「化粧品ECの商品説明文、毎回ゼロから書くのがしんどい…」
「大手は肌診断AIを作っているけど、うちみたいなD2Cブランドには何ができるの?」
この記事は、化粧品や美容商材をEC・通販で売っている企業の担当者(D2Cブランド、化粧品メーカー、EC事業者)に向けて書いています。サロンや店舗を運営している方も、接客・カウンセリング・SNS発信のパートはそのまま重なります。
資生堂は処方開発AI「VOYAGER」で50万以上の知見・技術の処方データを統合し、花王は「Kirei肌AI」で計77項目の肌評価を可能にしました。大手はAIを研究開発の根幹に組み込んでいます。一方で、規模の小さいブランドやEC事業者が明日から使える活用法は、あまり整理されていません。
本記事でカバーするのは次の4つです。
- 大手の現在地 — 化粧品メーカーとECプラットフォームの公開事例
- デジライズの支援事例 — 美容・ブランド企業3社の導入前後
- プロンプト7選 — 商品説明文・SNS・VOC分析などをコピペで
- 薬機法ガバナンス — AIの出力を安全に世に出す運用フロー
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※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)
目次
美容・化粧品・EC業界×生成AIの全体像

美容・化粧品業界のAI活用は、「パーソナライズ」と「コンテンツ量産」の2つの軸で進んでいます。この2軸を押さえておくと、自社でどこから手を付けるかの優先順位が立てやすくなります。
業界が抱える3つの構造的課題
| 課題 | 何が起きているか | 生成AIが効く部分 |
|---|---|---|
| ECコンテンツの量と質 | 1つのSKU(商品単位)ごとに商品説明文・SNS投稿・広告・メルマガと派生コンテンツが要る | 初稿づくりとバリエーション出し |
| パーソナライズ競争 | 「あなたに合う1本」を出せるかどうかが購買を左右する | 既存レビュー・カウンセリング記録からの提案文生成 |
| 薬機法の壁 | 表現の可否判断に時間がかかり、AIの出力をそのまま使えない | NG表現の下チェックと言い換え案の作成 |
新商品の発売サイクルが早いブランドほど、コンテンツ制作の負荷は重くなります。大手メーカーは大量の肌データを蓄えてAI診断を作っていますが、同じ規模のデータ基盤がなくても、手元にある顧客の声を材料にすれば提案の質は上げられます。
3つ目の薬機法は、この業界だけの重い制約です。人が書いた文章でもチェックに時間がかかるところに、AIの出力が加わると確認対象がさらに増えます。効率化とコンプライアンスの両立は、後半のガバナンスの章でまとめて扱います。
大手と中小の差は縮まりつつある
資生堂と花王は、独自のAIを研究開発から店頭接客まで広く導入しています。コーセーは、隣接する計算技術である量子コンピュータを処方の探索に使っています(いずれも次章で解説)。
ただ、大手が自社開発するシステムを業務単位に分解すると、パーソナライズ提案・コンテンツ生成・VOC(顧客の声)分析といった要素に行き着きます。どれもChatGPTやClaudeで入口に立てるものです。
業務別に見る生成AIのユースケース

美容・化粧品・ECのどの業務で生成AIが効くのかを、8つのカテゴリで整理します。あなたの担当業務に当たるものから1つ選んで試してみてください。
| カテゴリ | 主に使う人 | ユースケース例 |
|---|---|---|
| ECコンテンツ制作 | EC事業者・メーカー | 商品説明文・LP(ランディングページ)コピーの初稿生成 |
| SNSマーケティング | EC事業者・サロン/店舗 | Instagram・TikTok投稿文+ハッシュタグ生成 |
| カスタマーサポート | EC事業者 | 問い合わせ返信のドラフト、FAQの整備 |
| パーソナライズ提案 | サロン/店舗・EC事業者 | 肌悩み×成分マッチング、レコメンド文の生成 |
| VOC分析 | メーカー・EC事業者 | レビュー・口コミの傾向分析、改善の示唆出し |
| 広告クリエイティブ | EC事業者 | キャッチコピーのA/Bテスト案出し |
| 需要の見立て | メーカー・EC事業者 | 季節要因と過去データを整理したレポート作成 |
| 薬機法チェック | メーカー・EC事業者・サロン/店舗 | NG表現の候補の洗い出し |
後半のプロンプト7選では、このうち「ECコンテンツ制作」「SNSマーケティング」「広告クリエイティブ」「パーソナライズ」「VOC分析」「カスタマーサポート」「薬機法チェック」の7領域を、プロンプト全文つきで解説します。
「まずは何ができるか知りたい」といった情報収集段階でのご相談も大歓迎です。導入の流れや具体的な支援内容をまとめた資料を以下よりご覧いただけますので、ぜひお気軽にご活用ください。
大手化粧品メーカー・ECプラットフォームはどこまで進んでいるか

公式のプレスリリースで確認できる範囲で、大手の現在地を見ていきます。「うちは大手じゃないから関係ない」と思うかもしれませんが、大手が何にAIを使っているかを分解すると、規模が小さくても再現できる領域が見えてきます。
| 企業 | 取り組み | 規模が小さくても再現できる部分 |
|---|---|---|
| 資生堂 | 処方開発AI・肌測定アプリ・店頭のチャットボット | 社内資料を引ける問い合わせ用チャットボット |
| 花王 | 肌評価AIによる大量の画像解析 | 顧客レビューを分類・集計する分析プロンプト |
| コーセー(※生成AIではなく隣接する計算技術の事例) | 量子コンピュータを使った処方の自動生成と製品化 | 研究開発領域のため直接の再現は難しい |
| 楽天市場 | 診断結果からのAI接客 | モールに載せる商品情報を整えること |
資生堂:処方開発AI「VOYAGER」と肌測定アプリ

処方開発AI「VOYAGER」はアクセンチュアとの共同開発で、研究員に受け継がれてきた50万以上の知見・技術の処方データを統合し、2024年から本稼働しています(資生堂 2026年1月20日発表)。これを活用した共創ブランドfibonaのUVケア化粧水「Dual Blooming Mist UV」は、2026年8月25日からfibona Labで限定販売されています(資生堂 2026年8月25日リリース)。
スマートフォンで肌を撮影して全16項目を測定する「エリクシール AIスキンアナライザー」は、2024年9月〜2025年8月の1年間で延べ56万人が利用しています。2025年9月22日には、測定結果をもとに対話でアドバイスするAIチャット機能が加わりました(資生堂 2025年9月22日発表)。
店頭では、美容部員が使うタブレットに生成AIチャットボットを載せ、2025年7月から本格導入しています。商品情報やブランドルールを自然言語で検索でき、問い合わせ時間の短縮と、問い合わせを受けていた社員の対応業務の削減につなげています(資生堂 2025年9月29日発表)。
ここから持ち帰れること: 肌測定アプリのような独自システムは難しくても、「顧客の肌悩みを入力すると自社商品を提案するプロンプト」ならChatGPTで今日から作れます(プロンプト④で解説)。
花王:「Kirei肌AI」で計77項目の肌評価

花王は肌評価AI「Kirei肌AI」を拡充し、計77項目の網羅的な肌評価を可能にしました。計25の機械学習モデルを搭載し、20〜80代の男女293名の顔画像から切り出した部位別画像 計70,389枚も学習に使っています。
顔画像1枚あたり10分以下の解析時間でデータを得られ、研究所では平均して月間のべ730枚の顔画像を解析しています。解析結果からは「ハリのない肌では、メイク後の肌でシワが目立ちやすい」といった関係も見つかっています(花王 2025年11月4日発表)。
ここから持ち帰れること: 花王レベルの肌解析は無理でも、「顧客レビューに含まれる肌悩みキーワードを分類・集計するプロンプト」で、自社顧客の悩みの傾向をつかむことは今すぐできます(プロンプト⑤で解説)。
コーセー:量子コンピュータで計算した処方を製品化

この事例だけは生成AIではなく、隣接する計算技術の話です。コーセーは2023年に、量子コンピュータと従来型のコンピュータを組み合わせたハイブリッド型アルゴリズムで動く処方自動生成システムを立ち上げています。
このシステムで1,000億通り以上の成分の種類と配合量の組み合わせから処方を導き、「世界で初めて量子コンピュータを用いて計算した化粧品処方」として、コスメデコルテ「AQ」の毛穴美容液オイルを2025年5月16日に発売しています(コーセー 2025年3月10日発表)。
この領域は設備も人材も規模がものを言うので、そのまま真似できるものではありません。ただ、「どの組み合わせが良いか」を勘だけで決めていた工程を計算に寄せるという考え方自体は、商品企画やクリエイティブのA/Bテスト設計にも通じます。
楽天市場:診断結果から商品を提案する「ビューティ アドバイザー」

楽天市場は2025年9月18日に「ビューティ アドバイザー」の提供を開始しました。パーソナルカラー診断・肌タイプ診断・顔スタイル診断の3つを備え、コスメの口コミサービス「LIPS」に蓄積された評価やクチコミデータ、診断時の季節や最新トレンドを反映した情報と組み合わせて商品を提案します。提案先は、楽天市場に出店する約170のコスメブランド公式ショップです(楽天 2025年9月18日発表)。
ここから持ち帰れること: 楽天の発表では、AI診断の結果・プロフィール・LIPSの評価やクチコミ・季節やトレンドを組み合わせて商品を提案するとされています。商品登録情報の詳細さが提案対象となるかどうかにどのように影響するかは公表されていませんが、商品説明文を整えることが人に読ませるためだけの作業ではなくなってきたのは確かです。
小売・EC全体の業務マップから生成AIの使いどころを見たい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【2026年最新】小売業×生成AI 完全ガイド|業務別ユースケース・大手事例&プロンプト5選
デジライズが支援した美容・ブランド企業の導入事例

大手の次は、デジライズが生成AIの導入を支援した企業の事例を紹介します。
3社のうち2社は美容・健康商材を自社で企画して売っている会社、1社は香りのブランドです。業種がぴったり同じではない1社も含めたのは、ブランドのトーンを保ったままコンテンツを量産するという課題が、化粧品ブランドとほぼ同じだからです。
ファビウス 様|調査時間を8時間から10分に短縮

ファビウス株式会社は、化粧品・健康食品のD2Cおよび定期通販事業を展開する美容ブランド企業です(従業員50〜99名・東京都)。代表商品「すっきりフルーツ青汁」は発売から3年で年商130億円を突破しました。新規事業の情報収集や資料作成に時間がかかり、社内外の新パートナーや新メンバーとの連携も手探りだった、という状態から生成AIの活用に踏み出しています。
| 業務 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 調査・資料作成 | 調査や資料作成に時間を要していた | 調査時間を8時間から10分に短縮 |
| 意思決定 | 必要な情報を事前に把握しきれなかった | 必要情報を事前に把握でき、意思決定が迅速化 |
| チーム連携 | 新パートナー・新メンバーとの連携が手探りだった | 共通情報の活用で連携がスムーズになり、チームワークが強化 |
アットアロマ 様|問い合わせ対応を30分から5分へ短縮

アットアロマ株式会社は、天然の香りを用いたセンティングデザインを提供する香りの専門企業です(小売業・従業員100〜299名)。複数名でコンテンツを制作するためブランドトーンの一貫性を保つことが難しく、商品企画の資料作成やキャッチコピー考案にも工数がかかっていました。デジライズの「法人リスキリング(AI業務改革支援)」を導入しています。
| 業務 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 商品企画の資料作成・コピー考案 | 1案件あたり20〜30時間 | 工数を劇的に削減 |
| 問い合わせへのメール返信 | 1件あたり30分 | 30分から5分へ短縮 |
| コンテンツのトーン管理 | 複数名の制作で一貫性を保つのが難しかった | 複数名でもブランドトーンを保てるよう標準化 |
シーオーメディカル 様|提案資料を誰でも高品質に作れる状態へ

株式会社シーオーメディカルは、補整下着や美容サプリメント、スキンケア商品など、美と健康をテーマにした商品の企画・開発・販売を行う企業です(従業員50〜99名)。提案資料の構成や文面をゼロから考える必要があって営業活動に割ける時間が減っていたこと、担当者によって資料の品質にばらつきが出ていたことが課題でした。デジライズの「AIエージェント導入・活用支援(コンサル)」を導入しています。
| 業務 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 提案資料の作成 | 構成や文面をゼロから考えていた | 初稿をAIで生成し、作業スピードが大幅に向上 |
| 資料の品質 | 担当者によって内容や構成がバラバラだった | プロンプト共有で構成と表現の再現性が高まり、資料の属人化も抑えられるように |
| ITリテラシー | AIツールへの苦手意識があった | 実演と伴走支援で「自分でも使える」実感が広がった |
参考:株式会社シーオーメディカル 様 導入事例(デジライズ)
3社に共通するのは、ツールを配って終わりにせず、既存の業務のどこにAIを差し込むかを決めてから始めている点です。研修の内容・進め方・料金は、サービス資料でご確認いただけます。
デジライズの法人リスキリング研修の内容を見てみる
サービス資料はこちら
こうした事例のように、自社のECサイトや商品企画の業務に合わせたAIチャットボットやカスタムAIシステムを構築したい場合は、弊社デジライズのAIコンサルティング&開発サービスで設計から開発まで支援しています。
美容・化粧品・EC担当者が今すぐ使えるプロンプト7選

ここからは実践編です。7つの業務領域で、コピペしてすぐ使えるプロンプトを紹介します。プロンプト内の{}で囲まれた箇所を自社の情報に書き換えてください。
- ECコンテンツ — 薬機法を意識した商品説明文の生成
- SNSマーケティング — Instagram投稿文+ハッシュタグ生成
- 広告クリエイティブ — LP・バナーのキャッチコピーA/Bテスト案
- パーソナライズ — 肌悩み×成分マッチングの提案文生成
- VOC分析 — レビュー・口コミの傾向分析
- カスタマーサポート — 定期購入のフォローアップメール
- 薬機法チェック — 生成した文章のコンプライアンス確認
①【ECコンテンツ】薬機法を意識した商品説明文の生成
シーン: ECサイトに掲載する化粧品の商品説明文を、薬機法の表現規制を守りながら魅力的に書きたいとき。
# 指示
あなたは化粧品ECのコピーライターであり、薬機法(医薬品医療機器等法)に精通した専門家です。
以下の商品情報をもとに、ECサイト用の商品説明文を作成してください。
# 商品情報
・商品名:{商品名}
・商品カテゴリ:{化粧水 / 美容液 / クレンジング 等}
・主要成分:{ヒアルロン酸Na、セラミドNP、ナイアシンアミド 等}
・ターゲット層:{30代後半〜40代女性、乾燥肌悩み}
・価格帯:{3,000円〜5,000円}
・ブランドの特徴:{成分へのこだわり、国内製造、パラベンフリー 等}
# 出力要件
1. キャッチコピー(20文字以内)
2. 商品紹介文(300〜400文字)
3. 成分訴求セクション(各成分の役割を1文ずつ)
4. 使い方セクション(3ステップ)
5. こんな方におすすめ(箇条書き3〜5項目)
# 薬機法ルール(厳守)
- 「シミが消える」「シワがなくなる」等の治癒・治療を暗示する表現は使わない
- 化粧品で使える効能効果は「肌を整える」「うるおいを与える」「キメを整える」等に限定
- 「医薬部外品」の場合は承認された効能効果の範囲内で表現する
- 「No.1」「最高」等の最大級表現は根拠データなしでは使わない
# トーンとスタイル
- 親しみやすく、専門用語は避ける
- 「あなたの肌に〜」と読者に語りかけるスタイル
- 成分の科学的な裏付けは伝えつつ、押し付けがましくない
ポイント: 薬機法ルールをプロンプト内に書いておくと、違反表現が混ざる頻度を下げられます。ただし、出力は必ず自社の薬事担当者がチェックしてください。AIが薬機法を完全に理解しているわけではありません。
②【SNSマーケティング】Instagram投稿文+ハッシュタグ生成
シーン: 新商品やキャンペーンのInstagram投稿文を、エンゲージメントが取れる形式で量産したいとき。
# 指示
あなたは美容・コスメ業界のSNSマーケターです。
以下の商品情報とキャンペーン内容をもとに、Instagram投稿文を3パターン作成してください。
# 商品・キャンペーン情報
・商品名:{商品名}
・訴求ポイント:{保湿力 / 時短ケア / 成分のこだわり 等}
・キャンペーン内容:{期間限定20%OFF / 新商品発売記念 / セット販売 等}
・ターゲット:{20代後半OL、乾燥悩み、時短重視}
# 投稿パターン
パターンA: 商品の魅力訴求型(悩み共感→解決→商品紹介)
パターンB: 使用感紹介型(香り・テクスチャー・使い心地を描写する)
パターンC: 使い方提案型(朝のルーティン / 夜のスペシャルケア 等)
# 各パターンの構成
1. フック(1行目で目を止める。絵文字1〜2個)
2. 本文(150〜200文字、改行多め)
3. CTA(プロフィールリンクへの誘導 or コメント促進)
4. ハッシュタグ(投稿内容・商品・ターゲットとの関連性が高いものだけに絞る)
# ハッシュタグ設計ルール
- 数を増やすより、投稿内容と結びつくタグを優先する
- ビッグ(投稿数が非常に多い一般的なタグ):#美容 #スキンケア #コスメ #美肌
- ミドル(商品カテゴリ系):#保湿ケア #乾燥肌対策 等
- スモール(固有名詞):ブランド名・商品名・キャンペーン名
ポイント: 3パターン同時に出しておくと、A/Bテストのバリエーションが一度に揃います。実際のエンゲージメントを見て、反応の良いパターンを次回のプロンプトに反映してください。
③【広告クリエイティブ】LP・バナーのキャッチコピーA/Bテスト案
シーン: ECサイトのLPやWeb広告のキャッチコピーを複数パターン出して、A/Bテストの精度を上げたいとき。
# 指示
あなたはD2C化粧品ブランドのダイレクトマーケティング専門家です。
以下の商品・ターゲット情報をもとに、LP(ランディングページ)のメインビジュアルに使うキャッチコピーを10パターン作成してください。
# 商品情報
・商品名:{商品名}
・商品カテゴリ:{美容液}
・価格:{初回限定 1,980円(税込)/ 通常 5,980円}
・最大の特徴:{独自の○○成分を○%配合}
・ターゲット:{40代女性、ほうれい線・たるみが気になり始めた}
# コピーの切り口(各2パターンずつ)
1. 悩み共感型:「○○が気になるあなたへ」
2. 数字訴求型:「○○%の方が実感」「○日分○円」
3. 成分フォーカス型: 独自成分の希少性・技術力を訴求
4. ライフスタイル提案型:「朝の○分で変わる」
5. 季節・トレンド型:「この夏こそ○○」
# 薬機法ルール(厳守)
- 化粧品で標榜できる効能効果の範囲を超える表現は使わない
- 「No.1」「最高」等の最大級表現は、根拠となる調査がなければ使わない
# 出力フォーマット
番号 | 切り口 | コピー(20文字以内) | サブコピー(40文字以内)
ポイント: 10パターンを一度に出すと、チーム内の議論の起点になります。良いコピーが出たら「このコピーのトーンを維持しつつ、さらに5パターン派生させて」と追加指示すると幅が広がります。
④【パーソナライズ】肌悩み×成分マッチングの提案文生成
シーン: ECサイトやLINE公式アカウントで、顧客の肌悩みに合わせた商品提案文を用意したいとき。
# 指示
あなたは化粧品の成分に詳しい美容アドバイザーです。
以下の顧客情報と自社商品ラインナップをもとに、パーソナライズされた商品提案文を作成してください。
# 顧客情報
・年代:{30代後半}
・肌タイプ:{混合肌(Tゾーンはテカるが頬は乾燥)}
・主な肌悩み:{毛穴の開き、くすみ}
・現在のスキンケア:{ドラッグストアの化粧水+乳液のみ}
・予算感:{月3,000〜5,000円}
# 自社商品ラインナップ
(以下に自社の商品名・特徴・主要成分・価格を列挙)
1. {商品A}:{特徴・成分・価格}
2. {商品B}:{特徴・成分・価格}
3. {商品C}:{特徴・成分・価格}
# 出力要件
1. 肌悩みの原因分析(2〜3文で簡潔に)
2. おすすめ商品TOP3(優先順位付き、各商品に「なぜこの商品か」の理由1文)
3. 推奨スキンケアルーティン(朝・夜の手順)
4. 1ヶ月の使用量目安と費用シミュレーション
# トーンとスタイル
- 押し売りではなく「提案」のスタンス
- 「あなたの肌は○○なので〜」と個別感を出す
- 専門用語は避け、分かりやすい言葉で
ポイント: 自社の商品ラインナップをプロンプトに含めることで、実在の商品で提案が返ってきます。LINE公式アカウントの応答文や、カスタマーサポートのテンプレートの下地として使えます。
⑤【VOC分析】レビュー・口コミの傾向分析
シーン: ECモールや自社サイトに寄せられた顧客レビューから、商品改善やマーケティング施策に使える示唆を引き出したいとき。
# 指示
あなたはD2C化粧品ブランドのマーケティングアナリストです。
以下の顧客レビューデータを分析し、商品改善とマーケティングに活かせるインサイトを抽出してください。
# レビューデータ
(以下にECモール等から収集したレビューをペースト。20〜50件が目安)
---
{レビュー1}
{レビュー2}
{レビュー3}
...
---
# 分析要件
1. **肌悩み別の分類**:レビューに含まれる肌悩みキーワードを分類・集計(乾燥、シミ、シワ、毛穴、くすみ、ニキビ 等)
2. **ポジティブ要素TOP5**:顧客が評価しているポイントを頻度順に
3. **ネガティブ要素TOP5**:不満・改善要望を頻度順に
4. **競合比較言及**:他ブランドとの比較コメントがあれば抽出
5. **リピート意向**:「リピート」「また買う」「定期購入」等のキーワード出現率
6. **訴求テーマの候補**:顧客の声から、広告で掘り下げる価値のあるテーマを5つ抽出(レビュー原文をそのまま広告コピーに使うことは想定しない)
7. **商品改善の示唆**:レビューから読み取れる改善余地を3つ、優先度付きで
# 出力フォーマット
各項目をテーブル形式で整理し、最後に「次のアクション3つ」を提案してください。
ポイント: レビューの生の声をまとめて読ませると、人が読み飛ばしがちなパターンが浮かびます。月次などで定期的に分析を実行すると、商品改善のサイクルを回しやすくなります。
⑥【カスタマーサポート】定期購入のフォローアップメール
シーン: 定期購入の解約申し出があった顧客に、引き止めではなくフォローアップとして送るメールを作りたいとき。
# 指示
あなたはD2C化粧品ブランドのCRM(顧客関係管理)担当者です。
定期購入の解約を申し出た顧客に対して、フォローアップメールを作成してください。
# 顧客情報
・購入商品:{商品名}
・購入回数:{3回目で解約申し出}
・解約理由(申告あれば):{効果が分からない / 経済的理由 / 使い切れない}
# メールの構成
1. 件名(開封率を意識、20文字以内)
2. 冒頭挨拶(感謝+共感。「ご連絡ありがとうございます」)
3. 解約理由に合わせた情報提供:
- 効果が分からない → 正しい使い方・使用サイクルの目安
- 経済的理由 → お届けサイクル変更の提案(隔月配送等)
- 使い切れない → 使用量の見直し・お届け間隔の延長
4. 選択肢の提示(解約 / 休止 / サイクル変更。押し売りにしない)
5. クロージング
# トーンとスタイル
- 「引き止め」ではなく「最適な選択肢を一緒に考える」スタンス
- 顧客の判断を尊重する姿勢を明示
- 解約しても「またいつでもお待ちしています」で終える
ポイント: 解約理由ごとにプロンプトを分けると、テンプレート感のないフォローアップになります。定期購入が主力のブランドほど、ここは人の手を残しつつ下書きをAIに任せる価値が大きい部分です。
⑦【薬機法チェック】生成した文章のコンプライアンス確認
シーン: 生成AIが書いた商品説明文やSNS投稿に、薬機法上の問題がないか確認したいとき。
# 指示
あなたは薬機法(医薬品医療機器等法)に精通した薬事法務の専門家です。
以下のテキストが化粧品の広告として薬機法に違反していないかチェックしてください。
# チェック対象テキスト
---
{チェックしたいテキストをここにペースト}
---
# チェック項目
1. **効能効果の逸脱**: 化粧品で標榜できる56の効能効果の範囲を超えていないか
2. **治療・治癒の暗示**: 「治る」「消える」「なくなる」等の治療暗示がないか
3. **最大級表現**: 「No.1」「最高」「唯一」等の根拠なき最大級表現がないか
4. **医薬品的効能効果**: 「抗菌」「殺菌」「血行促進」等の医薬品的効能がないか
5. **虚偽・誇大表現**: 事実と異なる、または著しく誇大な表現がないか
# 出力フォーマット
| 該当箇所(原文引用) | 問題の種類 | リスクレベル(高/中/低) | 修正案 |
最後に、全体の薬機法コンプライアンスを5段階で評価し、使用可否の判定を出してください。
# 注意
- このチェックはAIによる補助的なものです。最終判断は必ず薬事担当者が行ってください。
- 医薬部外品の場合は承認された効能効果の範囲が異なるため、別途確認が必要です。
ポイント: AIが書いた文章をAIで下チェックする二重の仕組みです。ただし、これはあくまで下処理。最終的な判断は薬事の知識を持つ担当者が行ってください。
Instagram運用のプロンプトをもっと見たい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【保存版】ChatGPTでインスタ運用を超効率化する方法。デザイナー不要。誰でも数分で文字入れ画像が完成‼️《活用事例+プロンプトも大公開》
薬機法×生成AI——コンテンツ作成のガバナンス

美容・化粧品で生成AIを使うとき、最初に決めておきたいのが薬機法(医薬品医療機器等法)との付き合い方です。化粧品の広告で使える効能効果は、厚生労働省の通知で56項目に限定されています(化粧品の効能の範囲の改正について・平成23年7月21日 薬食発0721第1号)。
「肌を整える」「うるおいを与える」はこの56項目に含まれますが、範囲の外に出る表現は使えません。生成AIは境界を正確に持っているわけではないので、出力をそのまま公開する運用にはしないでください。
業界側のルールも動いています。日本化粧品工業会は2026年7月24日に「化粧品等の適正広告ガイドライン改訂α版」を公開しているので、社内の表現ルールを作るときは最新版を確認してください(日本化粧品工業会)。
生成AIが書きがちな表現のパターン

- 効能効果の逸脱 — 56項目の外に出る表現(「シミを消す」「シワを治す」など)
- 医薬品的な効能 — 「殺菌」「血行促進」のように、化粧品の効能効果の範囲を超えた機能の言い切り
- 根拠のない最大級表現 — 「No.1」「最高」「唯一」など、裏づけとなる調査がないままの言い切り
生成AIはネット上の大量の文章を学習しているため、広告らしい言い回しをそのまま出してきます。56項目の範囲に収まっているかどうかは、AIの出力であっても公開前に人が確認してください。
「No.1」「最高」のような最大級表現は、薬機法とは別に景品表示法の論点にもなります。消費者庁は2024年9月26日に「No.1表示に関する実態調査報告書」を公表し、表示の裏付けとなる調査の内容を把握しないまま広告に使っている事業者が多いと指摘しています(消費者庁)。
実務で使える3つのガバナンスルール

| ルール | やること |
|---|---|
| 生成の時点で縛る | プロンプトに「使ってはいけない表現」を先に書いておく(プロンプト①) |
| 公開前に人が見る | 生成 → AIチェック → 人のチェック → 公開の順番を固定する(プロンプト⑦) |
| 承認済み表現を貯める | 薬事担当者が通した表現をまとめ、プロンプトに「この範囲で書く」と指定する |
3つ目は初期構築に手間がかかりますが、一度作れば全商品に横展開できます。AIのチェックはあくまで下処理で、最終判断は薬事の知識を持つ人が行う——この線だけは動かさないでください。
顧客データを入力するときの線引き

肌画像・年齢・肌悩みといった顧客の個人データをAIに入力する場面では、利用目的の扱いを先に整理しておく必要があります。個人情報保護委員会も、生成AIサービスの利用について注意喚起を出しています(個人情報保護委員会 2023年6月2日)。
制度そのものも動いています。改正個人情報保護法は2026年7月17日に公布され、一部を除き公布日から起算して2年以内の政令で定める日から施行されます(個人情報保護委員会 2026年7月17日)。顧客データを扱う運用は、施行時期を含めて最新の情報を確認してください。
ツール選びは「無料か有料か」ではなく「個人向けか、商用の契約か」で分けて考えてください。ChatGPTの個人向けプランは、設定画面のデータコントロールで入力内容の扱いを切り替える形です。会社として使うなら ChatGPT Business や Enterprise、OpenAI API のように商用利用を前提とした契約を選び、条件を自社で確認したうえで顧客データを扱ってください。
3段階の導入ロードマップ

「どこから手を付ければいいか分からない」という方向けに、3段階の進め方を示します。期間はあくまで目安で、担当者の人数や既存業務の状況によって前後します。
Phase 1(目安:1〜2ヶ月目)担当者個人の効率化
目標は、担当者1〜2名がChatGPTを日常業務で使いこなせるようになることです。
| やること | 具体的なアクション |
|---|---|
| アカウント整備 | 会社として使うプラン(ChatGPT Business・Enterprise など商用利用前提の契約)を選び、データの扱いを確認する |
| 業務の棚卸し | 「毎回ゼロから書いている文章」を洗い出す(商品説明文、メルマガ、SNS投稿、CS返信 等) |
| プロンプト試行 | 本記事のプロンプト7選のうち①②⑤を優先して試す |
| 効果計測 | 各業務の所要時間を導入前後で記録する |
Phase 2(目安:3〜4ヶ月目)チーム展開と仕組み化
目標は、チーム全体で生成AIを共通のツールとして使える状態にすることです。
| やること | 具体的なアクション |
|---|---|
| プロンプトライブラリ構築 | Phase 1で効果のあったプロンプトを社内Wikiに集約し、誰でも使える状態にする |
| 薬機法チェックフロー整備 | プロンプト⑦を組み込んだ「生成→AIチェック→人のチェック→公開」を標準フローにする |
| OK表現データベース構築 | 薬事担当者が承認した表現をまとめ、プロンプトに組み込む |
| 研修実施 | EC担当・CS担当・SNS担当それぞれの業務に合わせたAI活用研修を行う |
Phase 3(目安:5〜6ヶ月目)自動化と高度活用
目標は、定型業務の自動化と、データをもとにした意思決定へAIを使うことです。
| やること | 具体的なアクション |
|---|---|
| API連携 | OpenAI APIをECカートやCRMとつなぎ、商品説明文やCS返信の下書きを自動生成する |
| VOC分析の定期実行 | 月次でレビュー分析を回し、商品改善の会議に示唆を出す |
| パーソナライズの自動化 | 肌悩み×商品マッチングの提案文を、LINE公式アカウントの応答に組み込む |
| 効果の検証 | Phase 1から記録した導入前後のデータをもとに、次の投資判断を行う |
Phase 1〜2は社内のリソースだけでも進められます。Phase 3のAPI連携や自動化の設計で手が足りなくなったときに、外部の支援を検討するのが順番としては自然です。
ここまで読んで「自社の業務にどう取り入れるか、社内でどう広げるかを具体的に考えたくなった」という方へ。法人向けAI研修の導入社数No.1*の弊社デジライズが、生成AIの基礎知識から社内導入の6ステップ・定着のポイントまでを1冊にまとめた「はじめての生成AI社内導入ガイド」を無料で配布中です。
※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)
まとめ

美容・化粧品・ECの生成AI活用は、資生堂の処方開発AI「VOYAGER」や花王の「Kirei肌AI」のように、大手では研究開発の根幹にまで入っています。一方で、D2CブランドやEC事業者にとって効果が大きいのは、日常業務の側です。
- まず試す — 商品説明文(プロンプト①)とInstagram投稿(プロンプト②)。毎回ゼロから書いている文章から着手する
- 次に効く — レビュー分析(プロンプト⑤)。顧客の言葉は訴求テーマを探る材料になる。広告に転用する前に薬事と権利の確認を通す
- 崩さない — 公開前の人によるチェック。薬機法の最終判断はAIに任せない
薬機法というハードルがある分、「AIが書いたものを人が確認して世に出す」という運用フローの設計が、他の業界以上に重要です。プロンプト⑦の下チェックと組み合わせて、安全に進めていきましょう。
