来ました、Claude Opus 5(クロードオーパス5)。Anthropicが2026年7月24日(米国時間)に公開した新しいモデルです。今回はかなりすごくて、上位のClaude Fable 5(クロードフェイブル5)に近い性能を持ちながら、一部の評価ではFable 5を上回っています。それなのに料金はFable 5の半額です。
実際に私も試してみたのですが、開発も資料作成もなかなかいい感じでした。私はこれまで、ここぞという時の開発や資料作成はずっとFable 5にお願いしてきました。ただFable 5は制限が厳しくて、どんどん使えるわけではないんですよね。Opus 5なら普段使いでガンガン回せる。個人的にはこれがいちばん嬉しいポイントです。
そしてもう一つ、Opus 5世代では「プロンプトの書き方」の考え方が変わりました。Anthropic自身がClaude Code(クロードコード)のシステムプロンプトを8割以上削除して、それでも社内のコーディング評価に測定可能な低下はなかったと公表しています。指示を全部やめるという話ではありませんが、重複や矛盾を抱えたCLAUDE.mdは見直したほうがいい、という示唆です。この記事では、料金とスペック、公式ベンチマークの読み方、Opus 4.8から乗り換えるべきかの判断、そして新しいコンテキスト設計の考え方までを一気に整理していきます。
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※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)
目次
- Claude Opus 5とは——Fable 5の知性に半額で迫る「毎日使うモデル」
- Claudeのモデル階層——Fable 5・Opus 5・Sonnet 5・Haiku 4.5の違い
- Opus 5の性能——公式が挙げた5つの評価軸
- Opus 5で本当に読むべきは点数ではなく「コスト曲線」
- 弱点と、Opus 5が1位ではない領域
- Opus 5はどのプラン・どのツールで使えるか
- Opus 5世代で変わった「プロンプトの書き方」——システムプロンプト8割削減の意味
- 今日から実践する3つのアクション
- 実演——Opus 5にポケモン風の3Dゲームを作らせてみた
- Opus 4.8からOpus 5へ乗り換えるべきか——実務での判断軸
- まとめ——Opus 5は「毎日回せる上位モデル」
Claude Opus 5とは——Fable 5の知性に半額で迫る「毎日使うモデル」

Claude Opus 5をひとことで言うと、「上位のFable 5に迫る知性を、半分の値段で毎日使えるようにしたモデル」です。Anthropicは公式発表で、Opus 5を「思慮深く前のめり(thoughtful and proactive)なモデルで、Claude Fable 5のフロンティア級の知性に半額で迫る」と表現しています。
位置づけとしてわかりやすいのは、プラン上の扱いです。Opus 5はClaude Maxの新しいデフォルトモデルになり、Claude Proでは選べる中で最も強いモデルという扱いになりました。Claude Maxを使っているなら、何も設定を変えなくてももうOpus 5が動いています。Claude Proの場合はデフォルトがSonnet 5のままなので、Opus 5を使うときはモデルを切り替えてください。
基本スペックは次のとおりです。
| 項目 | Claude Opus 5 |
|---|---|
| API モデルID | claude-opus-5 |
| 料金(100万トークンあたり) | 入力 $5 / 出力 $25(Opus 4.8と同額) |
| コンテキストウィンドウ | 100万トークン |
| 最大出力 | 128kトークン |
| 知識カットオフ | 2026年5月 |
| 思考の仕組み | Adaptive thinking(適応的思考)対応 |
| 提供チャネル | Claude.ai/Claude Code/Claude Cowork/Claude API/Claude Platform |
ここで地味に効いてくるのが知識カットオフ2026年5月です。Fable 5とSonnet 5はいずれも2026年1月なので、Opus 5だけが4か月分新しい情報まで学習の対象になっています。前提の共有にかかる手間が少し減る、という程度の話ではありますが、実務では効きます。ただし公式が示しているのは「知識の対象期間」であって回答の正確さの保証ではないので、最近の出来事や正確性が要る情報は引き続き検索と一次ソースで確認してください。

Claudeのモデル階層——Fable 5・Opus 5・Sonnet 5・Haiku 4.5の違い

Opus 5の立ち位置は、ほかのモデルと並べると一気にはっきりします。Anthropicの公式ドキュメントに載っている現行4モデルを、料金とスペックで並べたのが下の表です。
| モデル | 入力/出力(100万トークンあたり) | コンテキスト | 最大出力 | 知識カットオフ | 公式の位置づけ |
|---|---|---|---|---|---|
| Claude Fable 5 | $10 / $50 | 100万 | 128k | 2026年1月 | 長時間稼働エージェント向けの次世代知性 |
| Claude Opus 5 | $5 / $25 | 100万 | 128k | 2026年5月 | 複雑なエージェンティックコーディングと企業業務向け |
| Claude Sonnet 5 | $3 / $15(2026年8月31日までは $2 / $10) | 100万 | 128k | 2026年1月 | 速度と知性のベストな組み合わせ |
| Claude Haiku 4.5 | $1 / $5 | 20万 | 64k | 2025年2月 | フロンティア級に近い知性で最速 |
注目してほしいのは、Anthropic自身が公式ドキュメントで「どのモデルを使うか迷っているなら、複雑なエージェンティックコーディングと企業業務にはまずClaude Opus 5から始めよ」と書いている点です。最上位のFable 5は「使えるかぎり最高の能力が必要なワークロード」向けという案内になっています。つまりOpus 5は「妥協して選ぶ下位モデル」ではなく、公式が推す標準の出発点になったということです。
なお、Fable 5にはClaude Mythos 5という兄弟モデルがあります。こちらはFable 5と同じ基盤モデルを使い、サイバー分野など一部の安全対策を解除した限定提供モデルです。スペックと料金はFable 5と同じですが、Project Glasswing参加組織など審査済みの利用者にのみ提供されていて、一般には使えません。この記事で扱う「使えるモデル」は上の4つです。
Claudeのモデル階層と、Fable 5・Sonnet 5それぞれの実力については、以下の記事でも詳しく解説しています。
Claude Fable 5とは?Mythos級が初めて一般公開|性能・料金・実際に使った所感まで
Claude Sonnet 5を数時間使い倒してわかったこと——Opus 4.8との使い分け完全ガイド
Opus 5の性能——公式が挙げた5つの評価軸

Anthropicの発表では、Opus 5の強みが5つの評価で示されています。ベンチマークの名前だけを並べられても実務の役には立たないので、それぞれ「何を測っているのか」から順に見ていきます。
先に全体像をお伝えすると、Opus 5が強いのは自律的にタスクを完遂する力と手順書のない仕事への適応力、そしてそれらを安く実現するコスト効率の3点です。単発の質問に上手く答える能力の勝負ではなく、任せた仕事を最後までやり切れるかという軸で測られています。そしてどの評価でも、Anthropicは「スコアが何点だったか」ではなく「同じコストをかけたときにどれだけ性能が出たか」という形で結果を示しています。この見せ方そのものが今回の発表の主張なので、意識しながら読んでみてください。
自律コーディング(Frontier-Bench v0.1)
複数の工程にまたがるソフトウェア開発タスクを、AIが自分で最後までやり切れるかを測る評価です。Anthropicは、Opus 5がこの評価で他のすべてのモデルを上回り、Opus 4.8の性能を2倍以上に伸ばした。しかも1タスクあたりのコストはより低いと説明しています。
比較対象として並べられているのはFable 5とGPT-5.6 Sol、そして前世代のOpus 4.8です。自社の上位モデルだけでなく、他社の最新フラッグシップも比較対象に含めた中でのトップという主張です。

実務のコーディング(CursorBench 3.2)
こちらは実際の開発作業に近い評価です。最大エフォート設定において、Opus 5はFable 5のピークスコアと0.5%以内の差まで迫り、それを1タスクあたり半分のコストで達成しました。さらにhigh・xhigh・maxのどのエフォート設定でも、同じコストをかけたときの性能が他のすべてのモデルより高いとされています。

手順書のない仕事への対応力(ARC-AGI 3)
見たことのない新しいルールやゲームをその場で理解して解く、いわゆる未知の問題を扱う評価です。ここでのOpus 5のスコアは2位のモデルの3倍。手順書が用意されていない仕事にどれだけ食いつけるか、という指標だと考えるとイメージしやすいと思います。

業務ワークフロー(Zapier AutomationBench)
ビジネスのタスクを最初から最後まで完遂できるかを測る評価です。Opus 5の完遂率は、同じ1タスクあたりのコストで比べて2位のモデルの約1.5倍。しかも最も低いエフォート設定でも、他のどのモデルより多くのタスクを完遂したと説明されています。

PC操作(OSWorld 2.0)
実際に画面を操作してタスクをこなす、コンピュータ操作の評価です。Opus 5はどのコスト水準でも他のすべてのモデルを上回り、Fable 5の最高成績をわずか3分の1強のコストで超えました。

このほか、実務の知識労働を模した独立評価「GDPval-AA v2」、DeepSearchQA、HLEなどでも「自社でもっとも優秀かつコスト効率が高いモデル」だとAnthropicは述べています。
Opus 5で本当に読むべきは点数ではなく「コスト曲線」

今回の発表で私がいちばん注目したのは、実は個別のスコアではありません。公式ページに並んでいるグラフの形です。
Anthropicの発表ページに載っているベンチマークのグラフは、縦軸がスコア、横軸が1回あたりのコスト(対数目盛)になっています。そして各モデルの線は、エフォート設定(low・medium・high・xhigh・max)を上げていったときにスコアとコストがどう動くかを繋いだ折れ線です。つまりこれは「点数の一発比較」ではなく、同じ予算をかけたときにどのモデルがいちばん賢いかを見るグラフなんです。
このグラフで見ると、Opus 5の線はFable 5やOpus 4.8の線より明確に左上にあります。左上とは「より安く、より高スコア」という領域です。動画でも解説しましたが、今回のニュースの本質はここにあります。
- PC操作は、Fable 5の3分の1強のコストで同等以上
- 業務ワークフローは、同じコストで約1.5倍の完遂率
- 自律コーディングは、Opus 4.8の2倍以上の性能をより低コストで
Anthropic自身も「Opus 5は前世代のOpus 4.8と同じコストで大幅に性能が向上した」と明言していて、グラフはモデルのエフォート設定によって性能がどう変わるかを示すためのものだと説明しています。知性を優先するか、トークンを節約して速く安く済ませるか——その調整を利用者側で選べるようになっている、というのが設計思想です。
実務的にはこう考えるとわかりやすいと思います。今までは「難しい仕事だから上位モデルを使う」という選び方でした。これからは「この仕事にいくら払うか決めて、その予算内で最も賢いモデルとエフォートを選ぶ」という選び方になります。コスト曲線が主役になるのは、そういう意味です。

なお、公式グラフの脚注には、Frontier-Bench v0.1の結果がAnthropicによる社内実行で、mini-SWE-agentのハーネスとGKEバックエンドを使い、1タスクあたり5回の試行の平均報酬であること、安全分類器が拒否したケースではOpus 4.8にフォールバックさせていることが明記されています。ハーネスも試行回数も開示されているので、他社の発表と比べるときはこの測定条件までそろえて見る必要があります。
弱点と、Opus 5が1位ではない領域

ここまで良い話ばかりしてきましたが、Opus 5はすべての領域で最強というわけではありません。ここは正直に押さえておく必要があります。
Anthropicが公式に明記しているのは、サイバーセキュリティと生物学研究の領域ではMythos 5に及ばないという点です。とくに脆弱性の発見自体はMythos 5と同程度の成功率なのに、攻撃コード(エクスプロイト)の開発ではMythos 5に大きく劣ると説明されています。長時間の自律的な生物学研究タスクでも、Mythos 5のほうが強いままです。
これは弱点というより、Anthropicが意図的に線を引いているところです。公式は「Opus 5はリスクの高いデュアルユース能力のフロンティアを押し進めるものではない」とも書いています。危険な用途に転用されうる能力は、一般公開モデルでは伸ばさない——という方針が透けて見えます。
一方で、安全性・アライメントの面ではむしろ過去最良の評価が出ています。Anthropicの自動行動監査では、Opus 5はこれまででもっとも整合の取れたモデルとされ、次の3点が挙げられています。
- Claudeの憲法(Constitution)への準拠 — Opus 4.8・Sonnet 5・Fable 5より遵守度が高い
- 欺瞞的な振る舞いの少なさ — 発生率が最も低い
- 誤用への誘導耐性 — 騙されて悪用されにくい
数値としては、自動行動監査における「全体的な逸脱行動」のスコアが2.3で、これは最近のモデルの中でもっとも低い(=逸脱が少ない)値だと公表されています。長時間タスクを任せっぱなしにしたい業務では、この「暴れにくさ」がベンチマークのスコア以上に効いてきます。
いずれにしても、「Opus 5に任せておけば全部大丈夫」ではありません。あなたの業務でいちばん重い判断は人が持つという前提は変えないでください。
Opus 5はどのプラン・どのツールで使えるか

Opus 5は公開初日からかなり広く展開されています。整理すると次のとおりです。
- Claude Max — 新しいデフォルトモデル。設定を変えなくてもOpus 5が動く
- Claude Pro — 選べる中で最も強いモデルという扱い
- Claude Code — CLIから利用可能。エフォート設定の初期値はhigh
- Claude Cowork — 長時間タスクを任せる用途で利用可能
- Claude API/Claude Platform —
claude-opus-5を指定して呼び出す - クラウド各社 — Amazon Bedrock、Claude Platform on AWS、Google Cloud、Microsoft Foundry
さらにFast modeという選択肢もあります。これは通常の約2.5倍の速度で動くモードで、料金はOpus 5の基本価格の2倍。Claude Platformと、Claude Codeのusage credits経由で使えます。急ぎの処理に速度をお金で買える、という位置づけです。
Microsoft 365 CopilotでもOpus 5が選べるようになった
法人で使う人にとって見逃せないのが、同じ2026年7月24日にMicrosoft 365 CopilotがOpus 5をモデル選択肢に追加したことです。Microsoftの公式ブログによると、Copilotのモデルセレクターに、Word・Excel・PowerPoint・Copilot Chat・Copilot Cowork・Copilot Studioの順で展開されています。
- Word — ざっくりした構想から完成稿まで、長い文書でも構成と流れを保ったまま書き進める
- Excel — 複雑な分析を、より質の高いモデリングと整った表計算で進める
- PowerPoint — 最初のアウトラインから仕上がったデッキまで、見た目の完成度とレイアウトの発想を上げて作る
- Copilot Chat — 答えの決まっていない問題について、選択肢の比較や計画の構造化を強い推論で進める
- Copilot Cowork — Work IQが持つ組織の文脈を使い、長時間タスクをツールとファイルをまたいで完遂させる
- Copilot Studio — Opus 5ベースのエージェントを作り、プレビュー版のオーケストレーターで多段のツール利用を組む
なお展開状況は地域やテナント設定によって異なるとされているので、あなたの環境にまだ出ていない場合はMicrosoft 365ロードマップとリリースノートを確認してください。「Claudeを使いたいけれど、業務ツールはMicrosoftで固めている」という職場でも、いつも使っているWordやExcelの中からOpus 5に切り替えられるようになったわけです。
Opus 5世代で変わった「プロンプトの書き方」——システムプロンプト8割削減の意味

ここからが今回いちばん重要なパートです。冒頭で「プロンプトは若干オワコン化している」と書いたのは、この話をしたかったからです。
Anthropicは2026年7月24日、Claude 5世代のモデルに向けたコンテキストエンジニアリングの新しい考え方を公開しました。そこに書かれていた事実がなかなか衝撃的です。
Opus 5やFable 5のようなモデル向けに、Claude Codeのシステムプロンプトの80%以上を削除した。それでも社内のコーディング評価に測定可能な低下はなかった。
ここで大事なのは適用範囲です。削減されたのはOpus 5・Fable 5向けのClaude Codeのシステムプロンプトで、確認されているのはAnthropic社内のコーディング評価で測定可能な低下がなかったところまでです。「すべての指示が不要になった」という話ではありません。公式が勧めているのは、重複・矛盾・自明なルールを減らし、業務固有の制約や重要な注意点は残す設計です。実際、Opus 5は既存のOpus 4.8向けプロンプトでもそのまま良好に動くと説明されています。
それでも、この数字のインパクトは大きいと思います。Anthropic側の説明では、自社のログを確認したところ、1回のリクエストの中で指示同士が矛盾しているケースが見つかったそうです。その矛盾を解消するためにモデルが余計に考え込み、無駄な思考と無駄なコストが発生していた。だから、指示はなるべくシンプルなほうがいい——という結論です。
プロンプトとコンテキストエンジニアリングの違い
言葉を整理しておきます。
- プロンプト — その場の1回の指示
- コンテキストエンジニアリング — システムプロンプト、社内のルールファイル、スキル、メモリなどを含めた環境全体の設計
Claude 5世代で大事になったのは後者です。1回の指示を磨き込むより、AIが働く環境をどう整えるか。ここに成果の差が出ます。
公式が示した6つの転換
Anthropicのブログでは、考え方の転換が6つ挙げられています。
- ルールを与える → 判断に任せる
- 例を与える → インターフェースを設計する
- すべてを前もって渡す → 段階的に開示する(progressive disclosure)
- 同じことを繰り返し書く → ツールの説明をシンプルにする
- CLAUDE.mdにメモリを書き込む → 自動メモリに任せる
- 単純な仕様書 → リッチな参照(コードやテストスイート)
とくにわかりやすいのが1番目の実例です。Claude Codeの旧システムプロンプトには「デフォルトでコメントを書くな。複数段落のdocstringや複数行のコメントブロックは絶対に書くな。1行までにせよ」という強い制約が入っていました。それが新しい版ではこう変わりました。
周りのコードと同じように読めるコードを書け。コメントの密度、命名、書き癖を周囲に合わせよ。
禁止事項を積み上げるのをやめて、判断の基準だけを渡す形に変わっています。Anthropicの説明では、例を与えることはむしろモデルを縛ってしまう。モデルのほうが与えた例より発想が豊かだから、というわけです。
CLAUDE.mdについても、公式は「軽量に保ち、リポジトリが何のためのものかを簡潔に書く」ことと、コードベース固有の落とし穴(gotcha)に集中することを勧めています。当たり前のことを書くのは避け、段階的な開示を積極的に使う、と。
CLAUDE.mdの具体的な書き方については、以下の記事で解説しています。今回の考え方に合わせて見直す起点として使ってください。
【保存版】CLAUDE.md設計ガイド|Claude Codeが指示を無視する原因と12の設計ルール

今日から実践する3つのアクション

6つの転換を全部いっぺんに反映するのは大変です。動画でもお伝えしましたが、まずは3つだけ覚えて帰ってください。
- CLAUDE.mdは軽く、要点だけにする — 全部を書き込むのをやめる。リポジトリの目的と、そこ特有の落とし穴だけを残す
- スキルは必要な時だけ呼ぶ設計にする — 最初から全部読み込ませず、必要になった時に取りに行かせる
- 過剰な制約は外す — 禁止事項の積み上げはAIの足かせになる。判断力を活かすために、少し緩めてあげる
言い換えると、AIをガチガチに管理するのをやめて、AIが判断しやすい環境を作ってあげるという発想の転換です。これまで「制御しきれないから細かく縛る」という方向に手間をかけてきた人ほど、いったん緩める勇気が要ります。でもAnthropic自身が8割削って劣化しなかったと言っているのですから、試す価値は十分にあると思います。

実演——Opus 5にポケモン風の3Dゲームを作らせてみた

ベンチマークの話ばかりしてきたので、実際どんなものかをお見せします。私は新しいモデルが出るたびにポケモン風のゲームを作らせています。視覚的にいちばんわかりやすいし、作り込み具合でエージェントとしての性能も見えてくるからです。
今回はプロンプトを変えて、「ポケモンゲームをコピーして3Dっぽく」とだけ投げてみました。出てきたのは、荒野を歩き回って、ポケモンらしき相手と出会って勝負するというものでした。3Dの空間としてはちゃんと動いているのですが、正直に言うとちょっとポケモンっぽくはないんですよね。前回Fable 5で作らせたものと並べてみると、方向性の違いがよく出ていて面白い結果でした。
1行のプロンプトからここまで組み上げてくるのは十分に驚きですが、「一発で意図した見た目まで持っていける」という段階ではありません。イメージが固まっているものを作らせるなら、参照を渡すなり作りたい世界観を具体的に書くなり——結局これも、前のセクションで話したコンテキスト設計の話に戻ってきます。

Opus 4.8からOpus 5へ乗り換えるべきか——実務での判断軸

最後に、いちばん実務的な問いに答えます。
まずOpus 4.8を使っている人は、基本的に乗り換えて問題ありません。料金は入力$5/出力$25で完全に同額のまま、自律コーディングでは2倍以上、PC操作や業務ワークフローでもコスト効率が大幅に改善しています。同じ値段で性能が上がるので、据え置く理由を探すほうが難しい状況です。知識カットオフも2026年1月から5月に進んでいます。
そのうえで、日常の使い分けはこの順番で考えるのが素直だと思います。
- 軽い仕事はSonnet 5から — 要約・整形・調査といった知識ワーク中心の作業。入力$3/出力$15(8月31日までは$2/$10)で、品質と速度のバランスを取りながら安く回せる。単純な処理を最安で大量に流すなら、入力$1/出力$5のHaiku 4.5も候補です
- 標準の主力はOpus 5 — 複雑なコーディング、長時間の自律タスク、PC操作、資料作成。公式も「まずOpus 5から」と案内している標準の出発点
- 最後の難所だけFable 5 — Opus 5でも届かない、本当に難しい設計判断や長時間エージェント。ただし料金は倍で、利用枠の制限も厳しい
エフォート設定という2つ目のダイヤルも忘れないでください。モデルを上げる前に、Opus 5のままエフォートをxhighやmaxに上げてみる。逆に定型作業ならlowやmediumまで落として速度とコストを稼ぐ。「モデル」と「エフォート」の2軸で刻めるようになったのが、この世代の使いこなしの勘所です。
Claude Codeで実際に運用する手順や初期設定については、以下の記事もあわせてご覧ください。
Claude Codeとは?Web版やCoworkとの使い分けから使い方・料金を徹底解説
まとめ——Opus 5は「毎日回せる上位モデル」

Claude Opus 5のポイントを整理します。
- Fable 5の半額(入力$5/出力$25)でその知性に迫る。Opus 4.8と同額のまま性能が大きく上がった
- 公式が推す標準の出発点になった。Claude Maxの新デフォルト、Claude Proの最強モデル
- 点数よりコスト曲線が本命。同じ予算でどのモデルがいちばん賢いか、という選び方に変わる
- 知識カットオフ2026年5月で、現行モデルの中でもっとも新しい知識を持つ
- すべてで1位ではない。サイバーセキュリティと生物学研究はMythos 5が上、と公式が明記している
- アライメントは過去最良。逸脱行動スコアは最近のモデルで最低の2.3
- プロンプトの書き方が変わった。システムプロンプト8割削減が示すのは「管理」から「環境設計」への転換
私にとって今回のいちばんの価値は、「ここぞという時だけの上位モデル」が「普段使いの上位モデル」になったことです。Fable 5の制限に張り付いて作業が止まる、あの一番もったいない時間が減ります。
そして余力があるなら、この機会にぜひコンテキスト設計にも手を入れてください。プロンプトだけを磨くのではなく、CLAUDE.mdを軽くして、スキルを必要な時だけ呼ぶ形にして、過剰な制約を外す。モデルを乗り換えるより、こちらのほうが効く場面はきっとあります。ぜひあなたの環境でも、まずはOpus 5をデフォルトに据えるところから試してみてください。
Claude Opus 5のような最新モデルを、組織の業務にどう落とし込むか一段引き上げたい方へ。法人向けAI研修の導入社数No.1*の弊社デジライズが提供する「法人リスキリング」の研修内容・支援の流れ・料金をまとめたサービス資料を無料でお送りしています。
※出典:株式会社東京商工リサーチ「法人向けリスキリングサービスに関する調査」(2026年5月/調査期間:2026年3月26日〜4月17日/調査方法:デスクリサーチおよびヒアリング/2026年3月末時点)
