チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン



1. 衝撃の発表!今回のアプデ概要解説

1-1. 革新的な新機能「Computer Use」

ついにAIがパソコンを物理的に操作する時代がやってきました。今回のClaudeの最新アップデートで注目を集めるのが「Computer Use」という新機能です。これまではテキストベースやAPI経由での操作が主流でしたが、「Computer Use」は人間が行うようにマウスやキーボードをAIが自動で操作することを可能にしました。この機能は仕事の効率化だけでなく、ユーザー体験を大きく変革する可能性を秘めています。

1-2. 世界初!AIがマウスとキーボードを操作する時代へ

「Computer Use」の最大の特徴は、GUI(Graphical User Interface)を通じた操作ができる点です。これまでAIの操作は、基本的にCLI(コマンドライン)や特定APIを介した自動化が主流でした。しかし今回、世界初となる「マウス」「キーボード」を物理的に擬似操作することで、これまで人間だけが行っていた様々な処理を、AIが自律的に行えるようになったのです。

たとえば、ソフトウェアのインストール画面でチェックボックスをクリックして次へ進む、Webブラウザーを開いて特定のURLを入力し、フォームに必要事項を記入して送信するといった、純粋に“人の手が必要”だった工程までもが自動化されます。

1-3. デモ映像で見るコンピューター操作機能の実際

この「Computer Use」機能を実演しているデモ映像が、以下のリンク先で公開されています。マウスカーソルが自動で動き、クリックやスクロールを行う様子は、まるで人間が操作しているかのように見えます。

参考動画: https://x.com/masahirochaen/status/1848875836436582561

映像では、AIが段階的なGUI操作をミスなく行い、フォームに必要事項を入力して送信まで完了する様子が確認できます。この技術が一般向けに解放されることで、私たちの仕事のスタイルや業務効率は大きく変わることが期待されます。


2. なぜ革新的なのか?Computer Use機能の全貌

2-1. 驚異の自動化能力:数百ステップの一括処理

「Computer Use」によって注目されるのは、数百ステップに及ぶ複雑な作業をまとめて自動実行できる点です。これまではRPA(Robotic Process Automation)が類似のことを行っていましたが、「Computer Use」はより汎用的かつ高度です。例えば、複数のWebサイトを横断して情報を収集し、そのままExcelやスプレッドシートにデータを転記する、といったタスクをワンクリックで処理できます。

2-2. エラー検出と自動リカバリー

RPAやマクロとの最も大きな違いは、エラーを自動検出しリカバリーできる点です。もしフォーム入力で想定外のポップアップが出たり、画面が切り替わらなかった場合も、AI自身が問題を認識して再試行します。これにより、ヒューマンエラーの介在を最大限に排除し、業務の安定運用が可能になります。

2-3. 24時間365日の稼働

AIによる操作のため、休憩や睡眠が不要です。人手不足や夜間作業などのリソース問題を解消するだけでなく、24時間365日稼働が可能。海外とのやり取りが必要な企業や、常にサーバー監視を行うIT部門などにとって、非常に心強い機能となるでしょう。

2-4. WebブラウジングからForm入力まで

「Computer Use」は、簡単なブラウジング操作やフォーム入力はもちろん、画像の判定やCAPTCHA入力などの複雑な操作にも対応しつつあります。今後は、オンラインバンキングの振り込み処理やECサイトでの定期的な在庫管理など、従来では人が必ず確認しなければならなかった領域にも、さらなる自動化の波が訪れる可能性があります。

2-5. 現状の限界と注意点:スクロール操作や初期設定の重要性

ただし、まだ完全無欠ではありません。スクロール操作が複雑なWebページなど、一部のUIでは動作が遅くなるケースが報告されています。また、大量の画面遷移が必要な高度なタスクの場合には、初期設定を丁寧に行うことが成功のカギを握ります。画面の解像度やブラウザの種類、使用するOSなど、環境ごとに最適化が必要です。

初期設定での制限事項

  • 高解像度ディスプレイに対応していない場合、カーソル位置の認識精度が低下
  • マルチモニター環境での操作には追加設定が必要
  • OSやブラウザのバージョンによっては一部機能が動作しない可能性あり

これらの制限は、今後のアップデートや追加開発によって改善される見込みです。導入時にはベンダーサポートを受けるなど、万全の体制をとっておくことが推奨されます。

2-6. 大手企業での活用事例

  • Asana:プロジェクト管理ツールへの自動入力やタスクの一括登録に活用
  • DoorDash:配送ルートの最適化とステータス更新作業に利用
  • Replit:アプリ開発のコード評価とデバッグレポート生成を自動化

たとえばAsanaでは、ミーティング記録や進捗管理のタスク登録が煩雑でしたが、現在はAIが自動で行うことで大幅な時短を実現しています。DoorDashのルート最適化にも応用されており、配送ドライバーへの指示出しがスムーズになりました。Replitでは、ユーザーから提出されたコードの評価や、テスト結果のまとめが従来より大幅に効率化されています。


3. 自動実行の歴史:AGIが歩んだ道

3-1. AGIの歴史を振り返る

AIがここまで進化する背景には、AGI(Artificial General Intelligence)の研究が大きく関わっています。汎用的なAIが人間と同等、あるいはそれ以上の知能を持つ構想は、長年SFの世界で語られてきました。近年は深層学習の進歩により、対話型LLM(Large Language Model)の飛躍的な性能向上が実現し、その延長線上で「Computer Use」のような物理的操作領域にも波及しているのです。

AGI研究の過程を振り返るうえで、以下のツイートが時系列で参考になります。

3-2. 時系列で見る自動実行技術の進化

  1. 1. 初期のRPA:決まったルールに基づく定型処理
  2. 2. 機械学習の導入:画像やテキスト認識にAIが応用される
  3. 3. 深層学習ベースの大規模言語モデル:多言語対応や高度な推論
  4. 4. 「Computer Use」の登場:AIがGUI操作を自動化し、人間の作業を包括的に代行

この流れの最先端が、まさに今回の「Computer Use」というわけです。


4. 進化したClaude 3.5 Sonnetの実力

4-1. コーディング性能で業界トップに

Claudeの新バージョン「Claude 3.5 Sonnet」は、コーディング性能に関して従来比で大幅に向上しました。コーディングベンチマークのスコアは、33.4%から49.0%に跳ね上がったとの報告があります。これはGitHub Copilotや他のAIコーディング支援ツールと比較しても、かなり高水準です。

4-2. GitLabの証言:10%の能力向上

GitLabが行ったテストでは、「10%の能力向上」が確認されています。特に注目すべきは推論能力が飛躍的に伸びている点です。複雑な依存関係を持つ大規模プロジェクトにおいても、適切なライブラリの選択や実装例をAIが即座に提示してくれます。一方で、レイテンシー(応答速度)はそれほど変わっていないため、実用面でのデメリットはほとんどありません。

4-3. コード生成の正確性向上とレビュー品質の進化

「Claude 3.5 Sonnet」では、コード生成時のバグ検出率が大幅に改善されました。さらに、提案されたコードをレビューする際のコメントや修正提案が、より正確かつ具体的になっています。これにより、開発者がコードを仕上げるまでの工数が削減され、コードの品質そのものが向上しやすくなっています。

4-4. なぜ無料で性能アップが可能に?Anthropicの技術革新

「Claude 3.5 Sonnet」は、基本的には既存のClaudeユーザーに対して追加料金なしで提供されるようです。背景には、Anthropicの技術革新と最適化による効率化があります。大規模言語モデルにおける計算資源のコストは依然高額ですが、それを抑えながら新機能を実装するノウハウを積み重ねた結果、ユーザーに負担をかけずに性能アップを実現できたとのこと。今後も継続的なアップデートが期待されています。


5. 待望の新モデル!Claude 3.5 Haiku

5-1. Claude 3 Opusを超える性能の秘密

さらに注目されているのが「Claude 3.5 Haiku」という新モデルです。先代モデルの「Claude 3 Opus」と比較して、処理速度と推論性能の両面で大幅に向上しています。特に、短文から長文まで多彩な文章を高精度に生成し、プログラミングやクリエイティブな文章作成にも対応できる柔軟性が評価されています。

5-2. 最適化された処理アルゴリズムとコスト効率

「Haiku」の特長は、最適化された処理アルゴリズムを採用している点です。これにより、GPUやTPUなどのハードウェア資源を従来よりも効率的に使うことが可能となり、コスト効率が飛躍的に向上しました。結果、ビジネス用途だけでなく、スタートアップや個人ユーザーでも気軽に試せるようになると見込まれています。

5-3. ビジネス活用シーン:リアルタイムレスポンスから大量データ処理まで

  • ・リアルタイムレスポンスが必要な場面:コールセンターの自動応答やチャットサポート
  • ・大量データ処理:顧客データの分析やレポート作成
  • ・ユーザー向けアプリケーション:Webサービスやスマホアプリへの組み込み

「Haiku」では、単なる大規模データ処理だけでなく、その結果を即時に要約し、対話形式で出力することができます。そのため、たとえばカスタマーサポートツールとして統合すれば、問い合わせ内容の要約や最適解を即座に提示できるのです。

5-4. 今後のアップデート予定

公式情報によると、「Claude 3.5 Haiku」は今月の後半にリリース予定とされています。さらに、その次のマイナーアップデートでは、処理速度をもう一段階引き上げるためのオプション機能が搭載されるとのこと。今後も目が離せません。


6. AIの未来が見えた!安全性への取り組み

6-1. US AISとUK AISIによる技術安全性評価と倫理的影響評価

AIが社会インフラの一部となる今、安全性と倫理性の確保は最重要課題です。Anthropicはリリース前に、米国のUS AIS(技術安全性評価)と英国のUK AISI(倫理的影響評価)による厳格な審査を受けています。これにより、「Computer Use」機能や新モデル「Claude 3.5 Sonnet」「Claude 3.5 Haiku」も、一定の安全基準を満たしていることが保証されました。

6-2. セキュリティ対策:新型スパム検知システム

セキュリティ面で注目されるのが、新型スパム検知システムの導入です。AIによる大量操作が可能になる一方で、不正アクセスやボット攻撃のリスクも高まります。そこでAnthropicは、不審な挙動を自動で検出し、攻撃とみなされる動きを即座にブロックする仕組みを実装しました。さらに、不正利用防止機能として、APIキーの制限やアクセスログの可視化などを強化しています。

6-3. Anthropicの責任あるAI開発

Anthropicは、「責任あるAI開発」を掲げており、透明性・説明責任・ユーザーのプライバシー保護に重点を置いています。たとえば、「Computer Use」の動作ログをユーザーが自由に閲覧できるようにすることで、不正な操作が行われていないかどうかを簡単に確認可能です。こうした取り組みが、企業としての信頼度を高めている要因とも言えます。


7. 驚愕の活用事例5選(+活用動画付き2選)とこれからの展望

7-1. 自動検索&フォーム記入:スプシ(スプレッドシート)連携の可能性

まず最初の活用動画では、スプレッドシートに載っている企業リストをAIが自動で読み込み、各企業のWebサイトを検索し、問い合わせフォームを発見して必要事項を記入・送信する工程が映し出されています。

参考動画: https://x.com/masahirochaen/status/1848883640182444176

この機能を使えば、リード獲得やセールスの自動化、マーケティング活動の効率化に大きく役立ちます。従来、営業担当者が手作業で行っていたアプローチが、ボタン一つで完了する未来が現実になりつつあります。

7-2. Google+地図検索で最適な旅行プランを立案し、カレンダー登録

二つ目の活用動画では、Googleと地図検索を組み合わせて最適な旅行プランをAIが自動的に立案し、日程を調整してカレンダーに記入する様子が紹介されています。

参考動画: https://x.com/masahirochaen/status/1848884860993343560

飛行機やホテルの予約画面に自動で遷移し、必要な個人情報を入力して確定まで行う、という使い方も今後拡張されていくことでしょう。

7-3. 仕事で使える具体的な活用事例5選

1. データ入力業務の完全自動化

  • ・導入効果:作業時間を80%削減
  • ・具体例:請求書処理や経費精算システムへのデータ入力を自動化

請求書をスキャン・OCRで読み取り、必要情報を経理システムに入力する一連の流れも「Computer Use」を活用すれば自律的に処理できるようになります。

2. Web調査・レポート作成

  • 複数サイトからの情報収集
  • レポートの自動生成

たとえば競合他社のニュースや商品情報を定期的に収集し、社内向けにレポートをまとめる業務。これもAIが自動でWebブラウザを操作し、関連情報を取得、さらに分析レポートまで出力可能です。

3. プログラミング補助

  • バグ修正の自動化
  • テストコード生成

「Claude 3.5 Sonnet」の優れたコーディング性能と組み合わせれば、ソフトウェア開発の生産性が飛躍的に高まります。既存のコードを読み込み、バグを検出・修正し、テストコードまで生成。さらに、そのコードの品質を自動レビューすることも可能です。

4. カスタマーサポート効率化

  • FAQ自動生成
  • 問い合わせ対応の自動化

カスタマーサポートセンターに寄せられる質問への回答をAIが行うだけでなく、そのやり取りをもとにFAQを自動生成する機能が期待されています。24時間対応が当たり前の現代において、コスト削減と顧客満足度の向上の両立に大きく貢献します。

5. マーケティング業務支援

  • SNS投稿の一括管理
  • アナリティクスレポート作成

複数のSNSアカウントをまたいだ投稿スケジュール管理、フォロワー分析、広告出稿管理など、マーケティング担当者の業務をまとめて一元管理することが可能になります。さらに、キャンペーンの結果をレポート化し、社内プレゼン用の資料を自動生成することも実現できます。

7-4. 他のLLMとの比較:GPT-4や特化型AIとの性能差

「Computer Use」や「Claude 3.5 Haiku」、「Claude 3.5 Sonnet」の機能を最大限活用するには、他のLLM(たとえばOpenAIのGPT-4)との比較検討も重要です。GPT-4は多用途に優れ、圧倒的な知識量を持っていますが、GUI操作の自動化に関しては、まだ限定的なサポートしか提供していません。

また、特化型AI(音声認識特化、画像認識特化など)と比べた場合、Claudeシリーズは汎用性に秀でているのが特徴です。幅広い業務を一括で自動化できる点で、総合力が高いと言えます。


8. まとめ:今後の生成AIの進化の展望

今回紹介した「Computer Use」や「Claude 3.5 Sonnet」「Claude 3.5 Haiku」は、AIが実際のパソコン操作までをも代替する時代が到来したことを象徴しています。企業にとってはリソース不足やコスト削減の切り札になり、個人にとっては煩雑な作業から解放されてクリエイティブな活動に集中できる大きなメリットがあります。

8-1. Anthropic Computer Use Demo API版導入ガイドへのリンク

より具体的な導入手順やDockerを使った実践方法などは、以下のガイドが詳しいです。

このガイドでは環境構築の手順や制限事項の回避策、実際に操作を行うためのAPIエンドポイント設定など、導入時に知っておくべきポイントが網羅されています。

8-2. 今後のClaudeアップデートに期待するポイント

  • 操作精度のさらなる向上:スクロールやドラッグ&ドロップなど、複雑なマウス操作への対応強化
  • 多言語対応:グローバル企業での展開を考慮した、多言語のUI操作
  • プライバシー保護の強化:機密情報を扱うユーザー向けの暗号化・ログ管理の徹底
  • 新しい応用分野の開拓:医療分野や教育分野での自動操作の可能性

こうしたアップデートによって、AIが社会のあらゆる場面に進出し、私たちの生活をより豊かにしてくれる未来は、もう目の前にあります。


総括

Computer Use」の登場は、AIが単なる“アシスタント”から“オペレーター”としての地位を確立したことを意味します。数百ステップにわたる作業をミスなくこなし、24時間365日の運用を実現するこの技術は、業務効率化に加え、社会全体の生産性を大きく底上げする可能性を秘めています。

さらに、「Claude 3.5 Sonnet」や「Claude 3.5 Haiku」などの新モデルは、コーディング支援から文章生成まで、汎用的なタスク処理能力を飛躍的に向上させました。これらが組み合わさることで、多くの企業や組織がデジタルトランスフォーメーションを加速させ、革新的なサービスを生み出す下地が整いつつあります。

今はまだ、スクロール操作や複雑なUI操作に課題も残りますが、Anthropicをはじめとする各社が責任あるAI開発を推し進めることで、私たちの仕事や生活はより便利で安全な方向へと進化していくでしょう。次に訪れる大きなアップデートや新機能の追加に、ぜひ注目してみてください。

仕事の仕方が大きく変わり、新たなイノベーションが生まれるタイミングは、そう遠くありません。あなたのビジネスや個人のプロジェクトにとって、この波に乗るか乗らないかは、今後の成長を大きく左右するかもしれません。もし少しでも興味を持ったなら、まずはデモ動画やAPIガイドをチェックし、いち早く未来を体験してみることをおすすめします。

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー15万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。

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