
OpenAI社が開発したCodex CLIは、現在最も注目されているAI開発ツールの一つです。今なおAnthropic社のClaude Codeが大きな話題を呼んでいますが、Codex CLIの性能向上と、GPT-5の登場により、その座を奪う勢いを見せています。
この記事では、AI開発ツールCodex CLIについて、インストール方法から初期設定、簡単なアプリケーションの作成までを、ハンズオン形式で分かりやすく解説します。
Codex CLIの概要

Codex CLIは、ChatGPTで知られるOpenAI社が開発したAIコーディングツールです。ターミナル(コマンドライン)上でAIと対話しながら、コードの生成や修正、実行などをシームレスに行うことができます。
特に注目すべきが、GPT-5への対応です。ChatGPTの有料プランに加入していれば、追加料金なしでCodex CLIが利用可能になり、高度なAI開発が手軽にできるようになりました。(ただし、使用料枠はプラン依存)
ウェブ版との決定的な違い

多くの方がご存知のChatGPTやCodeXのウェブ版とは異なり、ターミナル(コマンドライン)上で動作する専用のCLI(Command Line Interface)ツールとして設計されています。
ウェブ版CodeXとCLI版の主な違い
項目 | ウェブ版CodeX | CodeX CLI |
---|---|---|
動作環境 | ブラウザ上 | ターミナル/コマンドライン |
ファイル操作 | アップロード/ダウンロード形式 | 直接的なファイル読み書き可能 |
開発効率 | 中程度 | 高効率(エディタとの連携) |
なぜCLI版を選ぶべきなのか?
ターミナルでできるCLIだからこそ実現できる、以下の大きなメリットがあります。
- 開発フローの効率化: エディタとターミナルを行き来することなく、一つの環境で開発が完結
- ファイルシステムへの直接アクセス: プロジェクトファイルの作成・編集・実行が瞬時に可能
- プロフェッショナルな開発体験: 本格的なソフトウェア開発に近い環境での作業
できること
Codex CLIは、多彩な機能を備えています。
- 高精度なコード生成: GPT-5をベースにしており、自然言語の指示から高品質なコードを生成します。
- マルチモーダル対応: テキストだけでなく、画像やスクリーンショットを入力としてコードの修正や生成を依頼できます。
- Web検索機能: Web検索機能が搭載され、リアルタイムの情報を基にした開発が可能になりました。
必要要件
Codex CLIを利用するには、ChatGPTの有料プラン(PlusまたはPro)への加入が推奨されています。有料プランに加入することで、追加料金なしの定額でツールを利用できます。
推奨開発環境と準備

Cursorを推奨する理由
開発環境としてCursorの使用を推奨します。CursorはAIネイティブなコードエディタで、以下のような利点があります。
- AIエージェントの統合: エラーが発生した際に、エディタ内のAIエージェントが自動で解決策を提案してくれます。
- シームレスな対話: わからないことがあれば、その場でAIに質問しながら開発を進めることができます。
事前の確認
インストールを始める前に、以下の環境が整っているか確認してください。
- パッケージマネージャー: npmまたはyarnが利用可能であること。
- ターミナル: コマンドプロンプトへのアクセスができること。
インストール手順
Codex CLIのインストール手順
- こちらから、Cursor用のファイルをダウンロード(画像参照)

- Ctrl+Shift+Pを押してコマンドパレットをひらき、Open Codexを選択します。すると、Codexのウィンドウが開きます。

アカウント認証
初回起動ができたので、アカウント認証を行います。
- 以下の選択肢が表示されるので、キーボードの「1」を押してChatGPTアカウントでのサインインを選択します。
- Sign in with ChatGPT
- Provide your own API key

- ブラウザでの認証: 自動的にブラウザが開き、OpenAIの認証ページが表示されます。ログインしてアクセスを許可してください。
- 認証完了: 認証が成功すると、ターミナルにSigned in with your ChatGPT accountと表示され、利用準備が完了します。
普段の利用
普段は、画像の「v」マークを開き、「Codex」を押すと起動できます。📌でピン留めすると、あとで始めやすくなります。

設定
Codex IDE エクステンションには、開発効率を高める複数の機能が搭載されています。
「モデル切替」「推論の深さ」「承認モード」といった設定を活用することで、用途や作業環境に合わせた柔軟な使い方が可能です。これらをうまく組み合わせることで、単純な補助作業から複雑なデバッグまで、幅広い場面で効率的に開発を進められます。
機能 | 説明 |
---|---|
モデル切替 | デフォルトは GPT-5。よりコーディングに特化した “GPT-5-Codex” など、用途に応じたモデルを選択可能。 |
推論の深さ | 応答の計算力や時間を「minimum・low・medium・high」で調整できる。複雑なタスクはhigh、軽めの作業はlowなどで使い分けることで効率化。 |
承認モード(Approval modes) | デフォルトの “Agent” モードでは、作業ディレクトリ内のファイル読み書き・コマンド実行が可能。さらにインターネットアクセスや作業ディレクトリ外での操作には承認が必要。安全性を保ちつつ柔軟に使える。 |
簡単なゲームを作成してみよう
では、簡単なゲームやアプリを作成してみましょう。今回は、試しに弾を避けるゲームを作成しました。
サンプルプロンプト
シンプルな「避けゲー」を作ってください。
要件:
画面サイズは 600x400
自機: 下部にある青い四角、左右キーで移動
敵: 上からランダムに落ちてくる赤い四角
敵に当たったら「GAME OVER」と表示して停止
スコア: 生き延びた秒数を表示
コードは単一のHTMLファイルにまとめてください
生成結果
プロンプトを投げると、設定によっては「ファイルを作成していいか」などAIが許可を求めてくるので、問題がなければAcceptしましょう。そして生成した結果がこちらです。

プレビューのやり方がわからない場合には、以下のようにCodexに質問すれば答えてくれます。

さらに、時間に経過で難しくなるように指示したら、弾が速くなりちょうどいい難易度になりました。
エラー時の対処法
エラーが発生したり、わからないことがあったりした場合は、まずAIエージェントに解決策を尋ねるのが有効な手段です。特にCursorを使っていれば、ターミナルに出力されたエラーメッセージをそのままAIに読み込ませて、原因と解決策を提示してもらうことが可能です。
まとめ
今回は、Codex CLIのインストールから基本的な使い方、簡単なアプリ開発までを解説しました。特に、エラーが発生してもAIに聞きながら解決できるCursorとの組み合わせは、初心者にとって非常に心強い開発環境と言えるでしょう。
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