チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

「大量の資料を読む時間がない…」
「移動中にインプットしたいけど、テキストを読むのは大変…」

こんな我々の悩みを解決できる、NotebookLMのとんでもない機能が「音声概要(Audio Overviews)」です。これは単なるAIの読み上げではありません。あなたの持っている資料を、AIがポッドキャスト風の“聴くコンテンツ”に作り変えてくれる、まさに次世代の学習ツールなんです。

この記事では、「音声概要って何ができるの?」という方から、「もっと使いこなしたい!」という方まで、基本的な使い方から最新の4つの新フォーマットの使い分け、そして実務で本当に“効く”プロンプトのコツまで、その全てを徹底的に解説します。


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NotebookLM「音声概要」とは?

まずは「音声概要(音声解説とも呼ばれます)って、そもそも何なの?」という疑問から解決していきましょう 。

一言でいうと、NotebookLMの音声概要は「アップロードした資料をAIが分析し、ポッドキャスト風の対話型音声コンテンツを自動生成してくれる機能」です。

【2025年最新】NotebookLM完全ガイド!機能・使い方・料金・活用事例を専門家が徹底解説

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「大量の資料を読む時間がない…」「情報が多すぎて、何が重要なのか分からない…」「AIに質問しても、本当に正しい情報なのか不安…」 こんな我々の悩みを解決できる、Googleのとんでもないツールがあります。その名も「Not…

特徴1:AIホスト2名が対話形式で解説

この機能の最大の特徴は、単なる機械的な読み上げではない点です。

多くのフォーマットでは、2人のAIホスト(ナレーター)が登場し、まるでラジオ番組のように自然な会話形式で資料の内容を解説してくれます。一方が質問し、もう一方が答えるといった掛け合いで進行するため、一方的に読み上げられるよりも圧倒的に内容が頭に入りやすいんです。

特徴2:日本語含む80以上の言語に対応

「でも、どうせ英語なんでしょ?」と思うかもしれませんが、ご安心ください!

この音声概要機能は、日本語を含む80以上の言語に対応しています。もちろんインターフェースからAIとのチャット、そしてこの音声解説まで、全て日本語で完結します。英語の論文をアップロードして日本語で解説させる、といった使い方も可能です。

【3ステップ】NotebookLM「音声概要」の基本的な使い方

使い方は驚くほどシンプルです。たった3ステップで、誰でもすぐに始められます。

ステップ1:Studioパネルから「音声概要」を選択

まず、NotebookLMでノートブックを開き、音声化したい資料を「ソース」に追加します。資料を追加したら、画面右側の「Studio」パネルにある「音声解説」の鉛筆ボタンをクリックします。

ステップ2:プロンプトでカスタマイズ(焦点の指示)

次は、カスタマイズです。ここで、生成する音声の「フォーマット」や「長さ」、そして最も重要な「AIホストが焦点を当てるべきこと」(プロンプト)を指定できます。

例えば、「セキュリティ面について焦点を当てて」「IT初心者にもわかりやすく解説して」といった指示を具体的に入力します。

具体的な項目

  • フォーマット(詳細 / 概要 / 評論 / 議論)
  • 言語(日本語選択可能)
  • 長さ(短め / デフォルト)
  • AIホストが焦点を当てること

ステップ3:生成された音声を再生・ダウンロード

「生成」ボタンを押して数分待つと、Studioパネルに音声ファイルが作成されます。

  • 再生: 再生ボタンを押せば、その場ですぐに聴くことができます。
  • 速度変更: メニューから再生速度の変更も可能です(0.5倍〜2.0倍の範囲)。
  • ダウンロード: 「ダウンロード」を選択すると、M4Aファイルとして保存できます。一度ダウンロードすれば、スマホに入れて移動中にオフラインで聴くことも可能です。

4つの新フォーマット(Format)徹底使い分けガイド

さて、ここからが本題です。最近のアップデートで、音声概要には4つの異なる「フォーマット」が搭載されました。この使い分けを知っているかで、実用性が全く変わってきます。私が推奨する業務ユースケースと合わせて、4つのフォーマットを一覧表で整理しました。

フォーマット概要推奨ユースケース
1. 詳細2人のホストが対話し、ソースのトピックを深く掘り下げ、関連付けます。研修資料学術論文など、一つのテーマをじっくり多角的に理解したい時。
2. 概要1人のホストが、ソースの概要を1〜2分程度で短くまとめ、要点を提示します。ニュース記事議事録など、時間がない中で「結論だけ」を素早く把握したい時。
3. 評論専門家(ホスト)がソースをレビューし、改善のための建設的なフィードバックをくれます 。自分が作成した提案書ブログ記事をAIに壁打ちさせ、客観的なツッコミが欲しい時。
4. 議論2人のホストが、ソースのテーマについて異なる視点から思慮深い議論を行います。AI規制の是非など、賛否両論あるトピックについて多角的な視点をインプットしたい時。

1. 詳細

これが従来の標準的なフォーマットです。研修資料や専門的な論文など、内容をしっかり理解したいソースに使います。AIホスト2名がQ&A形式で「これはどういうこと?」「つまり〜だよね」と掘り下げてくれるので、複雑な内容も頭に入りやすくなります。

2. 概要

「とにかく時間がない!」という時に最強のフォーマットです。ホストは1人で、約2分という短さで要点を簡潔にまとめてくれます。毎朝のニュースチェックや、長文の議事録の「決定事項だけ知りたい」といったシーンで威力を発揮します。

3. 評論

これはまさに「AI壁打ち」です。自分が書いた企画書やブログ記事をソースとして読み込ませ、このフォーマットを選ぶと、専門家のホストが「ここの表現は分かりづらい」「この論理展開は飛躍がある」といった客観的なフィードバックをくれます。セルフレビューの質が劇的に上がりますよ。

4. 議論

物事を多角的に捉えたい時に使います。「詳細」がソース内容の解説であるのに対し、「議論」はソース内容を論点として、AIホストたちが異なる立場で議論を戦わせます。社会問題や哲学的なテーマの資料を読み込ませると、新たな視点が得られて面白いです。

“効く”プロンプトのコツとカスタマイズ術

フォーマットを選んだら、次は「カスタマイズ」欄に入力するプロンプト(指示)が鍵になります。ここでAIにどう指示するかで、生成される音声の質が全く変わってきます。

コツ1:「焦点(Focus)」を具体的に指示する

これは最も重要で、最も効果的なコツです。カスタマイズ欄(AIホストが焦点を当てるべきこと)には、曖昧な指示ではなく、具体的な指示を書きましょう。

  • (NG例): 「わかりやすく要約して」
  • (OK例): 「この記事のセキュリティに関する側面を重点的に解説して」
  • (OK例):生物学を初めて学ぶ人に向けて、専門用語を避けて説明して」
  • (OK例):小説の主人公についてだけ説明して」

このように「どのトピックに絞るか」「誰をターゲットにするか」を明確に指定するだけで、AIの回答は驚くほどシャープになります。

コツ2:「長さ(Length)」の使い分け

音声の長さは「短め」と「デフォルト」から選べます(※「概要」フォーマットを除く)。同じ資料でも「短め」なら5〜10分、「デフォルト」なら15〜30分程度の長さに変わるので、用途に合わせて使い分けましょう。「通勤時間の10分で聴きたいから短め」、「週末にじっくり学びたいからデフォルト」**といった使い分けが重要です。

事前に知っておくべき回数制限と注意点

非常に便利な機能ですが、いくつか知っておくべき「制約」もあります。信頼性を担保するためにも、正直にお伝えします。

注意点1:無料版(3回/日)とPro版(20回/日)の回数制限

これが一番の注意点です。音声概要の生成には回数制限があります。

  • 無料プラン: 1日あたり3回まで
  • 有料プラン (Pro): 1日あたり20回まで

有料プラン(Google One AIプレミアム加入などで利用可能)だと制限が大幅に緩和されます。無料版でプロンプトを試行錯誤していると、3回はあっという間になくなるので注意しましょう。

注意点2:「インタラクティブモード」はまだ英語のみ

現在、英語版では「インタラクティブモード」という機能がベータ版として提供されています 。これは、再生中にユーザーが音声で「参加(Join)」し、AIホストに直接質問できるというとんでもない機能です。

これが日本語に対応すれば学習体験が革命的に変わりますが、残念ながら2025年11月現在、この機能は英語のみです。日本語対応に期待しましょう。

注意点3:読み間違いや音声の不具合

AIによる自動生成のため、完璧ではありません。

  • 音声の乱れ: まれに音声が乱れたり、不自然なイントネーションになったりすることがあります。
  • 漢字の誤読: 特に専門用語や固有名詞で、漢字の読み間違いが発生することがあります。
  • 不正確な情報: ソースに基づいているためハルシネーションは起きにくいですが、AIの解釈が100%正しいとは限りません。重要な情報は必ずファクトチェックしましょう。
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まとめ:音声概要を使いこなし、インプットを自動化しよう

今回は、NotebookLMの「音声概要」機能について、その基本から応用まで徹底的に解説しました。

単なる「読み上げ」機能だと思っていたら、それは大きな間違いです。特に「4つの新フォーマット」「焦点(Focus)プロンプト」を使いこなすことで、音声概要はあなたのインプットを自動化し、思考を深める「最強の知のパートナー」へと進化します。

これまで情報収集に費やしていた膨大な時間を、NotebookLMが肩代わりしてくれます。その結果生まれた時間で、あなたはもっと創造的で、本質的な仕事に集中できるようになるはずです。

デジライズでは、生成AIの導入研修を行っています。個別のミーティングで業務内容をヒアリングし、現場で本当に使えるAI活用法を一緒に考えるところからスタートします。実際に使えるように、AIの専門家が伴走いたしますので、AI担当者がいない企業様でもご安心ください。まずは情報収集からでも歓迎です。
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この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。