チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

「商談は盛り上がったのに、議事録とフォローメールを作るのに深夜までかかっている…」
「営業活動後の”後処理”が多すぎて、次の提案準備ができない…」

こんな悩み、あなたも抱えていませんか?

多くの企業で営業の生産性が課題になっていますが、その最大のボトルネックは、商談そのものではなく、 商談後の「後処理」 にあることが多いんです。議事録、フォローメール、営業日報、CRM入力…これら一つひとつは必要な業務ですが、合計すると膨大な時間になりますよね。

この記事では、「営業の後処理」という、これまで時間を奪われがちだった作業をAIで自動化し、あなたが “本当にやるべき仕事”に集中するための具体的なテクニック を徹底解説します。実際に使えるプロンプトテンプレートも全て公開しますので、明日から即実践できます。


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「営業後の仕事」が生産性を奪う3つの理由

営業担当者の仕事は、商談が終わってからが本番とも言えます。しかし、この「後処理」こそが、多くの営業パーソンの生産性を著しく下げている元凶なんです。ここでは、なぜ後処理が問題なのかを3つの観点から整理してみましょう。

議事録・フォローメール・日報が”残業の温床”になっている

議事録の作成、フォローメールの送付、営業日報の提出…これら一つひとつは15分〜30分程度の作業かもしれません。しかし、1日に複数の商談をこなす営業パーソンにとって、これらが積み重なると 1日あたり1〜2時間以上 を後処理に費やしていることになります。

特に問題なのは、これらの作業が定時後に発生しがちだということ。商談が終わった後、オフィスに戻ってから「さて、あの商談の議事録を…」となると、気づけば深夜残業。これこそが、営業職の”見えない残業の原因”なんです。

後処理が遅れて次の商談準備ができない

後処理を後回しにすると、どんどん溜まっていきます。溜まった後処理を片付けるために時間を取られ、結果として 次の商談の準備が疎かに なる。準備不足の商談はクオリティが下がり、成約率にも影響します。

さらに厄介なのは、フォローメールの遅延です。商談後24時間以内にフォローメールを送るのと、3日後に送るのでは、顧客の印象は大きく変わります。後処理が遅れることで、せっかくの商談の成果が台無しになるリスクすらあるのです。

報告文化は大事だが、やり方が古い

「日報を書くこと自体は悪くない」「情報共有は大切だ」——これは間違いありません。しかし、問題はそのやり方です。

多くの企業では、いまだに「手作業で一から文章を書く」というやり方が当たり前になっています。でも考えてみてください。商談の内容を録音し、文字起こしをして、要点を整理し、それを元に議事録・メール・日報を作成する…この一連の流れ、ほぼ全てAIで自動化できるんです。

報告文化を維持しつつ、作業は最小限に。これが2025年の営業スタイルです。

営業後処理の全体像とAIで自動化できる範囲

では、具体的な自動化の話に入る前に、まずは「営業後処理」の全体像を整理しておきましょう。

営業後処理を3つのタスクに分解する

営業の後処理は、大きく分けて以下の 3つのタスク に分類できます。

  1. 議事録(記録) – 商談内容を正確に記録し、決定事項・課題・ToDoを整理するタスクです。これは全ての後処理の「元データ」となる、最も重要な作業と言えます。
  2. フォローメール(顧客へのフォロー) – 商談のお礼と、決定事項・次回アクションの確認を顧客に送付するタスクです。スピードと正確性が求められ、関係構築の要となります。
  3. 日報・CRM入力(社内への報告) – その日の活動内容を上司や関連部署に報告し、SFA/CRMに情報を入力するタスクです。組織としてのナレッジ蓄積に不可欠です。

この3つを見ると、全て「情報の加工と転記」がメインであることが分かりますよね。まさにAIが最も得意とする領域です。

AIが得意な作業/人間が確認すべき作業

ただし、何でもかんでもAIに丸投げすればいいわけではありません。AIが得意な作業と、人間が確認すべき作業を明確に分けておくことが重要です。

AIに任せるべき作業人間が確認すべき作業
長文の要約・構造化
定型フォーマットへの整形
複数情報からの抜け漏れチェック
文章のトーン調整・敬語変換
テンプレートへの情報流し込み
金額・日付・固有名詞の正確性チェック
顧客との関係性を踏まえたニュアンス調整
機密情報の取り扱い判断
最終的な送信・提出の意思決定

この役割分担を意識することで、 AIの力を最大限活用しつつ、ミスのない後処理 が実現できます。

【プロンプト付】営業後処理におけるAI活用パターン5選

お待たせしました!ここからは、実際に使えるAI活用パターンを、プロンプトテンプレート付きで一挙公開します。全5パターン、明日から即実践できるものばかりですので、ぜひブックマークして活用してください。

1. 商談を録音して文字起こしを自動化する

全ての後処理の「元データ」となるのが、商談の録音と文字起こしです。ここを制する者が、営業後処理を制します。

このパターンでできること

  • 商談中にメモを取る必要がなくなり、会話に100%集中できる
  • 60分の商談でも、終了後すぐに正確なテキストデータが手に入る
  • 「誰が何を話したか」を話者ごとに自動で分離

「議事録は手でメモを取るもの」という時代は終わりました。AI文字起こしツールを使えば、商談が始まると同時に自動で録音と文字起こしを開始してくれます。

おすすめツールと選び方

💡 おすすめAI:Notta / TLDV / LINE WORKS AiNote

ツールアプリオフラインで使用できるかリアルタイム文字起こし / 翻訳料金目安
Nottaありフリー:0円
プレミアム:1,185円/月(年払い)
など
TLDV×なし無料:0円
Pro:1,800円/月(年払い)
など
LINE WORKS AiNoteリアルタイム文字起こしのみありフリー:0円
ソロ:1,440円/月
チーム:19,800円/月
など

【ツール選定のポイント】

  • 自社の会議ツール(Zoom/Meet/Teams)と自動連携できるか
  • 日本語の認識精度は十分か(専門用語や固有名詞の認識)
  • 話者分離機能があるか(誰が何を話したか識別)

運用のコツ

  1. 自動録音設定をONにする – Zoom/Meet連携を設定し、会議開始と同時に自動で録音が始まるようにしておきましょう。
  2. 話者分離を活用する – 「顧客A様」「自社B」など、発話者ごとのタグを自動で付与してくれる機能を活用すれば、「あの話、誰が言ったんだっけ?」と録音を聞き直す作業がゼロになります。
  3. 録音前に顧客の了承を得る – 商談の録音は、必ず事前に顧客の了承を得てください。「議事録作成のために録音させていただいてもよろしいでしょうか」と一言添えるだけでOKです。
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今回は、フォロワー17万人のAI専門家である私が、本当に使えるツールを3つだけ厳選してご紹介します。さらに、高価なツールの機能を、コストを1/10にできる生成AI活用術も解説します。 この記事を読めば、あなたの会社に最適…

パターン2:商談議事録を自動生成し、要点だけを抜き出す

パターン1で文字起こしが完了したら、次はその膨大なテキストを「使える情報」に加工します。60分の商談テキストをそのまま共有しても誰も読みませんよね。ここでAIに情報を整理させます。

このパターンでできること

  • 60分の商談録音から、5分で構造化された議事録を作成
  • 決定事項・課題・ToDo・保留事項を自動で分類
  • 「誰が」「何を」「いつまでに」を明確化

議事録は全ての後処理の「元データ」になります。ここの品質を上げることで、後続のフォローメールや日報作成も格段にスムーズになるんです。

代表プロンプト例

以下のプロンプトをChatGPT、Claude、Geminiなど、お使いのAIにコピー&ペーストしてください。

# 役割
あなたは優秀なビジネスコンサルタントです。

# 目的
以下の議事録テキストを分析し、社内共有および顧客フォローのために「行動」に焦点を当てたサマリーを作成する。

# 実行タスク
以下の議事録テキストを読み込み、下記の4つの項目を抽出・整理してください。

- 商談の決定事項: (商談で合意・決定した内容を箇条書きで)
- 顧客が抱える課題(ニーズ): (顧客が発言した悩みや要望を箇条書きで)
- 次のアクションプラン(ToDo): ([担当者] [タスク内容] [期限] の形式で)
- 保留事項・懸念点: (今回決まらなかったことや、顧客が懸念している点)

# 入力情報
{ここにNottaやTLDVで書き起こしたテキスト全文を貼り付け(もしくは、テキストファイルを添付)}

# 出力形式
上記の4項目を、見出しをつけた箇条書きで分かりやすく整理してください。

実際の出力とワークフロー

このプロンプトを使うと、以下のような構造化された出力が得られます。(今回は、仮の録音データを作成して試しました。

【実際の出力】

【推奨ワークフロー】

  1. NottaやTLDVで商談を録音・文字起こし
  2. 文字起こしテキストをプロンプトに貼り付け
  3. AIで構造化された議事録を生成
  4. 人間が内容をサッと確認・修正
  5. 社内共有&次のフォローメール作成へ

パターン3:議事録からフォローメールを30秒で作る

議事録ができたら、次は「何を送るか?」です。顧客へのフォローメールはスピードが命。AIを壁打ち相手に、的確なお礼メールを作成しましょう。

このパターンでできること

  • 議事録サマリーから、適切なトーンのフォローメールを自動生成
  • 決定事項・ToDoを漏れなく記載
  • 初回商談後、見積提出後、失注フォローなど、シーン別に対応

重要なのは、AIが書いたとバレバレの堅苦しい文章ではなく、「この営業は分かっている」と思わせる自然な文体で作成させることです。

フォローメールプロンプト例

# 役割
あなたは、{商談相手の企業名}の{相手の役職}様との関係性を重視する、丁寧かつ仕事が早い営業担当者です。

# 目的
商談のお礼と、決定事項・ToDoの確認を漏れなく行うためのフォローメールを作成する。

# 入力情報
【商談サマリー】
{ここにさきほどAIで作成した「決定事項」「ToDo」などを貼り付け}

【商談相手】
{商談相手の企業名} {部署名} {担当者名}様

【商談日時】
{商談日時}

# 実行タスク
上記サマリーに基づき、担当者様へのお礼と内容確認のフォローメール(日本語)を作成してください。

# 出力形式(注意点)
- AIが書いたような堅苦しい文章ではなく、自然で少し親しみのある文体で。
- 冒頭で、商談の時間をいただいたことへのお礼を述べる。
- 次に、商談で合意した「決定事項」と「次のアクション(ToDo)」を箇条書きで明確に示す。
- (当方)と(先方)のタスクが明確に分かるようにしてください。
- 件名も作成してください。

【初回商談後のバリエーション】

# 追加指示
- 初回のご挨拶としての丁寧さを重視してください。
- 弊社サービスへの関心に感謝を述べてください。
- 次回の打ち合わせ候補日程の確認を入れてください。

【見積提出後のバリエーション】

# 追加指示
- 見積書を添付している旨を明記してください。
- 見積内容についてご不明点があればお気軽にご連絡くださいと添えてください。
- ご検討のスケジュール感をお伺いする一文を入れてください。

【失注フォローのバリエーション】

# 追加指示
- 今回のご検討に感謝を述べてください。
- 押し付けがましくならないよう、あっさりとした文体で。
- 将来的な再検討の際にはお声がけいただければ嬉しい旨を伝えてください。
- 業界動向など、お役に立てる情報があれば今後も共有させていただきたいと添えてください。

実際の出力例(パターン2の続き)

トーン・禁止表現などの注意点

フォローメールでAIを使う際の注意点をまとめておきます。

避けるべき表現

  • 「~させていただきます」の過剰使用
  • 「誠に恐縮ですが」など、過度にへりくだった表現
  • 「~でございます」の連発
  • 英単語の不自然な混在(「アジェンダ」「コンセンサス」等の乱用)

心がけるべきポイント

  • 相手の名前は必ず正確に(AIが間違えていないか確認)
  • 日付・金額・固有名詞は人間が必ずチェック

パターン4:商談ログから営業日報を自動生成する

最後は、面倒な「営業日報」です。これもAIに任せましょう。ゼロから日報システムを開く必要はありません。

このパターンでできること

  • 議事録サマリーから、上司が一目で把握できる日報を自動生成
  • 各案件の「結果」「課題」「次のアクション」を簡潔に整理
  • 複数案件があっても1画面に収まるコンパクトな出力

日報作成の最大のコツは、「ゼロから書こうとしないこと」です。パターン2で作成した議事録サマリーがあれば、それをそのまま活用できます。議事録に含まれない活動(移動、社内MTGなど)があれば、箇条書きメモで補足するだけでOKです。

【プロンプト】

# 役割
あなたは優秀な営業マネージャーです。

# 目的
以下の営業担当者の活動メモを元に、上司(部長)向けの営業日報を作成する。

# 入力情報
【本日の商談議事録サマリー】
{パターン2で作成した議事録サマリーを貼り付け(複数商談がある場合は全て)}

【日付】
{日付}

# 実行タスク
上記メモを元に、各案件の「現状」「課題」「次のアクション」が分かるように、体裁を整えた報告文を作成してください。

# 出力形式
- 冒頭に本日の活動サマリー(1行)
- 各案件は以下の4項目のみ、各1行で簡潔に記載
  - 案件名・フェーズ
  - 本日の結果(1行)
  - 課題(1行、最重要のもののみ)
  - 次のアクション(担当・期限を含め1行)
- 各案件で300字以内に収めること
- 詳細な経緯や背景説明は不要

【実際の出力】

上記プロンプトを使うと、以下のような出力が得られます。

日報フォーマットのカスタマイズ

会社ごとに日報の形式があると思いますので、出力形式の項目を自社フォーマットに合わせて調整してください。例えば「商談フェーズ」「受注確度」「売上見込み」など、必要な項目があればプロンプトに追加するだけでOKです。

パターン5:CRM・SFA入力をAIで下書きさせる

議事録・メール・日報ときて、最後に残るのがCRM/SFA入力です。Salesforceなどへの入力、面倒ですよね。これもAIで効率化しましょう。

このパターンでできること

  • 議事録サマリーから、各フィールドに入力すべき情報を自動抽出
  • 「どの情報を」「どのフィールドに」入れるべきかを整理
  • コピー&ペーストですぐに入力できる形式で出力

代表プロンプト例

# 役割
あなたは優秀なセールスオペレーション担当者です。

# 目的
以下の商談サマリーを元に、CRM(Salesforce等)の各フィールドに入力すべき情報を整理する。

# 入力情報
【商談サマリー】
{ここに議事録サマリーを貼り付け}

【CRMの主要フィールド】
- 商談名
- 商談フェーズ(初回接触/ヒアリング/提案/見積提示/クロージング/受注/失注)
- 商談金額(見込み)
- 受注確度(%)
- 次回アクション日
- 次回アクション内容
- 商談メモ

# 実行タスク
上記サマリーを分析し、各フィールドに入力すべき内容を提案してください。

# 出力形式
各フィールド名と、入力すべき内容を対応させて出力してください。

Salesforce等との連携イメージと実務上の注意点

【実際の出力】

【実務上の注意点】

  • 金額や確度は、AIの提案をそのまま使わず、自分の判断で調整する
  • 自社のCRMフィールド構成に合わせてプロンプトをカスタマイズする
  • 機密性の高い情報は、セキュリティ基準を満たしたAI環境で処理する

後処理で使いたいAIツールと選び方

営業後処理に使えるAIツールは多種多様です。ここでは、用途別におすすめのツールと選び方を整理します。

AI議事録ツールの比較観点

営業後処理のAI化で本当に必要なツールは、実はそれほど多くありません。ここでは、何を使うべきか迷わないようにシンプルに整理します。

観点チェックポイント
会議ツール連携Zoom/Meet/Teamsと自動連携できるか?
日本語精度専門用語や固有名詞の認識精度は十分か?
話者分離誰が何を話したか識別できるか?
料金無料枠はあるか?月額コストは見合うか?

💡 代表的なツールはパターン1で紹介したNotta / TLDV / LINE WORKS AiNoteの3つ。まずは無料枠で試してみて、自社に合うものを選びましょう。

【AI専門家が厳選】AI議事録ツールのおすすめ3選。コストを1/10にする裏技も解説

【AI専門家が厳選】AI議事録ツールのおすすめ3選。コストを1/10にする裏技も解説

今回は、フォロワー17万人のAI専門家である私が、本当に使えるツールを3つだけ厳選してご紹介します。さらに、高価なツールの機能を、コストを1/10にできる生成AI活用術も解説します。 この記事を読めば、あなたの会社に最適…

汎用生成AI(ChatGPT・Claude・Gemini)で十分な理由

「日報自動化ツール」「CRM入力支援ツール」「営業レポート作成ツール」…世の中には様々な専用ツールがありますが、正直、ほとんどの場合は汎用の生成AIで十分です。

専用ツールを導入しなくていい理由

  • コストがかかる: 専用ツールは月額数千円〜数万円。汎用AIなら月額数千円で全部できる
  • カスタマイズが面倒: 専用ツールを自社フォーマットに合わせるのは意外と手間がかかる
  • プロンプト調整の方が早い: ChatGPT/Claude/Geminiなら、プロンプトを書き換えるだけで自社仕様に即対応
  • ツールが増えると管理が煩雑: あれもこれも導入すると、結局どれを使うか迷って定着しない

まずは汎用AIで始めて、本当に必要なら専用ツールを検討

この記事で紹介したプロンプトをChatGPT/Claude/Geminiにコピペするだけで、議事録の要約、フォローメール、日報、CRM入力の下書きまで全て対応できます。専用ツールの導入を検討するのは、「汎用AIでは物足りない」と感じてからで遅くありません。機能で十分に効率化が可能です。まずは汎用AIで試してみて、物足りなければ専用ツールを検討するのがおすすめです。


デジライズでは、生成AIの導入研修を行っています。個別のミーティングで業務内容をヒアリングし、現場で本当に使えるAI活用法を一緒に考えるところからスタートします。実際に使えるように、AIの専門家が伴走いたしますので、AI担当者がいない企業様でもご安心ください。


セキュリティ・情報管理の注意点

AIで営業後処理を自動化する際、避けて通れないのがセキュリティと情報管理の問題です。ここを疎かにすると、思わぬトラブルに繋がる可能性があります。

録音データ・議事録データの保存先と権限管理

商談の録音データや議事録には、顧客の機密情報が含まれる可能性があります。以下の点に注意しましょう。

  • 保存先の明確化: クラウドストレージを使う場合、データセンターの所在地やセキュリティ認証を確認
  • アクセス権限の設定: 「必要な人だけがアクセスできる」状態を維持
  • 保存期間のルール化: 不要になったデータは定期的に削除

顧客情報・機密情報をAIに渡すときのNGライン

AIに情報を入力する際、以下の情報は原則としてそのまま渡さないことをおすすめします。

避けるべき情報

  • 個人名、連絡先(電話番号、メールアドレス)
  • 契約金額の具体的な数字
  • 未公開の製品情報や戦略
  • クレジットカード情報、口座情報
  • パスワード、アクセスキー

対策

  • 固有名詞を「A社」「担当者X」などに置き換えてから入力
  • 金額は「約○○万円」「予算内」など抽象化
  • 機密性の高い案件は、セキュリティ認証を取得した法人向けプランを使用

自社の情報セキュリティポリシーとの整合性チェック

AIツールの導入前に、自社の情報セキュリティポリシーを確認しておきましょう。

確認すべきポイント

  • 外部クラウドサービスへのデータアップロードの可否
  • 顧客データの第三者提供に関する規定
  • AI学習へのデータ利用に関する規定(多くの無料版AIは学習に使用される可能性あり)

ポリシーの確認が難しい場合は、NotebookLMを使って自社のプライバシーポリシーを読み込ませ、質問形式でチェックする方法もあります。

ChatGPTの情報漏洩リスクを3分で診断|NotebookLMでプライバシーポリシーを読み解く方法

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「ChatGPTを使いたいけど、情報漏洩のリスクが怖い…」「ネットに情報が溢れていて、結局何を信じればいいの?」 こんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。でも、安心してください。この記事を読めば、もうネット上…

導入ステップと社内展開のポイント

「AIで後処理を自動化したい!」と思っても、いきなり全社展開するのはリスクがあります。ここでは、スムーズに導入するためのステップを解説します。

まずは「一人の営業・一つのパターン」から始める

いきなり5つのパターン全てを導入しようとすると、混乱のもとです。まずは「一人の営業が、一つのパターンを試す」ことから始めましょう。

【おすすめの開始順序】

  1. まず「議事録の自動要約」から試す(全ての基本になるため)
  2. うまくいったら「フォローメールの自動生成」を追加
  3. さらに「日報の自動化」へ
  4. 最後に「CRM入力」「週次レポート」へ拡張

KPI(残業時間・後処理時間)の変化を見える化する

導入効果を実感し、社内に展開するためには数字で示すことが重要です。

【計測すべき指標】

  • 議事録作成にかかる時間(Before/After)
  • フォローメール送信までの平均時間
  • 日報作成にかかる時間
  • 月間の残業時間

これらを導入前と後で比較し、「○○分の削減に成功」と示せれば、社内展開の説得材料になります。

うまくいったプロンプトをチーム標準にする

一人で試してうまくいったプロンプトは、チームの標準テンプレートとして共有しましょう。

  1. 個人で試行錯誤しながらプロンプトを改善
  2. 安定して使えるようになったら、チームに共有
  3. フィードバックを受けてさらに改善
  4. 最終版を共有フォルダに格納し、チーム標準とする

「自分だけが楽になる」のではなく、「チーム全体の生産性が上がる」ことを目指しましょう。

まとめ|営業後処理は生成AIでどこまで自動化できるか

いかがでしたでしょうか。これまであなたが1時間以上かけて一人でやっていた商談後の「後処理」が、AIの特性を理解し、適切なプロンプトとテンプレートを使うことで、 劇的に効率化される イメージが湧きましたか?

AIに雑務を任せることで、あなたは「次、何を提案すべきか?」「顧客の本当の課題は何か?」という、最も創造的で価値のある仕事に集中できるようになります。

この記事で紹介したようなAI活用は、あくまで第一歩です。AIの真価は、個人の生産性向上に留まらず、チーム全体、ひいては組織全体の業務プロセスを変革し、「営業組織の”勝ちパターン”」として仕組み化(自動化)することで発揮されます。

「とはいえ、自社のどの業務からAIを導入すればいいの?」「チーム全員が使いこなせるようにするには、どんな研修が必要?」

こうしたお悩みをお持ちの企業様も多いのではないでしょうか。

デジライズでは、生成AIの導入研修を行っています。個別のミーティングで業務内容をヒアリングし、現場で本当に使えるAI活用法を一緒に考えるところからスタートします。実際に使えるように、AIの専門家が伴走いたしますので、AI担当者がいない企業様でもご安心ください。

まずは情報収集からでも歓迎です。導入の流れや支援内容をまとめた資料をこちらからご覧いただけます。

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。