チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

「ChatGPTを使いたいけど、情報漏洩のリスクが怖い…」
「ネットに情報が溢れていて、結局何を信じればいいの?」

こんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。でも、安心してください。この記事を読めば、もうネット上の曖昧な情報に振り回されることはありません。

今回は、どんな生成AIサービスでも、たった3分で、誰でも情報漏洩リスクの核心部分をピンポイントで確認できる、とっておきの裏ワザを特別に伝授いたします。この方法さえマスターすれば、今後どんな新しいAIが登場しても、あなた自身の力で安全性を判断できるようになりますよ!


今なら、100ページ以上にのぼる企業のための生成AI活用ガイドを配布中!基礎から活用、具体的な企業の失敗事例から成功事例まで、1冊で全網羅しています!

そもそも、なぜ生成AIの情報漏洩がこれほど問題になるのか?

本題に入る前に、まずは「なぜこんなに大騒ぎになっているのか?」というポイントをサクッと整理しておきましょう。企業が生成AIを利用する上で、見落とせないリスクは大きく分けて3つあります。

入力データが「学習」に使われるリスク

これが最も恐れられているリスクです。もし、あなたが入力した顧客情報や社外秘のプロジェクト情報が、AIモデルの学習データとして使われてしまったら…?その情報が、他の誰かへの回答としてポロっと出力されてしまう可能性がゼロではないんです。

意図しない「情報流出」のリスク

これはAI特有というより、ツール利用全般のリスクです。従業員の操作ミスでチャットの共有設定を「公開」にしてしまったり、アカウントが乗っ取られて過去のやり取りが全部盗まれたり…なんてことも考えられます。

知らないうちに「法律違反」してしまうリスク

海外製のツールを使う上で特に注意したいのが、法務・コンプライアンスのリスクです。例えば、ユーザーのデータを国外のサーバーに転送する際、日本の個人情報保護法で定められた手続きを踏んでいるのか?など、専門家でないと判断が難しい問題が潜んでいます。

これらのリスクを正しく理解し、対策を打つことが、AI活用を成功させるための第一歩なんです。

NotebookLMを使ったセキュリティのチェック方法

「じゃあ、どうやって安全性をチェックすればいいの?」という問いに対する、最終回答をお伝えします。

その答えは、Googleの無料ツール「NotebookLM」を使って、AIに公式のプライバシーポリシーを直接読ませてしまうこと。これが、控えめに言って最強です。

【2025年10月最新】NotebookLM完全ガイド!機能・使い方・料金・活用事例を専門家が徹底解説

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「大量の資料を読む時間がない…」「情報が多すぎて、何が重要なのか分からない…」「AIに質問しても、本当に正しい情報なのか不安…」 こんな我々の悩みを解決できる、Googleのとんでもないツールがあります。その名も「Not…

なぜ「NotebookLM」が最強のツールなのか?

「え、また新しいツールを覚えるの?」と思った方、ちょっと待ってください。NotebookLMがなぜこの用途で最強なのか、その理由を知ればきっと納得するはずです。

特徴NotebookLMChatGPT / Gemini (標準利用)
情報源あなたが指定した資料のみWeb上の広範なデータ
信頼性非常に高い(情報源が限定されている)情報が不正確な場合がある
得意なこと資料の読解、分析、要約クリエイティブな文章作成、対話

そう、NotebookLMはインターネットの情報を勝手に参照しません。あなたが「このプライバシーポリシーのURLを読んで!」と指示すれば、そのURLに書いてあることだけを100%の根拠として、質問に答えてくれるんです。

これにより、AIがもっともらしい嘘をつくハルシネーションを限りなくゼロに近づけ、しかも回答には引用元の番号が表示され、クリック一つで原文の該当箇所に飛べる。まさに、セキュリティチェックのために生まれてきたといっても過言ではないツールです。

実践!3ステップでできる、AI安全性セルフチェック

理屈はわかった、次は実践です。本当に驚くほど簡単なので、ぜひこの場で一緒にやってみましょう!

▼ステップ1:プライバシーポリシーのURLを用意する(2分)

まずは、調べたいAIの公式サイトからプライバシーポリシーのページを探し、URLをコピーします。だいたいサイトの一番下にリンクがあります。主な生成AIのプライバシーポリシーのリンクはこちらです。

▼ステップ2:NotebookLMにURLを読み込ませる(30秒)

次に、NotebookLMを開き、左側の「ソース」パネルで「+ ソースを追加」から「リンク」を選び、先ほどのURLを貼り付けます。これだけで準備は完了です。

▼ステップ3:“魔法の質問”を投げかける(30秒)

さあ、いよいよ核心に迫ります。中央のチャット欄に、以下の質問をコピー&ペーストして聞いてみてください。これらは、企業がセキュリティを確認する上で絶対に外せないポイントです。

【そのまま使える!質問プロンプト集】

①学習利用について

このプライバシーポリシーに基づき、私が入力したデータがモデルの学習に使われる可能性はありますか?該当する箇所を引用して、分かりやすく説明してください。

②人間のレビューについて

人間によるデータのレビューは行われますか?もし行われる場合、どのような条件下で行われますか?

③データ保持期間について

私が入力したデータの保持期間について、具体的に記載されている箇所を教えてください。

するとどうでしょう。NotebookLMが、まるで専門家のように、長大なプライバシーポリシーの中から的確な答えを引用付きで瞬時に返してくれます。

もう、専門用語だらけの英文と格闘する必要はありません。この3ステップだけで、あなたはどんなAIの安全性も、自分自身の手で客観的に判断できるようになったのです。

主要AIのプライバシーポリシー比較早見表

「理屈はわかったけど、今すぐ答えが知りたい!」という方のために、私がこの手法で主要な生成AIの無料版について調査した結果を、共有いたします。ソースには、各ツールの料金プランのページも入れています。

項目ChatGPT (無料版)Gemini (無料版)Claude (無料版)
学習に利用される?される(設定でオフにできる)される(設定でオフにできる)される(設定でオフにできる)
人間によるレビューあり(不正防止目的)あり(セキュリティ上の目的)あり(フィードバック送信時、ポリシー違反時)

※2025年10月時点での調査結果です。規約は頻繁に更新されるため、最終的な判断は必ずご自身で上記の手法を用いてご確認ください。

安全な導入を実現する“3階層”の社内体制構築

さて、NotebookLMでツールの安全性を確認できるスキルは身につきました。しかし、企業として本格的にAIを導入するには、それだけでは不十分です。

ツールの安全だけでなく、組織全体での安全を確保する“社内体制の構築”が不可欠です。

サービス・ツールの設定

これが最も基本的な防御壁です。各AIサービスが提供しているセキュリティ設定を徹底すること。具体的には、「チャット履歴のオフ」「学習へのデータ提供のオプトアウト」などを全社員のアカウントで標準設定にします。可能であれば、SSO(シングルサインオン)や監査ログ機能が使える法人向け有料プランの導入が強く推奨されます。

組織のルール・ガイドライン

次に、道具のルールを決めます。「何を入力してはいけないのか(個人情報、顧客情報、社外秘情報など)」を具体的にリスト化した利用ガイドラインを作成し、全社に周知徹底しましょう。また、「誰がどの範囲で使えるのか」といった利用申請や承認フローを定めることも重要です。

人・教育

どんなに良いツールとルールがあっても、使う人々の意識が低ければ意味がありません。定期的にAIのセキュリティに関する研修会を実施し、「なぜこのルールが必要なのか」「どんなリスクがあるのか」を全従業員が自分ごととして理解する機会を作りましょう。最終的なセキュリティは、個々人のリテラシーにかかっているのです。

この3つの階層をしっかりと構築することで初めて、企業はAIを「安全に」そして「安心して」活用するスタートラインに立てるのです。

「わかったけど、自社でやるのは大変…」そんな時はプロにご相談ください

ここまで読んで、「自社でやるのは大変そう…」と感じた方もいるかもしれません。特に「セキュリティガイドライン」を一から作るのは、骨が折れる作業に思えますよね。

ですが、ご安心ください。弊社デジライズの生成AI研修では、すぐに使えるガイドラインの雛形を、研修の一環としてお配りしています。面倒なルール作りは、私たちのテンプレートで効率的にクリアし、皆さんはAIを「活用」することに集中しませんか?

AIの専門家が伴走し、現場で本当に使えるAI活用法を一緒に考えますので、AI担当者がいない企業様でもご安心ください。

まずは情報収集からでも歓迎です。 導入の流れや支援内容をまとめた資料をこちらからご覧いただけます。

まとめ|「自ら検証できる」ことが、これからのAIセキュリティの常識です

今回は、Googleの次世代ナレッジAI「NotebookLM」を使って、生成AIの安全性を自分自身で検証する方法について、徹底的に解説しました。これからのAI時代、ネット上の誰かの意見を鵜呑みにするのではなく、公式情報を元に自ら検証できるスキルは、ビジネスパーソンにとって必須の教養になっていくでしょう。そして、NotebookLMによる技術的検証と組織的体制。この両輪をしっかりと回すことこそが、AI時代を乗りこなすための、最強のセキュリティ戦略です。

この記事が、あなたの会社のAI活用を、より安全で、より豊かなものにするための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。