チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

「ChatGPTを毎日使っているのに、なぜか成果が出ない」
「隣の同僚はスラスラ使いこなしているのに、自分はいまいち…」

そういう感覚、ありませんか?

この記事を読んでいるあなたは、きっとプロンプトの書き方を調べたり、テンプレートを集めたりしてきたと思います。でも実は、問題は「プロンプトの巧さ」ではありません

同じAIを使っても差がつく理由は、もっと上流——「課題解像度」と「ワークフロー設計」にあります。

この記事では、私が日常的に実践している思考法を、具体的な事例を交えて解説していきます。「AIを使っているけど、もう一段上に行きたい」と感じている方にこそ、読んでほしい内容です。


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「プロンプトエンジニアリング不要論」は本当か?

最近、「プロンプトエンジニアリングは不要になった」という話をよく耳にするようになりました。これ、私の感覚では半分正解で、半分間違いです。

なぜ「魔法のプロンプト」は通用しなくなったか

1年前、2年前に比べると、ChatGPTもGeminiもClaudeも文脈理解力が格段に上がりました。以前は「精巧な一文を組み立てて入力する」技術が価値を持っていましたが、今はAIの側が多少曖昧な入力でもこちらの意図を汲み取ってくれます。

つまり、「精巧な一文」を職人のように磨き上げる技術の重要性は、確かに下がった。ここだけを切り取れば「プロンプトエンジニアリング不要」は正しいです。

しかし、「いいプロンプトを書けばAIが全部やってくれる」という発想——言い換えれば「プロンプト依存」の考え方——が通用しなくなっただけで、AIを使いこなすためのスキル自体が不要になったわけではありません。

不要になったのはプロンプトではなく「プロンプト依存」の考え方

本質的なシフトは、「正解の一文を探す」発想から、「AIとどう設計して動かすか」を考える方向に起きています。

このシフトができている人と、できていない人の差が、今まさに開いている。私が見ている限り、AIを使いこなしている人は例外なく、この「設計」の視点を持っています。

では、その「設計」とは具体的に何なのか。次のセクションから掘り下げていきます。

同じAIを使っても差が出る理由は「上流」にある

AIが「的外れな答え」を返してくる本当の原因

AIに何か頼んで、「なんか違うな…」と感じた経験はありませんか?

ほとんどの場合、AIの問題ではありません。問いの立て方が曖昧なだけです。

「SNS投稿のアイデアを出して」と頼んで、ふわっとした回答が返ってきた。それはAIが悪いのではなく、「誰に向けて?」「目的は?」「どんなトーンで?」を自分で言語化できていないから、AIも曖昧に答えるしかなかった——ということがほとんどです。

課題解像度とは「自分が本当に解決したい問題を具体化する力」

私はこれを「課題解像度」と呼んでいます。同じ作業でも、課題解像度が低い状態と高い状態では、AIから引き出せるアウトプットがまるで変わります。

課題解像度の低い依頼と高い依頼の比較図

具体的に見てみましょう。

課題解像度が低い依頼
「SNS投稿のアイデアを出して」

課題解像度が高い依頼
「30代会社員向けに、AI活用で残業が月20時間減った体験談を、X(Twitter)で反響を得やすい問いかけ形式で3パターン出して。文字数は140字以内、絵文字は1〜2個」

どちらもやりたいことは「SNS投稿のアイデアがほしい」。でも、後者のほうが圧倒的に使えるアウトプットが出てきます。

この差を生むのがプロンプトの「テクニック」ではなく、自分の課題をどこまで具体的に言語化できているか——つまり課題解像度です。

AIは「相棒」であり「検索エンジン」ではない

もう一つ大事なのは、AIの使い方の根本的な捉え方です。

多くの人がAIを「質問を投げたら答えが返ってくるもの」——つまり高性能な検索エンジンのように使っています。でも、AIの本領は対話で問題を掘り下げていく「壁打ち相手」としての使い方にあります。

たとえば、「来週のプレゼン資料を作りたい」と思ったとき、いきなり「プレゼン資料を作って」と投げるのではなく、まず「聴衆は誰?」「一番伝えたいメッセージは?」「持ち時間は?」をAIと対話しながら整理する。すると、最終的なアウトプットの質が全然違ってきます。

ただし、AIを壁打ち相手として機能させるには、自分の側に「課題を言語化する力」が先に必要です。何がわからないかがわからない状態では、壁打ちも始まりません。

AIで本当に差がつく技術——「ワークフロー設計」の考え方

ここからが、この記事の核心です。

AIを「1回の質問で完結させようとする」のが最大の落とし穴

多くの人がAIを「質問→答え」の1往復で完結させようとしています。これが、実は最大の落とし穴です。

成果を出している人は、タスクを小さな単位に分解し、AIを「順番につないで」動かしている。1回のプロンプトに全部詰め込むのではなく、工程を設計してAIを組み込んでいく。この発想の違いが、アウトプットの質を大きく左右します。

ワークフロー設計の考え方——3つのステップ

ワークフロー設計の3ステップ:タスク分解・役割分担・順番接続

Step 1:やりたいことを「小さなタスク」に分解する

たとえば「ブログ記事を書く」という作業。これを1つのタスクとしてAIに丸投げすると、どうしても品質にブレが出ます。

そうではなく、「リサーチ → 構成案の作成 → 各セクションの執筆 → 推敲」のように小さな工程に分解する。すると、各工程でAIに的確な指示を出せるようになります。

Step 2:「AIに任せる部分」と「人間が判断する部分」を分ける

全部AIに任せようとすると、どこかで必ず品質が崩れます。大事なのは、「ここはAIが得意」「ここは人間が判断すべき」という線引きを意識的にやること。

リサーチや下書きの生成はAIが得意。でも、「この情報を入れるかどうか」「このトーンでいいか」の判断は人間がやる。この役割分担が明確なほど、仕上がりの質が上がります。

Step 3:タスクを順番につなぐことで、アウトプットの質が段違いになる

分解した各工程を、前の工程の出力を次の入力にする形で順番につなぐ。すると、1回の「全部入りプロンプト」では到底出せない品質のアウトプットが生まれます。

私が実際にやっていること——具体的なワークフロー事例

抽象的な話だけでは伝わらないので、私が日常的にやっている3つのワークフローを紹介します。

事例①:X(Twitter)投稿の設計

ネタ収集 → 下書き生成 → 人間がチェック・判断 → 投稿

単純に「投稿案を出して」とChatGPTに頼むのではなく、まずPerplexityで最新のAIニュースをリサーチさせて、ネタの候補を10個出す。次に、その中から3つ選んで(ここが人間の判断)、ChatGPTでターゲットに合わせた文体で下書きを生成する。最後に自分の目で読んで、投稿するかどうかを決める。

「ネタ収集」「文体調整」「最終チェック」をフェーズに分けてAIを使うだけで、「投稿案を出して」の一発勝負とは比べものにならないクオリティになります。

事例②:議事録からアクション設計まで

議事録入力 → 要約 → お礼メールのドラフト → アクションアイテム抽出 → タスク管理ツールに転記

会議が終わった後の処理って、地味に時間がかかりますよね。私は録音した議事録をまずClaudeに要約させ、次にその要約をもとに参加者へのお礼メールのドラフトを生成、さらにアクションアイテムを抽出してNotionのタスクに落とし込む——という流れを一気通貫でやっています。

ポイントは「全部一度にやって」ではなく、各工程の出力を次の入力に渡すこと。要約の精度が高いからこそ、その後のメールもアクションアイテムも精度が出る。最初のステップが雑だと、後ろが全部崩れます。

事例③:営業提案資料の一気通貫生成

複数のExcelデータ分析 → 比較表作成 → PowerPointデッキ自動生成

クライアントごとのExcelデータを分析して傾向を出し、競合との比較表を自動生成し、それをPowerPointのスライドに落とし込む。

そして重要なのが、一度うまくいったこのフロー自体をClaudeのSkILLとして保存していること。次に同じような提案資料を作るときは、データを入れるだけで同じ品質のアウトプットが出ます。

プロンプトは「一時的なもの」、設計は「永続的な資産」

ここまで読んで気づいた方もいると思いますが、個々のプロンプトは使い捨てです。でも、「どんな工程に分解して、どこにAIを組み込むか」という設計は、何度でも再利用できる資産になります。

プロンプトは忘れられる。でも構造・ルール・ワークフローは忘れられない。

1回うまくいったことを「仕組み」として残す意識を持てるかどうか。ここが、AIを「たまに便利なツール」で終わらせるか、「仕事のやり方そのものを変える武器」にできるかの分かれ目だと思っています。

では、具体的に何から始めればいい?

今日からできる「課題解像度」のトレーニング

難しいことは何もありません。AIに何か頼む前に、30秒だけ立ち止まって3つ考える。これだけです。

  • 誰のために?(ターゲット・読者・上司など)
  • 何のために?(目的・ゴール)
  • どんな条件で?(文字数・トーン・形式・制約)

この3つを頭の中で整理してからプロンプトを書くだけで、AIの回答の質は明らかに変わります。最初は面倒に感じるかもしれませんが、1週間も続ければ自然とできるようになります。

「ワークフロー設計」を始める最初のステップ

いきなり複雑なワークフローを設計しようとする必要はありません。

まずは、毎週繰り返しやっている作業を1つ選んで、ステップに分解してみる。たとえば「週次報告メールを書く」なら、「情報収集 → 要点整理 → 文面作成 → 確認」という4ステップに分けて、最初は「要点整理」だけAIに任せてみる。

うまくいったら、次のステップもAIに任せてみる。こうやって少しずつ広げていくのが、挫折しない始め方です。

なぜ「概念の理解」だけでは変わらないのか

正直に言うと、ここまで読んだだけでは何も変わりません。

課題解像度もワークフロー設計も、「知っている」と「使える」の間には想像以上に大きな壁があります。自分の業務に当てはめたとき、「これで合ってるのかな?」と迷う場面が必ず出てくる。そのとき、フィードバックをくれる環境があるかどうかで、成長スピードが大きく変わります。

実践的な活用事例を動画で学び、講師に壁打ちできる場所

こうした「設計の思考」を、実際の業務に落とし込んでいくには、大量の事例を見て「自分ならこう使う」というイメージを持てることと、「この設計で合ってる?」とプロに直接ぶつけられること、そして同じように試行錯誤している仲間と「自分はこう使ってる」と情報交換できる場があること——この3つが揃っているのが最も近道だと私は思っています。

デジライズのAIスクールでは、250本以上の実践動画に加えて、プロのAI講師への無制限チャットサポートや、毎週の勉強会を月額9,900円から用意しています。「動画を見て終わり」ではなく、自分の業務に当てはめて試して、わからなければすぐ聞ける——その環境が、いちばんの近道です。

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まとめ

プロンプトエンジニアリングの時代は「終わった」のではなく、「入口だった」と気づく段階に来ています。

成果を出している人が持っているのは、次の2つの上流スキルです。

  • 課題解像度 — 自分が本当に解決したい問題を、AIが動ける粒度まで具体化する力
  • ワークフロー設計 — タスクを分解し、AIと人間の役割を切り分けて、仕組みとして動かす思考

プロンプトを磨く前に、「何を解決したいか」と「どう設計するか」を考える習慣をつけてみてください。

その先に、「AIが本当の意味で使えている」という感覚が来ます。


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この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。