チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

「GPT-6 Astraは強いけれど、毎日の作業で回すには高すぎる」。そんな人に向けたモデルが出ました。OpenAIが日本時間2026年9月30日に公開した、GPT-6.1 Solです。

結論から言うと、難しいタスクでAstraに迫る性能を持ち、APIの標準料金はAstraの5分の1で使えるモデルです。日本語版の発表ページの見出しも「Astra に迫る性能、価格は 5 分の 1」でした*1。

Astraは利用料の消費が激しく、常用しづらかったので、これは素直にありがたいアップデートです。この記事では、何が伸びたのか、「5分の1」が何と何の比較なのか、料金の仕組み、どこでどう使えばいいのかをまとめます。


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GPT-6.1 Solとは|Astraに迫る性能を「普段使い」の価格で

GPT-6.1 Solとは|Astraに迫る性能を「普段使い」の価格で

GPT-6.1 Solは、1週間前に出たGPT-6 Solのアップグレード版です。エージェント型のコーディングが特に得意で、パソコン操作や専門業務にも強いモデルとして発表されました。OpenAIは「現時点で性能に対するコスト効率が最も高いモデル」と位置づけています*2。

GPT-6ファミリーの中での位置は、次のとおりです。

項目GPT-6 AstraGPT-6.1 SolGPT-6 Sol
位置づけ総合能力の最上位難しいタスクでAstraに迫る。コスト効率を重視今回アップグレードされた元のモデル
APIのモデルIDgpt-6-astragpt-6.1-solgpt-6-sol
API料金(入力/出力)$10/$50$2/$10$2/$10

料金は100万トークンあたりの標準価格です*3。GPT-6 Solと同じ単価のまま、性能だけが上がった形になります。

総合トップは引き続きAstra

先に大事な点を書いておきます。総合能力で最高のモデルは、引き続きGPT-6 Astraです。 これはOpenAI自身が発表ページで明言しています。

GPT-6.1 Solは、Astraを置き換えるモデルではありません。「多くの仕事はSolで足りる水準まで上がった」モデルです。GPT-6 Solの提供を終えるという案内も、今回の発表には出てきません。

普段使いはSolで十分になりそうです。Astraは難しい仕事のために取っておき、日々の作業はSolで回す。そういう使い方ができる価格帯に、Astraに近い性能が降りてきたということです。

GPT-6.1 Solで何が変わったのか|コーディング・PC操作・専門業務と安全性

GPT-6.1 Solで何が変わったのか|コーディング・PC操作・専門業務と安全性

GPT-6 Solからの変化は、大きく4つです。

  1. コーディング — 長時間の開発タスクで、GPT-6 Solの最高スコアを上回った
  2. パソコン操作 — デスクトップ操作の評価で、GPT-6 Solより7ポイント伸びた
  3. 専門業務 — 複雑な専門業務でも大きく伸び、業務自動化の評価でGPT-6 Solを上回った
  4. 安全性 — PC操作で意図や制約に反する結果を出す割合が大きく下がった

コーディングとパソコン操作

GPT-6 Solと比べた伸びを、ベンチマークごとに並べます。いずれもOpenAIの測定です。

ベンチマーク(測るもの)GPT-6 Solからの伸び
DeepSWE v1.1(長時間のソフト開発)GPT-6 Solの最高スコアを6.4ポイント上回る。しかも、より少ない思考量・低いコストで
OSWorld 2.0(デスクトップ操作)思考量を最大にして7ポイント上。コストは半分未満
Terminal-Bench Science 0.1(科学系の端末作業)思考量を最大にしてGPT-6 Solの2倍を超えるスコア。コストは半分未満
AutomationBench 1.0.6(47ツールを使う業務自動化)思考量「中」同士の比較で4.8ポイント上

どの項目も「スコアが上がった」だけでなく、「コストは同等か安い」がセットになっています。性能を上げるために思考量を増やして料金がかさむ、という伸び方ではないのが今回の特徴です。

専門業務と事実の正確さ

専門業務では、GDP.pdfという評価が出てきます。金融・医療・法務など10分野の複雑なPDFについて質問し、正しく答えられるかを測るものです。

この評価では、約5分の1のコストでAstraに迫る結果が出ています(比較の中身は次の章で扱います)。社内の規程集や契約書、報告書のPDFを読ませて質問する使い方は多くの職場にあるので、あなたの仕事にも直接関係する領域です。

事実の正確さも良くなりました。

項目結果
改善が一番大きかった設定思考量low。事実誤認を含む回答がGPT-6 Solの11.4%から7.7%へ(約32%減)
Astraとの差試したどの思考量でも1.9ポイント以内
1タスクあたりのコストAstraの5分の1未満

ただし、あえて難しい質問を集めた評価なので、ふだんの使い方でこの頻度で誤りが出るという意味ではありません。

安全性:PC操作で「言うことを聞かない」割合が下がった

AIにパソコンを操作させるとき、困るのは指示や制約を守らずに動かれることです。この点を測ったテストの結果が公開されています(いずれも低いほど良い)。

評価GPT-6 AstraGPT-6.1 SolGPT-6 Sol
コンピューター操作の安全性ストレステスト(意図や制約に反する結果の発生率)2.4%4.3%17.4%
検索ツールの不具合をユーザーに伝えなかった割合(思考量最大)1.5%2.1%4.9%

コンピューター操作のテストは、GPT-6 Solの17.4%から4.3%へ、約4分の1になりました。まだAstraの2.4%には届きませんが、差はかなり縮まっています。

どちらのテストも意図的に難しい状況を用意したものであり、ふだんの使い方での失敗率ではありません。なお、安全性の自動レビューを回避しようとする動きは、AstraやGPT-6 Solと同様に観測されなかったとされています。

「まずは何ができるか知りたい」といった情報収集段階でのご相談も大歓迎です。導入の流れや具体的な支援内容をまとめた資料を以下よりご覧いただけますので、ぜひお気軽にご活用ください。

GPT-6.1 Solの公式ベンチの読み方|「Astraと同等を1/5のコストで」は何と何の比較か

GPT-6.1 Solの公式ベンチの読み方|「Astraと同等を1/5のコストで」は何と何の比較か

ここからAstraとの比較を見ていきます。その前に、数字の前提を押さえておきます。

このベンチマークを読む前提 1. この章の表はすべてOpenAIが自社で測定した数字 2. 評価は研究環境かAPIで実行。本番のChatGPTとは出力が多少変わることがある 3. 絶対スコアではなく「〇ポイント差」「約〇分の1のコスト」という形で公表されている 4. 第三者のArtificial Analysisも独自の評価を出している(この章の最後で紹介)

「5分の1」には2種類ある

タイトルにも入れた「5分の1」は、実は2つの別々の話です。ここを混ぜると、期待と実際がずれます。

種類何と何の比較か根拠
① API単価の5分の1100万トークンあたりの標準料金。入力$2対$10、出力$10対$50(キャッシュ入力は$0.10対$1.00で10分の1)料金表どおり
② ベンチ実行コストの約5分の1DeepSWEなどで、Astraと同等のスコアを出すのにかかった費用OpenAIの測定。特定のベンチ・特定の設定での結果

①は料金表で確かめられる事実です。同じ量のトークンを使う場合、キャッシュに当たらない入力と出力はAstraの5分の1で、キャッシュ入力は10分の1です。実際の請求額は、この内訳や長い入力の割増(後述)で変わります。

②は「同じ仕事を終えるのにいくらかかったか」の比較です。使ったトークンの量や思考量の設定で変わるので、すべての仕事が5分の1の費用で終わるわけではありません。ベンチによっては「約7分の1」「半分未満」と、別の比率も出ています。

ベンチマークごとの主張

Astraや他社モデルと比べた主張を、ベンチマークごとにまとめます。

ベンチマークAstraとの比較他社モデルとの比較
DeepSWE v1.1(長時間のソフト開発)約5分の1のコストでAstraと同等—
GDP.pdf(10分野の複雑なPDF)約5分の1のコストでAstraに迫るテストした全設定で、Claude Opus 5.5(フォールバック込み)より高スコアを半分未満のコストで
AutomationBench 1.0.6(業務自動化)—思考量「中」で、約3分の1のコストでClaude Opus 5.5を2.2ポイント上回る
OSWorld 2.0(デスクトップ操作)差は2.1ポイント。コストは約7分の1—
事実の正確性どの思考量でも誤認率の差は1.9ポイント以内。コストは5分の1未満—

AutomationBenchの比較に出てくるClaude Fable 5.1のスコアは、フォールバック(別モデルへの切り替え)にかかったコストが算入されていないと、OpenAI自身が注記しています。条件が揃った比較ではない点は割り引いて読む必要があります。

Astraが明確に上の場面もある

公式の数字の中には、Astraとの差がはっきり出ているものもあります。科学系の端末作業を測るTerminal-Bench Science 0.1です。

モデル(思考量最大)1タスクあたりの平均コスト
GPT-6.1 Sol$5.47
Claude Opus 5.5$23.21
GPT-6 Astra$23.80

コストはGPT-6.1 Solが他の2つより75%以上安い一方、最高スコアはAstraの68.1%です。OpenAIも、最難関の科学研究にはAstraを勧めています。

つまり公式ベンチが示しているのは、「多くの仕事ではAstraに近い結果を安く出せるが、一番難しい仕事ではAstraが上」という関係です。

第三者のArtificial Analysisの評価

OpenAIの自社測定とは別に、AIモデルを横並びで評価しているArtificial Analysisも、公開と同時に独自の結果を出しています*4。指標も条件もOpenAIの公式ベンチとは違うので、分けて見てください。

評価結果
総合指数(Intelligence Index)GPT-6 Solから4ポイント上がり、Astraとの差は1ポイント
総合指数1タスクあたりのコスト(思考量最大)$0.72。Astraは$3.26で、4分の1未満
コーディングエージェントの指数思考量xhighでAstraを1ポイント上回り、コストは15%未満
出力トークンの量GPT-6 Solより1〜3割多い

コーディングの指数では、思考量xhighの結果がmaxを3ポイント上回ったとも報告されています。思考量は「最大にすれば一番良い」とは限らないということです。

GPT-6.1 Solの料金|キャッシュ入力95%オフでエージェント用途ほど安くなる

GPT-6.1 Solの料金|キャッシュ入力95%オフでエージェント用途ほど安くなる

APIの料金を、GPT-6 SolとAstraと並べます。単位は100万トークンあたりの米ドルです。

100万トークンあたりGPT-6.1 SolGPT-6 SolGPT-6 Astra
入力$2.00$2.00$10.00
キャッシュ入力$0.10$0.20$1.00
出力$10.00$10.00$50.00

料金は標準価格です。入力と出力はGPT-6 Solと同じで、変わったのはキャッシュ入力だけです。

キャッシュ入力は標準入力の95%オフ

GPT-6.1 Solのキャッシュ入力は$0.10です。標準の入力$2から95%の割引になります。

比べる相手ごとに見ると、次のようになります。

  1. 標準の入力と比べて — 20分の1(95%オフ)
  2. GPT-6 Solのキャッシュ入力と比べて — 半額($0.20→$0.10)
  3. Astraのキャッシュ入力と比べて — 10分の1($1.00→$0.10)

API単価の差は入出力で5分の1ですが、キャッシュに当たった入力に限れば、Astraとの差は10分の1まで開きます。

エージェント用途ほど安くなる理由

OpenAIは、このキャッシュ料金について「コンテキストを再利用するエージェント用途を低コストで」と説明しています。

エージェントは、1つの仕事を終えるまでに何度もモデルを呼び出します。そのたびに、最初の指示、読み込んだコードや資料、それまでのやり取りを読み直します。入力の大半が「前にも読んだもの」になるので、キャッシュ入力の単価が総額に効いてきます。

逆に、毎回まったく違う短い質問を投げるだけなら、キャッシュの恩恵はほとんどありません。この場合は、入力$2・出力$10の標準単価で考えます。

長い入力は単価が上がる

1回のリクエストで入力が272Kトークンを超えると、そのリクエスト全体で入力とキャッシュ入力の単価が2倍、出力の単価が1.5倍になります*5。コンテキストは約105万トークンまで扱えますが、収まるからといって資料をすべて読み込ませると、そのぶん単価の高い領域に入ります。必要な資料に絞って渡すほうが、結局は安く済みます。

GPT-6.1 Solはどこで使えるのか|ChatGPT Work・Codex・APIとUltrafast

GPT-6.1 Solはどこで使えるのか|ChatGPT Work・Codex・APIとUltrafast

GPT-6.1 Solを使える場所は、次のとおりです。

使える場所対象状況
ChatGPT WorkPlus・Pro・Business・Enterprise・Edu公開当日から利用可
CodexPlus・Pro・Business・Enterprise・Edu公開当日から利用可
OpenAI API開発者モデルID gpt-6.1-sol で利用可
ChatGPTの通常のチャット—まだ利用できない

ふだん使っているChatGPTのチャット画面には、まだ来ていません。 ChatGPT WorkとCodexが先行する形は、GPT-6 Solのときと同じです。

5分の1のコストで使う方法

具体的な使い方を、場面ごとに整理します。

  1. ChatGPT WorkやCodexで使う — Plus以上のプランなら、使うモデルとしてGPT-6.1 Solを選ぶ。Codexでのコーディングやエージェント作業のふだん使いに向く
  2. APIで使う — モデルIDに gpt-6.1-sol を指定する。思考量(effort)はlow・medium・high・xhigh・maxの5段階で、既定はmedium
  3. キャッシュが効く使い方に寄せる — 同じ資料や長い指示を繰り返し読ませる仕事に回す。規程集を参照して回答するボット、同じリポジトリで続けるコーディングなどが当てはまる
  4. 急がない処理はBatch・Flexで流す — APIのBatchとFlexは標準料金より50%安い。大量の文書の要約や分類のように、すぐ結果が要らない処理に向く
  5. 難しい仕事だけAstraへ回す — Solで足りない難所だけ、上位モデルを使う

2つ目の思考量について補足します。公式ベンチの一部は、思考量を最大にした設定で測られています。思考量を上げるほど出力トークンが増え、費用も上がります。まずは既定のmediumで試し、足りないときに段階的に上げていくのが無難です。

5つ目は使い分けです。Codexの常用はSol、難所だけAstraという使い分けが現実的だと考えています。料金の差を考えると、全部をAstraで回す理由はだいぶ薄くなりました。

モデルの仕様もまとめておきます。

項目GPT-6.1 Sol
コンテキスト約105万トークン
最大出力12.8万トークン
知識のカットオフ2026年4月30日
思考量(effort)low/medium(既定)/high/xhigh/max

Ultrafast:同じモデルを最大8倍の速度で

あわせて、同じモデルをより速く回す有料の速度ティア「Ultrafast」も発表されました。先に使えるのはGPT-6 Astraで、GPT-6.1 Sol版は数日以内の提供予定です*6。

項目内容
速度Codexで最大8倍(毎秒300トークン)、APIで最大6倍
対応モデル公開当日はGPT-6 Astra。GPT-6.1 Sol版は数日以内
ChatGPT Work・Codexで使うには新プラン「Pro 500」(Plusの25倍の利用枠・月額500ドル)が必要

Pro 500の月額500ドルという金額は、日本語版の発表ページに書かれています。Ultrafastはコストを下げる仕組みではなく、お金を払って待ち時間を縮める選択肢です。まずは標準の速度のGPT-6.1 Solで十分かどうかを確かめてから検討すれば足ります。

Codexをまだ手元で動かしていない方は、まず導入方法から押さえておくとスムーズです。以下の記事をご覧ください。

初心者向けCodex CLI入門|インストール方法と初期設定を完全解説【GPT-5対応/スクショ付き】

初心者向けCodex CLI入門|インストール方法と初期設定を完全解説【GPT-5対応/スクショ付き】

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まとめ

まとめ

GPT-6.1 Solのポイントをまとめます。

  1. 性能 — 難しいタスクでAstraに迫る。GPT-6 Solからはコーディング・PC操作・専門業務で伸び、PC操作の安全性も大きく改善した
  2. 「5分の1」の意味 — API単価の5分の1は確定した事実。ベンチ実行コストの約5分の1は、OpenAIが特定の評価で測った結果
  3. 料金 — 入力$2・出力$10はGPT-6 Solと同じ。キャッシュ入力は$0.10で、同じ文脈を読み直すエージェント用途ほど安くなる
  4. 使える場所 — ChatGPT Work・Codex・API。通常のChatGPTチャットにはまだ来ていない

総合トップは引き続きAstraです。ふだんの作業はGPT-6.1 Solで回し、Solで足りない難所だけAstraに渡す。この順番で使えば、Astraに近い性能を5分の1の単価で日常に取り入れられます。ぜひあなたの仕事でも試してみてください。

最上位モデルのGPT-6 Astraがどんなモデルなのかは、以下の記事で詳しく解説しています。

GPT-6 Astraとは?「賢い回答」からPC作業の代行へ。仕様・料金・使える範囲を一次ソースで整理

GPT-6 Astraとは?「賢い回答」からPC作業の代行へ。仕様・料金・使える範囲を一次ソースで整理

参考資料

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。