすい。溶接前のワイヤーブラシがけを習慣に。

ポイント:暗黙知の文書化は、ベテラン本人との複数回の確認が不可欠です。「AIが作った文書」をベテランに見せて、「ここは違う」「これも足して」と修正を繰り返すと、一気に精度が上がります。ベテランに一から書いてもらうのはハードルが高くても、「AIの下書きを直す」なら協力を得やすいのも利点です。

⑩作業標準書(SOP)のドラフトを作る

どんな場面で使うか:作業手順を標準化し、誰でも同じ品質で作業できるようにしたいとき。

# 指示
あなたは製造業の作業標準化を支援する専門家です。
以下の情報をもとに、作業標準書(SOP)のドラフトを作成してください。

# 対象作業
・作業名:外観検査作業
・対象製品:プラスチック成形品(家電部品)
・標準作業時間:1個あたり30秒

# 現状の作業内容
(作業観察の記録や作業者へのヒアリング内容を貼り付け)

# SOPの構成
1. 目的と適用範囲
2. 必要な設備・工具・保護具
3. 作業手順(番号付きステップ)
4. 良品/不良品の判定基準
5. 異常時の対応フロー
6. 記録方法

# 出力条件
・1ステップ1アクションの原則
・写真を撮る箇所を【PHOTO】で明示
・各ステップに作業時間の目安を記載
・初心者が見ても迷わない表現

出力イメージ(作業手順の抜粋):

1. 製品を検査台に置き、照明の直下に構える(3秒)【PHOTO:正しい持ち方】 2. 表面を左上→右下へ一定の速さで目視(10秒) 3. 傷が疑われた箇所は限度見本と照合(5秒)【PHOTO:限度見本との比較】

>

判定基準:長さ0.5mm以上の傷、または指で触れて引っかかる傷は不良。

ポイント:SOPは、実際の作業者に試してもらってフィードバックを反映させると完成度が上がります。既存のSOPを貼り付けて「新人がつまずきそうな曖昧な表現を指摘して」と頼む使い方も便利です。

⑪社内ナレッジFAQを作る

どんな場面で使うか:現場でよくある問い合わせをFAQ化し、特定のベテランに質問が集中する状態を解消したいとき。

# 指示
あなたは製造業の社内ナレッジ管理を支援する専門家です。
以下の問い合わせ履歴から、現場で使えるFAQを作成してください。

# 対象領域
・部門:製造部
・カテゴリ:設備トラブル対応

# 問い合わせ履歴
(過去の問い合わせ内容と回答を貼り付け)

# FAQの構成
・Q:質問(現場作業者が使う言葉で)
・A:回答(手順を含む具体的な内容)
・参考:関連マニュアルや問い合わせ先
・キーワード:検索用タグ

# 出力条件
・1つのFAQで1つの問題を解決
・専門用語には補足説明を付ける
・緊急度や頻度でカテゴリ分類

出力イメージ(抜粋):

Q. 成形機のヒーターが昇温しないときは? A. まず①ブレーカー、②ヒーター断線、③熱電対の接続、の順で確認します。①②は保全へ連絡、③は自分で挿し直して再起動。5分待っても昇温しなければ保全(内線123)へ。 キーワード:成形機/昇温不良/ヒーター

ポイント:FAQは「問い合わせの多いもの」から作るのが鉄則です。件数の多い項目から着手すると効果を測りやすく、現場の体感も早く変わります。作ったFAQを社内チャットや検索ツールに載せれば、さらに効率的です。

こうした技能伝承の取り組みは、製造の現場に限りません。オリジナル商品を開発し、自社の実演販売士が全国の売場で販売する株式会社コパ・コーポレーション様(東証グロース上場)では、属人化していた実演販売の口上や商品開発のノウハウを生成AIで可視化し、チャットボットによる社内教育の平準化と新人育成の高速化に取り組まれています。また、観光牧場「酪農王国オラッチェ」を運営しクラフトビールなどの製造も手がける酪農王国株式会社様では、属人化していた製造工程のマニュアルをAIでドラフト化し、紙で保管されていた旧マニュアルをスキャンしてAIに読み込ませ再編集する取り組みが始まっています。現在ではほぼすべての社員が週2〜5日の頻度でAIを業務に取り入れているそうです。

【調達・Excel事務】そのまま使えるプロンプト2選

【調達・Excel事務】そのまま使えるプロンプト2選

調達・購買や事務の仕事は、評価レポート、メール、Excelの集計——地味だけれど時間を食う作業の宝庫です。ここは生成AIの効果が最も分かりやすく出る領域でもあります。2つ紹介します。

⑫サプライヤー評価と発注・督促メールを作る

どんな場面で使うか:取引先の定期評価をまとめ、続けて発注や納期督促のメールまで一気に用意したいとき。

# 指示
あなたは製造業の調達・購買を支援するアシスタントです。
以下のデータをもとに、①サプライヤー評価レポートと、②評価を踏まえた取引継続の連絡メール、を作成してください。

# 評価対象
・サプライヤー名:○○製作所
・取引品目:切削加工部品
・取引期間:5年

# 評価データ
・納期遵守率:98.5%
・品質不良率:0.3%
・価格競争力:業界平均比 −5%
・問い合わせ回答:平均1.2日
・技術提案実績:年間3件

# 出力
① 評価レポート
   ・QCD(品質・コスト・納期)の評価
   ・前年比較と強み/弱み
   ・今後の取引方針の提案
② 連絡メール
   ・評価の総括を前向きに伝える
   ・来期の改善依頼を1点だけ丁寧に添える
   ・ビジネスメールとして失礼のない文面

出力イメージ(メールの抜粋):

件名:来期のお取引に関するご相談

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いつも大変お世話になっております。日頃より高い納期遵守率(98.5%)と安定した品質でご対応いただき、感謝申し上げます。来期も継続してお取引をお願いしたく存じます。つきましては、繁忙期の技術提案を今期以上にご相談させていただければ幸いです。

ポイント:サプライヤー評価は、定量データだけでなく現場担当者の定性評価も加味して総合判断してください。メールは「評価→依頼」の順で、感謝を先に置くと角が立ちません。督促メールも「催促」ではなく「確認のお願い」のトーンにすると関係を保てます。

⑬Excelの関数・集計・整形をAIに任せる

どんな場面で使うか:生産数や不良数の集計表を作りたいけれど、関数やピボットのやり方が分からないとき。

# 指示
あなたはExcelの業務効率化を支援する専門家です。
以下のやりたいことを実現する数式と手順を、初心者にも分かるように教えてください。

# 手元のデータ
・A列:日付、B列:ライン名、C列:生産数、D列:不良数

# やりたいこと
1. ライン別・月別の不良率(不良数 ÷ 生産数)を自動集計したい
2. 不良率が2%を超えたセルを自動で色付けしたい
3. 集計結果を上司に見せる表の体裁に整えたい

# 出力条件
・使う関数を具体的に(例:SUMIFS など)
・数式はコピペできる形で
・手順は番号付きで、どこをクリックするかまで

出力イメージ(抜粋):

1. ライン別・月別の不良率:ピボットテーブルが簡単です。データを選択 →「挿入」→「ピボットテーブル」。行に「ライン名」、値に「生産数」と「不良数」の合計を置き、不良率の列は =不良数合計/生産数合計 で算出します。 2. 条件付き書式:不良率の範囲を選択 →「ホーム」→「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「指定の値より大きい」→ 0.02 を入力。

ポイント:ChatGPTは公式アドインを使うとExcelの中から直接呼び出せます。関数の相談だけでなく、表の整形や文章の要約もExcel上で完結します。導入手順とExcel向けのプロンプトは、以下の記事で詳しく解説しています。

ChatGPTをExcelの中から直接使う方法を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ChatGPTがExcelで使えるように!公式アドインの導入手順と業務プロンプト7選

ChatGPTがExcelで使えるように!公式アドインの導入手順と業務プロンプト7選

こうしたExcel・事務の効率化は、食品を含むあらゆる製造業で成果が出ています。食品工場向けに賞味期限の延長や工場の安全性向上などのコンサルティングを手がける株式会社ダイケン商会様では、生成AIの活用で翻訳・要約作業が10分から3分に短縮、約70%の時間削減を実現。「まずはAIに聞く」という意識が社内に根付き、特定の担当者への問い合わせも大幅に減ったそうです。

【食品製造】そのまま使えるプロンプト2選

【食品製造】そのまま使えるプロンプト2選

食品製造は、レシピ・献立・衛生管理文書・食品表示など、「文章と数字を扱う業務」が特に多い分野です。ここでは食品工場・惣菜製造の現場で使える2つを、架空の惣菜メーカー「サンライズ食品株式会社(従業員80名)」を例に紹介します。

⑭献立・レシピの展開と分量計算の下準備をする

どんな場面で使うか:1ヶ月分の献立を考えたり、家庭向けレシピを大量調理向けに展開したりする作業のたたき台を作りたいとき。

# 指示
あなたは給食・惣菜製造の献立設計を支援する専門家です。
以下の条件で、1週間分の日替わり弁当の献立案を作成してください。

# 条件
・提供対象:企業の社員食堂(1日100食)
・予算:1食あたり材料費300円以内
・制約:主菜は肉・魚をバランスよく、金曜は揚げ物を1品
・栄養:1食あたり600〜750kcal、野菜120g以上
・避けたいこと:先月と同じ主菜の繰り返し

# 出力
1. 曜日別の献立(主菜・副菜2品・汁物)
2. 各献立のおおよそのカロリーの目安
3. 100食分に展開したときの主要食材の必要量の目安
4. 使い回せる食材の提案(食品ロス削減の観点)

# 出力条件
・「目安」であり最終的な栄養計算は専門スタッフが確認する前提と明記
・彩りが単調にならないよう配慮

出力イメージ(抜粋):

月曜:主菜=鶏の照り焼き(約380kcal)/副菜=ほうれん草の胡麻和え・切干大根/汁物=味噌汁 100食分の主要食材の目安:鶏もも肉 約13kg、ほうれん草 約6kg … 使い回し提案:月曜のほうれん草は水曜のおひたしにも活用可能。

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※上記は献立立案のたたき台です。最終的な栄養価・アレルゲン表示は専門スタッフがご確認ください。

ポイント:生成AIは献立の「発想の幅」を広げ、単調になりがちなメニューに新しい視点を足すのが得意です。ただしカロリーや分量は「目安」。最終的な栄養計算とアレルゲン確認は必ず専門スタッフが行ってください。

実際に、お弁当の製造・配達や社員食堂の運営を手がける株式会社Harapeco様では、慣習や経験に頼りがちだった1ヶ月分の献立作成に生成AIを取り入れ、経験に「新しい視点」を掛け合わせた献立づくりが可能になりました。さらに、手計算で専門スタッフに負荷が集中していた100人分へのレシピ展開や緊急時のカロリー算出を数秒で完了1〜2時間かかっていた盛り付け目安ポップの制作を10〜30分程度に短縮されています。

⑮食品表示・衛生管理文書のドラフトを作る

どんな場面で使うか:食品表示や、HACCPに関連する衛生管理の記録様式・手順書のドラフトを効率よく整えたいとき。

# 指示
あなたは食品製造の品質・衛生管理を支援する専門家です。
以下の情報をもとに、衛生管理の手順書と記録様式のドラフトを作成してください。

# 対象
・工程:惣菜の加熱・冷却工程
・管理したい危険:加熱不足による食中毒、冷却遅れによる菌増殖

# 手順書に含めたい要素
1. 管理すべきポイント(加熱温度・時間、冷却の温度帯と時間)
2. 測定方法と使用機器
3. 基準を外れたときの対応(逸脱時の措置)
4. 記録様式(誰が・いつ・何を記録するか)
5. 従業員への教育ポイント

# 出力条件
・表形式で管理基準を整理
・記録漏れが起きにくい様式にする
・「これは専門家(保健所・認証機関)の確認が必要」という箇所を明示

出力イメージ(管理基準の抜粋):

| 管理ポイント | 基準 | 測定方法 | 逸脱時の対応 | |—|—|—|—| | 中心加熱温度 | 75℃以上1分以上 | 中心温度計 | 再加熱し記録に残す | | 冷却 | 30分以内に20℃付近まで | 温度計・タイマー | 該当ロットを保留・責任者へ報告 |

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※上記の基準値は厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」に示された例です。取り扱う食材や自治体の指導により異なるため、最終的な基準は保健所・認証機関にご確認ください。

ポイント:食品表示や衛生管理は法令・規格に直結する領域です。AIのドラフトは「様式のたたき台」として使い、基準値の妥当性は必ず専門家や自治体の確認を経てください。「記録漏れが起きにくい様式にして」と頼むと、現場で実際に回る記録表になります。

【応用編】ワークフローで日報・申し送りを自動化する

【応用編】ワークフローで日報・申し送りを自動化する

ここまでは「ChatGPTに1つプロンプトを入れる」使い方でした。ただ、同じ処理を毎日手作業で繰り返しているなら、そこは自動化の対象になります。そこで一歩進んだ活用事例として、プロンプトを「仕組み」に組み込んで自動で動かすやり方を紹介します。

例として、プロンプト④で作った「生産日報の要約・申し送り」を自動化する仕組みを考えてみましょう。上の図がその全体像です。

流れはこうです。

  1. 各ラインの担当者が、スマホやタブレットのフォームから日報を入力する
  2. 入力内容がGoogleスプレッドシートに1行追加される
  3. その追加をきっかけに、Make(メイク/旧Integromat)またはGoogle Apps Script(GAS)が自動で起動する
  4. その日の全ラインの日報をまとめてプロンプトに差し込み、ChatGPTに渡す
  5. 「翌朝の申し送りサマリー」と「異常があった項目のアラート」が生成される
  6. 生成された内容が、翌朝の始業前に現場のチャット(Slack・Teams・LINE WORKSなど)へ自動で投稿される
  7. 管理者は投稿を確認し、必要なら朝礼で補足する

ポイントは、最終確認をするのは人間だということ。AIはあくまで「散らばった日報を、読める申し送りにまとめておく」ところまでを担います。担当者が毎晩集計に残業する必要も、翌朝バタバタと情報をかき集める必要もなくなります。

必要なものは、フォームやスプレッドシートといった普段使っているツールと、MakeやGASのような「アプリ同士をつなぐ仕組み」、そしてChatGPTのAPIです。難しいプログラミングを書かなくても、ノーコード寄りのツール(Make)を使えば、画面上でブロックをつなぐ感覚で組み立てられます。

この記事では作り方の手順やコードまでは踏み込みませんが、「プロンプト単発」から「業務が回る仕組み」へステップアップすると、集計・転記といった定型業務の手作業を大きく減らせます。

こういう仕組みを自分で作れるようになりたい方へ。 デジライズのAIスクールでは、プロンプトの実践から業務の自動化まで、手を動かしながら学べます。最新の活用ノウハウはLINEでも配信しているので、下のバナーからチェックしてみてください。

製造業で生成AIを使うときに気をつけたいこと

製造業で生成AIを使うときに気をつけたいこと

製造業のデータには、図面や品質データなど社外に出せない情報が多く含まれます。安心して「攻め」の活用を進めるために、押さえておきたい3つの注意点を整理します。

リスク1:図面・技術情報の機密管理

図面、製造条件、原価、顧客の要求仕様——これらは会社の競争力そのものです。外部のAIサービスに入力する場合、入力内容がAIの学習に使われない設定・契約になっているかを必ず確認しましょう。

  • 機密性の高い情報を扱うなら、入力内容が学習に使われないAPI版・法人向けプランの利用を検討する
  • 顧客の図面や仕様は、契約上AIへの入力が許されるかを確認する
  • 「AIに入力してよい情報/入力してはいけない情報」を社内で明文化する

リスク2:ハルシネーション(事実と異なる情報の生成)

生成AIは、もっともらしいけれど事実と異なる情報を出すことがあります。特に規格値・公差・法令に関わる数値は要注意です。

  • 検査基準・衛生基準・安全基準の数値は、必ず規格書や専門家の確認を経る
  • AIの出力は「たたき台」と位置づけ、そのまま正式文書にしない
  • 「AIが作ったから正しい」と鵜呑みにしない文化を組織で育てる

リスク3:従来AIとの役割分担を間違えない

外観検査や予知保全のような「見分ける・予測する」処理は、生成AI(ChatGPT)の役割ではなく、専用の画像認識・センサーAIが担う領域です。生成AIが得意なのは、あくまで文章を読む・書く・整理すること。最適化計算や精密な数値予測を生成AIに丸投げすると、それらしい誤った答えが返ってきます。「文書と整理は生成AI、検知と予測は専用AI」と切り分けることが、失敗しない第一歩です。

こうした注意点は、裏を返せば「社内でルールを決めておけば安心して使える」ということでもあります。プロンプトを個人で使うだけでなく、部門として成果を出すには、ガイドライン整備・メンバーへの展開・効果測定といった”仕組み化”が欠かせません。何から整えればいいか迷ったら、下の資料が導入の全体像をつかむ助けになります。

まとめ:まずは1つ、明日の業務で試してみよう

まとめ:まずは1つ、明日の業務で試してみよう

この記事では、品質管理・生産管理・設備保全・技能伝承・調達事務・食品製造の6領域で、そのまま使える生成AIの活用事例15個を、プロンプト全文と出力イメージつきで紹介しました。さらに応用編として、日報を自動で申し送りに変えるワークフローの考え方も見てきました。

製造業の仕事は「報告書を書く」「記録を整理する」「手順に落とす」という、まさに生成AIが得意な作業の連続です。不良分析、作業標準書、点検手順、ベテランの技術のマニュアル化——これらの下書きをAIに任せられれば、あなたはもっと本質的な仕事、つまり現場改善やものづくりそのものに時間を使えるようになります。

大切なのは、完璧を目指す前にまず1つ試してみることです。不良原因分析の下書きでも、日報の要約でも構いません。「思ったより簡単だった」「これは使える」——その小さな実感が、あなたの現場を変える第一歩になります。この記事のプロンプトを1つコピーして、明日の業務でぜひ使ってみてください。

同じように現場で使えるプロンプトや業務活用の事例を、他のテーマでも紹介しています。あわせてご覧ください。

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参考資料

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。