チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

「商談前のリサーチに時間がかかりすぎる…」
「提案書を作る時間が足りない…」

こんな悩みを抱えている営業パーソンは多いのではないでしょうか。実は今、これらの課題を一気に解決できる強力な味方が登場しています。それが「生成AI」です。ChatGPTやClaude、Perplexityといった生成AIを営業活動に取り入れることで、リサーチから商談準備、後処理まで、営業プロセス全体を劇的に効率化できるんです。

Salesforceの調査によると、営業担当者は勤務時間の実に72%を営業以外のタスク(データ入力、資料作成、スケジュール調整など)に費やしている*1という衝撃的なデータがあります。つまり、本来やるべき「顧客との対話」に使える時間は、たったの28%しかないということ。

この記事では、営業活動における生成AI活用の全体像から、具体的な活用例、導入ステップ、そして失敗しないためのポイントまで、すべてを徹底的に解説します。

*1 出典:Salesforce調査


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営業におけるAI活用の全体像

まずは「営業×AI活用って、そもそもどういうこと?」という疑問から解決していきましょう。一言でいうと、生成AIは 「あなたの営業活動を24時間365日サポートしてくれる優秀なアシスタント」 です。

営業×AI活用が注目される背景

なぜ今、営業現場でのAI活用がこれほど注目されているのでしょうか。その背景には、大きく3つの要因があります。

1. 市場環境の変化と競争激化

グローバル化による海外企業の参入、オンライン化による営業手法の変化など、営業を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。顧客のニーズも複雑化し、従来の「足で稼ぐ」営業だけでは成果を出しにくくなっています。

2. 深刻な人手不足

多くの企業で営業人材の確保が課題となっています。限られた人数で成果を最大化するためには、業務効率化が不可欠です。

3. 営業の属人化問題

「トップセールスが退職したら、売上が大きく落ちた」という経験はありませんか?優秀な営業担当者のスキルやノウハウが個人に依存してしまう「属人化」は、多くの組織が抱える根深い課題です。

営業プロセスを3つのフェーズに分解する

営業活動におけるAI活用を理解するために、まず営業プロセスを3つのフェーズに分解して考えてみましょう。

フェーズ主な業務内容AI活用のポイント
フェーズ1:リサーチ・商談準備顧客調査
業界リサーチ
競合分析
商談仮説の立案
情報収集の自動化・効率化
フェーズ2:提案・商談提案書作成
営業トーク準備
商談シミュレーション
資料作成
トーク準備の支援
フェーズ3:議事録・フォロー・日報など後処理議事録作成
フォローメール
日報
CRM入力
後処理業務の自動化

この3つのフェーズすべてで、生成AIは威力を発揮します。どのフェーズから始めても効果は出ますが、自社の課題に合わせて小さく始めることが成功の秘訣です。

生成AIと従来型AI(スコアリング・予測)の違い

「AI」と一口に言っても、実は様々な種類があります。営業活動に関わるAIを大きく分けると、以下のようになります。

種類向いている内容特徴
従来型AI(予測・分析系)受注確度のスコアリング
売上予測
リードの優先順位付け
過去のデータを分析して「予測」することが得意
SFA/CRMに搭載されている機能の多くがこれに該当
生成AI(ChatGPT・Claudeなど)テキスト・文章の生成
情報の要約・整理
アイデアのブレインストーミング
対話形式での情報収集
新しいコンテンツを「生成」することが得意。
提案書の下書き、メール文面の作成などに威力を発揮

この記事では主に 「生成AI」 の活用方法を解説しますが、従来型AIと組み合わせることで、さらに大きな効果を得ることができます。

フェーズ1|リサーチ・商談準備でのAI活用

営業活動の成否を左右するのが、商談前の「準備」です。顧客のことを深く理解し、的確な仮説を持って商談に臨めるかどうかで、成約率は大きく変わります。このフェーズこそ、生成AIが最も威力を発揮する領域の一つです。

リサーチ・商談準備フェーズでAIが得意なこと

生成AIは、以下のような業務を圧倒的に効率化してくれます。

  • 顧客・業界リサーチ:顧客企業のWebサイト、プレスリリース、IR情報などを分析し、事業概要、経営課題、最近の動向などを短時間で把握できます。
  • 競合調査・ニュース要約:業界の最新ニュースや競合他社の動向を収集し、要点を整理してくれます。複数の情報源を横断的に調べる作業が、数分で完了します。
  • 商談仮説のブレインストーミング:「この顧客に何を提案すべきか?」「どんな課題を抱えているか?」といった仮説を、AIと壁打ちしながら練り上げることができます。

営業リサーチにおけるAI活用例5選

具体的に、どのようなシーンでAIを活用できるのか、5つの活用例を紹介します。

1. 見込み顧客リストの精査・優先度づけ

生成AIに顧客リストと自社の理想的な顧客像を伝えることで、優先的にアプローチすべき顧客の候補を抽出できます。各企業の特徴や、なぜ優先度が高いのかの理由も併せて出力してもらえば、効率的なリスト精査が可能です。

2. 決裁者・担当者のリサーチ

LinkedInやプレスリリース、インタビュー記事などから、商談相手となる人物の経歴、関心事、過去の発言などを調べ、商談でのアイスブレイクや話題のネタを準備できます。

3. 業界レポート・ニュースの要約

長文の業界レポートや複数のニュース記事を読み込ませ、「この業界の3つの主要トレンドと、それが◯◯社に与える影響」といった形で要約してもらえば、短時間で業界知識をインプットできます。

4. 既存顧客のアップセル/クロスセル候補抽出

過去の取引履歴や商談記録をAIに分析させ、追加提案の可能性がある顧客を特定できます。「この顧客は〇〇を導入済みなので、△△の提案が効果的では?」といった示唆を得られます。

5. 商談前ブリーフィング(5分で情報把握)

商談直前に「この企業について5分で把握できるブリーフィングを作成して」と依頼すれば、企業概要、最近のニュース、想定される課題、商談のポイントなどを一枚にまとめた資料を生成できます。

ChatGPT・Claude・Perplexityの使い分けの考え方

リサーチや商談準備で使える生成AIツールは複数ありますが、それぞれ得意分野が異なります。

ツール特徴営業での活用シーン
ChatGPT汎用性が高く、検索にも強い最新ニュースの収集、アイデア壁打
Claude長文処理に強く、論理的な分析が得意長文資料の要約、提案書の構成検討
Gemini動画解析やスライド作成など、マルチに対応。アイデア壁打、資料作成

特にChatGPTはリサーチに強く、複数のWebサイトから情報を収集し、引用元を明示しながら回答を生成してくれるため、営業リサーチには最適のツールと言えるでしょう。

具体的なワークフローとプロンプト例

リサーチフェーズでの基本的なワークフローは以下の通りです。

  1. 情報収集:Perplexityで顧客企業・業界の最新情報を収集
  2. 分析・整理:ChatGPTやClaudeで収集した情報を整理・分析
  3. 仮説立案:商談での提案仮説をAIと壁打ちして練り上げる
  4. ブリーフィング作成:商談前に必要な情報を1枚にまとめる

プロンプト例(商談前リサーチ)

あなたはBtoB営業のリサーチアシスタントです。
以下の企業について、商談準備に必要な情報を整理してください。

## 当社のサービスと強み
{サービスや商品の概要と強み・売りなどを記載}

## 対象企業
〇〇株式会社

## 調査項目
1. 事業概要と主力製品・サービス
2. 直近1年間の重要なニュース・プレスリリース
3. 経営課題として想定されること
4. 当社サービスとの接点・提案のポイント

出力形式:箇条書きで簡潔に

商談準備の詳細なプロンプト集は👇

営業リサーチをAIで自動化する5つの方法|顧客分析・競合調査・商談準備を効率化

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リサーチフェーズでの注意点(情報ソース・ファクトチェック)

生成AIは非常に便利ですが、情報の正確性については注意が必要です。特にリサーチフェーズでは、以下の点に気をつけましょう。

情報ソースの確認を怠らない

AIが生成した情報は、必ず一次ソース(企業の公式サイト、IR資料、プレスリリースなど)で確認しましょう。特に数字や日付は、ハルシネーション(AIが事実でない情報を生成すること)のリスクがあります。

最新情報かどうかを確認する

AIの学習データには時間差があります。「2025年現在」と書かれていても、実際には古い情報の可能性があります。重要な情報は、最新の公式情報で裏取りしましょう。

複数ソースでクロスチェックする

1つのAIツールだけに頼らず、複数のツールや情報源で確認することで、情報の信頼性を高められます。

フェーズ2|提案・商談でのAI活用

リサーチで得た情報をもとに、実際の提案・商談で成果を出すフェーズです。ここでも生成AIは、提案書の作成から商談のシミュレーションまで、幅広くサポートしてくれます。

提案・商談フェーズでAIが支援できる領域

このフェーズでAIが支援できる主な領域は以下の通りです。

  • 提案書たたき台の作成
    顧客の課題や自社のソリューションを入力すれば、提案書の構成案やたたき台を短時間で生成できます。ゼロから作るよりも、たたき台をブラッシュアップする方が圧倒的に効率的です。
  • 営業トーク/想定問答(FAQ)の準備
    「この顧客からはどんな質問が来そうか?」「価格について聞かれたらどう答えるべきか?」といった想定問答を、AIと一緒に準備できます。
  • 商談シナリオのシミュレーション
    AIを顧客役として、商談のロールプレイングを行うことも可能です。様々なパターンの反応をシミュレーションすることで、本番への備えができます。

提案・商談における営業AI活用例5選

1. 顧客別にカスタマイズされた提案書のドラフト生成

汎用的な提案書テンプレートに、顧客固有の情報(業界特性、課題、ニーズ)を反映させた提案書のドラフトを生成できます。「〇〇業界の△△という課題に対して、当社の□□ソリューションがどう役立つか」を整理した提案書の骨子を、数分で作成可能です。

2. 反論処理の想定問答集の作成

「価格が高い」「導入の手間が心配」「他社と比べてどうか」といった、よくある反論に対する回答を体系的に整理できます。新人営業でも、この想定問答集があればベテラン並みの対応が可能になります。

3. デモ・プレゼンの台本づくり

製品デモやプレゼンテーションの台本を作成できます。「どの機能を、どの順番で、どんな言葉で説明すべきか」を整理することで、説得力のあるプレゼンが可能になります。

4. 初回アプローチメール・フォローアップ文面の自動生成

ターゲット顧客に合わせたパーソナライズされたメール文面を生成できます。テンプレートの使い回しではなく、相手の状況に合わせた文面を短時間で作成できるのがAIの強みです。

5. 商談ログから次アクション候補の抽出

商談の記録(メモや議事録)をAIに読み込ませ、「次に何をすべきか」「どんなフォローが必要か」を抽出してもらえます。

新人がベテラン並みに準備できる「AIコーチ」としての使い方

生成AIは、新人営業の育成ツールとしても非常に効果的です。

  • ロールプレイングの相手として
    AIを顧客役に見立てて商談の練習ができます。「厳しい質問をしてくる顧客」「価格にシビアな顧客」など、様々なペルソナを設定してシミュレーションできます。
  • トークスクリプトの改善アドバイザーとして
    自分が考えたトークスクリプトをAIに見せて、「この説明で顧客に伝わるか?」「もっと良い言い回しはないか?」とフィードバックをもらえます。
  • 質問への回答例の提供者として
    「〇〇について聞かれたら何と答えればいいですか?」と質問すれば、複数パターンの回答例を提示してくれます。

このようにAIを「コーチ」として活用することで、経験の浅い営業でも、短期間でスキルアップできる環境を作れます。

提案内容をAIに任せすぎないためのチェックポイント

AIは強力なツールですが、提案内容をすべてAIに任せるのは危険です。以下のチェックポイントを意識しましょう。

✅顧客の文脈に合っているか? – AIが生成した内容は、一般的には正しくても、特定の顧客の状況に合っていない可能性があります。必ず顧客の具体的な状況に照らして確認しましょう。

自社の情報は正確か? – AIは自社の製品・サービスについて正確な情報を持っていない場合があります。自社に関する情報は必ず確認・修正してください。

「自分の言葉」になっているか? – AIが生成した文章をそのまま使うと、不自然になったり、自分らしさが失われたりします。必ず自分の言葉でリライトしましょう。

最終判断は人間が行っているか? – AIはあくまで「提案」をしてくれるツールです。最終的な判断や意思決定は、必ず人間が行うようにしましょう。

具体的なワークフローとプロンプト例

提案・商談フェーズでの基本的なワークフローは以下の通りです。

  1. 提案書の骨子作成:顧客情報+リサーチ結果をAIに入力し、提案書の構成案を生成
  2. 想定問答の準備:予想される質問・反論とその回答をリストアップ
  3. プレゼン台本の作成:商談の流れと各パートの説明内容を整理
  4. ロールプレイング:AIを相手にシミュレーションを実施

プロンプト例(反論処理の想定問答)

# 指示
あなたは経験豊富なBtoB営業のトレーナーです。
以下の製品について、顧客からよくある反論と、それに対する効果的な回答を5つ作成してください。

# 入力情報
【製品】クラウド型営業支援ツール(月額5万円〜)
【特徴】
【ターゲット】中小企業の営業部門
【競合】Salesforce、HubSpot

# 出力形式
反論と回答は、以下の形式で出力してください。
- 反論:「〜」
- 回答のポイント:
- 具体的な回答例:

実際に、弊社のAI研修の特徴を入れて、chatGPTに入力してみました。

各反論ごとに、ポイントと回答例が整理されて出力されました。ポイントを見て重要な点さえ理解すれば、文章を丸々覚える必要もなく、応用も利かせられますね。

提案・商談の詳細は👇

提案と商談を生成AIで強化するー 提案書・営業トーク・反論処理をAIで仕組み化・効率化

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フェーズ3|議事録・フォロー・日報など後処理でのAI活用

商談が終わった後の「後処理」は、多くの営業担当者にとって負担の大きい業務です。しかし、この後処理を疎かにすると、せっかくの商談成果を活かしきれません。AIを活用して、後処理を効率化しながら質も高めましょう。

後処理が営業成果に与えるインパクト

「後処理なんて、やらなくても売上には関係ない」と思っていませんか?実は、後処理の質が営業成果に直結するケースは少なくありません。

  • 情報共有による組織力向上:商談内容が適切に記録・共有されることで、チーム全体で顧客情報を活用できます。担当者が不在でも、他のメンバーがフォローできる体制が作れます。
  • フォローの質と速度:商談後に迅速かつ的確なフォローができるかどうかで、成約率は大きく変わります。AIを使えば、商談直後に質の高いフォローメールを送ることも可能です。
  • マネジメントの精度向上:正確な商談記録があれば、マネージャーは適切なアドバイスやサポートを行えます。属人的な「勘」ではなく、データに基づくマネジメントが可能になります。

後処理における営業AI活用例5選

1. AI議事録ツールによる自動文字起こし・要約

商談や会議の音声を自動で文字起こしし、要点を要約してくれるAI議事録ツールが数多く登場しています。Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsと連携して、自動で記録・要約してくれるツールもあります。

2. 要約からのフォローメール自動生成

議事録の要約をもとに、フォローメールのドラフトを自動生成できます。「今日の商談内容のまとめ」「次回までのToDoの確認」「追加資料の送付」などを含んだメールを、数分で作成可能です。

3. 日報・CRM入力の自動化

商談記録をAIに入力すれば、SFA/CRMに入力すべき情報を整理してくれます。一部のツールでは、議事録から直接CRMへの情報同期も可能です。

4. 商談内容のタグ付け・案件ステータス更新

AIが商談内容を分析し、「見積もり依頼あり」「競合検討中」「予算確認待ち」などのタグを自動で付与してくれます。案件の進捗管理が効率化されます。

5. 上司向け報告書・週次レポートの生成

複数の商談記録を集約して、「今週の活動報告」「案件進捗サマリー」などを自動生成できます。マネージャーへの報告業務が大幅に効率化されます。

AI議事録ツールと生成AIの組み合わせ方

AI議事録ツールと生成AI(ChatGPTやClaudeなど)を組み合わせることで、後処理の効率をさらに高められます。

  1. AI議事録ツールで文字起こし – ACES Meet、Notta、Rimo Voiceなどのツールで、商談の音声を自動文字起こし
  2. 生成AIで要約・整理 – 文字起こしデータを生成AIに入力し、「決定事項」「課題・懸念点」「次回までのToDo」などを抽出
  3. フォローアクションの生成 – 要約をもとに、フォローメールや社内共有用のサマリーを生成

このように、専用ツールと生成AIを組み合わせることで、「文字起こし→要約→アクション」の一連の流れを効率化できます。

おすすめのAI議事録ツール👇

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具体的なワークフローとプロンプト例

後処理フェーズでの基本的なワークフローは以下の通りです。

  1. 商談の録音・文字起こし:AI議事録ツールで自動化
  2. 議事録の作成:文字起こしデータを生成AIで要約・整理
  3. フォローメールの送信:議事録をもとにメール文面を生成
  4. CRM/SFAへの入力:整理された情報をシステムに登録
  5. 日報・報告書の作成:複数の商談記録を集約してレポート化

プロンプト例(議事録から要点抽出)

以下は本日の商談の文字起こしです。
この内容から以下の項目を抽出してください。

# 抽出項目
1. 商談の概要(3行以内)
2. 顧客の課題・ニーズ
3. 提案した内容と顧客の反応
4. 決定事項
5. 次回までのToDo(当社側・顧客側)
6. 懸念点・リスク

# 文字起こしデータ
{ここに文字起こしデータを貼り付け}

実際に、仮の議事録データを入れて動かしてみました。

顧客のニーズや提案内容、todoなど、指定した項目がしっかりと羅列されています。これを使えば、商談中にパソコンとにらめっこせず、お客様の話を集中して聞くことができますね。

商談後の詳細はこちらで解説👇

【2025年版】営業の後処理をAIで完全自動化|議事録・フォローメール・日報のプロンプト付き

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情報漏洩・セキュリティの観点(録音データとクラウド保存)

後処理でAIを活用する際、最も注意すべきなのがセキュリティです。特に、商談の録音データは機密情報を含む可能性が高いため、慎重な取り扱いが必要です。

  • 録音の同意取得 – 商談を録音する場合は、必ず相手の同意を得ましょう。「サービス改善のため、録音させていただいてもよろしいでしょうか」と一言確認することが基本です。
  • クラウドサービスの選定 – AI議事録ツールを選ぶ際は、データの保存場所、暗号化の有無、プライバシーポリシーなどを確認しましょう。法人向けプランでは、データがAIの学習に使われないことを保証しているサービスもあります。
  • 機密情報の取り扱い – 顧客の機密情報や個人情報が含まれるデータを、無料の生成AIサービスに入力するのは避けましょう。企業向けのセキュアなプランを利用するか、機密情報を除外してから入力することが重要です。

営業AI活用を支えるツール群と選び方

営業でAIを活用するためのツールは、大きく4つのカテゴリに分けられます。自社の課題や予算に合わせて、適切なツールを選びましょう。

営業で押さえておきたい4種類のAIツール

1. 汎用生成AI(ChatGPT・Claude など)

最も汎用性が高く、様々な用途に使える生成AIツールです。

ツール特徴料金目安
ChatGPT対話の自然さ、プラグインの豊富さ無料プラン
Plusプラン($20/月)
Teamプラン($25/月)など
Claude長文処理、論理的分析に強い無料プラン
Proプラン($20/月)
Maxプラン($100~/月)など
Geminiマルチモーダルで動画解析や画像生成にも強い。無料プラン
AI Proプラン(¥2,900/月)
Workspace Standardプラン(¥1,600/月)など

2. 営業支援ツール(SFA/CRM)+AI機能

Salesforce、HubSpotなどの営業支援ツールに搭載されたAI機能です。顧客データと連携した分析・予測が可能で、受注確度のスコアリング、次のアクション提案などができます。

3. AI議事録・ボイスレコーダー

商談や会議の自動文字起こし・要約に特化したツールです。Notta、tl;dvなどが代表的で、営業特化型のものはSFA/CRMとの連携機能も備えています。

4. 業界特化型AI・自社内製AI

特定の業界や自社の業務に特化したAIツールです。自社の商品知識やFAQを学習させた社内チャットボットなど、カスタマイズされたソリューションがこれに該当します。

ツール選定のチェックリスト

AIツールを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 日本語対応 – 日本語での入出力精度は十分か?特に音声認識の場合、日本語の認識精度が重要です。
  • セキュリティ・コンプライアンス – データの保存場所は?暗号化は?プライバシーポリシーは?企業利用に耐えるセキュリティレベルか確認しましょう。
  • 料金体系 – 月額固定か従量課金か?ユーザー数に応じた課金か?自社の利用規模に合った料金体系かを確認しましょう。
  • 既存SFA・MAとの連携可否 – すでに導入しているSalesforce、HubSpotなどとの連携は可能か?APIは公開されているか?

既存のSFA・MAとの連携で最大効果を出すポイント

AIツールを単体で使うよりも、既存のSFA/MAと連携させることで、効果は何倍にも高まります。

  • データの一元管理 – AI議事録ツールで作成した商談記録を、ワンクリックでSFAに同期できれば、入力の手間が大幅に削減されます。データの重複や漏れも防げます。
  • 顧客データを活用した分析 – 生成AIに顧客データを連携させることで、「この顧客の過去の取引履歴を踏まえて、次の提案を考えて」といった高度な分析が可能になります。
  • ワークフローの自動化 – 「商談が完了したら、自動でフォローメールを生成し、CRMのステータスを更新する」といったワークフローの自動化も実現できます。

営業をAIで効率化した導入事例

実際にAIを営業活動に導入した企業は、どのような成果を上げているのでしょうか。弊社(デジライズ)で生成AI研修を導入いただいた企業様の成果事例をご紹介します。

株式会社Airz 様(営業工数削減)

見積作成業務にAIを活用し、見積作成時間を15分に短縮。営業工数を月50時間削減することに成功しました。これにより、営業担当者は顧客との商談やフォローアップに注力できる時間が大幅に増加しています。

詳しくはこちら

ファビウス株式会社 様(情報収集効率化)

化粧品D2C企業である同社では、生成AI活用により情報収集時間を8時間から10分へ短縮。チーム連携も改善され、マーケティング施策の意思決定スピードが大幅に向上しました。

詳しくはこちら

株式会社Dots(コア業務への集中)

生成AI活用を「義務化」することで社内浸透を加速。定型業務の効率化により、コア業務への時間投資が3倍に増加しました。営業活動においても、顧客対応の質向上につながっています。

詳しくはこちら

営業でAI活用を進める導入ステップ

「AIを導入したいけど、何から始めればいいかわからない」という方のために、具体的な導入ステップを解説します。

ステップ1:現状の営業プロセスを棚卸しする

まずは、自社の営業プロセスを可視化し、課題を洗い出しましょう。

やるべきこと

  • 営業プロセスを「リサーチ→提案→商談→後処理」などのフェーズに分解
  • 各フェーズで「何に時間がかかっているか」「何が属人化しているか」を特定
  • 「AIで効率化できそうなポイント」をリストアップ

ポイント:いきなり「AIで何ができるか」を考えるのではなく、「今の課題は何か」から出発することが重要です。課題が明確でなければ、適切なAI活用は実現できません。

ステップ2:3フェーズの中で「小さく始めるポイント」を決める

課題を洗い出したら、最初に取り組むポイントを1つ選びます。

選び方のポイント

  • 効果が出やすい:導入効果が目に見えやすいものを選ぶ
  • リスクが低い:失敗しても影響が小さいものから始める
  • 現場の負担が少ない:既存の業務フローを大きく変えずに済むもの

おすすめの開始ポイント

  • 後処理から始める:議事録・日報の自動化は効果が分かりやすく、リスクも低い
  • リサーチから始める:個人の業務効率化から始められ、チーム全体への影響が少ない

ステップ3:AI活用のルール・ガイドラインを整備する

AIを組織で活用するためには、ルールの整備が不可欠です。

整備すべきルール

  • 入力してはいけない情報:顧客の機密情報、個人情報、社内の非公開情報など
  • 使用するツール:組織として承認されたツールのリスト
  • 出力の確認プロセス:AIの出力をそのまま使わず、人間がチェックするフロー
  • トラブル時の対応:情報漏洩などの問題が発生した場合の報告・対応フロー

ステップ4:パイロットチームで検証し、横展開する

いきなり全社導入するのではなく、まずは少人数のパイロットチームで検証しましょう。

パイロット検証のポイント

  • 期間を決める:1〜3ヶ月程度の検証期間を設定
  • KPIを設定する:「提案書作成時間」「日報作成時間」など、具体的な指標を定める
  • フィードバックを収集する:使いやすさ、課題、改善点をヒアリング
  • 成功事例を作る:「AIを使ってこんな成果が出た」という事例を作り、横展開の材料に

よくある失敗パターンと回避策

失敗パターン1:ツールを入れて終わりになる

AIツールを導入しただけで満足してしまい、実際には活用されないケース。
→ 回避策:導入後の定着支援(トレーニング、活用事例の共有、定期的なフォロー)を計画に組み込む

失敗パターン2:属人化の別形態(AIを使える人だけが強くなる)

AIリテラシーの高い一部のメンバーだけがAIを使いこなし、組織全体への浸透が進まないケース。
→ 回避策:誰でも使えるプロンプトテンプレートを整備、定期的な勉強会・ナレッジ共有の実施

失敗パターン3:目的が不明確なまま導入する

「なんとなくAIを使いたい」で始めてしまい、何を達成したいのかが曖昧なケース。
→ 回避策:「何の課題を、どう解決したいのか」を明確にしてから導入を検討

セキュリティ・情報漏洩リスクと対策

AIを業務で活用する際、最も注意すべきなのがセキュリティです。特に営業活動では、顧客情報や商談内容など機密性の高い情報を扱うため、慎重な対応が必要です。

営業現場で起こりやすいAI関連のリスク

  • 情報漏洩リスク – 生成AIに入力した情報が、AIの学習データとして使用される可能性があります。顧客の機密情報や個人情報を入力してしまうと、情報漏洩につながるリスクがあります。
  • 誤情報の拡散リスク – AIが生成した情報が必ずしも正確とは限りません。ファクトチェックをせずに顧客に伝えてしまうと、信頼を損なう可能性があります。
  • 著作権・知的財産のリスク – AIが生成したコンテンツに、他者の著作物が含まれている可能性があります。提案書や資料にそのまま使用すると、著作権侵害のリスクがあります。

入力してはいけない情報のラインを決める

組織として「AIに入力してはいけない情報」を明確にしましょう。

入力NG情報の例

  • 顧客の個人情報(氏名、連絡先、所属など)
  • 顧客の機密情報(未公開の戦略、財務情報など)
  • 自社の機密情報(未発表の製品情報、価格戦略など)
  • 契約内容の詳細
  • パスワード、認証情報

入力OK情報の例

  • 公開されている企業情報
  • 一般的な業界動向
  • 自社製品の公開情報
  • 汎用的なビジネス文書のテンプレート

社内の利用ルールを決めるときのポイント

ルール策定のポイント

  • 具体的な例を示す:「〇〇は入力NG、△△は入力OK」と具体例を示す
  • 判断に迷った場合のフローを示す:「迷ったら上長に確認」などの指針を明確に
  • 定期的に見直す:AIの進化やセキュリティ環境の変化に応じてルールを更新

ルールを形骸化させないために

  • 研修の実施:ルールの内容と背景を全員に周知
  • 事例の共有:他社の情報漏洩事例などを共有し、リスクを実感させる
  • チェック体制の構築:AIの利用状況を定期的に確認

自社のプライバシーポリシー・規程をAIに読ませてチェックする方法

自社のセキュリティポリシーや利用規程が、AI活用のルールと整合しているかを確認するために、AIを活用することもできます。

例えば、NotebookLMに自社の情報セキュリティポリシーをアップロードし、「このポリシーに照らして、生成AIの業務利用で注意すべき点は何か?」と質問すれば、自社固有の観点からチェックポイントを抽出できます。

👇NotebookLMを使った実践的なチェック方法については、こちらで詳しく解説しています。

ChatGPTの情報漏洩リスクを3分で診断|NotebookLMでプライバシーポリシーを読み解く方法

ChatGPTの情報漏洩リスクを3分で診断|NotebookLMでプライバシーポリシーを読み解く方法

「ChatGPTを使いたいけど、情報漏洩のリスクが怖い…」「ネットに情報が溢れていて、結局何を信じればいいの?」 こんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。でも、安心してください。この記事を読めば、もうネット上…

まとめ|営業のAI活用は「3フェーズ×小さく始める」が成功の近道

今回は、営業活動における生成AI活用の全体像から、具体的な活用例、導入ステップ、セキュリティ対策まで徹底的に解説しました。

営業×AI活用のポイントをまとめると、以下の通りです。

✅営業プロセスを「リサーチ→提案・商談→後処理」の3フェーズに分解して考える
各フェーズでAIが支援できる領域を理解し、自社の課題に合った活用法を選ぶ
最初から完璧を目指さず、「小さく始めて、成功体験を積み重ねる」
セキュリティルールを整備し、安全にAIを活用する体制を作る

まずはどのフェーズから始めるべきかの考え方

「どこから始めればいいかわからない」という方は、以下の基準で選んでみてください。

  • すぐに効果を実感したいなら → 後処理フェーズ : 議事録や日報の自動化は、効果が目に見えやすく、導入ハードルも低いです。
  • 個人の生産性を上げたいなら → リサーチフェーズ : ChatGPTやPerplexityを使った情報収集は、個人で今日から始められます。
  • 組織全体の営業力を底上げしたいなら → 提案・商談フェーズ : トークスクリプトや想定問答の標準化は、属人化解消に直結します。

いずれにしても、「小さく始めて、成果を確認しながら広げていく」アプローチが成功の近道です。

AIを活用すれば、これまで時間を取られていた業務から解放され、本来やるべき「顧客との信頼関係構築」に集中できるようになります。ぜひ、この記事を参考に、営業活動へのAI活用を始めてみてください!


デジライズでは、生成AIの導入研修を行っています。個別のミーティングで業務内容をヒアリングし、現場で本当に使えるAI活用法を一緒に考えるところからスタートします。実際に使えるように、AIの専門家が伴走いたしますので、AI担当者がいない企業様でもご安心ください。

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この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。