チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

ChatGPTで作った下書きを、ドキュメントにコピーしてチームに回し、戻ってきたコメントをChatGPTに貼り直す。AIを仕事に使うほど、この行き来が増えていきます。

OpenAIがDevDay 2026で発表した「ChatGPT Space」は、この行き来をなくすための機能です。チームのメンバーと、ChatGPTやdot、Codexが同じページで共同作業します。これまでの「ライブラリ」は、Spaceに置き換わります*1 *2 *3。

ただし、法人で使うなら機能より先に確認したいことがあります。ページに書き込まれた内容は誰に見えるのか、サブページの権限はどう引き継がれるのか、学習には使われるのか。この記事では、Spaceの中身と対象プランを整理したうえで、共有する前に押さえておきたい権限とデータの扱いをまとめます。


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※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)

ChatGPT Spaceとは?

ChatGPT Spaceとは?

ChatGPT Spaceは、AIやチームと一緒に仕事を進めるための新しい拠点です。専用のスペースにチームを追加すると、ChatGPTを含む全員が共通の目標やこれまでの作業を踏まえて成果物を育てていけます。米国時間2026年9月29日(日本時間30日)のDevDay 2026で発表されました。

この日のDevDayでは20を超える発表があり、Spaceはその1つです。発表の要点を1枚にまとめます*5。

項目内容
何かチームとChatGPT・dot・Codexが同じページで共同作業する場所
発表日米国時間2026年9月29日(日本時間30日)
置き換えるものライブラリ。Projectsは置き換えず、別の機能として残る
対象プランPro・Business・Enterprise
使える場所ウェブとデスクトップアプリで作成・編集。モバイルはページの検索・閲覧・共有のみ
構成要素スペース・フォルダ・ページ・サブページ

会話の内容をページやスライドにまとめるよう頼むと、ChatGPTは確認の質問をしたうえで、目の前で下書きを作ります。できた下書きは自分で直しても、ChatGPTに手直しさせても、チームに参加してもらってもかまいません。別のツールに移す必要はありません。

同じDevDayでは、新しいモデルのGPT-6.1 Solも発表されています。モデルの性能や料金は、以下の記事で解説しています。

GPT-6.1 Solとは?GPT-6 Astraに迫る性能を5分の1のコストで使う方法

GPT-6.1 Solとは?GPT-6 Astraに迫る性能を5分の1のコストで使う方法

ChatGPT Spaceで何が新しい?4つのポイント

ChatGPT Spaceで何が新しい?4つのポイント

Spaceで新しくなった点は、次の4つに分けられます。

  1. ページ(Living Pages) — AIやチームと共同作業するための新しいドキュメント
  2. 各自のChatGPTで共同編集 — 1枚のページを全員で編集し、ChatGPTやdotに修正を任せる
  3. チームのファイルとページを1か所に集約 — ライブラリの代わりになる置き場所
  4. つないだツール・会議との連携 — 接続済みのツールや会議メモをSpaceに取り込む

ページ(Living Pages)

ページは、エージェントやチームとの共同作業のために作られた新しいドキュメントです。グラフやインタラクティブなダッシュボード、画像を入れられ、見出し・箇条書き・表で整理できます。

ページの作り方は3通りあります。会話から作成する、テンプレートから始める、Spaceで直接書き始める、のいずれかです。ページにはコメントを残せて、ページの中でChatGPTとチャットすることもできます。

各自のChatGPTで共同編集

同じページを複数人で編集でき、その際は各自が自分のChatGPTを使って作業します*4。直したい箇所があれば、ChatGPTやdotをタグ付けして修正を頼めます。コメントの中でChatGPTやdotを@メンションすることもでき、ChatGPT・Codex・dotを呼び出して作業させられます。

チームのファイルとページを1か所に集約

専用のスペースにチームを追加し、ページやファイルをまとめて置けます。スペースの中はフォルダで整理し、ページの下にサブページを作る階層構造です。

これまでのライブラリはSpaceに置き換わります。一方、Projectsは廃止されず、既存のProjectsも別のものとしてそのまま残ります。

つないだツール・会議との連携

Google DriveやSlackなどの接続済みツールから、情報をSpaceに取り込めます。会議については、Meetingsプラグインで会議メモをSpaceに保存できます。対応はmacOSのデスクトップアプリで、Pro・Business向けのベータ、Enterpriseは近日対応です。音声はメモを作ったあとに削除されます。

定期業務には「チームタスク」があります。毎週の進捗報告のような定型作業を、スケジュールやメール・Slackの新着をきっかけに動かす機能で、BusinessとEnterpriseが対象です。

「チームでのAI活用を社内に広げたい」「まずは何ができるか知りたい」といった情報収集段階でのご相談も大歓迎です。導入の流れや具体的な支援内容をまとめた資料を以下よりご覧いただけますので、ぜひお気軽にご活用ください。

ChatGPT Spaceの対象プランと、提供開始時点でできないこと

ChatGPT Spaceの対象プランと、提供開始時点でできないこと

Spaceでコンテンツを作成・編集できるのは、次の3プランです。

プラン使える場所共有の条件
Proデスクトップアプリ・ウェブメールで招待し、閲覧または編集の権限を付ける。リンク共有が使える場合はその方法も選べる
Businessデスクトップアプリ・ウェブ組織の設定に従う
Enterpriseデスクトップアプリ・ウェブ共有はオプトインのプレビュー。メンバーが共同作業する前に、管理者が共有を有効にする必要がある場合がある

PlusとFreeは、この対象に入っていません。また、リリースノートでは「対象となる」Pro・Business・Enterpriseユーザーへの提供とされています。同じプランでも、まだSpaceが表示されないアカウントがあると考えておくのが無難です。

提供開始時点でできないこと

始まったばかりの機能なので、発表で紹介された内容のうち、まだ使えないものがあります。

  1. スライドとスプレッドシート — Spaceでの共同作業は近日対応。発表では、スライドの共同編集やPowerPoint・Googleスライドへの書き出しも紹介されている
  2. Keep updatedによる自動更新 — 発表では、接続ツールの情報でページを自動更新する設定(ToDoリストや進捗管理表など)が紹介されているが、提供開始時点では使えない
  3. モバイルでの編集 — モバイルではページの検索・閲覧・共有のみに対応。編集と共同作業は近日対応
  4. カナダ・UAEのデータレジデンシー — データの保存先をカナダかUAEに指定しているBusiness・Enterpriseのワークスペースは近日対応

社内に案内するときは、発表資料の画面だけを見せると「自動更新もスライドもすぐ使える」と受け取られかねません。提供開始時点で使える機能と近日対応の機能を分けて伝えると、現場の混乱を防げます。機能は段階的に展開されているので、実際に使えるかどうかは自分のアカウントで確かめてください。

ChatGPT Spaceで共有する前に押さえる権限とデータの扱い

ChatGPT Spaceで共有する前に押さえる権限とデータの扱い

Spaceで一番注意したいのは、何がチームに見えて、何が見えないかです。「チャットは共有されないから大丈夫」と考えていると、ページ経由で個人的な情報が見えてしまうことがあります。

対象扱い
非公開のチャットとメモリ共有されない
ページに書き込まれた内容閲覧者全員に見える。メモリ由来の個人的な文脈がページに書き込まれた場合も同じ
ページにアップロードしたファイルページの権限に従う
ページにリンクした別のファイル元のファイルの権限のまま。ただし、ページにコピー・要約した内容は閲覧者に見える
サブページ親ページの権限を引き継ぐ。さらに、そのページを含むスペース経由でアクセス権が付く場合がある
サブページの移動移動先によってアクセスできる人が変わる
親ページの削除他の人が持ち主のサブページも一緒にゴミ箱へ移る

サブページの権限は「外したつもり」に注意

サブページは親ページのアクセス権を引き継ぎます。そのため、サブページから特定の人の直接招待を外しても、親ページやスペース経由のアクセスは残ります。アクセス権は、ページへの直接招待・親ページ・そのページを含むスペースの3つの経路から付くためです。

本当に見せたくない資料は、親ページだけでなくスペース自体の共有設定も確認します。必要なら、共有範囲を分けた別のスペースか、別の場所で管理します。逆に、サブページを別の親ページの下へ動かすと、見られる人が増えることもあります。移動の前に、移動先の権限を確認してください。

学習とメモリの設定は「使った人」のものが効く

あるページで誰かのChatGPTが作業したときは、その人のメモリと学習の設定が適用されます。Business・Enterpriseのデータは、初期設定でOpenAIの学習に使われません。

注意が必要なのは個人アカウントです。学習に使うかどうかは、そのときエージェントを使った人の設定に従います。つまり、共同作業者が「Improve the model for everyone」をオンにしていれば、その人のChatGPTが扱った内容は学習に使われる可能性があります。この設定は、Settingsの「Data controls」にあります。

共有前のチェックリスト

ページを使う前・共有する前には、名前・日付・計算・出典を確認することが求められています。これを含めて、共有前に見る項目をまとめます。

  1. ページにメモリ由来の個人的な情報が書き込まれていないか
  2. 名前・日付・計算・出典に誤りがないか
  3. リンクではなくコピー・要約で載せた社外秘の情報がないか
  4. 親ページとスペースの共有範囲が、見せたい範囲と合っているか
  5. 個人プランで共同作業する場合、相手の学習設定を確認したか

ChatGPT Spaceの社内での使いどころ

ChatGPT Spaceの社内での使いどころ

ここからは、OpenAIの推奨ではなく、私の提案です。提供開始時点で使える機能の範囲で、社内での使いどころを整理しました。

業務Spaceでの使い方注意点
会議メモからプロジェクト計画を更新Meetingsプラグインで会議メモをSpaceに保存し、ChatGPTに計画ページへの反映を頼むプラグインはmacOSのデスクトップアプリのみ。Pro・Businessはベータ、Enterpriseは近日
週次の進捗報告チームタスクで毎週の報告作業を定期実行し、まとめをスペースで共有するチームタスクはBusiness・Enterpriseのみ。ページの自動更新(Keep updated)は提供開始時点では使えない
提案書・調査メモの共同編集会話からページを作り、メンバーがコメントを付け、ChatGPTやdotを@メンションして直させるメモリ由来の個人的な文脈がページに入ると全員に見える
新任者向けのプロジェクトまとめスペースに資料・ページを集約し、テーマごとにサブページを作るサブページは親ページの権限を引き継ぐ。移動するとアクセスが変わる
社内資料の取りまとめGoogle DriveやSlackなどの接続済みツールから情報を集めてページにするリンクしたファイルは元の権限のままだが、ページに要約した内容は閲覧者に見える

最初は1チーム・1スペースから

いきなり全社で使い始めると、どのページを誰が見られるのかが把握できなくなります。私は、まず1チームで1つのスペースを作成し、権限の付け方と共有前のチェックを試してから広げるのがよいと考えています。

Enterpriseの場合は、共有がオプトインのプレビューです。管理者が共有を有効にしないと共同作業ができない場合があるので、試すチームを決めた段階で情報システム部門に相談しておくと進めやすくなります。

ChatGPT SpaceとProjects・dotsの違い

ChatGPT SpaceとProjects・dotsの違い

Spaceと名前や役割が近い機能に、ProjectsとDevDay 2026で同時に発表されたdotsがあります。違いを表にまとめます。

比べる点ProjectsChatGPT Spacedots
何かチャットやファイル、指示をまとめておく機能ページとファイルをチームで共有し、共同編集する場所ChatGPTの中で常に動き続けるエージェント
Spaceとの関係Spaceとは別の機能として残るライブラリを置き換えるSpaceのページのコメントで@メンションして、修正を頼める

使い分けは、何を中心に置くかで考えると分かりやすくなります。会話・ファイル・指示をひとまとめにしておくならProjects、チームとAIで1つのページを仕上げるならSpace、継続して担当を任せるならdots、という整理です。

dotsは、Spaceのページに呼び出して修正を頼めるので、2つを組み合わせて使う場面も出てきます。dotsの機能や、どこまで任せるかの線引きは、以下の記事で解説しています。

OpenAIの常時稼働エージェント「dots」とは?業務に任せる範囲をどう線引きするか

OpenAIの常時稼働エージェント「dots」とは?業務に任せる範囲をどう線引きするか

ここまで読んで「社内でAIと共同作業するときの共有ルールから整えたい」と思った方へ。法人向けAI研修の導入社数No.1*の弊社デジライズが、生成AIの基礎知識から社内導入の6ステップ・定着のポイントまでを1冊にまとめた「はじめての生成AI社内導入ガイド」を無料で配布中です。

※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)

まとめ|ChatGPT Spaceは「共有ルール」を決めてから使う

まとめ|ChatGPT Spaceは「共有ルール」を決めてから使う

ChatGPT Spaceのポイントをまとめます。

  1. 何か — チームとChatGPT・dot・Codexが同じページで共同作業する場所。ライブラリを置き換え、Projectsは別に残る
  2. 対象 — Pro・Business・Enterprise。ウェブとデスクトップアプリで作成・編集し、モバイルは閲覧・共有まで
  3. まだできないこと — スライド・スプレッドシート、Keep updatedによる自動更新、モバイルでの編集は提供開始時点では使えない
  4. 共有前の確認 — ページに書いた内容は閲覧者全員に見える。サブページは親の権限を引き継ぎ、個人プランでは共同作業者の学習設定が効く

AIと同じページで働けるようになると、AIに渡した情報がそのままチームの目に触れる場面も増えます。私は、Spaceを広げる前に「ページに何を書いてよいか」「誰をどのページに招くか」の2点を決めておくことが、社内で使いこなせるかの分かれ目になると考えています。まずは共有前のチェックリストを、あなたのチームの決まりごとに書き直すところから始めてみてください。

参考資料

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。