
2025年10月15日、Googleは最新の動画生成モデル「Veo 3.1」を発表し、クリエイター向けツール「Flow」や「Geminiアプリ」、開発者向けAPIなど、複数のプラットフォームで提供を開始しました。本アップデートでは、Flowに革新的な編集機能が加わったほか、各チャネルで利用できる機能が異なります。本記事では、プラットフォームごとの「できること」を正確に整理し、速報します。
このアップデートの最重要ポイント
- Flowが大幅進化: 最新モデル「Veo 3.1」を搭載し、オブジェクトの追加・削除といった革新的な編集機能を追加。クリエイターの中核ツールに。
- Geminiアプリでも生成可能に: 一般ユーザーがモバイルやWebから、Veo 3.1による高品質な短尺動画(8秒)を手軽に生成できるように。
- APIでの高度な制御: 開発者はAPIを通じて、参照画像からの生成や動画延長など、システムに組み込める専門的な機能を利用可能。
- プラットフォームで機能差: Flowの高度な編集機能はアプリには未搭載など、利用するチャネルによって「できること」が明確に区別されています。
プラットフォーム別 機能対応表(2025/10/16時点)
今回のアップデートで最も重要なのは、利用するサービスによって使える機能が異なる点です。以下の表で全体像をご確認ください。
提供チャネル | 対象ユーザー | 備考(利用可能な主要機能) |
Flow | クリエイター/一般 | 全機能を利用可能。Insert(追加)は提供中、Remove(削除)は近日公開。 |
Geminiアプリ | 一般ユーザー | 短尺の動画生成に特化。テキスト/画像からの8秒動画生成(音声付)。編集機能はなし。 |
Gemini API | 開発者 | Veo 3.1 / 3.1 FastでIngredients / Extend / First-Last frameなど生成系の高度な機能に対応。 |
Vertex AI | 法人・研究機関 | Veo 3.1モデル利用可。Scene extensionは「Coming soon」で、一部機能は後日提供。 |
クリエイター向け:制作から編集まで完結する「Flow」
今回のアップデートの主役は、クリエイター向け映像制作ツール「Flow」です。Veo 3.1を搭載し、以下の機能が音声付きで利用できるようになり、制作ワークフローが大きく変わります。
- Ingredients to Video: キャラクターや画風の参照画像を最大3枚指定し、一貫性を保った動画を生成。
- Scene Extension: 生成した動画(最大8秒)の続きをシームレスに延長し、最大約148秒の長尺動画を作成。
- First and last frame: 開始と終了の画像を指定し、その間をつなぐ滑らかなトランジション動画を生成。
- Insert(オブジェクト追加): Flowの目玉機能。生成した動画に、後からプロンプトでオブジェクトを違和感なく追加できます。
- Remove(オブジェクト削除): 近日公開予定。動画内の不要な物を指定するだけでAIがきれいに消去します。
出典: Google Blog
一般ユーザー向け:手軽に試せる「Geminiアプリ」
Veo3.1は、Geminiアプリを通じて広く一般に開放されます。
- できること: テキストや画像から、Veo 3.1による高品質な短尺動画(8秒基準・音声付き)を生成できます。縦長・横長動画の両方に対応。
- できないこと: Flowで使えるInsert/Removeといった編集機能や、長尺化(Scene Extension)には対応していません。あくまで「生成の入り口」という位置づけです。
- 利用条件: AI ProプランではVeo 3.1 Fastを、AI Ultraプランでは、veo 3.1を利用可能。

開発者・法人向け:APIでのシステム連携
開発者や法人向けには、Gemini APIとVertex AIを通じて機能が提供されます。
Gemini APIでは、Flowの主要な「生成」機能をプログラムから呼び出せます。ただし、Insert/Removeといった「編集」機能はAPIでは提供されていません。Vertex AIでは、Veo 3.1がプレビュー提供されていますが、Scene extension機能は「Coming soon」となっており、現時点では利用できません。
料金体系 (Gemini API)
API利用は有料プレビューとして提供され、成功した生成に対してのみ秒単位で課金されます。
モデル | 料金(米ドル/秒) | 特徴 |
Veo 3.1 (標準) | $0.40 | 高品質な動画生成 |
Veo 3.1 Fast | $0.15 | 高速・低コストな生成 |
公式発表へのリンク
- Introducing Veo 3.1 and advanced capabilities in Flow (Google Blog)
- Introducing Veo 3.1 and new creative capabilities in the Gemini API (Google AI for Developers Blog)
