チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

「資料作成に時間がかかりすぎて、本来の業務が進まない…」
「デザインセンスに自信がないけど、プロっぽいスライドを作りたい…」

こんな悩みを抱える、全てのビジネスパーソンの皆さん。その膨大な資料作成タスク、「資料生成AI(スライド生成AI)」で一気に解決できる時代になりました。

この記事では、数あるツールの中から、特に企業利用・実務利用に焦点を当て、「デザイン品質」「セキュリティ(安全性)」「コスト」という3つの選定基準で、本当に使える5つのツールだけを厳選しました。

この記事を読めば、あなたの用途(営業、研修、個人利用など)に最適なツールが必ず見つかります。

*本記事の情報は、2025年9月時点のものです。


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資料生成AIとは?知っておくべき基本知識

まずは「資料生成AIって、そもそも何?」という基本から押さえていきましょう。

資料生成AIの概要と種類

資料生成AIとは、テキストによる指示(プロンプト)だけで、プレゼンテーション資料やドキュメントを自動で生成するAIツールのことです。従来、何時間もかかっていた資料作成の時間を大幅に短縮できるのが最大の特徴。デザインの専門知識がなくても、AIがプロ品質の資料を数分で作成してくれます。

この資料生成AIには、大きく分けて以下の2つの生成方式があります。

  • コード生成型
  • 直接PPT生成型

コード生成型 vs 直接PPT生成型の比較

「どっちのタイプを選べばいいの?」と迷う方のために、それぞれの特徴を整理します。

▼ コード生成型(Manus, Gensparkなど)

HTMLやMarkdownといったコードでスライドの構造を作成し、それを後からPowerPoint(PPTX)やPDFに変換するタイプです。

  • メリット: デザインの自由度が非常に高く、HTML/CSSが分かる人なら細かなカスタマイズが可能です。
  • デメリット: 構造上、PPTXへの変換時にレイアウトが崩れることがよくあります。

▼ 直接PPT生成型(Claudeのファイル生成機能など)

AIがPowerPointファイル(.pptx)を直接生成するタイプです。

  • メリット: 操作が簡単で、AIが作ったファイルをすぐにPowerPointやGoogleスライドで編集・共有できます。レイアウト崩れが少ないのも強みです。
  • デメリット: コード生成型に比べると、デザインの自動生成パターンはシンプルな傾向があります。

どちらも一長一短ですが、「デザインの作り込み」を重視するならコード生成型、「編集のしやすさと安定性」を重視するなら直接PPT生成型がおすすめです。

資料生成AIおすすめ5選【徹底比較】

それでは、お待たせしました! 数あるツールの中から、専門家が厳選した「本当に使える」資料生成AI 5選をご紹介します。今回の比較で使用した秘伝のプロンプトについては、こちらをご入力いただけるとご覧いただけます。

1. Manus

出典:公式サイト

基本情報と特徴

Manus AIは、シンガポールのButterfly Effect社が開発したマルチモーダル対応のAIエージェントです。スライド生成だけでなく、データ分析からExcel作成まで幅広いタスクを一つのプラットフォームで完結できる点が大きな特徴です。

主要機能

  • テキスト、画像、表、音声を統合したマルチモーダル処理
  • PowerpointやGoogleスライドにエクスポート可能
  • Pythonスクリプト生成による高度なデータ分析
  • ブラウザ操作による深度リサーチ機能(ログイン先サイトの情報取得可能)

実際の出力例

実際にManusで同一プロンプトを使用した結果、青を基調としたプロフェッショナルなデザインの資料が生成されました。特徴として以下が挙げられます。

  • 一撃出しの精度が高い: 初回生成でも完成度の高い資料が作成される
  • リサーチ力の高さ: 有料サイトや会員制サイトへのログイン機能により、他ツールでは取得できない深い情報を収集
  • 統一感のあるデザイン: 企業のブランドイメージに合わせたカラーリング調整が容易

セキュリティ観点での評価

項目対応状況詳細
データ学習利用AIモデルの学習・改良には利用しない明記
暗号化通信HTTPS通信による暗号化を実施
データ保存場所シンガポール・米国プライバシーポリシーで明記済み
第三者提供制限Third-Party AI Providersへの情報共有あり

料金プラン

  • Free: 無料(毎日 300 クレジット)
  • Starter: 約19ドル(毎日 300 クレジットに加えて、1,900クレジット/月)
  • Plus: 約39ドル(毎日 300 クレジットに加えて、3,900クレジット/月)
  • Pro: 約199ドル(クレジット制限なし)

2. GenSpark

出典:公式サイト

基本情報と特徴

GenSparkは、アメリカ・シンガポールベースの企業が開発した総合的なAIワークスペースです。特にプレゼンテーション資料のデザイン品質ブランド統一性に強みを持ち、企業のCI/VI要件を重視する組織から高い評価を得ています。

主要機能

  • ブランドカラー・フォント統一機能
  • リアルタイム共同編集
  • PowerpointやGoogleスライドにエクスポート可能
  • Web検索による自動リサーチ・画像収集

実際の出力例

GenSparkで同一条件で生成した資料は、黒を基調としたデザインとなりました。特徴として以下が挙げられます。

  • 編集機能の充実: Word感覚での直感的な編集が可能で、フォント・色・画像の調整が簡単
  • エクスポート時の安定性: PowerPointやGoogleスライドへの変換時にレイアウト崩れが少ない
  • プロ仕様のデザイン: 企業プレゼンに適した洗練されたビジュアル

特に注目すべきはコード編集機能で、生成後にHTMLレベルでの細かな調整が可能な点です。

セキュリティ観点での評価

項目対応状況詳細
データ学習利用ユーザーデータの学習利用からオプトアウト可能
暗号化通信商業的に合理的なセキュリティ対策を実施
データ保存場所米国・シンガポール主要データセンターでの処理
第三者提供制限GDPR準拠のデータ削除権・管理機能あり

料金プラン

  • Free: 無料(200クレジット/日)
  • Plus: 月額24.99ドル(年払い19.99ドル)
  • Pro: 月額249.99ドル(年払い199.99ドル)

3. Skywork

出典:公式サイト

基本情報と特徴

Skywork AIは、シンガポール・米国拠点のAI企業が開発したDeepResearchに特化したツールです。他のツールと一線を画すのは、出典付きの信頼性の高い情報収集構造化されたレポート生成能力です。

主要機能

  • Web情報の自動収集・検証機能
  • 出典付きドキュメント生成
  • リサーチ結果の自動構造化
  • ナレッジベース機能(ロゴ・テンプレート保存)

実際の出力例

Skyworkで生成された資料は、緑を基調とした統一されたビジネス向けデザインが特徴的でした。

  • ナレッジベース活用: ロゴやブランド要素を事前保存し、毎回一貫したデザインで資料作成が可能
  • 16:9比率への配慮: プレゼンテーション用途を重視した画面比率の最適化
  • 編集機能の充実: PowerPoint感覚での細かな位置調整・カスタマイズが可能

特にナレッジベース機能は他ツールにない独自の強みで、企業ロゴや定型テンプレートの管理が効率的に行えます。

セキュリティ観点での評価

項目対応状況詳細
データ学習利用ユーザーコンテンツをAI学習には利用しない
暗号化通信HTTPS等の安全な通信プロトコルを使用
データ保存場所シンガポール利用規約で管轄法域を明記
第三者提供制限商用利用時のライセンス供与条件あり

料金プラン(日本市場向け)

  • Free: 無料(500クレジット/週)
  • Basic: ¥3,278(10,000クレジット/月)
  • Standard: ¥6,572(20,000クレジット/月)
  • Pro: ¥32,925(110000クレジット/付き)

4. Claude|高度なセキュリティと安全性

出典:公式サイト

基本情報と特徴

Anthropic社のClaudeは、AI安全性研究に特化した企業が開発したことから、セキュリティ面で最も信頼性が高いツールの一つです。資料生成においても、Artifacts機能を活用した高品質なコンテンツ作成が可能です。

主要機能

  • 高度な自然言語処理能力
  • プロジェクト機能
  • 直接PowerPoint(.pptx)ファイル生成

実際の出力例

Claudeで生成されたPowerPoint資料は、処理速度の速さ(1-2分)とレイアウトの安定性が際立ちました。

  • 直接ファイル生成: HTMLを経由せず直接.pptxファイルを作成するため、レイアウト崩れが最小限
  • シンプルで実用的: 過度な装飾を避けたシンプルなデザイン
  • 高い再現性: 同じプロンプトでも一貫した品質の資料が生成される

特筆すべきはAIらしさを感じさせない自然な仕上がりで、人間が作成したような資料品質を実現しています。

セキュリティ観点での評価

項目対応状況詳細
データ学習利用設定により、データ学習に一切使用されない
暗号化通信TLS等の安全な通信(転送時暗号化)
データ保存場所米国プライバシーポリシーで詳細な保護方針を明記
第三者提供制限Constitutional AIによる厳格な安全性管理

料金プラン

  • Free: 無料(PowerPoint生成不可)
  • Pro: $20/月(PowerPoint生成不可)
  • Team: $25/月(PowerPoint生成可能)
  • Max: $100 or $200/月(PowerPoint生成可能)
【実演あり】Claudeで営業資料を一発生成!ファイル作成機能でPPTX/Excel/Wordを作ってみた。

【実演あり】Claudeで営業資料を一発生成!ファイル作成機能でPPTX/Excel/Wordを作ってみた。

ChatGPTと並ぶ有力な生成AIであるClaudeに、新機能が登場しました。これまでスライドやドキュメントはリンク共有しかできませんでしたが、ついにExcel、PowerPoint、Word、PDF形式のファイルを直接…

5. Gamma|シンプル操作の定番ツール

出典:公式サイト

基本情報と特徴

Gammaは、直感的な操作性と美しいデザインの資料生成AIです。特に初心者でも簡単に操作できるUI/UXと豊富なテンプレートが特徴です。

主要機能

  • ワンクリックでのスライド生成
  • レスポンシブデザイン対応
  • リアルタイムコラボレーション
  • 豊富なデザインテンプレート
  • PPTX/Google Slidesエクスポート

実際の出力例

Gammaで生成された資料は、視覚的に美しいデザインですが、海外向けのデザインのため、初心者の方で最初に資料生成を触ってみたい方おすすめです。

  • テンプレート品質: 洗練されたテンプレート群
  • 直感的な操作性: 技術的な知識不要で誰でも簡単に資料を作成
  • モバイル対応: スマートフォンでも見やすいレスポンシブデザイン

ただし、デザインの柔軟性は限定的で、主に初心者の方や個人・小規模の利用に適しています。

セキュリティ観点での評価

項目対応状況詳細
データ学習利用AI機能改善のための利用可能性あり
暗号化通信HTTPS・セキュアな通信プロトコルで保護
データ保存場所米国サンフランシスコベースでの運営
第三者提供制限基本的なプライバシー保護のみ

料金プラン

  • Free: 無料
  • Plus: 1,500円/月(標準のクレジット)
  • Pro: 3,500円/月(標準の4倍のクレジット)
  • Ultra: 14,750円/月(標準の20倍のクレジット)

5ツール総合比較表

以下の比較表は、企業導入時に重要な4つの観点から各ツールを評価したものです。

ツールデザイン品質セキュリティ月額コスト企業向け度特徴的な強み
Manus★★★★★★★★☆☆$19~199★★★★☆リサーチ力・一撃出しの精度
GenSpark★★★★★★★★★☆$25-250★★★★☆編集機能・エクスポート安定性
Skywork★★★★☆★★★☆☆¥3,278-32,925★★★☆☆ナレッジベース
Claude★★★☆☆★★★★★$20-$200★★★★★セキュリティ・安定性
Gamma★★☆☆☆★★★☆☆¥1,500-¥14,750★☆☆☆☆操作性

セキュリティ詳細比較

企業導入時に特に重要なセキュリティ項目について、各ツールの対応状況を詳しく比較しました。

項目ManusGenSparkSkyworkClaudeGamma
データ学習利用制限
暗号化通信
GDPR対応記載なし
エンタープライズ機能限定的基本的限定的

企業が選ぶときのポイント|用途別推奨

セキュリティ重視型企業

推奨ツール: Claude

  • Constitutional AIによる最高水準の安全性管理
  • 商用プランでのデータ学習完全排除
  • エンドツーエンド暗号化とエンタープライズ機能

デザイン品質重視型企業

推奨ツール: GenSpark, Manus

  • 豊富なカスタマイズ機能とブランドガイドライン対応
  • 高解像度出力対応
  • エクスポート時の安定性

コスト効率重視型企業

推奨ツール: Skywork, Manus

  • 機能とコストのバランス
  • 無料プランでの基本機能提供
  • デザイン性も十分

資料生成AIを安全に使うための「絶対」ルール

AIは、使い方を間違えれば情報漏洩などの重大なリスクに繋がります。特に企業で導入する際は、以下の2点を徹底してください。

1. セキュリティ確認の重要性

企業で資料生成AIを導入する際、最も重要なのはセキュリティリスクの適切な評価です。

絶対に確認すべきこと「入力したデータが、AIの学習に利用されるか?」

ClaudeやGenSparkの商用プランでは明確にデータ学習を制限していますが 、無料プランやGammaのように利用される可能性があるツールも存在します。

機密情報や個人情報を扱う場合、データ学習を明確に「オフ」にできるツールの有料プラン以外は、選択肢から外すべきです。

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2. 「AI任せ」は厳禁!人間によるレビュー体制の構築

AIが生成した資料は、必ず人間の目でチェックする体制を構築するようにしましょう。AIは平気で嘘をつきます(ハルシネーション)。生成された資料をそのまま社外に出すのは、重大なインシデントに繋がるため、非常に危険です。

レビューで確認すべきこと

  • ファクトチェック: 事実関係や数値データは正確か?
  • 情報漏洩: 機密情報や個人情報が混入していないか?
  • 著作権: 引用や画像の利用は適切か?(知的財産権の侵害)

よくある質問(FAQ)

最後に、資料生成AIに関してよくいただく質問にお答えします。

Q. 無料プランで十分使えますか?

A. 個人の簡単な資料作成や「お試し」なら無料プランでも十分です。ただし、企業利用で重要なセキュリティ(データ学習の停止)や、PPTXエクスポート、高度な機能は有料プラン限定の場合がほとんどです。まずは無料で試し、実務投入するなら有料プランを検討しましょう。

Q. 本当に機密情報を入力しても大丈夫ですか?

A. ツールによります。絶対に「データ学習に利用しない」と明記されたプランを選んでください。本記事で紹介した Claude のように、商用プラン(Team/Max)でデータ学習への利用を明確に拒否できるツールが必須です。プライバシーポリシーが曖昧なツールや無料プランに、機密情報を入力するのは絶対に避けてください。

Q. 海外のツールが多いようですが、日本語でも使えますか?

A. はい、本記事で紹介しているツールはすべて日本語の指示(プロンプト)に対応しています。GammaのようにUI(操作画面)自体が日本語化されているものもあります。海外製ツールでも、日本語での資料テーマ入力や内容指示は問題なく行えるため、その点はご安心ください。

Q. AIが作ったスライドは、あとからパワポ(PowerPoint)で編集できますか?

A. ツールによりますが、本記事で紹介しているツールの多くはPowerPoint(.pptx)形式でのエクスポートに対応しています。ただし、Claudeのように特定のプラン(Teamプラン以上)でないとPPTX生成ができないツールもあります。また、GenSparkやManusのような「コード生成型」のツールは、エクスポート時の安定性が高いものもありますが 、生成後の微調整は発生する可能性があると考えるのが無難です。

Q. 結局、どのツールを選べばいいか一言で教えて!

A. あなたの目的によって最適解は変わります。

  • AI初心者でまず触ってみたい → Gamma
  • セキュリティ最優先・機密情報も扱う → Claude
  • デザイン品質・ブランド統一を重視 → GenSpark または Manus
  • リサーチと資料作成を同時に行いたい → Manus または Skywork

まとめ|用途別最適解の選択が重要

今回は、企業利用に耐えうる「資料生成AI」を5つ厳選し、徹底的に比較・解説しました。比較して分かった通り、「万能な最強ツール」は存在しません

重要なのは、あなたの目的——セキュリティを最優先するのか、デザインの美しさを求めるのか、リサーチの深さを求めるのか——に応じて、最適なツールを使い分けることです

資料作成AIは、あなたの面倒な作業時間を劇的に短縮し、本来集中すべき「考える仕事」に時間を使うための強力なパートナーです。

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この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。