
Googleは2025年12月16日(現地時間)、AIを活用したミニアプリ作成ツール「Opal」を、Geminiウェブアプリ内で実験的なGemとして直接利用できるようになったことを発表しました。
これにより、ユーザーはGeminiを離れることなく、自然言語だけでカスタムAIアプリを構築・共有できるようになります。ノーコードAIアプリ開発の分野では、OpenAIのカスタムGPTやMicrosoftのCopilot Studioと並ぶ競争が激化しており、今回の統合はGoogleがこの領域で攻勢を強める動きとして注目されます。
この発表の最重要ポイント

- OpalがGeminiアプリ内のGemとして直接利用可能に:独立したサイト(opal.google)に移動せず、Geminiのインターフェース内でミニアプリを作成できるようになりました
- ビジュアルエディタが進化:プロンプトを「ステップのリスト」として可視化する新しいビューが追加され、アプリのロジックがより理解・編集しやすくなりました
- 高度なカスタマイズも可能:詳細な設定が必要な場合は、opal.google のAdvanced Editorに切り替えて、より細かい制御ができます
- 本日より利用開始:Geminiウェブアプリで本日 (12/17) から実験を開始できます
Opalとは?機能と活用シーン
Googleのノーコードミニアプリ作成ツール
Opalは2025年7月にGoogle Labsから発表された実験的ツールで、プログラミング知識がなくてもAIを活用したミニアプリを作成・共有できるプラットフォームです。自然言語で「何を作りたいか」を説明するだけで、Opalが自動的にワークフローを構築し、ミニアプリとして動作させることができます。
今回の統合により、ユーザーはGeminiのGems管理画面から直接Opalにアクセスし、再利用可能なミニアプリを作成できるようになりました。
Opalでできること:活用シーン4選
Opalを使えば、以下のようなAIアプリをコード不要で作成できます。
- カスタマーサポートのトリアージツール:受信メッセージを分類し、返信候補を提案、複雑な案件をエスカレーション
- データクリーニングアプリ:スプレッドシートを読み込み、列の正規化・外れ値の検出・整形済みファイルの出力
- コンテンツアシスタント:ブリーフからブログ記事の構成を作成し、セクションごとにドラフトを生成
- 学習用クイズ生成ツール:講義ノートからクイズを自動生成し、弱点を追跡、復習スケジュールを管理
作成したアプリは他のユーザーと共有したり、既存のアプリをリミックスして自分用にカスタマイズすることも可能です。
新機能:ステップベースのビジュアルエディタ
今回のアップデートで追加されたステップベースのビューでは、プロンプトが編集可能なアクションのリストに変換されます。
この機能により実現できること
- 各ステップで何が行われているかを視覚的に確認
- 分類器の調整、ツールの入れ替え、ガードレールの追加をコード不要で実行
- より高度なカスタマイズが必要な場合は、opal.google のAdvanced Editorに切り替え可能
classic Gemとの違い
従来のGem(classic Gem)とOpalで作成したGemは、目的と機能が異なります。
| 項目 | classic Gem | Opal Gem |
|---|---|---|
| 目的 | チャット専門家(特定トピックに特化したAIアシスタント) | ミニアプリ(ワークフローを自動化するツール) |
| 構造 | 単一のプロンプト指示 | 複数ステップのワークフロー |
| 相互変換 | Opal Gemへの変換不可 | classic Gemへの変換不可 |
classic Gemは「特定の役割を持つチャット相手」、Opal Gemは「特定のタスクを自動化するアプリ」という位置づけです。
利用条件・共有設定・データ管理
利用条件
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 年齢制限 | 18歳以上 |
| 対応アカウント | 個人Googleアカウントのみ(Workspace非対応) |
| 対応言語 | 英語のみ |
| 作成・編集 | PCのみ対応 |
| モバイル | 作成・編集は非対応(利用のみ可能) |
共有設定
Opalで作成したアプリは、3つの公開範囲から選択して共有できます。
- Private(非公開):自分とアクセス権を付与したユーザーだけが利用可能
- Link(リンク共有):リンクを知っている人のみアクセス可能
- Public(一般公開):誰でもアクセス・検索可能
共有方法はリンクのコピーまたはメールでの招待に対応しています。
データの保存と削除
Opalで作成したアプリは、Googleドライブ内の「Opal」フォルダに自動保存されます。削除はGemマネージャーまたはGoogleドライブから行えます。
なお、OpalはGemini Appsとは別扱いとなっており、Gemini Appsのデータ管理設定は適用されません。Opal Gemは「特定のタスクを自動化するアプリ」という位置づけです。
実際に使ってみた(使い方と使い勝手)
試しに、今回の「Opalで作成したアプリをGemとして利用可能に」というテーマでSEO記事を作成させました。
使い方:3ステップでアプリが完成
ステップ1:まずは、Gemの画面を開き、「New Gem」をクリックします。

ステップ2:すると、以下のような画面になるので、どんなアプリを作成したいか入力します。今回は、「テーマを入)を検索し、その情報を用いてSEO記事を作成してくれるアプリ」と入れてアプリを作成しました。

ステップ3:すぐに完成しました。左側の「Steps」を見れば、どんなワークフローが組まれているかわかります。
使い勝手:Deep Research連携で本格的な記事が生成可能
試しに「Google『Opal』がGeminiのGemとして直接利用可能に」というテーマを入力してアプリを動かしました。

5-10分くらいで完成しました。Deep Researchをしていたので少し時間がかかりました。完成したブログの一部が以下の画像になります。

ポン出しにしては十分な出来の記事ができました。DeepResearchを使用していたので、一部Google公式以外から情報なども混じっていましたが、私の確認範囲では重大な誤りは見当たらず、実用できる精度でした。
総評:Gemini内で完結する利便性が最大のメリット
これまでは毎回Opalの公式サイトに移動してアプリを作成する必要がありましたが、今回の統合によりGemini内ですべてが完結するようになりました。この「導線の短縮」は地味ながら非常に大きな改善で、日常的にGeminiを使っているユーザーにとっては、かなり利便性が向上したと感じます。
公式発表へのリンク
- Google公式ブログ(The Keyword): https://blog.google/technology/google-labs/mini-apps-opal-gemini-app-experiment/
- Opal公式サイト: https://opal.google/landing/
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