速報です。OpenAIがDevDay 2026で「Sign in with ChatGPT」を発表しました。ChatGPTのアカウントで対応アプリにログインでき、PlusかProを契約していれば、その契約に含まれる利用分を対応アプリのAI機能に回せます。
「Googleでログイン」と一見似ていますが、できるのはログインだけではありません。AIの利用分、つまりChatGPTプランに含まれる利用枠を、対応アプリのAI機能にも使える点が新しい特徴です。逆に言えば、会社が把握していないところで個人のChatGPT契約と業務アプリがつながる入口が増えるということでもあります。
この記事では、Sign in with ChatGPTでできること、対応アプリ、自社サービスに組み込む側の意味、情シス・DX推進の立場で確認しておく管理設定までをまとめます。
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目次
Sign in with ChatGPTとは?ChatGPTアカウントで他のアプリにログインできる仕組み

Sign in with ChatGPTは、ChatGPTのアカウントを使って対応する外部のアプリやサイトにログインする仕組みです。2026年9月29日(米国時間)、OpenAIのDevDay 2026で発表されました。新しいパスワードを作らずに、いつものChatGPTアカウントでアプリの新規登録を行ったり、既存アカウントと連携したりできます*1。
アプリ側のボタンは「Sign in with ChatGPT」または「Continue with ChatGPT」と表示されます。提供対象は、Enterprise組織のユーザーを含む世界中のChatGPTユーザーで、組織に所属している人は管理者の設定次第で利用できるかが変わります*2。
「Googleでログイン」との違いは契約の利用枠まで使えること
ログインの手軽さだけなら、既存のソーシャルログインと変わりません。違いは、ChatGPTプランの利用枠をアプリ側で使えるかどうかです。
| 比較項目 | 既存のソーシャルログイン(Googleでログイン等) | Sign in with ChatGPT |
|---|---|---|
| できること | 外部アカウントでアプリにログイン | ChatGPTアカウントでアプリにログイン |
| アプリに渡るプロフィール | サービスごとに異なる | 名前・メールアドレス・プロフィール写真(設定していれば)の3項目 |
| AIの利用分 | ログインの仕組みには含まれない | Plus/Proなら、契約に含まれる利用分をアプリのAI機能に使える |
| 会話・メモリ | — | アプリには共有されない |
プロフィールとして渡るのは3項目だけで、ChatGPTの会話やメモリ、ファイル、請求情報はログインしただけでは共有されません。「ChatGPTでログインしたら、これまでの会話までアプリに見られるのでは」と心配する必要はありません。
Sign in with ChatGPTでできること:ログイン・プラン共有・データ連携は別々の許可

Sign in with ChatGPTでは、サインイン、ChatGPTプランの利用、特定データや操作への委任アクセスがそれぞれ別の許可として扱われます。ログインだけ済ませて、プランの共有は断ることもできます。
| 許可の種類 | 渡るもの | 対象 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ①サインイン | 名前・メールアドレス・プロフィール写真 | ChatGPTユーザー全員 | 会話・メモリは渡らない |
| ②プラン共有 | 契約に含まれるAIの利用分 | Plus・Proのみ | ChatGPT WorkとCodexの利用分にカウントされる。APIキーの作成・共有は不要 |
| ③委任アクセス | 特定のデータ・操作へのアクセス | アプリごと | アプリごとに別途承認が必要 |
②のプラン共有は、ログインのあとにアプリから改めて許可を求められます。アプリがどこまで利用分を使ってよいかは、自分で上限を決められます。
③の委任アクセスは、特定のデータや操作をアプリに任せるための許可です。たとえばChatGPT Sitesが接続済みアプリへのアクセスを求めたり、HubSpotがChatGPT Adsのアカウントへのアクセスを求めたりするケースがこれに当たります。
Sign in with ChatGPTの対応アプリ一覧
対応アプリは「プランを使えるアプリ」「サインインのみのアプリ」「オープンソース連携」の3つに分かれています。一覧は2026年10月1日時点のものです*4。
| 区分 | アプリ |
|---|---|
| ChatGPTプランを使えるアプリ(12) | Amp Code/Conductor/Dactyl/Devin/Hermes Agent/Hyperagent/Kilo Code/Lovable(近日対応)/Notion/Vercel/Vorflux/Warp |
| サインインのみ(5) | Airtable/Canva/GitLab/HubSpot/Supabase |
| オープンソース連携(4) | OpenClaw/OpenCode/Pi/T3 |
並びを見ると、プランを使えるアプリはコーディングエージェントや開発ツールが中心です。その中にNotionが入っている点は、開発者以外にとっても大きいと私は考えています。Notionは、AI機能を自分のChatGPT契約の利用分で動かせるアプリとして名前が挙がっています。
オープンソース連携には、OpenClawも入っています。OpenClawが何なのかは、以下の記事で解説しています。
OpenClaw(旧Moltbot)とは?何ができる・料金・安全性を徹底解説【2026年6月最新】
ここまで読んで「自社のサービスにも組み込めるか検討したい」と感じた方へ。法人向けAI研修の導入社数No.1*の弊社デジライズが、AIコンサルティング&開発のサービス資料を無料でお送りしています。既製のAIサービスでは要件が満たせず、自社に合わせたシステム構築や環境の検討が必要な場合の進め方をまとめています。
※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)
自社サービスに「Sign in with ChatGPT」を組み込むには

自社でSaaSやWebサービスを提供している立場から見ると、Sign in with ChatGPTは「ユーザーのChatGPT契約でAI機能を動かしてもらえる入口」になります。ただし、いまはどの企業でもすぐに組み込めるわけではありません。
| 立場 | 現在の入口 |
|---|---|
| 商用サービスの提供企業 | 限定トライアル。参加は選ばれた企業のみで、関心フォームから申し込む |
| オープンソースの開発者 | 開発者ドキュメントから組み込める |
商用パートナーは限定トライアルの段階で、ウェイトリストへの登録はOpenAIの担当者経由です*5。開発者向けのガイドは「Webサイト」「ChatGPTプラグイン」「オープンソースアプリでのプラン利用」の3系統に分かれています。
仕組みはOAuth 2.0とOpenID Connect
Webサイトへの組み込みは、OAuth 2.0の認可コードフローにPKCEとOpenID Connectを組み合わせた、標準的なログイン連携の形です。要求するスコープは openid・profile・email の3つです*6。流れの概要は次のとおりです。
- ユーザーが「Sign in with ChatGPT」ボタンを押し、ChatGPT側で許可する
- 自社のバックエンドで認可コードを交換する
- IDトークンを検証する
- issuer・client ID・subject(sub)を自社のアカウントに紐づけ、自前のセッションを作る
注意したいのは既存アカウントとの紐づけです。メールアドレスが一致しているだけでは、そのアカウントの持ち主である証明にはなりません。既存ユーザーとどう紐づけるかの方針を、明示的に決めておく必要があります。
提供企業にとってのメリット
提供企業側から見ると、構図は次のように整理できます。
- AIの利用分をユーザーの契約で賄える — Plus/Proユーザーは、自分の契約の利用分でアプリのAI機能を使える。APIキーをユーザーに用意してもらう必要もない
- 登録の手間を減らせる — 新しいパスワードを作らせずに、ChatGPTアカウントでそのまま登録できる
- 自社の料金は別に設定できる — アプリ独自のサブスクリプションやプレミアム機能の料金は、ChatGPTの契約とは別に請求できる
AI機能の推論にかかる負担を自社だけで抱えずに済む点が、提供企業側のメリットです。一方で、ChatGPTやAPIで使える機能の一部が、他アプリでプランを使う場合には使えないこともあります。自社のAI機能がどこまでこの経路で動くかは、トライアルの中で確かめることになります。
利用者・情シスにとっての意味:Sign in with ChatGPTとAIの二重課金

使う側、特に社内のAIツール費用を管理する情シスやDX推進の立場から見ると、Sign in with ChatGPTは「AIの二重課金」を見直すきっかけになります。各SaaSがそれぞれAIアドオンを売り、ChatGPTの契約とは別に費用が積み上がる構図が、少しずつ変わり始めているからです。
判断軸はシンプルで、SaaSのAIアドオンを個別に契約する前に「そのアプリはChatGPTプランで動かせるか」を確認することです。ただし、プラン共有を使えるのはPlusとProだけです*3。会社で契約しているChatGPT BusinessやEnterpriseでは、この「プランを使う」選択肢は対象に入っていません。
使いすぎを防ぐ設定
プラン共有をオンにしたときの利用分の扱いは、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 確認・設定する場所 | ChatGPTの「設定 > 使用状況」 |
| アプリごとの上限 | 週次で、全体の週次利用分の何%まで使えるかを指定(10%刻み) |
| 上限の意味 | キャップであって別枠ではない。利用分の予約も、全体の上限の追加もない |
| クレジットの利用 | 既定でオフ。アプリの上限が100%でないと使えず、100%にしただけではオンにならない |
| 自動クレジット購入 | 有効にしていると、使い続けるうちに自動で課金される場合がある。上限到達時に別途通知が来ないこともある |
| 上限に達したとき | アプリが勝手に別の有料オプションへ切り替わることはない |
| アプリ独自の料金 | ChatGPTのプラン・クレジットとは別にかかる場合がある |
対応アプリでの利用は、プラン本来の上限枠の中でカウントされ、利用枠が増えるわけではありません。ChatGPT本体で使う分とアプリで使う分を、同じ財布から出しているイメージです。消費の速さはアプリやタスクによって変わり、使用状況の画面にはアプリ内での具体的な操作詳細までは表示されません。
個人契約に業務のAI利用が寄るリスク
費用管理の面で気になるのは、プラン共有がPlus/Proという「個人の契約」の仕組みだという点です。社員が自分のPlusやProで業務SaaSのAI機能を動かし始めると、会社のAI予算とは別のところで業務のAI利用が進みます。
その結果、誰がどのアプリでどれだけAIを使ったかが会社側から見えにくくなる可能性があります。経費精算でPlus/Proの費用を会社が負担している場合も、利用分が他アプリに回っていることまでは見えないかもしれません。私は、ここを「便利になった」で終わらせず、社内ルールとして扱うべき論点だと考えています。
Sign in with ChatGPTを企業で使うときの注意点(管理者設定・データ・SSO)

企業で一番確認しておきたいのは、Sign in with ChatGPTが既定でどうなっているかです。明示的なIDポリシーを設定していない組織では、既定で有効になっています。明示的なIDポリシーがなく、既存の許可・拒否ポリシーでも制限されていない場合は、社員が会社のChatGPTアカウントで対応する外部アプリにログインできる状態です。
管理者が押さえる設定
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 既定の状態 | 明示的なIDポリシーがない組織では有効。既存の許可・拒否ポリシー(承認済みアプリ一覧を含む)はそのまま効く |
| 管理する場所 | OpenAI Admin Consoleの「External access」 |
| 管理できる人 | Global admin。ワークスペースのオーナー・管理者には、自動ではこの設定を変える権限がない |
| 委任アクセス | Business・Enterprise向けの管理者プレビュー中は、ChatGPT SitesとAdsの委任アクセスが既定でオフ。管理者の明示的な承認が必要 |
管理者が承認しても、メンバー本人の許可や既存の製品の権限が置き換わるわけではありません。ChatGPTのワークスペース管理者であっても、External accessを操作できるとは限りません。社内で誰がGlobal adminなのかを先に確かめておきましょう。
データの流れと接続の解除
サインインだけでアプリ側に渡る基本情報は、名前・メールアドレス・プロフィール写真の3項目です。委任アクセスを別途許可した場合は、その許可の対象になったデータや操作にもアクセスできるようになります。
一方でOpenAI側は、サインインの際にアカウント識別子や認証プロバイダ、選んだワークスペース、IPアドレス、リクエストから推定した位置、ブラウザやアプリのバージョン、デバイス識別子などを処理します。
接続の解除まわりで押さえておくことは次のとおりです。
- 解除の場所 — ChatGPTの「設定 > セキュリティとログイン > ログイン接続」で、Sign in with ChatGPTの一覧から対象のアプリを選択して解除する
- サインアウトでは切れない — アプリからサインアウトしただけでは接続は切れず、プランの利用も止まらない
- 使用量は戻らない — 解除しても、すでに記録された使用量は戻らない
- データ削除は別手続き — アプリがすでに受け取った情報の削除は、アプリ側のデータ管理・削除の手順に従う
社内SSOとの関係
多くの会社では、業務アプリへのログインを社内のIdP(SSO)でまとめて管理しています。Sign in with ChatGPTは、そのSSOとは別に「ChatGPTアカウントを起点にした入口」が増える仕組みとして整理しておくと分かりやすいです。どのアプリにどのアカウントでログインさせるかは、これまでのSSO方針と合わせて決める必要があります。
導入前のチェックリスト
- 自社のOpenAI組織で、Sign in with ChatGPTが既定で有効になっていないか確認する
- External accessを操作できるGlobal adminが誰かを確認する
- 承認済みアプリ一覧に、許可する外部アプリを登録するか決める
- ChatGPT Sites・Adsの委任アクセスを承認するかどうかを決める
- 社員が個人のPlus/Proで業務アプリのAI機能を使うことを認めるか、ルールを決める
- 退職・異動時に、ログイン接続の解除とアプリ側のデータ削除を誰が確認するか決める
同じDevDay 2026では、ChatGPTの中で常に動き続けるエージェント「dots」も発表されています。社内でAIに任せる範囲の線引きを考えるなら、以下の記事もあわせてご覧ください。
OpenAIの常時稼働エージェント「dots」とは?業務に任せる範囲をどう線引きするか
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※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)
まとめ:Sign in with ChatGPTは「ログイン」より「契約の使い道」の話

Sign in with ChatGPTは、ログインの手軽さよりも、ChatGPTの契約を他のアプリでどう使うかに関わる仕組みです。要点は次の4つです。
- ChatGPTアカウントで対応アプリにログインでき、アプリに渡るのは名前・メールアドレス・プロフィール写真の3項目だけ
- Plus/Proなら、契約に含まれるChatGPT WorkとCodexの利用分をアプリのAI機能に回せる(BusinessやEnterpriseは対象外)
- 自社サービスへの組み込みは、商用パートナーは限定トライアルの段階
- 企業では、明示的なIDポリシーがないと既定で有効。管理はOpenAI Admin ConsoleのExternal accessでGlobal adminが行う
各SaaSのAIアドオンを契約する前に、まず「そのアプリはChatGPTプランで動かせるか」を確認する。同時に、個人契約に業務のAI利用が寄っていないかも見ておく。この2つを押さえておけば、Sign in with ChatGPTは費用の重複を減らす手段として使えます。
DevDay 2026では、同じタイミングで新モデルのGPT-6.1 Solも発表されています。こちらもあわせてご覧ください。
GPT-6.1 Solとは?GPT-6 Astraに迫る性能を5分の1のコストで使う方法
