チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

健康のことをAIに相談したいけど、プライバシーが心配という声をよく耳にします。実は現在、毎週2億3,000万人以上がChatGPTに健康やウェルネスの相談をしているとされています。

そんな中、OpenAIがついに医療特化の「ChatGPT ヘルスケア」を発表しました。今回は、この新機能について詳しく解説していきます。

重要ポイント3点

  • OpenAIが、健康相談に特化した新機能「ChatGPT ヘルスケア」を公開。
  • 健康情報は分離・暗号化など保護を強化し、原則として学習に使われない設計。
  • ヘルスケア機能は段階的に提供。

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ChatGPT ヘルスケアとは―健康管理に特化した新機能

概要と背景

ChatGPT ヘルスケアは、健康とウェルネスのために専用設計されたChatGPTの新機能です。

OpenAIによると、すでに毎週2億3,000万人以上が世界中でChatGPTに健康やウェルネスに関する質問をしているとのこと。この現状を踏まえて、より安全で専門的な健康相談ができる環境を整えたというわけです。

ただし、ここで重要なポイントがあります。

ChatGPT ヘルスケアは医療従事者によるケアを「補完」するものであり、「代替」ではありません。

診断や治療を目的としたものではないため、あくまで健康管理のサポートツールとして活用する形になります。

主な特徴

ChatGPT ヘルスケアの主な特徴は以下の通りです。

  • 専用設計の暗号化と隔離によるプライバシー保護
  • 電子健康記録(EHR)との連携
  • Apple ヘルスケア、Function、MyFitnessPalなどのアプリとの連携
  • ChatGPT内の専用スペースとして提供(他のチャットとは分離)
  • 会話は基盤モデルの学習に使用されない

特に注目すべきは、健康に関する会話が通常のチャットとは完全に分離されている点です。プライバシー面で大きな配慮がなされています。

医師協力による開発とHealthBench評価基準

260人超の医師との協働

AIの健康アドバイスについて、信頼性を懸念する方も多いでしょう。OpenAIはこの課題に対して、かなり本格的なアプローチを取っています。

  • 60か国・数十の専門分野で診療経験を持つ260人以上の医師と協働
  • 2年以上にわたる開発期間
  • 30の重点領域60万回以上のフィードバックを収集

医師主導のアプローチをモデルに組み込むことで、より信頼性の高い回答が実現されています。

HealthBenchとは

さらに、OpenAIはHealthBenchという新しい評価基準も公開しています。HealthBenchの特徴は以下の通りです。

  • 5,000件の実際の健康会話を含む評価ベンチマーク
  • 48,562種類の独自の評価基準
  • 医師が作成したカスタムルーブリック基準で採点

これにより、AIの健康関連の回答品質を客観的に測定できるようになっています。評価基準を公開している点は、透明性の観点からも重要です。

利用可能な機能と連携アプリ

接続できる情報源

ChatGPT ヘルスケアでは、様々な健康データを一元管理できます。

医療記録

  • 検査結果
  • 受診概要
  • 臨床履歴

ウェルネスアプリ

  • Apple ヘルスケア(ムーブ、睡眠、アクティビティデータ)
  • Function(血液検査結果の分析と栄養提案)
  • MyFitnessPal(栄養アドバイス、マクロ、レシピ)
  • Weight Watchers
  • AllTrails
  • Instacart
  • Peloton

など、幅広いアプリと連携可能です。

ChatGPT Healthでできること

具体的にどのようなことが実現できるのか、まとめました。

機能内容
検査結果の理解支援難しい医療用語や数値の意味を分かりやすく解説
診察の準備医師との診察に向けた質問リストの作成など
生活習慣アドバイス食事や運動習慣に関するパーソナライズされた提案
保険プラン比較医療の利用傾向に基づいた最適なプランの検討

「検査結果をもらったけど、何が書いてあるか分からない」という場面で特に活躍しそうです。

プライバシーとセキュリティ対策

専用の保護機能

健康情報はセンシティブなデータであるため、プライバシー保護は最重要課題です。

ChatGPT ヘルスケアでは、以下のような対策が講じられています。

  • ChatGPT内の専用スペースとして会話を分離
  • 専用のメモリで健康情報を管理
  • b.wellとの提携による最大かつ最も安全なネットワーク
  • 医療記録へのアクセスは18歳以上のユーザーのみ

b.wellは米国の消費者向けにリアルタイムで接続された健康データを扱う、最大かつ最も安全なネットワークを提供している企業です。

ユーザーコントロール

ユーザー側でコントロールできる範囲も充実しています。

  • アプリ接続はいつでも解除可能
  • メモリの確認・削除が可能
  • カスタム指示の追加で回答の調整が可能

「連携をやめたい」と思ったときにすぐ解除できるのは安心です。

提供開始時期と利用方法

展開スケジュール

提供時期は、以下のスケジュールで展開予定となっています。

  1. まず少人数の初期ユーザーを対象に提供開始
  2. 数週間以内にウェブ版とiOSのすべてのユーザーへ拡大予定
  3. 順番待ちリストへの登録が可能

早期利用を希望される場合は、順番待ちリストへの登録がおすすめです。(登録はこちら

利用条件と制限

現時点での制限事項は以下の通りです。

制限事項詳細
電子健康記録(EHR)連携米国のみ
一部アプリ連携米国のみ
Apple ヘルスケア接続iOSが必要
医療記録アクセス18歳以上のみ

日本のユーザーとしては、EHR連携が使用できない点は残念ですが、Apple ヘルスケアなどの連携は利用可能です。

始め方

利用開始の手順は以下の通りです。

  1. サイドバーメニューから「ヘルスケア」を選択
  2. 医療記録やアプリを接続
  3. 通常のチャットと同様に会話を開始

シンプルな手順で始められるのは利点です。

まとめ

OpenAIが発表した「ChatGPT ヘルスケア」は、260人以上の医師と2年以上の歳月をかけて開発された、健康とウェルネスに特化した新機能です。電子健康記録や各種アプリとの連携に加え、会話データを学習に使用しない徹底したプライバシー保護や専用の暗号化など、機密性の高い情報を扱うための万全なセキュリティ体制が敷かれています。

AIによる健康管理サポートは本格化していますが、あくまで医療従事者を「補完」する存在であることを忘れてはなりません。こうした高度なAI活用には、専門的な知見と現場のニーズに即した適切な導入設計が求められます。自社で安全かつ効果的にAIを活用していくためには、業務フローに合わせたカスタマイズが鍵となります。

デジライズでは、まさにそうした「現場で本当に使える」生成AIの導入研修を行っています。ミーティングで貴社の業務内容を丁寧にヒアリングし、最適なAI活用法を一緒に考えるところからスタート。AIの専門家が伴走いたしますので、AI担当者がいない企業様でも安心して導入いただけます。

まずは情報収集からでも歓迎ですので、導入の流れや支援内容をまとめた資料をこちらからご覧ください。

参考URL

https://openai.com/ja-JP/index/introducing-chatgpt-health/
https://openai.com/ja-JP/index/healthbench/

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。