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受講者の半数が業務でAIを使っていなかった会社が、半年で年間864時間相当の業務削減へ。創業110年超のパッケージ老舗の挑戦

株式会社トップウェル 様

株式会社トップウェル

導入前の課題

  • AIを使う業務の幅:開始時点でAIを活用している業務は1人平均0.91件。受講者11名のうち6名は、業務でAIを使っている場面がまだ1つもなかった
  • AIに触れる頻度:AIの利用頻度は平均で週1.82日。4名は週0日で、日々の業務のなかでAIを開く習慣はまだ根付いていなかった
  • 時間の使い方:見積とメール返信に営業の時間が集中し、作業は担当者ごとの属人的なやり方に。AIによる削減時間は、受講者全体を合わせても年間換算で264時間にとどまっていた

導入後の効果

  • AIを使う業務の幅:1人平均0.91件 → 3.45件(約3.8倍)。全員が1件以上の業務でAIを活用し、メール・提案資料・チラシ・議事録・リサーチへと用途が広がった
  • AIに触れる頻度:週1.82日 → 週4.09日(約125%増)。11名中6名が週5日、ほぼ毎営業日AIを使う状態に
  • 時間の使い方:受講者全体の削減時間は、年間換算で264時間 → 864時間(約3.3倍)。第4回時点で、年間864時間相当の業務削減に到達

株式会社トップウェル様では、営業・経理・デザイン・事務など11名の受講者を対象に、約半年間にわたりAI教育プログラム「法人リスキリング」を実施しました。全4回のワークショップを通じて、AIを活用する業務は1人平均0.91件から3.45件へと約3.8倍に増え、受講者全体の削減時間は年間換算で864時間相当に達しています。

半数以上の受講者が業務でAIを使っていなかった状態から、ほぼ毎日AIを開いて仕事を進める段階へ。100年以上の歴史を持つパッケージと工具の老舗が、半年間でどのように活用を広げていったのかをご紹介します。

会社紹介

株式会社トップウェル ロゴ

株式会社トップウェル様は、1912年(明治45年)創業、東京都台東区に本社、大阪に支店を構える企業です。パッケージ事業部では、ジュエリー、お菓子、化粧品などさまざまな業界のパッケージを企画・製造しています。工具事業部では、時計・宝飾、精密、DIYをはじめとする多種多様な工具を手がけています。

株式会社トップウェル 公式サイト
株式会社トップウェル 公式サイト(top-well.jp)

パッケージ事業では、社内デザイナーによる企画・素材提案と、国内外300社以上の提携工場を生かした製造方法の提案を強みとし、「この商品を入れたい」という大まかなイメージからパッケージを形にしています。ケースの販売数は年間300万個以上にのぼります。

トップウェルの強み「企画力」
社内デザイナーによる企画・素材提案(同社「トップウェルの強み」ページより)

工具事業部は「ものづくりを支えます」を掲げ、充実した品揃えと細やかなサポートで、さまざまなものづくりの現場を支えています。

トップウェル 工具事業部
トップウェル 工具事業部(同社サイトより)

掲げる理念は「Unity, Fairness, Creativity, Impression」(共生・公正・創造・感動)。創造的な仕事と感動のある実践を追求する姿勢は、今回の生成AI活用の進め方にも表れています。

生成AI導入前の課題感

オーダーメイドが中心の同社では、案件ごとに仕様・数量・納期が異なります。プログラムのなかで実施した業務の棚卸しでは、営業の時間が「見積」と「メール返信」に大きく偏っていることが分かりました。

仕入先への見積依頼から自社の見積書作成までの見積プロセスには、営業部全体で週約6,700分。顧客・仕入先へのメール返信にも週約2,300分がかかっていました。仕入先の回答を自社の書式に転記し、掛け率から売価を出す作業は、担当者ごとのやり方に頼っていた状態です。

一方で、AIの活用はまだ始まったばかりでした。第1回ワークショップ時点の数値は、AI活用業務数が平均0.91件、AI利用頻度が平均週1.82日。AIによる削減時間は、受講者全体を合わせても年間換算で264時間でした。受講者11名のうち6名は業務でAIを使う場面がまだなく、4名はAIを開く日が週に1日もありませんでした。

「Geminiをほとんど触っていなかったため、勉強になった」

受講者アンケートより

道具としてのAIは手元にあるものの、日々の仕事に組み込む前の段階。ここが半年間の出発点でした。

実施内容 ― トップウェル様ならではの取り組み

半年間のプログラムは、全員が同じ土台に立つための学習と、同社の実務に引き寄せた活用支援の2段構えで設計しました。

  • 動画学習+Gemini × Google Workspaceのワークショップ全4回
    普段の業務環境であるGoogle Workspaceに合わせ、Geminiを軸に構成しました。プロンプトの基礎とファイル活用に始まり、チャットボット(Gem)の作成、スプレッドシート・ドキュメント・スライドとの連携まで、4回で段階的に広げています。動画学習は受講者全員が完了しました。
  • 見積・提案業務を「型」にする
    活用支援MTGの1回目では、棚卸しで最も時間がかかっていた見積・提案業務を題材にしました。資材マスタと見積ルールをGeminiに参照させ、案件メモから協力工場向けの見積依頼書と顧客向けの提案メールを生成。あわせて、見積書・発注書をチェック基準と照合し「OK/不備/要確認」を判定させるワークも行いました。生成だけでなく「照合」にもAIを使い、数字は原本で確かめる。この線引きを最初に共有しています。
  • パッケージ業界の言葉を持った「返信アシスタントGem」
    2回目は、一人ひとりが翌日から使える道具を持ち帰ることを狙いました。自社のルールと過去の返信文例、トーンガイドを仕込んだ専用のGemを各自で作成。貼箱や箔押し、ロット、分納といった業界の言葉を踏まえた返信の下書きを、問い合わせを貼るだけで出せるようにしています。
  • 個人の活用から「仕組み」へ
    3回目は、案件シートを毎朝確認し、納期が近い未完了案件を担当者へ自動でメールする流れを、ノーコードで組む実演を行いました。案件管理・経費精算などの業務を「自分たちで設定できるもの」と「開発に任せるもの」に切り分け、仕組み化の進め方を整理しています。

生成AI活用の効果

最も大きく変わったのは、AIを使う業務の幅です。開始時点で1人平均0.91件だったAI活用業務は、第4回には3.45件に。メールの作成・返信、提案資料や会社案内、商品チラシ、議事録、市場リサーチ、画像の作成まで、受講者それぞれの職種に合わせて用途が広がりました。

主要KPIの変化(第1回→第4回)

指標変化伸び
AI活用業務数0.91件 → 3.45件約279%増
AI利用頻度週1.82日 → 週4.09日約125%増
削減時間(全体・年間換算)264時間 → 864時間約227%増

第4回の時点で、AIを活用する業務がゼロの受講者はいなくなりました。週5日AIを使う受講者は11名中6名。特定の人だけが使いこなすのではなく、組織全体に活用が根付いたことを示しています。

受講者全体の削減時間は、年間換算で264時間から864時間相当へと約3.3倍に増えました。月にして72時間相当の業務が、AIによって削減されている計算です。

※ 数値は第1回・第4回のワークショップ後に実施した受講者アンケート(自己申告)にもとづきます。AI活用業務数と利用頻度は回答者11名の平均、削減時間は11名の「1週間あたりの削減時間」の合計を4倍して月換算、さらに12倍して年間換算したもので、前提が変われば結果も変わります。

1日の流れで見ると、変化はこうなります。

導入前|一から書いて、一から探す1日

  • 顧客・仕入先へのメール返信。言い回しを考えながら一から書く
  • 提案資料やチラシを作る。構成も文面も白紙から
  • 営業の打ち合わせ後、議事録を手でまとめる
  • 市場や取引先の情報を、検索結果を一つずつ読んで集める

導入後|下書きはAI、仕上げは人の1日

  • メールは自社ルールを持たせたGemで下書きを出し、数値と宛名を確認して送る
  • 提案資料・チラシはAIに叩き台を出させ、手を入れて仕上げる
  • 議事録はAIが要点を整理し、確認して共有する
  • リサーチはAIにまとめさせ、裏取りに時間を使う

スプレッドシートのワークでは、関数やピボットテーブルを使っていた作業をAIへの指示に置き換える体験が、受講者の手応えにつながりました。

「ピボットテーブル等はエクセルと同じ流れでかつ言葉で指示を出せるのが効率的だと感じた」

受講者アンケートより

普段の手順を変えずに、操作を「言葉」に置き換えられる。この感覚が、日々の業務でAIを開くハードルを下げていきました。これまで手作業で整えていた工程が、AIでどこまで速くなるかを実感した声もあります。

「グラフ化やハイライトなど手動でやっていたので『早い』と感じた」

受講者アンケートより

Gemの作成を経験したことで、使い道を自分で広げようとする受講者も出てきました。

「gemに対話型のプロンプトを設定するのは意外に簡単で、メール以外でも使ってみたいと思いました」

受講者アンケートより

教わった使い方をなぞる段階から、自分の業務のどこにAIを入れるかを考える段階へ。営業部では、実績品のデータをブラウザ上で共有する仕組みづくりも始まっています。

今後の展望

活用が組織に根付き始めた今、トップウェル様の次のテーマは、受講者の取り組みを社内の仕組みとして広げていくことです。

  • 業務の自動化に向けた検討
    活用支援MTGで切り分けた業務をもとに、GAS(Google Apps Script)などを使った業務の自動化について、具体的な検討を進めていきます。
  • 営業部での仕組み化を進める
    実績品データの共有など、営業部で始まった取り組みを定着させ、個人の工夫をチームの標準へと引き上げていきます。
  • バックオフィスへの展開
    今回のプログラムに参加していない管理部門などへの生成AIの浸透が、次の課題として挙がっています。長年のやり方に慣れたメンバーも無理なく移行できるよう、社内での仕組みとフォロー体制を検討していきます。繁忙期を越えたタイミングで、次の社内展開フェーズに入る方針です。
  • 削減時間をさらに積み上げる
    活用業務数と頻度は最も高い水準に達しました。次は1業務あたりの時短を深め、生まれた時間を付加価値の高い仕事へ振り向けていきます。

半年間の取り組みを通じて、生成AIを「触ってみる」段階から「毎日の業務で使う」段階へと進んだトップウェル様。1人3.45件の活用業務と年間864時間相当の業務削減は、その過程で生まれた成果のひとつです。

時計工具の事業で創業し、パッケージへと事業を広げながら、顧客の「こんなものを入れたい」を形にしてきた同社。「Creativity(創造)」を掲げる同社が、生成AIの活用で生まれる時間を、次の創造的な仕事へとつなげていきます。

掲載日:2026.10.19。記載の内容は取材時点のものです。

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デモ動画|48秒

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見どころ

営業デモ動画(2026年10月)から抜き出したものです。画面はデモ環境のもので、会社名・氏名は架空です。