チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

1. はじめに

リモートワークが定着し、オンライン会議がビジネスの中心となった今、会議録音・文字起こしツールが急速に注目を集めています。音声や映像データをそのまま保存するだけでなく、議事録の自動作成やキーワード検索、翻訳機能など、さまざまな付加価値を提供することで業務の効率化を可能にするからです。

特にAI技術の進歩によって、以前は不可能または非常にコストがかかっていた高精度のリアルタイム文字起こしや自動要約などが、より低価格かつ高速で利用できるようになりました。こうした状況の中で登場しているツールの中から、今回は

tl;dv
Notta
Zoom(文字起こし機能)
Microsoft Teams(文字起こし機能)

の4つにフォーカスし、機能比較や活用シーン、料金プランなどを詳しく解説します。この記事を通じて、自社や個人のワークスタイルに合ったツールを見つける一助になれば幸いです。

2. AI会議録音・文字起こしツールの注目度が高まる理由

2-1. リモートワーク・オンライン会議の浸透

コロナ禍を契機として、リモートワークやハイブリッドワークが普及しました。その結果、オンライン会議の回数が増加し、それらを効率よく管理・記録するニーズも高まっています。以前なら手動で行っていた議事録の作成を自動化するツールへの需要は今後も拡大が予想されます。

2-2. AI技術の進歩による高精度化

ディープラーニングをはじめとするAIアルゴリズムの進化により、音声認識の精度が飛躍的に向上しました。これにより、ほぼリアルタイムかつ正確な文字起こしが可能となっただけでなく、異なる言語間の翻訳や音声要約機能も実現。国内企業はもちろん、海外との取引やグローバル展開を行っている企業にとっても、大きなメリットをもたらしています。

2-3. データ活用の多様化

会議で得られる情報には、企業の重要なアイデアや戦略が多数含まれています。これらを単に文字化して残すだけでなく、キーワード検索や要約機能を使うことで、後から必要な情報だけを簡単に抽出できるようになりました。結果として、時間の短縮やミスの削減はもちろんのこと、企業全体のナレッジマネジメントの向上に役立ちます。

3. 【ツール1】tl;dv:主要Web会議ツールと連携可能な高精度文字起こし

3-1. tl;dvの概要と特徴

概要

tl;dvは、ドイツのケルンで2020年に設立されたスタートアップ企業が開発・提供するAI会議録作成ツールです。ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなど、主要なWeb会議ツールとの連携が可能で、高精度な文字起こしを自動で生成します。

特徴

  • 30以上の言語に対応:グローバルなチームや海外顧客とのミーティングにも対応しやすい
  • 5,000以上のアプリと連携:SlackやTrello、HubSpotなど幅広い外部サービスと連携でき、ワークフローがスムーズ
  • 議事録作成の効率化:リアルタイム文字起こしとともに、後からハイライトの追加や編集が可能
  • AI要約機能:会議の主要トピックやアクションアイテムを自動で抽出し、エッセンスだけを素早く把握できる

3-2. tl;dvの活用シーン

営業・商談:商談内容を正確に録音・文字起こしし、後から要点をチームで共有する

社内会議・ブレーンストーミング:アイデアや議論のプロセスを逃さず記録し、会議後に振り返りがスムーズ

オンラインイベントやウェビナー:後から視聴する際の目次として活用したり、参加者に配布するレポートの作成を効率化したりできる

3-3. tl;dvの料金プラン

ポイント:

スタートアップ企業であるtl;dvは、今後さらなる機能拡充や日本語サポートの強化も期待されています。海外とのやり取りが多い企業や、多機能性を重視するチームにとっては優れた選択肢となるでしょう。

4. 【ツール2】Notta:多言語対応とAI要約が魅力の音声認識サービス

4-1. Nottaの概要と特徴

概要

Nottaは2022年5月に設立された比較的新しい企業ですが、すでにグローバルで500万人以上のユーザーを獲得しています。AI音声認識技術を活用し、オンラインのリアルタイム文字起こしから大容量の音声ファイルの高速変換まで幅広くカバーします。

特徴

  • 98.86%以上の高精度:専門用語や固有名詞の登録機能により精度が向上
  • 58言語対応:世界中のクライアントやチームメンバーとのコミュニケーションに便利
  • リアルタイム翻訳:リアルタイムで翻訳と字幕表示が可能なので、国際会議でも言語の壁を減らす
  • AI要約機能:重要なポイントを自動抽出し、議事録作成や情報共有をスピーディに

4-2. Nottaの活用シーン

オンライン学習・セミナー:講義内容をリアルタイムで文字起こし・翻訳し、多言語での受講が可能

リサーチ・インタビュー:長時間の録音データでも高速処理ができるため、研究者やメディア関係者にも便利

カスタマーサポート:電話応対の録音を自動文字起こしし、FAQの作成やクレーム対応を効率化

4-3. Nottaの料金プラン

ポイント:

Nottaは比較的若い企業ながら、AI技術の最先端を活用し、高い文字起こし精度や要約精度を誇ります。さらに多言語対応に強いため、世界各地にビジネスパートナーや顧客がいる企業に特におすすめです。

5. 【ツール3】Zoom:充実した自動字幕機能と翻訳字幕オプション

5-1. Zoomでの文字起こし機能とは

ZoomはWeb会議ツールとして世界的に普及していますが、自動字幕(自動生成字幕)機能フルトランスクリプトなど、アクセシビリティを向上させる機能が充実しています。

  • リアルタイム字幕表示:会話の内容をリアルタイムでテキスト化
  • フルトランスクリプト:会議終了後に全文をテキストとして保存し、後から内容を確認できる
  • 翻訳字幕:追加料金で翻訳機能を利用し、多言語間のやり取りを支援

5-2. Zoomの活用シーン

国際会議・セミナー:翻訳字幕(有料オプション)を活用することで、海外参加者とのコミュニケーションが円滑に

アクセシビリティ向上:聴覚障害をお持ちの方や音声が聞き取りづらい環境でも内容が理解しやすい

録画機能との組み合わせ:文字起こしだけでなく、映像と合わせて後から見返すことでより深い振り返りが可能

5-3. Zoomの料金プラン

ポイント:

Zoomは世界中で利用者が多く、導入が容易な点が強みです。既にZoomを使っている企業であれば、プランをアップグレードするだけで文字起こし機能を強化できる点もメリットといえるでしょう。

6. 【ツール4】Microsoft Teams:トランスクリプションとライブキャプションの違い

6-1. Teamsでの文字起こし機能とは

Microsoft TeamsはOffice 365のエコシステムに統合されており、WordやExcel、PowerPointなどとの連携がスムーズです。会議中には以下2つの機能を利用できます。

1. トランスクリプション

• 会議内容をリアルタイムで文字起こしして、後からダウンロードが可能。発言者の特定も自動で行われるため、誰が何を言ったかが明確になります。

2. ライブキャプション

• リアルタイムで字幕を表示し、参加者の理解をサポート。ただし、字幕データの保存は不可。

6-2. Teamsの活用シーン

社内ミーティング:Office 365との高い親和性により、議事録やドキュメントをOneDriveに保存し、すぐに共有・編集ができる

オンライン授業・研修:字幕表示で受講者の集中力を高めたり、理解度をサポートしたりできる

グローバルチーム:英語以外にも日本語や他の言語に対応しているので、言語の壁を越えたコミュニケーションが可能

6-3. Teamsの料金プラン

ポイント:

すでにOffice 365を利用している企業であれば、Teamsとの連携によるワークフローの効率化が魅力。Wordでの編集、Outlookとの連携などがシームレスに行えるため、マイクロソフト製品を中心とした生産性向上を目指す企業におすすめです。

7. まとめ:自社に合った文字起こしツールを選ぶポイント

近年では会議録音・文字起こしツールの導入は**「業務効率化」や「情報共有の迅速化」のみならず、「組織全体のナレッジマネジメント向上」**にまで影響を及ぼします。特にAIを活用したツールは、要約や翻訳機能などを通じて新しい働き方を可能にしています。

本記事で紹介した主なツールと特徴を再度まとめると、以下のようになります。

1. tl;dv

  • 主要なWeb会議ツールとの連携力が高く、30以上の言語・5,000種類以上のアプリと統合可能
  • スタートアップ企業が開発していることもあり、新しい機能やアップデートのスピードが期待できる
  • 多国籍チームや海外とのやりとりが多い環境で活躍

2. Notta

  • 98.86%を超える高精度の音声認識と58言語対応
  • 専門用語登録やAI要約などの先端機能が豊富
  • フリープランでも120分まで使え、個人での試用にもハードルが低い

3. Zoom(文字起こし機能)

  • 世界中で利用されている安心感と、翻訳字幕オプションが強み
  • 無料プランでもある程度の自動字幕機能が使える
  • 他ツールを導入せずに追加コストを抑えられるので、既にZoomを使っている場合に選択しやすい

4. Microsoft Teams(文字起こし機能)

  • Office 365との統合が最大の魅力。WordやExcel、OneDriveとの連携がスムーズ
  • トランスクリプションとライブキャプションで、多様な会議運用に対応
  • Microsoftエコシステムを活用している企業にとってコストパフォーマンスが高い

選ぶ際のポイント

チームの規模と会議頻度

対応言語の種類

既存のワークフローとの親和性

セキュリティ・プライバシー要件

予算と拡張性

最終的には、自社のミーティングスタイルや用途に合わせて最適なツールを選ぶことが重要です。ツールによって強みや価格体系が異なるため、まずはフリープランや無料トライアルを活用して試し、実際の使用感や得られる効果を確認してみることをおすすめします。

特に、リモート時代のビジネスでは「いかに会議を効率化し、価値あるアウトプットを生み出すか」が大きな課題です。AIを使った文字起こし・議事録ツールを活用することで、会議内容の共有や参照が飛躍的に容易になり、意思決定のスピードアップやナレッジの集約に大きく貢献してくれるでしょう。

本記事を参考に、ぜひ自社のニーズや予算に合ったツールを選び、オンライン会議の生産性を最大限に高めてください。

この記事の著者 / 編集者

チャエン

株式会社DigiRise 代表取締役

チャエン

法⼈向けのAI研修、及び企業向けChatGPTを開発する株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。一般社団法人生成AI活用普及協会評議員を務めながら、GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。NewsPicksプロピッカーも兼任。Twitterはフォロワー15万⼈。⽇本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIとの英会話ができる「AI英会話」など複数のAIサービスも開発。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。

関連記事