チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

またまたGooogleから大きなアップデートが来ました。Geminiの「Personal Intelligence」という新機能をベータ版として発表しました。簡単に言うと、あなたのGmail、Google Photos、YouTube、Google Searchのデータを活用して、AIがあなた専用のアシスタントになるという機能です。

「AIがもっと自分のことを理解してくれたらいいのに」って思ったこと、ありませんか?まさにそれを実現しようとしているのがこのPersonal Intelligenceなんです。

今回は、この新機能について徹底的に解説していきます!

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Personal Intelligenceとは何か

定義と基本概要

Personal Intelligenceは、Googleアプリと連携してパーソナライズされた提案を行う機能です。

これまでのGeminiでも便利だったんですが、今回のアップデートで大きく変わるのは、あなたの個人データを横断的に理解して、文脈を踏まえた回答ができるようになるという点です。

現在の提供状況は以下のようになっています。

  • 米国のGoogle AI Pro・AI Ultraサブスクライバー向けにベータ版として提供開始
  • 今後、無料ユーザーや他の国への展開も予定されている
  • 個人用Googleアカウントのみ対応(Workspace business/enterprise/educationは非対応)

今のところ日本のユーザーはまだ使えませんが、将来的には展開される予定のため、期待して待ちましょう。

連携するGoogleアプリ

Personal Intelligenceで連携できるアプリは以下の4つです。

アプリ連携でできること
Gmailメールの内容から予約情報、購入履歴などを参照
Google Photos過去の旅行写真、好みの傾向などを分析
YouTube視聴履歴から興味関心を把握
Google Search検索履歴からニーズを理解

重要なポイントとして、これらの接続はデフォルトでオフになっています。 ユーザーが自分で有効化する必要があり、いつでも接続解除や設定変更が可能です。

プライバシーを重視する人にとっては、この「オプトイン方式」は安心できるポイントですよね。

具体的な活用例

ここからが面白いところです。実際にどんな使い方ができるのか、具体例を見ていきましょう。

1. 車のパーツ選び

例えば、こんな質問をしたとします。

「自分の車に合うタイヤをおすすめして」

従来のAIなら、自分で写真を撮影してGeminiに添付しなければ、「人気のタイヤランキング」のような一般的な回答しか返ってきませんでした。

でもPersonal Intelligenceを使うと、

  1. Gmailから車両情報を取得(購入時の確認メールなど)
  2. Google Photosから過去の旅行写真を分析(どんな道を走っているか)
  3. これらを総合して、日常運転用・全天候用など、あなたに最適なタイヤを提案
  4. 価格や評価も併せて表示

このように、自動でgoogle環境にある情報を探して最適なものを提案してくれます。自分で車種を調べて、用途を説明して…という手間が全部省けるわけです。

2. 旅行プラン作成

もう一つの例として、旅行プランの作成があります。

「シカゴで楽しめそうな穴場ある?」

こう聞くと、Personal Intelligenceは、

  • Gmailの旅行日程を確認(いつ行くのか、どのホテルに泊まるのか)
  • Google Photosから過去の旅行写真を分析(どんな場所が好みか)
  • YouTube視聴履歴から興味を把握

といった手順で個別最適化されたプランを提案してくれます。例えば、家族旅行なら子供向けのアクティビティ、一人旅ならローカルな体験など、文脈を理解した提案ができるんです。

3. その他の活用シーン

他にもこんな使い方ができます。

  • 書籍・番組・衣類のおすすめ:過去の購入履歴や視聴履歴から好みを分析
  • ライセンスプレート番号の検索:Google Photosから自動抽出
  • 車両のトリム情報の特定:Gmailの購入記録から検索

要するに、「自分の情報を自分で探す」という作業をAIが代わりにやってくれるということです。


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使ってみた所感

実は私自身、2025年5月にGeminiのEarly testerとしてPersonal Intelligenceを先行体験していました。
率直な感想は、「便利」より先に“自分のことを全部知られている”感覚が来て、少し怖さを覚えています。

特に印象的だったのが、YouTubeの視聴履歴です。
ここは人間の嗜好がいちばん濃く蓄積される場所なので、提案が当たるほどに丸裸にされるような感覚がありました。

今はGmail・写真・YouTube・検索からの連携が中心ですが、今後は(ユーザーの同意や設計次第で)より広い行動データまで統合されていく可能性も十分あります。
自分よりAIが自分を理解している」——そんな世界線が、割と早く現実になりそうです。

だからこそ次に、Googleが用意しているプライバシー設計とユーザー側でできるコントロールを整理しておきます。

プライバシーとセキュリティ

しかし、個人情報をAIに渡すのは危ないのではないか?Googleはこの点についてかなり詳細に説明しています。

データ利用の仕組み

まず、データがどう使われるかを整理します。

項目内容
データ参照のタイミングユーザーのリクエストに応じて参照されるのみ
モデル訓練への使用Gmailの受信トレイやPhotosライブラリは直接使用しない
訓練に使われるデータ限定的なプロンプト・応答のみ(個人データはフィルタリング・難読化)

つまり、あなたのメールや写真がそのままAIの学習に使われるわけではないということです。ただし、プロンプト/応答に加え、要約・抜粋・推論などが改善目的で使われる可能性はあると明記されています。

ユーザーコントロール

ユーザーが自分でコントロールできる範囲も広いです。

  • 接続アプリの選択・解除が自由
  • チャット履歴の削除が可能
  • 一時チャットでパーソナライゼーションなしの会話も可能
  • 応答の再生成時にパーソナライゼーションをオフにできる

「今回はパーソナライズなしで答えて」みたいな使い分けができるのは、かなり柔軟な設計だと思います。

情報源の透明性

さらに、Geminiは回答の情報源を参照・説明してくれるので、ユーザーが検証可能です。もし不正確な応答があった場合は、「サムズダウン」でフィードバックを送ることもできます。

現在の制限と今後の改善

ただし、ベータ版なので課題もあります。正直に言うと、まだ完璧ではないです。

ベータ版の課題

Googleが公式に認めている課題として以下のものを挙げています。

1. 過剰なパーソナライゼーション(トンネルビジョン)

例えば、あなたがコーヒー好きだとわかると、「オーストラリア旅行のプランを立てて」と頼んだときに、コーヒーショップばかりの旅程を提案してしまうことがある。

2. 他人の好みと自分の好みの混同

家族でYouTubeアカウントを共有していると、家族の興味を自分の興味と勘違いすることがある。

3. タイミングやニュアンスの理解不足

  • 離婚などの関係性の変化を理解できない
  • 過去に買ったものを「今も好き」と誤認識する
  • 時系列を混同することがある

4. センシティブなトピックへの配慮

健康情報などについては配慮が実装されているものの、完全ではない。

改善の方針

Googleはこれらの課題に対して、

  • ユーザーフィードバックを収集し、継続的に改善
  • 詳細な方法論・制限・改善計画は公式ペーパーで公開

という姿勢を示しています。ベータ版として出して、ユーザーと一緒に改善していこうというアプローチですね。

まとめ

今回のアップデートは、日本におけるAIの活用方法を劇的に変える可能性を秘めています。これまでは「まず状況を説明する」という手間が壁になっていましたが、AIがユーザーを深く理解することで、まさに「あうんの呼吸」で相談できる未来がすぐそこまで来ています。プライバシーの確保やベータ版ゆえの課題は残るものの、この進化の方向性は次世代AIアシスタントの正解と言えるでしょう。

しかし、こうした進化をビジネスの現場で乗りこなすには、最新の技術動向に合わせた「使いこなしのコツ」が不可欠です。AIがより身近になるからこそ、それをどう実務に落とし込むかが企業の競争力を左右します。

デジライズでは、こうした最新AIの導入研修を通じて、貴社の現場で本当に役立つ活用法を共に創り上げます。専門家がヒアリングから伴走までサポートするため、社内に専門の担当者がいない場合でも、スムーズにAI時代への適応が可能です。

日本でのサービス開始を待つ今こそ、まずは資料をご覧いただき、導入の準備を始めてみませんか?

参考URLリスト

Google公式ブログ(Personal Intelligence発表): https://blog.google/innovation-and-ai/products/gemini-app/personal-intelligence/

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。