チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

「8時間かかっていた資料作成が、AIで8分になったら…」
「リサーチや競合分析に追われて、本来の企画業務に集中できない…」

こんな悩みを抱えるビジネスパーソンは、非常に多いのではないでしょうか。実際、業務時間の約60%が資料作成やその周辺業務(仕事のための仕事)に費やされている*1という現実があります。

そんな悩みを根本から解決するAIツールとして、今、注目されているのが「Skywork」です。これは単なるAIチャットではありません。あなたの指示一つで、リサーチから分析、そしてドキュメント・スライド・表計算・Webサイト・ポッドキャストの5形式の資料作成まで、すべてを完結させてくれる“AIオフィスエージェント”なんです。

この記事では、「Skyworkって何?」という初心者の方から、「ChatGPTやManusとどう違うの?」という方まで、誰もがSkyworkをマスターできるよう、その全てを徹底的に解説します。

*1 出典:「仕事のための仕事」が本来やるべき仕事の妨げとなる理由


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Skyworkとは?8時間の資料作成を8分に短縮するAIエージェント

まずは「Skyworkって、そもそも何なの?」という疑問から解決していきましょう。一言でいうと、Skyworkは「“1つの指示で5形式に対応、8時間の業務を8分に短縮”をキャッチフレーズにした、ビジネス資料作成特化のAIエージェント」です。

Skyworkの概要

Skyworkは、シンガポールと米国に本社を置くSkywork AI Pte. Ltd.が提供するAIオフィスエージェントです。

多くのAIが「汎用型」として機能の幅広さを重視するのに対し、Skyworkはビジネスパーソンが最も時間を奪われている「資料作成」という課題を解決するため、「垂直特化型構成」というアプローチを採用しています。

具体的には、業務に特化した5つの専門エージェント(ドキュメント、スライド、スプレッドシート、Webページ、ポッドキャスト)と、1つの汎用エージェントで構成されており、それぞれのタスクでプロフェッショナルレベルの出力を目指せるのが最大の特徴です。

Skyworkの主要機能「5つの専門エージェント」

では、具体的にSkyworkでどんなことができるのか。その中核となる「5つの専門エージェント」の機能を、一つずつ見ていきましょう。

1. Documents (文書作成エージェント)

「調査レポート」や「競合分析」、「事業計画書」といった、深いリサーチと信頼性が求められる文書の作成に特化したエージェントです。

  • 独自の「Deep Research」技術: 信頼性の高い情報収集・推論を実現します。
  • GAIAベンチマーク世界1位*: その精度は、OpenAIなどを抑えて世界1位のスコアを記録(2025年5月10日時点)しています。
  • 出典追跡機能: これがビジネス利用で最も重要です。AIが生成したすべての情報に出典元(URL)が自動で付与されます。
  • 自動可視化: 分析結果をデータチャートやグラフとして自動で可視化してくれます。

* 出典:Skywork公式

実際にSkyworkでWordを作ってみると、生成された情報の「全部の情報源」が確認できるんです。気になった箇所をすぐにチェックできるので、ファクトチェックにそのまま使えます。リサーチ系のドキュメント作成には最適だと感じました。

skyworkで作成したドキュメント

2. Slides (スライド作成エージェント)

「プレゼンテーション資料」や「社内共有スライド」 の作成に特化したエージェントです。私も実際に触ってみて、特に「かゆいところに手が届く」機能が多いと感じました。

  • プリセット機能: 「完璧に資料を作るために、予備プロンプト追加」という機能があります。これは、よく使うプロンプトを保存しておける機能で、ほかのエージェントにはなかった便利な点です。
  • テンプレート&ナレッジベース: これも便利です。例えば、このナレッジベースに会社のロゴや定型文を保存しておいて、「指定のロゴ」と入力するだけでOKなんです。自社のPowerPointテンプレート(.pptx)をアップロードして、デザインを統一することも可能です。
  • 直感的な編集: 生成されたスライドは、ドラッグアンドドロップで要素を動かしたり、テキストや画像、グラフをスライド上で自由に編集できます。
skyworkで作成したスライド

3. Sheets (表計算エージェント)

「売上予測」や「KPI分析」、「顧客データ分析」 など、データ分析と表計算に特化したエージェントです。

  • 高度な統計分析: 専門知識が必要だった「記述統計・推測統計(相関分析・回帰分析)」 や「時系列分析」 をAIへの指示だけで自動実行できます。
  • チャート自動生成: 分析結果を統計チャートとして自動生成。
  • テンプレート: 「猫の健康管理表」や「家庭の予算表」 といった面白いものから、実用的な「Apple株の短期と長期分析」 まで、多様なテンプレートが用意されています。
skyworkで作成したスプレッドシート

簡単な指示でも、本当にサクッとExcelができて驚きました。

4. Webpages (Webページ作成エージェント)

「コーポレートサイト」や「ランディングページ」、「ポートフォリオサイト」 の作成に特化したエージェントです。

  • コード不要: ドラッグ&ドロップでプロフェッショナルなサイトが構築できます。
  • レスポンシブ自動対応: スマホやタブレットにも自動で最適化されます。
  • Visual Editing(ビジュアル編集): 最近のアップデートで、生成されたWebサイトの要素を「見たまま編集」できる機能が追加されました。

実際に私もこの「AIデベロッパー」機能を検証してみました。「株式会社デジライズ代表 チャエンの自己紹介サイト」というテーマで作成を指示したところ、以下のようなサイトが生成されました。

正直、かなり驚きました。デザインのクオリティが高く、私の経歴や業務内容についても、かなり事実通りのサイトが瞬時に出来上がったからです。

もちろん、まったく自分と違う顔写真が使われていたり、情報が少し古かったりといった、事実誤認はありました。しかし、そうした細かい部分は後から修正すれば済む話で、土台としては十分に実用的なサイトが構築されています。

一点、注意点として、今回生成されたのはトップページのみで、「About」や「Contact」といった別ページへのリンクは遷移できない仕様になっていました。2ページ以上のサイトを構築するには、もう少しプロンプトを工夫したり、複数回に分けて指示を出したりする必要がありそうです。

とはいえ、レスポンシブデザイン(スマホ対応)も完璧に仕上がっていたのは大きなポイントです。これなら、中途半端に外注するよりも、よほど質の高いサイトを構築できるかもしれません。

ちなみに、AIがURLまで自動で作成してくれました。興味がある方はぜひご覧ください。

https://wdshit8bgu.skywork.website/#

5. Podcasts (ポッドキャスト作成エージェント)

「社内報の音声化」や「教育コンテンツ」、「マーケティング用の音声コンテンツ」 の作成に特化したエージェントです。

  • 1文から生成: 1文のプロンプトから脚本生成、音声化まで自動で行います。
  • デュオ対応&多言語: 2人の話者による対話形式(デュオ) や、日本語、英語など多言語に対応しています。

Skyworkは安全? 企業が最も気にするセキュリティとデータ保護

AIツールを企業導入する際、私が最も重視し、クライアントにも必ず確認するようお伝えしているのがセキュリティ(安全性)です。

「アップロードした機密情報が、AIの学習に使われてしまうのではないか?」

結論から言うと、Skyworkは企業レベルのセキュリティ基準に対応しており、その懸念はクリアされています。

Q1. アップロードした資料やデータはAIの学習に使われる?

A. いいえ、使われません。

Skyworkは公式に「個人データの学習利用禁止を明言」 しています。これは非常に重要です。プライバシーポリシーにも、以下の通り明確に記載されています。

“We value your privacy, and we do not use your personal data, including but not limited to your uploaded sources, queries and other input data for our model training.”

(日本語訳:私たちはあなたのプライバシーを尊重し、あなたがアップロードしたソース、クエリ、その他の入力データを含むあなたの個人データを、私たちのモデルトレーニングに使用することはありません。)

*2 出典:skywork.ai プライバシーポリシー

Q2. データはどのように保護されている?

A. 強固な暗号化と通信保護が施されています。

  • アップロードされたデータは暗号化されます。
  • 通信(データのやり取り)も「TLS 1.2プロトコル」 を通じて保護されています。

Q3. サーバーはどこにある?

A. 米国に配備されており、企業向けプランではリージョン選択も可能です。

  • データは米国のローカルサーバーに配備されています。
  • エンタープライズプランでは「AWSリージョン選択」 も可能となっており、データガバナンスにも配慮されています。
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Skyworkの料金プランとクレジットの仕組み

「これだけの機能があると、高いのでは?」と思うかもしれませんが、Skyworkは非常に良心的な料金体系です。

料金体系(2025年11月現在)

プラン料金内容
フリープラン0円毎日500クレジット付与(登録初月・1日間有効)
さらに毎週500クレジット付与(登録2ヶ月目以降・7日間有効)
基本機能をすべて試すことが可能。
有料プラン2,498円 / 月
5,879円 / 3ヶ月
22,049円 / 年
上記に加え、毎月7,000クレジット付与(1ヶ月間有効)
クレジットの追加購入も可能。

クレジット消費の目安

Skyworkは「クレジット制」を採用しています。面白いのが、「どのタスクにどれくらいクレジットを消費するか」の見積もり機能がある点です。

また、公式の料金ページにある目安は以下の通りです。

クレジット(料金)スライド作成ドキュメント作成ポッドキャストWebページスプレッドシート
7,000クレジット(一月分)約24-38件約18-25件約21-31本約11-14件約21-35件

まずは無料の500クレジットで、自分の作りたい資料が何件作れるか試してみるのが一番良いでしょう。

Skyworkの立ち位置と使い分け

では、ManusやGensparkと比べてどうなのか。正直なところ、Genspark、Manus、Skyworkは、どれも非常に優れています。もはや「どれが一番か」というより、「あとは自分がどこまで使いこなすか」というレベルに来ています。

その上で、私がSkyworkに感じている強みは、やはり「スライドやドキュメントという“形”にまとめる」スピードと、その後の「編集のしやすさ」、そしてビジネス利用に不可欠な「出典の明記」です。

詳しい比較については、すでに別の記事で解説しています。それぞれのツールの強み・弱みを知りたい方は、ぜひそちらの記事も参考にしてみてください。

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Skyworkの高度な機能(自動化・連携)

Skyworkの魅力は専門エージェントだけではありません。日々の業務を自動化する、さらに高度な機能も充実しています。

  • 定期タスク(定時タスク)
    「毎週AIニュースを集めてスライドで生成してください」といったタスクを一度設定しておけば、AIが自動で実行し、指定した時間に結果を返してくれます。社内ナレッジの共有などに絶大な威力を発揮します。
  • プラットフォーム連携
    「汎用」エージェントが、Google、Slack、GitHub、Jira や、Microsoft 365、Outlook、Notion、Google Drive といった主要なプラットフォームと連携。「Gmailで最新のメールを確認して」 といった指示をSkywork上で完結できます。
  • API連携
    Skyworkの資料作成能力を、自社のサービスに組み込むことも可能です。
  • スマホアプリ対応
    スマートフォンアプリもあるので、外出先でも資料の確認や生成指示が可能です。

よくある質問(Q&A)

Q1. AIの専門知識がなくても使えますか?

A: はい、全く問題ありません。Skyworkは、AI初心者の方でも直感的に使えるように設計されています。 特に「明確化カード(Clarification Card)」という機能があり、AIが自動で目的や背景をヒアリングしてくれるので、具体的な指示を考えるのが難しい方でも、AIが意図を汲み取って適切な出力をサポートしてくれます。

Q2. 無料で試すことはできますか?

A: はい、無料プランで試すことができます。Skyworkにはフリープランが用意されており、登録するだけで初月は毎日500クレジットが付与されます。このクレジットを使って、紹介したドキュメント作成やスライド作成などの基本機能を実際に試すことが可能です。

Q3. 日本語には完全に対応していますか?

A: はい、UI(操作画面)は日本語に対応しています。ドキュメント、スライド、スプレッドシート、Webページ作成といった主要なエージェント機能も、日本語での入力・出力にしっかり対応しています。

Q4. セキュリティは大丈夫ですか? アップロードしたデータはAIの学習に使われますか?

A: データはAIの学習には使われません。これは企業導入において最も重要な点ですが、Skyworkは公式プライバシーポリシーで「お客様がアップロードしたソース、クエリ、その他の入力データを含む個人データを、モデルのトレーニングに使用することはありません」と明確に記載しています。

また、データは「保管時の暗号化 (Encryption at rest)」で保護され、通信も「TLS 1.2プロトコル」によって暗号化されるなど、企業レベルのセキュリティ対策が講じられています。

Q5. スマートフォンでも使えますか?

A: はい、スマートフォンアプリが用意されています。外出先でも資料の確認や、AIに生成を指示することができるので便利です。

まとめ:Skyworkは「資料作成」に特化した即戦力AI

今回は、AIオフィスエージェント「Skywork」について、その基本から応用、セキュリティまで徹底的に解説しました。

最後に、Skyworkの強みをまとめると以下のようになります。

  1. 高精度・高速な資料作成: GAIAベンチマーク世界1位のエージェント技術。(2025年5月10日時点)
  2. ビジネスに耐える信頼性: AIの“ウソ”を防ぐ、全機能対応の「出典追跡機能」。
  3. 万全のセキュリティ: 企業導入の必須条件である「データ非学習」と「暗号化」を明言。
  4. 圧倒的なコスト効率: 競合より少ないコストで、プロ品質の資料が手に入る。

特に「営業・企画担当者」、「フリーランスのコンサルタント」、「研究者・学術関係者」 の方には、劇的な業務効率化をもたらすはずです。

しかも、これだけの機能が 無料(500クレジット付)で始められる のですから、試さない手はありません。ぜひ、この記事を参考にSkyworkをあなたの仕事に取り入れて、その革命的なパワーを体感してみてください!

デジライズでは、Skyworkをはじめとする生成AIの導入研修を行っています。個別のミーティングで業務内容をヒアリングし、現場で本当に使えるAI活用法を一緒に考えるところからスタートします。実際に使えるように、AIの専門家が伴走いたしますので、AI担当者がいない企業様でもご安心ください。

まずは情報収集からでも歓迎です。導入の流れや支援内容をまとめた資料をこちらからご覧いただけます。

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。