チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

1. はじめに:なぜAIでX投稿を自動生成すると「バズり」やすいのか?

かつては何度も投稿を試行錯誤しながら「どんな内容が伸びるか」を地道に分析する必要がありました。しかし、AI技術が進化した今、過去の投稿データを素早く分析して「伸びるパターン」を抽出し、そのパターンを使って新しい投稿を自動生成することが可能になっています。

AIの強みその1:大量のデータ処理

人間が数百~数千件の投稿を全部チェックし、各投稿のエンゲージメント(いいね数、リツイート数、インプレッション数など)を分析するのは大変ですが、AIなら一瞬で可能です。

AIの強みその2:文章生成のクオリティ向上

近年のGPT系モデル(ChatGPTやClaudeなど)は、文章生成のクオリティが目覚ましく向上。人間の書いた文章と見分けがつかないレベルで、かつ効果的な訴求をする文章を生み出します。

AIの強みその3:継続的な学習と改善

一度構築したシステムプロンプトをベースに、追加の投稿分析を行ったりフィードバックを与えることで、さらにバズりやすい投稿パターンをアップデートし続けることができます。

こうした背景から、AIを使って自分のXアカウントを強化する流れは加速しています。それでは、実際の「超時短」かつ「バズる投稿の自動生成フロー」を見ていきましょう。

2. X投稿を自動生成する流れ【全体像】

今回のセミナー内容では、大まかに次の5ステップで自動生成を行います。

1. X投稿の3ヶ月分をダウンロード(エクスポート)

2. Claude or ChatGPTで伸びている投稿の型を分析・抽出

3. その分析結果をもとにシステムプロンプトを作成

4. システムプロンプトを組み込んだチャットボットを作成

5. 実際にキーワードを投げてバズる投稿を自動生成する

これらのステップを順番に踏めば、最短で今すぐにでも「あなた専用のバズる投稿生成システム」を構築できます。いちど型やチャットボットを作ってしまえば、あとはキーワードを入力するだけで投稿がどんどん生まれる、まさに魔法のような仕組みです。

3. ステップ1:過去3ヶ月分のX投稿をダウンロードする方法

まず取り組むべきは、自分のアカウント(もしくはターゲットにしたいアカウント)の直近のX投稿を一括でダウンロードすることです。これには、Xの公式機能である「データアーカイブリクエスト」またはサードパーティの分析ツールが使えます。

3-1. X公式のデータアーカイブ機能

1. Xの設定画面に移動

2. 「アカウント」→「データのダウンロード」等の項目を選択

3. 指定期間(ここでは3ヶ月分)を指定してデータをリクエスト

4. 完了すると、ZIP形式などで一括データが手に入る

「過去3ヶ月の投稿」が、次の分析フェーズで最も重要なインプットになります。エンゲージメントが高かった投稿の傾向を把握し、そこから型を抽出していくわけです。

4. ステップ2:ClaudeまたはChatGPTで「伸びている投稿の型」を抽出する

次に、ダウンロードしたX投稿のデータを使って、どのような投稿がバズったか(いいね数・リツイート数が多い、エンゲージメント率が高い等)を分類・分析し、共通する要素を抽出します。

4-1. AIを使った投稿分析

ここでは、代表的な大型言語モデル(LLM)としてChatGPTClaudeを使用します。やり方はシンプルで、エクスポートした投稿データを「テキスト」としてAIモデルに与え、以下のようにプロンプトを作成します。

プロンプトはこちら
#指示書
あなたは天才ライターでマーケターです。以下の条件を元に完璧な伸びる投稿を生み出すシステムプロンプトを生成してください

#条件
・アップロードした3ヶ月分のX投稿から伸びている投稿の特徴の要素を完璧に分析・抽出する
・それを元にバズる・伸びるX投稿の型を考えてください。
・そして、簡単なキーワードを入れるだけで、私の投稿様式に沿った完璧なバズる投稿を生み出せるチャットボットを作りたいので、そのシステムプロンプトも作成してください。
・作る投稿は絵文字と#は無しで、140文字を遵守してください。

このような指示を与えると、AIは大量の投稿データを一括で読み込み、いいね数やリツイート数が高い投稿に共通する言い回し・構成・テーマを見つけてくれます。

4-2. 伸びる投稿パターンの例

セミナー内で紹介されていた例では、以下のようなパターンが見られました。

パターン1:新機能告知型

「【速報】」「【朗報】」などのフックワードで始め、アップデートや新機能のメリットを簡潔にまとめる。最後に詳細案内を付ける。

パターン2:新技術紹介型

「【驚愕】」「【話題騒然】」など、インパクトのあるフックワードを使用し、画期的な技術や斬新な使い方を示す。読者の興味を引くストーリー性を重視。

パターン3:実用・解説型

「これを使うと作業が劇的にラクになる」「無料で誰でも使える」など、具体的なメリットと手軽さをアピールする。

パターン4:インパクト・衝撃型

「なんと」「遂に」「これは…」といった驚きを誘う語彙を冒頭に使い、専門家が調査したデータや比較結果を提示。思わずシェアしたくなる情報が鍵。

こうした4つの投稿型が、共通してバズりやすい特徴を持ち合わせているわけです。

5. ステップ3:抽出した型をもとにシステムプロンプトを作成する

次の作業は、「どのような投稿を生成してほしいのか」をAIに指示する「システムプロンプト」を作成することです。これができれば、今後はAIが自動的に「バズる投稿」を組み立ててくれます。

5-1. システムプロンプトとは?

ChatGPTやClaudeなどの大型言語モデル(LLM)には、「システムプロンプト」「ユーザープロンプト」「アシスタントメッセージ」という概念があります。とくに「システムプロンプト」は、AIの振る舞いや文体、生成結果の方向性を大きく決める重要な部分です。

  • システムプロンプト:AIに最初に与えられる、大枠の役割設定や書き方の方針
  • ユーザープロンプト:利用者がその都度リクエストを出すメッセージ
  • アシスタントメッセージ:AIからの回答(もしくはAIへの追加指示)

つまり、「天才ライターのマーケターとして、140文字以内の衝撃的なX投稿を作成する」という役割をシステムプロンプトで設定すれば、AIはそのルールに従った投稿を生成してくれます。

5-2. システムプロンプトのサンプル

システムプロンプトの例はこちらです。
あなたはAI技術に関する影響力のある情報発信者です。以下の要件に従って、魅力的なX投稿を作成してください。
入力: キーワードまたは伝えたい内容の要点
出力形式:
1行目: 【】で括られた見出し (速報/朗報/必見/超朗報のいずれか)
2-3行目: 核となる情報の簡潔な説明
4行目: 具体的な活用例や影響
※必要に応じて "⇩" や "↓" で詳細情報への誘導
ルール:

140文字以内に収める
絵文字は使用しない
「なんと」「遂に」「これは」などのインパクトワードを適切に使用
技術的な説明は具体例を交えて分かりやすく
末尾に詳細リンクや使用方法への誘導を入れる
驚きや有用性を強調する表現を使用

トーン&マナー:

専門的かつ親しみやすい口調
断定的な表現を適度に使用
「〜」の記号を効果的に使用
重要なキーワードは「」で強調

代表的なバズった投稿パターン(実際の投稿から抽出):
パターン1: 【新機能告知型】
Copy【⚡️速報:MicrosoftのCopilotが大幅進化】

ビジネス活用はまだ時間かかるかな… と思われていたCopilotが大幅進化。高度パワポイもチャットで尋ねるだけで完成。

従来と違い下書きを詳細に作成できて、会社テンプレにも挿入可能。現場で使えるパワポが作れる。

Excel・Word・Outlookの進化はこちら⇩
パターン2: 【新技術紹介型】
Copy【驚愕】見るだけで人物を特定できるヤバいAIグラスが開発される

ハーバード大学の学生2人がMetaのRay-Banスマートグラスと顔認識ソフトウェアを融合させて、見知らぬ人と『出会ってから数分以内に、住所、両親の名前、写真を特定』できるメガネを発明。
パターン3: 【実用・解説型】
Copyスライド作るならもう「v0」一択

縦長の画像データのチラシをアップロードして、とあるプロンプトを入力するだけで、一瞬で横長プレゼン資料のタイトルに使えるデザインが完成。

これがデザインセンス皆無で初心者でもテキストだけで完結するのは最強。しかも無料で使える。

↓プロンプト+方法
パターン4: 【インパクト・衝撃型】
Copyなんと、OpenAI o1はIQ120で人間平均100を優に超えている。

その他のAIモデルは80-100のレンジでメンサのメンバーが作ったテストを実施。

一部の思考力や頭脳では既にAIは人間超え。今後は以下にAIを使い自分の能力を拡張できるかが鍵となる。
これらのパターンに共通する特徴:

インパクトのある見出し
具体的なメリットの提示
実用的な情報の提供
続きを読みたくなる締めくくり

このシステムプロンプトと例を参考に、キーワードを入力するだけで同様の高品質な投稿を生成できます。

このように、投稿の構成・使う言葉のルール・文調などを細かく指定することで、バズる投稿を「量産」する下地が整います。

6. ステップ4:システムプロンプトを組み込んだチャットボットを構築する

システムプロンプトができたら、あとはこれをチャットボットに組み込みます。

6-1. ChatGPTのPlaygroundでの設定

OpenAIのPlayground(またはAzure OpenAI Studioなど)もしくは、ChatGPT plusに加入すると作成可能になるGPTsで、先ほどのシステムプロンプトを貼り付けます。

6-2. タイピング作業を最小化するメリット

わざわざ毎回「速報:ChatGPTがアップデート…」などと考える時間を大幅に削減できます。また、投稿の「ブレ」が少なくなるため、アカウント全体で統一感のあるブランディングが可能になります。

7. ステップ5:実践!テーマ(キーワード)を投げて自動生成させるコツ

最後に実際の運用です。チャットボットが完成したら、「自分が投稿したいテーマ」や「キーワード」を入力し、投稿文を生成させましょう。

7-1. 具体例

「AIグラス」「ChatGPT新機能」「PowerPoint自動作成」「Excel自動化」など、何でも構いません。たとえばキーワードを「AIグラス」と指定すると、AIがこんな投稿を出力するかもしれません。

【超朗報】新たな「AIグラス」が遂に実用化。見た対象の情報を瞬時に検索し、作業効率が劇的に向上。今すぐチェックしないと損。詳細はこちら。

もちろん、もっと砕けたトーンで「遂に来た!」「なんと!」といった表現に変えてほしいときは、システムプロンプトまたはユーザープロンプトに指示を加えればOKです。

7-2. 文字数確認を忘れずに

Xでは140文字(現行は280文字まで投稿可能ですが、本記事で紹介の型は140文字以内を基準)が基本。作った投稿文が長すぎる場合は、システムプロンプトの指示で必ず自動的に短くなるように設定しておくと良いでしょう。

8. 注意点とよくある質問(FAQ)

8-1. 注意点:AI生成文の利用規約・公序良俗

AIが生成する文章には、時として誤情報(いわゆる「幻覚」)や不適切な文言が含まれる場合があります。

  • 必ず最終チェックを行い、投稿内容を事前に確認したうえで公開しましょう。
  • Xのガイドラインや法律、公序良俗に反する内容がないかを判断してください。

8-2. FAQ:どのように投稿をキャリブレーションすれば良い?

たとえば、生成された文章が「やや硬い」と感じるなら、システムプロンプトに「よりカジュアルな口調で」「若者言葉を少し使って」など、指示を加えるとスタイルを変えられます。

8-3. FAQ:なぜ「3ヶ月分の投稿」を分析するのか?

Xのトレンドやアルゴリズムはめまぐるしく変化しますが、直近3ヶ月程度の分析をすると十分なデータ量を確保でき、かつ最新のトレンドを押さえられるためです。もちろん、より長期(6ヶ月~1年分)の投稿を分析するのも有効ですが、あまり古いものは現在の流れにそぐわない可能性があります。

9. まとめ:すぐに行動すべき理由と今後の展望

ここまで紹介してきた方法を使えば、たった5ステップであなた専用の「バズる投稿自動生成システム」が完成します。AIが一度に何十個もの候補を出してくれるため、投稿を考える時間を大幅に削減できるうえに、投稿クオリティを安定して高めることが可能です。

ぜひ、「超時短」かつ「バズる」X投稿の自動生成を体験してみてください。あなたのSNS運用が劇的に変わるでしょう。

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー15万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。

関連記事