チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

ChatGPTに革命的な新機能「Pulse」が登場しました。これまでの「質問→回答」という受動的なやり取りから、AIが自ら情報を提案する能動的なアシスタントへと進化しました。実際に使用した体験を交えながら、pulse機能の詳細な使い方から活用事例まで徹底解説します。

ChatGPT Pulseとは?

Pulse機能の概要

ChatGPT Pulseは、OpenAIが2025年9月に発表した機能で、従来の受動的AI(Reactive AI)から能動的AI(Proactive AI)への転換に向けて大きく前進しました。

従来のAIとPulse機能の違い

  • 従来型:ユーザーからの質問待ち → 回答提供
  • Pulse型:過去の履歴を分析 → 自発的に情報提案
  • 学習能力:フィードバックを基に精度向上
  • 統合性:複数のデータソースを統合分析

この転換により、ChatGPTは単なる「質問応答ツール」から「パーソナルアシスタント」へと進化し、AGI(汎用人工知能)への重要な一歩を踏み出しました。

利用できるユーザー(モバイルPro先行/今後の展開予定)

現在のPulse機能利用条件は以下の通りです。

項目詳細
対象ユーザーChatGPT Proユーザー限定(月額$200)
対応デバイスモバイルアプリのみ(iOS/Android)
今後の展開デスクトップ版への対応予定(時期未公表)

Proユーザーの特典として、こうした新機能をいち早く体験できる点は大きなメリットです。今後、Plus会員や無料ユーザーへ段階的に展開されます。

どんな情報が届くのか

Pulse機能では、会話履歴に沿ったニュース情報の配信だけでなく、予定関連の提案もしてくれます。

配信される情報カテゴリ

  • パーソナライズされたニュース記事
  • 趣味・関心事に関連する最新情報
  • 仕事関連のリサーチ結果
  • カレンダー連携による予定関連の提案
  • 健康・ライフスタイルのアドバイス
  • 学習・スキルアップに関する情報

表示形式の特徴

  • カード形式での見やすい表示
  • 一日一回の自動更新
  • タップで詳細情報に展開
  • 👍👎フィードバック機能搭載
カード形式で表示されている画面

ChatGPT Pulseの使い方と設定手順

有効化の方法(アプリ内設定→パーソナライズ)

Pulse機能を使い始めるための詳細手順は以下のとおりです。

初期設定

  1. ChatGPTモバイルアプリを最新版にアップデート
  2. Proアカウントでログイン
  3. 左サイドバーから「おすすめ」タブを選択
  4. パーソナライゼーション設定を有効化
  5. 興味のあるトピックを初期登録

必要な権限設定

  • メモリ機能の有効化
  • 会話履歴の学習許可
  • 外部アプリ連携の承認
  • アプリの通知許可

キュレーション

Pulseの学習機能を最大限活用するフィードバック方法

フィードバック方法効果実践例
高評価類似コンテンツの増加「デザインからコード」記事に👍
低評価不要コンテンツの減少スポーツ情報が不要な場合👎
カスタマイズ入力具体的な関心事の登録「ドジャースの試合結果」を追加
詳細フィードバックより精密な学習記事の特定部分への評価

実際の使用してみたところ、「デザインからコードに関して広い視点でまとめてみました」といった、過去の会話履歴を基にした非常にパーソナライズされた提案が表示され、その精度の高さに驚かされました。

連携アプリ・コネクター(Googleカレンダー/Gmailなど)

主要な連携可能サービス

  • Googleカレンダー→予定に応じた事前準備の提案
  • Gmail→重要メールの要約と対応提案

連携による具体的なメリット

  • 会議前の関連資料の自動収集
  • 出張予定に合わせた現地情報の提供
  • 締切前のタスク整理とリマインド
  • スケジュール最適化の提案

実際に使ってわかった所感(レビュー)

使ってみて感じた便利な点

実際にPulse機能を使用してみて、最初に感じたのは「AIが自分の好みを完璧に理解している」という驚きでした。特に「最近よく話しているデザインからコードに関して広い視点でまとめてみました」という提案が表示されたときは、過去の会話履歴を基に非常にパーソナライズされた内容が自動生成されていることに感動しました。「あ、これは読んでしまうな」と思わせる記事の精度が高く、検索する前に必要な情報が先回りして提供される体験は理想的です。

主な便利機能

  • 過去の会話履歴を基にした完璧なパーソナライゼーション
  • 「読んでしまう」と思わせる高精度な記事選定
  • 👍👎フィードバックによる継続的な学習向上
  • 一つのアプリで関心事すべてをカバー
  • 検索不要の先回り情報提供

気になった課題・制限

現時点では月額$200のPro版でしか利用できず、Plus会員でも使えないのは残念です。また、モバイル版限定でデスクトップでは利用できないため、普段パソコンでChatGPTを使用している場合は不便さを感じるでしょう。しかし、これらの制限を考慮しても、AIが能動的に情報提供する未来を体験できる価値は十分にあります。

現在の主な制限

  • Pro版(月額$200)限定でコスト負担
  • モバイル限定でPC未対応
  • 1日1回の更新でリアルタイム性に欠ける
  • 日本語対応が完全ではない
  • Plus会員も対象外

日常での活用事例

パーソナライズされたニュースの自動配信

実際の使用例として「ドジャースの試合結果」を関心事として登録したところ、AIがこの情報を学習し、今後のフィードに反映させることを確認してくれました。Pulseの特徴は、このように一度入力した関心事を記憶し、関連する情報を継続的に配信してくれる点にあります。従来のニュースアプリでは毎回検索する必要がありましたが、Pulseでは一度設定すれば自動的に関連情報が届くようになります。

従来の情報収集との比較

項目従来の方法Pulse活用
情報源複数サイト巡回一元化された配信
精度自分で選別が必要AI による事前フィルタリング
関連性バラつきあり高い関連性

趣味や関心事の深掘り(例:スポーツ試合結果)

実際の使用例として「ドジャースの試合結果」を関心事として登録したところ、単なる試合結果だけでなく、選手の成績分析、チーム戦略の変化、今後の試合予定まで包括的な情報が提供されました。AIが関連する情報を自動的に収集し、ファンが知りたい裏話や統計データまで分かりやすく整理してくれるため、スポーツニュースサイトを複数チェックする手間が不要になります。

生活全般の提案(旅行・食事・ペットケア・トレーニングなど)

OpenAIの公式デモ動画では、Pulseが日常生活のあらゆる場面で提案を行う様子が紹介されています。旅行予定があれば現地の天候に応じた服装アドバイス、ペットを飼っていれば季節に応じたケア方法、運動習慣があれば個人の体力レベルに合わせたトレーニングメニューなど、生活全体をサポートする包括的なアシスタントとして機能します。これらの提案は、過去の会話履歴やカレンダー情報を統合して生成されるため、非常に実用的で具体的な内容となっています。

仕事での活用事例

業務関連情報の自動リサーチ(検索手間の削減)

仕事でPulse機能を活用する最大のメリットは、業界動向や競合情報の自動収集です。AIが過去の業務関連の会話を学習し、関連する最新ニュースや技術動向を毎朝自動的に配信してくれるため、情報収集の負担が大幅に軽減されます。特に、法規制の変更点や新技術の実用化可能性など、見落としがちな重要情報も適切にフィルタリングして提示してくれる点が評価できます。

予定に沿った提案(Googleカレンダーとの連携)

Googleカレンダーとの連携により、Pulseは単なる情報配信を超えて、スケジュールに応じた具体的な準備提案を行います。重要な会議がある日には、参加者の背景情報や議題に関連する最新情報を事前に整理し、過去の関連会議の振り返りまで提供してくれます。また、プロジェクトの締切が近づくと、必要なリソースの調達提案やチームメンバーのスケジュール最適化案も自動生成され、プロジェクト管理の効率が上がります。

将来的な展望:事業立ち上げをAIが先回りして支援する未来像

Pulseの進化により、将来的には事業企画から実行まで包括的に支援するビジネスパートナーとしての役割が期待されます。市場機会の発見、競合分析の自動実行、事業計画書の骨格作成、さらにはウェブサイト制作やマーケティング戦略の策定まで、AIが先回りして準備してくれる未来が現実的になってきています。実際に、過去の会話で「新しい事業を立ち上げたい」と話していれば、関連する市場情報や成功事例を自動的に収集し、実行可能な提案として毎朝配信してくれる可能性があります。

まとめ:Pulseは「朝のOS」になり得るか

ChatGPT Pulseは、従来の「質問→回答」型AIから「能動的な情報提案」型AIへの根本的な転換を実現した画期的な機能です。実際の使用体験から、AIが過去の会話履歴を学習し、個人の関心に完璧に最適化された情報を自動配信する精度の高さは、まさに「朝のOS」として機能する可能性を秘めています。情報収集の習慣を根本から変え、検索する前に必要な情報が届く体験は、一度使うと他のAIサービスに戻れなくなるほどの魅力があります。

とはいえ、「Pulse機能を実際にどう活用すれば良いのか」「自社の業務にどのように取り入れるべきか」といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

デジライズでは、ChatGPT Pulseをはじめとした最新AI機能の企業導入支援を行っています。個別のミーティングで業務内容をヒアリングし、現場で本当に使えるAI活用法を一緒に考えるところからスタートします。導入後の研修や活用支援まで一貫して伴走いたしますので、AI担当者がいない企業様でもご安心ください。

まずは情報収集からでも歓迎です。ご興味のある方は、以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。

FAQ

Q. プライバシーやデータ利用は安全か?

OpenAIのプライバシーポリシーに準拠しており、学習データの利用はユーザーが制御可能です。設定でメモリ機能をオフにすれば学習を停止できるため、プライバシーを重視する場合は適切に設定することで安全に利用できます。

Q. Pulseが表示されないときの原因と対処法は?

現在Pro限定の機能のため、まずPro契約の確認が必要です。Pro契約済みの場合は、アプリを最新版にアップデートし、メモリ機能をONに設定してください。

Q. 通知が届かない場合はどうすれば良いですか?

スマートフォンの通知設定でChatGPTアプリが許可されているか確認してください。また、アプリ内の通知設定とバックグラウンド更新も有効にする必要があります。

Q. Plusや無料ユーザーは使えますか?

Pulseは現時点でPro限定の機能です。

Q. デスクトップで使えるようになるのはいつですか?

現在モバイル版のみでプレビュー提供中です。デスクトップ版の具体的なリリース時期は未公表ですが、OpenAIは段階的な機能展開を実施中のため、今後の発表を待つ必要があります。

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。