「金融機関で生成AIを使いたいけど、具体的にどんなプロンプトを打てばいいの?」
「融資審査やリスク管理の文書作成をAIで効率化したいけど、コンプライアンス面が心配…」
本記事では、融資審査・リスク管理・顧客対応・コンプライアンス・レポート作成など金融機関の主要業務で今日から使えるプロンプトを、ChatGPTの実行スクリーンショット付きで紹介します。コピペしてそのまま使えるよう、入力データの例も含めて掲載しています。
金融機関×生成AIの業界動向・大手事例・導入ロードマップなど全体像を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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金融機関で生成AIが注目される理由

金融業界は、膨大な文書処理・厳格なコンプライアンス対応・複雑なリスク分析など、生成AIが大きな効率化効果を発揮できる業務が数多く存在します。融資稟議書の作成、リスクレポートの整理、顧客への提案資料のドラフトなど、金融パーソンの日常業務の多くは「テキスト作成」で占められています。
メガバンクや大手保険会社を中心に、生成AIの業務活用は急速に広がっています。社内文書の検索・要約、顧客対応の効率化、レポート作成の自動化など、「まず使える領域から始めて、徐々に拡大する」アプローチで成果を上げている機関が増えています。
ただし、金融機関での生成AI活用には、個人情報や機密データの取り扱いに細心の注意が必要です。プロンプトに顧客の実名や口座情報を直接入力することは避け、テストデータやダミーデータを使って出力形式を確認してから実業務に適用するのが鉄則です。
そこで本記事では、金融機関の主要業務で「コピペしてすぐに使える」プロンプトを厳選しました。すべてChatGPTの実行スクリーンショット付きで、テストデータでのデモを掲載しています。
プロンプト活用のコツ:金融業界で成果を最大化する3つのポイント

プロンプトは「コピペして終わり」ではなく、自社の業務に合わせてカスタマイズすることで真価を発揮します。ここでは、金融機関の現場でプロンプトの効果を最大化するための3つのポイントを紹介します。
1. 自社の業務データを組み込む
プロンプト内のサンプルデータを、自社の実際のデータに置き換えるだけで出力精度が格段に上がります。例えば融資稟議書のプロンプトなら、業種・売上規模・融資希望額・担保条件をテストデータで入力し、出力フォーマットを確認してから、実案件に適用するのが安全です。
2. 出力形式を明確に指定する
生成AIは「どんな形式で出力してほしいか」を指定すると、そのまま業務に使えるアウトプットを返してくれます。例えば「稟議書フォーマットに準拠して」「リスクマトリクスを表形式で」と指定すれば、社内の既存書式に合わせた出力が得られます。
3. フィードバックループで精度を上げる
1回で完璧な出力を期待するのではなく、出力結果を見て追加指示を出す「対話型」の使い方が効果的です。例えば、リスク分析の出力が「定性的すぎる」と感じたら、「定量的なリスクスコアと対応優先度を含めて」と追加指示すれば、実務で判断材料になるレポートに仕上がります。
金融機関で使える!シーン別プロンプト集【10選】
ここからが本記事の核心部分です!金融機関の現場で実際に使える シーン別のプロンプト例 を厳選して10個ご紹介します。コピペしてすぐに使えるので、ぜひ明日から試してみてください。
※なお、スクリーンショットには、テストデータでのデモを掲載しています。
①【法人営業】決算書の要点分析
シーン: 訪問前に顧客企業の決算書を素早く把握したいとき
# 指示
あなたは金融機関の法人営業担当者をサポートするアナリストです。
以下の決算書データから、融資提案に活用できる分析を行ってください。
# 分析の視点
1. 収益性:売上高推移、利益率の変化、業界平均との比較
2. 安全性:自己資本比率、流動比率、有利子負債の状況
3. 成長性:前年比成長率、設備投資の状況
4. 資金ニーズの仮説:上記分析から想定される資金需要
# 出力形式
・各観点について3〜5行で簡潔にまとめる
・数値は具体的に記載する
・最後に「提案の切り口」を3つ箇条書きで提示する
# 決算書データ
(ここに決算書の主要数値を貼り付け)
ポイント: 出力された分析結果は必ず原典(決算書)と照合してください。数値の誤りがないか確認することが重要です。
【スクリーンショット】

②【法人営業・審査】融資稟議書のドラフト作成
シーン: 融資案件の稟議書を効率的に作成したいとき
# 指示
あなたは金融機関の融資審査をサポートする専門家です。
以下の情報をもとに、融資稟議書のドラフトを作成してください。
# 案件概要
・申込人:株式会社〇〇(製造業・自動車部品)
・融資金額:3億円
・資金使途:生産設備の更新投資
・返済期間:7年(元金均等)
・担保:対象設備に譲渡担保設定
・保証:代表者保証あり
# 企業情報
・年商:25億円(前年比+5%)
・経常利益:1.2億円(利益率4.8%)
・自己資本比率:32%
・既存借入残高:5億円(うち当行2億円)
・取引歴:15年、メイン行
# 稟議書の構成
1. 案件概要(申込内容の要約)
2. 企業概要・業績推移
3. 資金使途の妥当性
4. 返済能力の検証(キャッシュフロー分析)
5. 担保・保証の評価
6. リスク要因と対応策
7. 審査意見・結論
# 出力形式
・各項目について2〜3段落で記載
・定量的な根拠を明示する
・リスク要因は必ず3つ以上挙げる
ポイント: 顧客の具体的な財務数値や機密情報を入力する場合は、必ず閉域環境の生成AIを使用してください。出力内容は審査部門のレビューを経て最終化しましょう。
【スクリーンショット】

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③【コンタクトセンター】問い合わせ対応の回答案作成
シーン: 顧客からの問い合わせに対する回答案を素早く準備したいとき
# 指示
あなたは金融機関のコンタクトセンターを支援するAIアシスタントです。
以下の顧客問い合わせに対して、オペレーターが使える回答案を作成してください。
# 顧客問い合わせ内容
「住宅ローンの繰上返済をしたいのですが、手数料はかかりますか?また、いつまでに申し込めば今月中に処理されますか?」
# 社内規定
添付の社内規定
(テキストファイルなどで社内規定を添付)
# 回答作成の条件
・正確性を最優先し、不明点は「確認が必要」と明記
・専門用語は平易な言葉に言い換える
・回答は3〜4文で簡潔に
・必要に応じて補足情報(必要書類など)を追記
# 出力形式
1. メイン回答(そのまま読み上げ可能な文章)
2. 補足情報(箇条書き)
3. 確認が必要な事項(あれば)
ポイント: 手数料や期限などの具体的な数値は、必ず自社の最新情報で確認してから顧客に伝えてください。
【スクリーンショット】

④【コンタクトセンター】FAQ記事の自動生成
シーン: 問い合わせ履歴からFAQを効率的に作成したいとき
# 指示
あなたは金融機関のFAQ作成を担当する専門家です。
以下の問い合わせ履歴データから、FAQ記事を作成してください。
# 問い合わせ履歴
(過去1ヶ月の問い合わせ内容をテキストファイルなどで添付)
# FAQ作成の条件
・質問は顧客が実際に使う言葉で記載
・回答は200字以内で簡潔に
・関連するFAQへのリンク候補も記載
・カテゴリ分類を付与(口座、ローン、カード、投資、その他)
# 出力形式
Q: 〇〇〇〇?
A: 〇〇〇〇。
カテゴリ: 〇〇
関連FAQ: 〇〇
ポイント: 問い合わせ履歴を入力する際は、個人情報(氏名、口座番号など)を必ず削除・匿名化してください。
【スクリーンショット】

⑤【リスク管理・コンプラ】規制文書の要点抽出
シーン: 新しい規制やガイドラインの要点を素早く把握したいとき
# 指示
あなたは金融規制に精通したコンプライアンス専門家です。
以下の規制文書から、当社の業務に関連する要点を抽出してください。
# 規制文書
(金融庁ガイドライン等のテキストを添付)
# 抽出の観点
1. 当社に求められる対応事項(義務的なもの)
2. 推奨される対応事項(努力義務・ベストプラクティス)
3. 対応期限・経過措置の有無
4. 違反時のリスク・罰則
# 出力形式
・各観点について箇条書きで整理
・原文の該当箇所を引用(「」で括る)
・不明確な点は「要確認」と明記
ポイント: 規制文書の解釈は最終的に法務部門や外部専門家に確認してください。AIの出力はあくまで「初期整理」として活用しましょう。
【スクリーンショット】

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⑥【リスク管理・コンプラ】社内規程のドラフト作成
シーン: 生成AI利用に関する社内規程を新規作成・改訂したいとき
# 指示
あなたは金融機関の規程作成を支援する法務専門家です。
以下の条件で「生成AI利用に関する社内規程」のドラフトを作成してください。
# 規程の目的
・生成AIの適正な利用を確保する
・情報漏洩・ハルシネーションリスクを低減する
・利用状況を適切にモニタリングする
# 盛り込むべき項目
1. 目的・適用範囲
2. 定義(生成AI、プロンプト等)
3. 利用可能なツール・サービス
4. 入力禁止情報の定義
5. 出力結果の取扱い(確認義務等)
6. 利用記録・モニタリング
7. 違反時の対応
8. 規程の見直し
# 出力形式
・条文形式(第1条、第2条…)
・各条文は3〜5項程度
・注釈欄に「カスタマイズのポイント」を記載
ポイント: ドラフトは必ず法務部門・コンプラ部門のレビューを経てから正式化してください。
【スクリーンショット】

⑦【リスク管理・コンプラ】AML/KYC調査メモの作成
シーン: 顧客のリスク評価に必要な調査メモを効率的に作成したいとき
# 指示
あなたは金融機関のAML/KYCの専門家です。
以下の情報をもとに、顧客リスク評価のための調査メモを作成してください。
# 顧客情報
・顧客区分:法人
・業種:貿易業(機械部品の輸出入)
・設立年:2018年
・取引目的:輸入代金決済、為替予約
・想定取引規模:月間5,000万円程度
・取引相手国:中国、ベトナム、タイ
(テキストファイルなどで添付してもよい)
# 調査メモの構成
1. 顧客概要の整理
2. 業種リスクの評価(ハイリスク業種該当有無)
3. 地理的リスクの評価(制裁対象国、高リスク国との取引有無)
4. 取引目的・規模の妥当性
5. 追加確認が必要な事項
6. 総合リスク評価(高・中・低)と根拠
# 出力形式
・各項目について簡潔に記載
・リスク要因は具体的に列挙
・確認すべき追加資料があれば明記
ポイント: 顧客の実名や具体的な取引情報を入力する場合は、必ず閉域環境の生成AIを使用してください。最終的なリスク評価は担当者・上位者の判断で確定させてください。
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⑧【市場部門・リサーチ】市況コメント・マーケットレポートの作成
シーン: 日次・週次の市況コメントやマーケットレポートを効率的に作成したいとき
# 指示
あなたは金融機関の市場部門に所属するマーケットアナリストです。
以下の情報をもとに、顧客向け市況コメントを作成してください。
# 本日の市場データと主なニュース・材料
添付のテキストファイルを参照してください。
(テキストファイルで市場データとニュースを貼り付ける。もしくは、インターネット検索を使用できる生成AIであれば、検索機能を使用して回答を作成することも可能)
# レポートの構成
1. サマリー(3行程度)
2. 株式市場の動向と背景
3. 為替・金利市場の動向
4. 注目材料と今後の見通し
# 出力形式
・合計400〜500字程度
・専門用語には簡単な補足を付ける
・断定を避け「〜と見られます」等の表現を使用
ポイント: 市場データは必ず最新の公式データで確認してください。
💡 LSEG×ChatGPT連携で変わる未来
2025年12月に発表されたLSEGとOpenAIの提携により、今後はChatGPTからLSEGの金融市場データ・ニュースに直接アクセスできるようになります。これが実現すると、上記のような市況レポート作成が、データ取得から分析・執筆まで 一気通貫で対話的に行える ようになります。
参考:LSEG「LSEG announces new collaboration with OpenAI」
市場部門のリサーチ業務は、この連携によって大きく変わる可能性があります。今のうちからプロンプト設計のスキルを磨いておくことをおすすめします。
【スクリーンショット】

⑨【リテール・ウェルスマネジメント】顧客向け運用報告書のドラフト作成
シーン: 富裕層顧客への定期運用報告書を効率的に作成したいとき
# 指示
あなたは金融機関のウェルスマネジメント部門に所属するアドバイザーです。
以下の情報をもとに、顧客向け四半期運用報告書のドラフトを作成してください。
# 顧客プロファイル
・氏名(仮名):山田雅人様(65歳)
・家族構成:配偶者と2人暮らし。子どもは独立済み。
・年間支出:およそ750万円(旅行・趣味に年間120万円程度)
・今後の資金需要:3年以内に自宅リフォーム予定(300万円)。孫への教育資金支援を検討。
・投資経験:20年以上。退職後はリスクをやや抑えた運用を希望。
・インカム利用方針:配当・利息は生活費の補填に充当、原則再投資は行わない。
・運用開始時期:2022年4月。累積リターン +13.4%。
(テキストファイルなどを添付してもよい)
# ポートフォリオ状況
・国内株式:30%(評価額3,000万円、期間収益+5.2%)
・外国株式:20%(評価額2,000万円、期間収益+8.1%)
・国内債券:30%(評価額3,000万円、期間収益+1.2%)
・外国債券:15%(評価額1,500万円、期間収益+3.5%)
・現預金:5%(評価額500万円)
・合計リターン(四半期):+4.2%
# レポートの構成
1. エグゼクティブサマリー
2. 市場環境の振り返り
3. ポートフォリオ運用実績
4. 資産クラス別コメント
5. 今後の見通しと運用方針の確認
6. 次回面談に向けた論点
# 出力形式
・顧客が読みやすい平易な表現で記載
・図表を挿入すべき箇所は【図表】と明記
・合計800〜1,000字程度
ポイント: 顧客の具体的な資産情報を入力する場合は、必ず閉域環境の生成AIを使用してください。運用アドバイスに関わる部分は、コンプライアンス部門のレビューを経てから顧客に提供しましょう。
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⑩【人材育成】営業ロールプレイのシナリオ作成
シーン: 新人研修用の営業ロールプレイシナリオを効率的に作りたいとき
# 指示
あなたは金融機関の研修プログラム設計の専門家です。
以下の条件で、新人営業担当者向けのロールプレイシナリオを作成してください。
# 研修の目的
・住宅ローンの提案スキルを身につける
・顧客の潜在ニーズを引き出す質問力を養う
・反論への対応力を強化する
# シナリオの条件
・顧客役:30代夫婦、共働き、第一子誕生予定
・検討段階:情報収集中、他行も検討
・想定される反論:金利が高い、審査が厳しそう
など。テキストファイルを添付してもよい。
# 出力形式
1. 顧客プロフィール(詳細設定)
2. 会話の流れ(営業役・顧客役のセリフ例)
3. 顧客が出す反論とその背景
4. 模範的な切り返し例
5. 評価ポイント(チェックリスト形式)
ポイント: シナリオのバリエーションを増やしたい場合は、顧客属性(年代、家族構成、検討段階など)や反論パターンを変えて複数パターン生成すると効果的です。実際の営業現場で起きた成功・失敗事例をベースにカスタマイズすることで、より実践的な研修につながります。
【スクリーンショット】

まとめ:プロンプトは「試してから磨く」が最短ルート
本記事で紹介したプロンプトは、そのまま使うだけでも効果がありますが、自社の業務フローや用語に合わせてカスタマイズすることで、さらに精度が上がります。まずはコピペで試してみて、出力を見ながら調整していくのが最短ルートです。
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