チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

「友人と旅行の計画を立てたいけど、調べるのが面倒…」
「チームでアイデア出しをしたいけど、議論が煮詰まってしまう…」

そんな悩みを一瞬で解決する新機能が、ついにChatGPTに登場しました。その名も 「グループチャット」。これは、ただ複数人でチャットできるだけではありません。会話の中に “ChatGPTという超有能なメンバー” を招待し、一緒に作業ができる画期的な機能です。

「でも、どうせ有料なんでしょ?」「仕事で使って大丈夫なの?」

そんな疑問を持つあなたのために、この記事ではChatGPTグループチャットの全貌を徹底解剖します。使い方はもちろん、料金体系、そして絶対にお伝えしておきたい「業務利用の落とし穴」まで、どこよりも詳しく解説します。


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ChatGPTグループチャットの概要

まずは「グループチャットって何ができるの?」という基本から押さえましょう。一言で言えば、 「LINEのグループトークに、なんでも知っているAIが一人参加している状態」です。

主なスペックと特徴

OpenAIが発表したグループチャット機能の詳細は以下の通りです。

  • 参加人数: ユーザー同士に加え、ChatGPTが同じ会話に参加可能(最大20人まで招待可能)
  • 対応デバイス: Webブラウザ、iOSアプリ、Androidアプリ
  • 利用モデル: GPT-5.1 Auto が搭載されており、プロンプトに応じて最適なモデルが自動選択されます。
  • プライバシー: グループチャットは個別のチャットとは完全に分離されています。個人の「メモリ(記憶機能)」がグループ内で勝手に共有されることはありません。

これまでの「1対1」の孤独な作業から、「チーム×AI」の協働作業へと進化するための第一歩となる機能です。

料金と利用条件(個人版が対象)

「すごい機能だけど、高いんじゃないの?」と心配な方、ご安心ください。実はこの機能、かなり太っ腹な提供形態になっています。

利用可能なプラン

なんと、無料プランを含む以下の全プランで利用可能です。

  • Free (無料版)
  • Go
  • Plus (月額20ドルの個人有料版)
  • Pro (月額200ドルの上位版)

追加料金は?

不要ですただし、ChatGPTが回答を生成した際の「利用回数(レート制限)」は、「その回答を引き出した(質問した)ユーザーのプラン」に基づいてカウントされます。つまり、無料ユーザーが質問すれば無料枠が、Plusユーザーが質問すればPlus枠が消費される仕組みです。

【重要】法人プランの扱いは?

現時点で、この機能はあくまで「個人アカウント(Free/Plus等)」向けの機能として展開されています。企業向けの「ChatGPT Team」や「Enterprise」プランでの対応状況とは異なるため、後述する「法人ユーザーが知るべきポイント」を必ず確認してください。

ChatGPTグループチャットの始め方(スクショ付き)

1. 新規または既存のチャット画面の右上にある「人物アイコン」をタップ(クリック)します。

2. 「グループチャットを開始する」で開始できます。

既存のチャットをグループ化する場合

すでにChatGPTと話している内容に、途中から友人を呼びたい場合もありますよね?その場合も右上から招待すればOKです。このとき、「元の会話のコピー」が新しいグループチャットとして作成され、元の個人的なチャット履歴はそのまま残ります。プライバシーへの配慮も完璧ですね。

@ChatGPT でAIを呼び出す方法

グループチャットでは、人間同士が話している間、ChatGPTは空気を読んで黙っています(文脈に応じて自動で入ってくることもあります)。「ここぞ!」という場面でAIに答えさせたい場合は、メッセージ内で 「@ChatGPT」 とメンションを付けて呼びかけましょう。

ChatGPTグループチャットでできること

では、具体的にどんなことができるのでしょうか。単なる会話だけでなく、マルチモーダルな機能がフル活用できます。

会話のサポートと自動要約

議論が散らかったときに「これまでの話をまとめて」と頼んだり、中立的な立場で意見をもらったりできます。

画像・ファイルのアップロード

スマホに入っている写真をアップロードして、「この食材で作れるレシピを教えて」といった相談が可能です。PDFなどのドキュメントを共有して、全員で内容を確認することもできます。

画像生成・プロフィール作成

グループのプロフィール画像をDALL-E 3で作ったり、アイデア出しのためにビジュアルを生成したりできます。参加メンバーのプロフィール写真を参照して、パーソナライズされた画像を作るなんて芸当も可能です。

検索機能(ブラウジング)

最新のニュースや天気、レストラン情報などをChatGPTがWeb検索して、チャット内に情報を持ち込んでくれます。

ChatGPTグループチャットでできないこと

万能に見えるグループチャットですが、個人用チャットとは異なり「使えない機能」もあります。ここを理解しておかないと、「あれ?できない!」となってしまうので注意しましょう。

  • Canvas(キャンバス)機能: 文章やコードを別ウィンドウで編集する機能は非対応です。
  • Deep Research: 深い調査を行う機能は使えません。
  • 高度な音声会話: リアルタイムの音声対話モードなどは現在非対応です。
  • 個人用メモリの利用: 「私の好み覚えてるよね?」といった、個人の記憶に基づいた回答はできません(グループ専用のコンテキストのみ保持されます)。
  • エージェントモード: AIエージェントとしての自律的な動きは制限されています。

個人利用での具体的な活用例

ここでは、実際に役立つ「自然な使い道」をいくつか紹介します。

①旅行の計画を友人とAIで作る

「3人で京都に行くんだけど、穴場のカフェとルートを考えて」と投げかけます。友人の要望(「抹茶スイーツ食べたい」「歩きたくない」など)を追加していけば、ChatGPTが調整役として完璧な旅程を組んでくれます。

②勉強グループで要点整理

学生や資格試験の仲間と、わからない問題を共有。「@ChatGPT この問題を小学生でもわかるように解説して」と頼めば、全員で理解を深められます

③画像→レシピ提案

冷蔵庫の中身を写真に撮ってグループにアップ。「今夜はこの中身で鍋パをしたい。何鍋ができる?」と聞けば、買い足すべき材料まで教えてくれます。

④SNS投稿のネタ会議

「今度の投稿、どっちの写真がいいと思う?」と画像をアップし、友人からの意見とChatGPTからの分析(「構図的にはAの方がクリック率が高そうです」など)を同時に得られます。

法人ユーザーが知るべきポイント

「グループチャット便利そう!明日から会社のチームで使おう!」と思った方、ちょっと待ってください。企業で利用する場合には、大きなリスクとチャンスが背中合わせになっています。

社員の“個人アカウント利用”が業務効率に影響する

現実として、多くのビジネスパーソンが個人のChatGPTアカウントを業務(の下調べや壁打ち)に利用しています。このグループチャット機能が解禁されたことで、以下のような業務が加速するでしょう。

  • 会議前のブレスト: 同僚とChatGPTを入れて、会議のアジェンダをサクッと作る。
  • ランチミーティング: お店の予約や移動ルートの検索をAIに任せる。
  • 日報やメモの要約: チーム内の連絡事項をAIにまとめさせる。

これらは業務効率を劇的に上げますが、同時にリスクも孕んでいます。

企業情報の入力はNG

絶対に忘れてはいけないのが、この機能はあくまで 「コンシューマー(個人)向け」 であるという点です。

  • データ学習: 個人アカウントの設定によっては、入力データがAIの学習に使われる可能性があります。
  • 管理外の共有: 招待リンクさえあれば誰でも入れてしまうため、意図せず社外の人が会話を見るリスクがあります。
  • 機密情報の扱い: 顧客リスト、未公開の製品情報、社外秘の会議録などをアップロードすることは厳禁です。

企業として整備すべきルール

企業としては、ただ「禁止」にするのではなく、安全な利用ルールを設けることが重要です。

  1. 入力禁止情報の定義: 「個人情報」「機密情報」は絶対に入力しないよう徹底する。
  2. オプトアウト設定: 業務で使う場合は、必ず設定から「モデルの改善(学習)」をオフにするよう指導する。
  3. リンク管理: 招待リンクをSNSなどで不用意に拡散しない、用が済んだらリンクをリセット・削除する。

よくある質問(FAQ)

Q. 無料プランでも使えますか?

はい、Freeプランを含む全ての個人プランユーザーが利用可能です。

Q. 何人まで参加できますか?

自分を含めて最大20人まで参加可能です。

Q. 業務で使ってもいいですか?

個人アカウントで利用する場合、機密情報の入力は禁止すべきです。あくまでアイデア出しや下準備、壁打ち(ブレインストーミング)の範囲に留めるのが安全な運用と言えるでしょう。

Q. 将来的にEnterpriseプランでも使えそうですか?

現状、公式からの言及はありません。ただ、BusinessやEnterpriseプランには既に「Projects(プロジェクト)」などの共有機能や高度な管理機能が備わっているため、組織的なコラボレーションにはそちらの活用を検討するのが現実的です

Q. グループチャットの内容は学習されますか?

グループ内のユーザーの誰か1人でもデータコントロール設定で「モデルの改善」をオフにしていれば、その会話は学習に使われません。しかし、念のため機密情報は入力しないのが安全です。

Q. 途中から参加した人は過去の会話が見れますか?

はい、新しく参加したメンバーも、そのグループチャットの全ての会話履歴を見ることができます。

まとめ

ChatGPTの「グループチャット」は、AIを個人の道具から 「チームのパートナー」 へと進化させる画期的な機能です。

  • 誰でも無料で使える (最大20人まで)
  • 検索や画像生成も共有できる
  • ただし、企業秘密の入力は厳禁

この3点を押さえておけば、プライベートでも仕事の準備でも、最強の武器になることは間違いありません。まずは仲の良い同僚や友人を誘って、未来のコラボレーションを体験してみてください!

デジライズでは、生成AIの導入研修を行っています。個別のミーティングで業務内容をヒアリングし、現場で本当に使えるAI活用法を一緒に考えるところからスタートします。実際に使えるように、AIの専門家が伴走いたしますので、AI担当者がいない企業様でもご安心ください。

まずは情報収集からでも歓迎です。導入の流れや支援内容をまとめた資料をこちらからご覧いただけます。

参考

ChatGPT 料金プラン
ChatGPT でのグループチャットのパイロット提供を開始
ChatGPT Help

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー16万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。