チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

今回は、フォロワー17万人のAI専門家である私が、本当に使えるツールを3つだけ厳選してご紹介します。さらに、高価なツールの機能を、コストを1/10にできる生成AI活用術も解説します。

この記事を読めば、あなたの会社に最適なAI議事録ツールが見つかり、議事録作成にかける時間を大幅に削減できるはずです。


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AI議事録ツール選びで失敗しない、専門家が教える「唯一の視点」

「多機能・高価格」のツールが、あなたにとって最適とは限らない

市場には「AI要約機能搭載」「タスク自動抽出」「CRM連携」など、多彩な機能を謳うツールがあふれています。しかし、すべての機能が必要でしょうか?

実は、多くの高機能ツールが提供する「要約」や「ToDo抽出」といった機能は、ChatGPTやGeminiなどの無料の生成AIで代替可能です。つまり、月額数千円の追加費用を払って使う必要がないケースも多いのです。

私自身、様々なツールを試してきましたが、結論として言えるのは以下の点です。

  • 文字起こしの精度話者分離の正確さこそが最重要
  • 要約やタスク抽出は、後から生成AIで処理すれば十分
  • 純正ツール(Zoom、Teams、Google Meet)では一元管理が難しい

重要なのは正確な文字起こしと話者分離

AI議事録ツールを選ぶ際、最も重視すべきは「文字起こしの精度」と「話者分離(誰が何を発言したか)の正確さ」です。なぜなら、文字起こしさえ正確にできていれば、

  • 要約はChatGPTで作成できる
  • ToDoはプロンプトで抽出できる
  • メール文も自動生成できる
  • ガントチャートや報告書なども作成できる

つまり、基盤となる文字起こしデータの品質が全てなのです。私が動画で紹介してきたツールも、この視点で選定しています。

純正ツールの問題点

ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetにも標準のAI文字起こし機能が搭載されています。しかし、これらには大きな問題があります。

問題点詳細
一元管理が困難各ツールでデータが分散し、検索や管理が煩雑
連携が弱い他の業務ツールとの統合が限定的
編集機能が弱い文字起こし後の編集や共有が不便
プラン制限無料プランでは機能が大幅に制限される

そのため、サードパーティのAI議事録ツールを使った方が、圧倒的に業務効率が上がります。

【厳選】AI専門家が本当に使えると判断したツール3選

それでは、私が自信を持っておすすめできる3つのツールをご紹介します。

比較表

ツール名月額料金(年払い)文字起こし時間特徴おすすめ度
Notta0円〜120分/月総合力No.1、Web会議対応★★★★★
tl;dv0円〜無制限(無料プラン)Web会議特化、録画共有が便利★★★★☆
LINE WORKS AiNote0円〜300分/月(無料)オフライン会議に最適★★★★☆

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①Notta – 総合力No.1!誰にでもおすすめできる高精度ツール

出典:公式サイト

概要

Nottaは、最もバランスの取れたAI議事録ツールです。Web会議からオフライン会議まで幅広く対応し、高精度な文字起こしと話者分離が特徴です。単純な文字起こし機能では、どの文字起こしツールよりもNottaの方が優れています。

強み

  • 高精度な音声認識:日本語の認識精度が非常に高く、専門用語にも対応
  • Web会議ツールとの連携:Zoom、Teams、Google Meetに対応
  • リアルタイム文字起こし:会議中にリアルタイムでテキスト化
  • 最大5時間の音声ファイル対応:長時間の会議も一括処理可能
  • 多言語対応:104言語に対応し、翻訳機能も搭載
  • 使いやすいUI:初心者でも直感的に操作できるシンプルな画面

基本情報

項目詳細
料金プランフリー:0円
プレミアム:1,185円/月(年払い)
ビジネス:2,508円/月(年払い)
エンタープライズ:要お問い合わせ
文字起こし時間フリー:120分/月
プレミアム:1,800分/月
ビジネス:無制限
エンタープライズ:要お問い合わせ
AI要約機能フリー:10回/月
プレミアム:100回/月
ビジネス:200回/月
エンタープライズ:要お問い合わせ
Web会議連携Zoom、Teams、Google Meet
話者分離

こんな人におすすめ

  • Web会議とオフライン会議の両方で使いたい
  • 高精度な文字起こしを求める
  • チームで議事録を共有したい
  • コスパの良いツールを探している

Notta公式サイト

②tl;dv – Web会議の録画と共有に特化した便利ツール

出典:公式サイト

概要

tl;dvは、Web会議に特化したAI議事録ツールです。自分が参加していない会議の内容も確認できるのが大きな特徴です。tl;dvも、単純な文字起こし機能においては、nottaに並んで圧倒的に性能が高いです。特に営業チームやカスタマーサクセスチームでの活用が効果的です。

強み

  • 無料プランが充実:基本機能は無料で無制限に利用可能
  • 会議の録画と文字起こしを一元管理:録画データとテキストをセットで保存
  • 組織全体で情報共有:チームメンバーが会議内容を後から確認可能
  • CRM連携:Salesforce、HubSpotなどと連携し、商談データを自動保存
  • 分析機能:話者の発言時間や話すスピードを分析
  • 30言語対応:多言語での文字起こしに対応

基本情報

項目詳細
料金プラン無料:0円
Pro:1,800円/月(年払い)
ビジネス:5,900円/月(年払い)
エンタープライズ:要お問い合わせ
文字起こし時間無制限
AI要約機能無料:月10回
Pro:月200回
ビジネス:月600回
エンタープライズ:カスタム可能
Web会議連携Zoom、Teams、Google Meet
話者分離

こんな人におすすめ

  • Web会議がメインで、オフライン会議は少ない
  • 営業やカスタマーサクセスで商談記録を残したい
  • 無料で高機能なツールを探している
  • チーム全体で会議情報を共有したい

tl;dv公式サイト

③LINE WORKS AiNote – オフライン会議ならこれ

出典:公式サイト

概要

LINE WORKS AiNote(旧CLOVA Note)は、オフライン会議に最適なAI議事録ツールです。スマートフォンで録音した音声から文字起こしができ、無料プランでも月300分まで利用可能なのが魅力です。

強み

  • オフライン会議に特化:スマホで録音するだけで文字起こし
  • 高精度な話者分離:世界トップクラスの話者分離技術(DIHARD3で世界3位*1
  • 圧倒的な低価格:チームプランでも月額19,800円(年払い)
  • 法人向けセキュリティ:ISO認証取得予定で安心
  • シンプルなUI:手軽に使えるモバイルアプリ
  • Web会議の録音にも対応:Zoom、Teams、Webex、Google Meet対応

*1 出典:LINE Engineering

基本情報

項目詳細
料金プラン(年払い)フリー:0円
ソロ:1,440円/月
チーム:19,800円/月
ビジネス:54,000円/月
エンタープライズ:162,000円/月
文字起こし時間フリー:300分/月
ソロ:600分/月
チーム:6,000分/月
ビジネス:18,000分/月
エンタープライズ:60,000分/月
AI要約機能フリー:なし
ソロ:12回/月
チーム:120回/月
ビジネス:360回/月
エンタープライズ:1200回/月
Web会議連携Zoom、Teams、Webex、Google Meet
話者分離

こんな人におすすめ

  • オフラインでの会議やインタビューが多い
  • スマホで手軽に録音・文字起こししたい
  • 無料で始めたい
  • セキュリティを重視する法人ユーザー

LINE WORKS AiNote公式サイト

【プロンプトあり】コストを1/10に削減する生成AI活用術

ここからが本題です。高機能なAI議事録ツールは便利ですが、要約やタスク抽出といった機能は、実は生成AIで簡単に代替できます。つまり、文字起こし精度の高い安価なツール+ChatGPT/Geminiなどの汎用生成AIのプロンプトという組み合わせで、高価なツールと同等の結果が得られるのです。

以下で紹介するプロンプトをChatGPTやGemini、Claudeなどにコピペし、文字起こしデータを貼り付けるだけで、目的のものが生成されます。自分好みに自由にカスタマイズもできますので、慣れてきたら変えて使ってみましょう。

1. 議事録の要約と整形

以下のプロンプトを打つだけで、会議終了後1分で整った議事録が完成します。「発言以外の事を架空で想像しない」や「重要情報は漏らさず丁寧に」と入れることで、AIによるハルシネーションや情報の抜け漏れを防げます。

あなたは、プロのライターです。
これから社内会議の議事録を丁寧に分かり易く作成します。
以下の{# 文字起こし}をもとに、{# 目的}、{# 条件}を理解した上で、{# 出力形式}のフォーマットに合わせて議事録を作成してください。

# 条件
- 改行と表形式も意識して視認性も高く 
- 発言内容をベースにわかりやすく
- 発言以外の事を架空で想像しない
- 重要情報は漏らさず丁寧に

# 目的
- 社内会議の記録を全員で共有し、いつでも会議の振り返りができるようにする。

# 出力形式

{ ## サマリー
- 
- 
## ネクストアクション
- 
- 
## ToDo(人物ごとにまとめる)
- 
- 
}

# 文字起こし
{ここに文字起こしを貼り付け}

2. 議事録から報告メールを自動生成

さきほど議事録を生成したチャット内で、以下のプロンプトを打つことで、10秒ほどでメール文章の下書きを作成することができます。これも、{# メールの要件}の箇所をカスタマイズしたり、自分のメール文章例を一つ貼り付けたりすることで、自由に目的の形に近づけることができます。

# 指示
あなたは天才ライターです。
さきほどのの議事録をもとに、関係者へ送る報告メールを作成してください。

# メールの要件
## 件名
会議名と日付を含める

## 本文
- 簡潔に要点をまとめる
- 決定事項と次のアクションを明記

# 条件
- 敬語を使用し、ビジネスメールとして適切な表現にする

3. 決まった予定を一発でGoogleカレンダー登録する方法

さらに進んだ活用法として、Geminiでは抽出した予定を簡単にGoogleカレンダーに登録することが可能です。議事録を作成したチャットで、以下のプロンプトを打つだけで、勝手にGoogleカレンダーに登録されます。

@Googleカレンダー
会議の文字起こしから抽出した予定を、Googleカレンダーに登録してください。

大事なのは、「@Googleカレンダー」です。Geminiでは、Googleの各種ツールを「@」で呼び出せます。その機能を使うことで、議事録から抽出した予定やタスクが、一瞬でGoogleカレンダーに一括登録されます。

4. 会議の文字起こしからNotionにデータベースを作成する

Notion AIを使用することで、議事録からNotionのデータベースまで作成することができます。今回は、2つにプロンプトを分けます。

プロンプト①

ここでは、 ChatGPTやGemini、Claudeなどの汎用生成AIを用います。お使いのものでかまいません。

あなたは世界一のビジネスコンサルタントでございます。
この内容元に完璧なガントチャートを作ってほしいので、タスクを分解してください。
あまり細かすぎず作成をお願いいたします。
まずはテキストで洗い出してください。その後、データベースにします。

プロンプト②

タスク分解が済んだ後に、NotionAIにデータベースを作成するように依頼します。

以下のタスク一覧から、データベースを作成し、それをもとにガントチャートを作成してください。

# タスク一覧
{先ほどのタスクを貼り付け}

そうしてnotionに完成したのがこちらです。今回は、C向けスクール事業の事業戦略ガントチャートを作成しました。

AI議事録ツールを安全に使うための注意点

機密情報を扱う場合のセキュリティリスクについて

AI議事録ツールは便利ですが、機密情報の取り扱いには十分な注意が必要です。対策を表でまとめました。

セキュリティ上のリスク

  • データの保存場所:多くのツールはクラウド上にデータを保存
  • AI学習への利用:無料プランではデータが学習に使われる場合がある
対策詳細
有料プランの利用データがAI学習に使われない設定が可能
データ削除ポリシーの確認退会後もデータが残る可能性があるか確認
アクセス権限の管理チーム利用時は適切に権限設定
機密会議は録音しない特に重要な会議は従来の方法で記録
オンプレミス版の検討社内サーバーで運用できるツールも存在

tl;dvはデータ学習されず、Nottaは有料プランでデータの学習利用を拒否できます。また、今回紹介したすべてのツールで、ISOやGDPRなどに準拠したセキュリティを備えています。

まとめ:自社に合ったツールとAI活用で、議事録作成を効率化しよう

本記事では、AI専門家の視点から本当に使えるAI議事録ツール3選と、コストを1/10にする生成AI活用術をご紹介しました。最初にも申し上げましたが、AI議事録ツールは、文字起こし精度が最重要です。要約やタスク抽出は、後から生成AIで処理すれば十分です。

この記事で紹介したツールとプロンプトを活用すれば、議事録作成にかける時間を90%削減できるはずです。ぜひ試してみてください。

デジライズでは、生成AIの導入支援を行っています。個別のミーティングで業務内容をヒアリングし、現場で本当に使えるAI活用法を一緒に考えるところからスタートします。導入後の研修や活用支援まで一貫して伴走いたしますので、AI担当者がいない企業様でもご安心ください。

まずは情報収集からでも歓迎です。
導入の流れや支援内容をまとめた資料をこちらからご覧いただけます

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。