チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

Microsoftは2026年9月25日(米国時間)、新しいCopilotを発表しました。今回の変化は、単に機能が1つ増えたわけではありません。Copilotアプリに「Home」「Code」「Autopilot」という3つの新しい中核機能が加わり、全体がこの3つを軸に組み直されたことです*1。

結論から言うと、Homeは仕事の起点、Codeは言葉でアプリや自動化を作る場所、Autopilotは名前と役割を渡すと自分で動き続けるエージェントです。ただし、どれも今日から全員が使えるわけではありません。Frontierプログラムやプライベートプレビューから順に提供が始まります。

この記事では、Microsoft 365を全社で使っている情シス・DX推進・研修企画の方に向けて、3つの役割、提供時期、料金の仕組み、管理者が押さえておく点を整理します。


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※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)

新しいCopilotは何が変わったのか|Home・Code・Autopilotの3つに再構成

新しいCopilotは何が変わったのか|Home・Code・Autopilotの3つに再構成

これまでのCopilotは「チャットで質問する」「Officeアプリの中で手伝ってもらう」という使い方が中心でした。新しいCopilotでは、やりたいことに応じて使う機能が分かれます。

機能ひとことで言うと主な使いどころ
HomeChatとCoworkが1か所にまとまった、Copilotの新しいスタート地点質問・下書き・調べもの、タスクを丸ごと任せる、中断した作業の再開
Code自然言語で説明すると、アプリや自動化を作ってくれる場所社内向けの小さなアプリ、トラッカー、ダッシュボード、ワークフロー
Autopilot名前・役割・目標を渡すと動き続ける「デジタルチームメイト」チャネルの見張り、スレッドのフォローアップ、定例業務
Office in CopilotCopilotの中で、実際に編集できる文書・ブック・プレゼンを作る仕組み企画書の下書き、予算のモデル化、スライド作成

ポイントは、「聞く」「任せる」「作る」「働かせる」が別々の機能として整理されたことです。Copilotをどう使えばいいか分からない社員にとっても、入口が用途で分かれているほうが選びやすくなります。

私はこの再構成を、Copilotが「質問に答えるアシスタント」から「仕事の一部を引き受ける同僚」の方向へ広がった変化だと捉えています。

Office in Copilot:Copilotの中でOfficeファイルを作る

Copilotに頼むと、ローンチの概要書の下書き、予算のモデル化、スライドの作成、チームがすでに作業中のファイルの続きといった仕事を、Copilotが実際に編集できる文書・ブック・プレゼンとして作成・更新します。

別のアプリに文脈を貼り直したり、書式が崩れたファイルを直したりする手間を減らす狙いです。なお、Office in Copilotの個別の提供時期は発表に書かれていません。

WordやExcelの中で動くAIは、Microsoft以外からも提供されています。AnthropicのClaudeをWordの中で使う方法は、以下の記事で解説しています。

Claude for Wordとは?使い方・料金・Microsoft Copilotとの違いを徹底解説【2026年最新】

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Home:ChatとCoworkが1か所にまとまった「仕事の起点」

Home:ChatとCoworkが1か所にまとまった「仕事の起点」

Homeは、Copilotを開いたときに最初に表示される場所です。ここにChatとCoworkがまとまります。

Homeでできることは、大きく3つです。

  1. 最近のアクティビティを確認する — 直近のCopilotでの作業を見返す
  2. Copilotが手伝えることの提案を受ける — 次に頼めそうな作業が示される
  3. 中断したところから再開する — 途中で止まっていた作業の続きに戻る

ChatとCoworkの違い

同じHomeの中でも、ChatとCoworkは使い方が違います。

ChatCowork
向いている仕事すぐ答えがほしい質問、調べもの、下書き作成人に頼むように任せたい仕事
進み方1往復ずつ会話しながら進めるタスクを定義すると、最後まで実行して完成した結果を返す
人の関わり方毎回の応答を確認しながら次の指示を出す頼んだあとは結果を受け取る

日々のちょっとした質問はChat、まとまった作業はCowork、という切り分けで考えると分かりやすいです。

Today:メール・予定・Teamsを横断する司令塔

Homeとあわせて「Today」も発表されました。メール、カレンダー、Teamsのスレッド、会議、タスクを横断して、先回りでその人向けに整理してくれる司令塔という位置づけです。

見逃したもの、今すぐ対応が必要なもの、後回しにしてよいものを整理して示します。Copilotでは10月にプライベートプレビューが始まり、OutlookとTeamsにも来る予定です。

@Copilot in Teams:チームの文脈で動くCopilot

Teamsのチャネル・グループチャット・会議で @Copilot と呼ぶと、そのチャネルや会議で共有されている文脈と権限を持ってCopilotが動きます。部署をまたぐレビューを、依存関係や担当者情報をつけて準備させるといった使い方が示されています。Teamsでのプライベートプレビューは「9月末まで」とされています。

ChatとCowork、Today、@Copilotと、使い分けの選択肢が一気に増えます。ツールを配るだけでは、社員は「どれを使えばいいのか」で止まりがちです。場面ごとの使い分けを社内で教える場を用意しておくと、定着が早くなります。

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※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)

Code:言葉で説明するとアプリや自動化ができる

Code:言葉で説明するとアプリや自動化ができる

Codeは、作りたい内容を言葉で伝えると、Copilotがアプリやトラッカー、ダッシュボード、自動化、ワークフローを作ってくれる場所です。作り方のアプローチもCopilotが選びます。

Microsoftは、Codeで作るものを「仕事を片づけるために、誰でも作れる小さな専用ソリューション」と位置づけています。開発者ではない社員が、組織の環境の中で安全に作ることを想定した機能です。

Codeの基盤と安全性

Codeの中身について、発表で示されている点を整理します。

  1. GitHub Copilotと同じ基盤技術で動く — 開発者向けのコーディングAIと同じ技術が土台
  2. サンドボックス環境で実行される — 作ったものが他の環境に影響しない隔離された場所で動く
  3. 自社のテナント境界の中で安全にホストできる — Microsoftが運用するクラウド基盤の上で、自社のMicrosoft 365環境の境界内で動く

ここで言うテナントは、会社ごとに用意されたMicrosoft 365の環境のことです。社員が作った小さなアプリを、会社の管理が届く範囲内に留められる点が、情シスにとっての安心材料になります。

Copilot Managed Runtime:作ったアプリを動かす土台

Codeなどで作ったアプリを実際に実行する基盤として、「Copilot Managed Runtime」も同時に発表されました。自社のMicrosoft 365のテナント境界の中でコードを動かす、ITが統制するプラットフォームです*2。基盤の運用はMicrosoftが担い、境界は組織が決めます。

項目内容
載せられるものCopilot Cowork・Copilot Code・Microsoft Copilot Studioで作ったアプリ。SDK経由でサードパーティのツールで作ったものも対象
使う人にとってアプリの共有、ライブデータへの接続、アプリへの簡単なアクセスといった使い勝手を引き継ぐ
管理者にとってMicrosoft 365 管理センターの新しい「Apps」画面に、どのツールで作ったアプリも一覧で並ぶ
提供状況ホスト環境とSDKをパブリックプレビューとして導入

出典はいずれもMicrosoftのブログです。料金は記載されていません。

「現場が勝手に作ったアプリが把握できない」という状態を避けるために、作る場所と動かす場所、一覧で見る場所が最初からセットで用意された形です。

Autopilot:名前・役割・目標を渡す「デジタルチームメイト」

Autopilot:名前・役割・目標を渡す「デジタルチームメイト」

Autopilotは、以前「Scout」と呼ばれていたものです。Microsoftは「あなたのデジタルチームメイト」と表現しています。

使い方はシンプルで、名前・役割・目標を与えると働き出します。指示を1つずつ出すのではなく、同僚に担当業務を渡すような形です。

Autopilotがやること

Autopilotは、プロンプトを待たずに次のような仕事を進めます。

  1. チャネルを見張る — 担当するTeamsのチャネルの動きを追う
  2. スレッドをフォローアップする — 止まっているやり取りに続きを促す
  3. 定例の仕事を回す — 毎週・毎月の決まった作業をこなす
  4. 数日後にプロジェクトを再開する — 中断していた仕事の続きを再開する

ユーザーがPCから離れている間も、作業を続けます。

HomeやCoworkとの違い

CoworkもAutopilotも「任せる」機能ですが、性質が違います。

CoworkAutopilot
渡すもの1つのタスク名前・役割・目標
動き方タスクを最後まで実行し、結果を返す指示を待たずに担当業務を続ける
持っているもの—テナント内に独自のID・メモリ・コンピューター・ワークスペース
現れる場所HomeTeams・Outlook・チャット・チャネル・ドキュメントなど、人がすでに働いている場所

Autopilotは自社テナントの中に自分専用のID・メモリ・コンピューター・ワークスペースを持ちます。ツールというより、組織の中に1人のメンバーとして置かれるイメージです。

その分、どの権限を渡すか、誰が担当者として運用・管理するかを決めておく必要があります。提供は9月末にプライベートプレビューを拡大するという段階で、広く使えるのはまだ先です。

Copilotのエージェントの中には、Wordの中で契約書を扱うものもあります。業務に特化したエージェントの例は、以下の記事で解説しています。

Microsoft Wordに法務のエージェントが登場—契約書の赤入れ・条項照合をWord内で完結

Microsoft Wordに法務のエージェントが登場—契約書の赤入れ・条項照合をWord内で完結

いつから使える?提供時期と料金の仕組み

いつから使える?提供時期と料金の仕組み

先に大事な点をお伝えしておきます。新しいCopilotの機能は、今日から全員が使えるわけではありません。 多くはFrontierプログラムやプライベートプレビューから始まります。

Frontierは、Microsoftの新機能を先行して試せる先行提供プログラムです。まず参加している組織から使えるようになり、その後に対象が広がります。

機能ごとの提供時期

発表時点(2026年9月25日・米国時間)の提供時期をまとめます*3。

機能提供時期・段階
Home今後数週間でFrontierプログラムから順次展開
Code9月末からFrontierで展開を始め、数週間のうちに提供範囲を広げる予定。個人向けプランのMicrosoft 365 Premium・Proの利用者向けには年内にプレビュー
Autopilot9月末にプライベートプレビューを拡大
Today10月にCopilotでプライベートプレビュー開始。OutlookとTeamsにも来る予定
@Copilot in Teams9月末までにTeamsでプライベートプレビュー
Copilot Managed Runtimeパブリックプレビュー
プラグインレジストリ展開中
Office in Copilot記載なし

日本での提供時期と日本語対応は、今回の発表には記載がありません。 なお、Frontierの案内では、初期の機能は米国の加入者向けに英語から提供し、対象を順次広げるとされています*5。今回の各機能が同じ条件かは明記されていないので、日本の組織で使えるタイミングは、Microsoft 365 管理センターのお知らせやFrontierの案内で確認するのが確実です。

料金は「定額のUSL」に「従量課金」が上乗せされる形

料金の仕組みも整理されました。金額は発表に書かれていないので、ここでは仕組みだけを紹介します*4。

ユーザーサブスクリプションライセンス(USL)従量課金(UBB)
払い方ユーザーごとの固定費Copilot Creditsで、使った分だけ
含まれるものCopilot Chat、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・TeamsのCopilotCowork・Code・Autopilot、新しい長時間稼働のエージェント機能
モデルの選び方「Auto」が正確さ・速度・コストを見て、リクエストごとに最適なモデルへ振り分けるAstraやFableのようなフロンティアモデルも選べる
位置づけ料金の土台USLを前提に、その上で使う

2つは「どちらかを選ぶ」プランではありません。USLが土台で、Cowork・Code・Autopilotのような高度な機能はUSLに加えて従量課金で使う仕組みです。企業向けでは、管理者がMicrosoft 365 管理センターで支出ポリシーを作るまで従量課金の機能は有効にならず、それまで課金も発生しません。

つまり、USLの固定費とは別に、従量課金の部分は使われた量に応じて費用が変わります。次の章で紹介するコスト管理の仕組みとセットで考える必要があります。

法人で入れるときに押さえたい管理の仕組み

法人で入れるときに押さえたい管理の仕組み

新しいCopilotは、社員が自分でアプリを作り、エージェントを働かせ、従量課金のモデルを使う前提に変わります。そのぶん管理者が見る範囲も広がります。発表で示された管理の仕組みは、次の4つです。

  1. 管理センターの「Apps」画面 — どのツールで作ったアプリも一覧で把握
  2. Agent 365のコスト管理 — 従量課金の支出をポリシーで制御
  3. モデルファミリーの制御 — 使えるモデルをユーザーグループごとに設定
  4. プラグインレジストリ — Copilotを拡張するプラグインを一元的に承認・管理

アプリの一覧:Microsoft 365 管理センターの「Apps」

Copilot Managed Runtimeで動くアプリは、Microsoft 365 管理センターの新しい「Apps」画面に一覧で表示されます。Cowork・Code・Copilot Studioなど、どのツールで作ったかに関係なく、アクセス・利用状況・正常性・ポリシーを1か所で確認できます。

コストとモデル:Agent 365の管理範囲が広がる

Agent 365のコスト管理は、これまでのCoworkとWork IQ APIに加えて、CodeとCopilot Managed Runtimeにも広がります。管理者ができることは次のとおりです。

できること内容
支出ポリシーの一括管理APIを使って、支出のルールを大規模に管理する
クレジット申請の承認社員からのクレジット申請を、既存の承認フローや自動化に回す
モデルファミリーの制御ユーザーグループごとに、使えるモデルファミリーを決める

使えるモデルの範囲を、部署やチームごとに分けて設定できます。従量課金の費用が読みにくい分、誰がどのモデルをどこまで使えるかを先に決めておくことが、導入時の大事な設計になります。

プラグインレジストリ:拡張機能を1か所で管理する

新しいプラグインレジストリは、Microsoft製・パートナー製・自社開発のプラグインを1つのカタログにまとめる仕組みです。管理者はMicrosoft 365 管理センターから、プラグインを一元的に承認・割り当て・管理できます。

開発者やパートナーは、一度公開すれば対応するCopilotの各機能を拡張できます。Copilotの使い方ごとに別々の配布物を用意する必要がなくなります。

ここまで読んで「権限やコストのルールも含めて、社内でどう広げるかを具体的に考えたくなった」方へ。法人向けAI研修の導入社数No.1*の弊社デジライズが、生成AIの基礎知識から社内導入の6ステップ・定着のポイントまでを1冊にまとめた「はじめての生成AI社内導入ガイド」を無料で配布中です。

※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)

まとめ

まとめ

新しいMicrosoft Copilotのポイントをまとめます。

  1. Home — ChatとCoworkが1か所にまとまった仕事の起点。TodayとTeamsの@Copilotもあわせて発表された
  2. Code — 言葉で説明するとアプリや自動化ができる。GitHub Copilotと同じ基盤で、作ったものはテナント内で動かせる
  3. Autopilot — 名前・役割・目標を渡すと、指示を待たずに働き続けるデジタルチームメイト
  4. 提供時期 — Frontierプログラムやプライベートプレビューから順次。日本での提供時期と日本語対応は記載なし
  5. 料金と管理 — Cowork・Code・Autopilotは従量課金。Agent 365のコスト管理、モデルファミリーの制御、プラグインレジストリで管理者が線を引ける

今回の発表は、Copilotの使い方を「聞く」「任せる」「作る」「働かせる」に分けて整理したものです。すぐに全社で使えるわけではないので、まずは提供の状況を確認しつつ、どの部署で何から試すか、権限やコストのルールをあらかじめ定めておくと、展開が始まったときにスムーズに動き出せます。

参考資料

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社デジライズ 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。