

【ChatGPT Deep Research超え?】仕事を完全自動化。中国から最強AIエージェント「Manus」が登場。《機能、使い方、活用事例7選、無料オープンソースの利用方法までも徹底解説。》
目次
1. はじめに:AIエージェント元年が到来
2025年は「AIエージェント元年」と呼ばれるほど、高度に自動化されたAIツールが次々に登場しています。大規模言語モデル(LLM)を利用したチャットボットは今やビジネスに欠かせない存在ですが、今年はさらに一歩進んだ「自律型AIエージェント」が注目を集めているのです。
これまでのChatGPTやBing Chatなどは「会話を通じて情報や提案を得る」ことに秀でていました。しかし、たとえばSNS投稿や経理処理、スプレッドシートでの集計など、複数ステップにおよぶ“作業”を自動化するには、ユーザー自身の手が必要でした。一部のAIエージェント(Auto-GPTなど)も存在しましたが、まだ実験的な段階という認識が強かったのも事実です。
そうしたなか、中国のテックシーンを中心に爆発的に話題になっているのが、最新の汎用AIエージェント「Manus(マヌス)」です。Manusは「人間の発想を具現化し、最終成果物まで自動で届ける」ことを目指して開発された、まさに次世代のAIエージェント。50を超えるタスクを同時並行で走らせ、自らウェブ検索やツールの操作をし、最後には成果物をまとめて提出してくれるという驚きの機能を持っています。
本記事では、Manusの機能や使い方、安全性・プライバシーへの配慮、さらには他のAIとの使い分けから活用事例・オープンソース版の導入方法までを、詳しく解説していきます。
2. Manusとは何か?manusのサービスリンクはこちら
2.1 Manusを生み出した連続起業家・肖弘とは

Manusの創業者である肖弘(しょうこう)氏は、1993年生まれの若き連続起業家。華中科技大学ソフトウェア学院卒業後、2015年に「夜鶴科技(イエホー・テクノロジー)」を設立し、翌年にはWeChat公式アカウントを支援するツール「壹伴助手」や「微伴助手」を世に送り出しました。これらは多くの企業が利用するB2B向けソリューションとして成功を収め、最終的にはユニコーン企業に買収されるまで成長を遂げています。
続いて2022年にスタートしたのが、AIアシスタント「Monica」です。MonicaはChatGPTやClaudeなど主要なAIモデルを統合し、翻訳や文書作成、要約など幅広い機能をワンストップで提供するブラウザ拡張型のオールインワンAIツール。世界中のユーザーを短期間で獲得し、2024年には1,000万人を突破しました。
その肖弘氏が2025年に新たに発表したAIエージェントが、「Manus」です。すでに中国では「次のユニコーン候補」として大きな話題となっています。
2.2 Manusの革新的な特徴
Manus最大の強みは、「ユーザーの指示をもとに複数ステップのタスクを自律的に実行できる」**点です。通常のチャットボット型AIが「回答を出すだけ」なのに対し、Manusはクラウド上に仮想デスクトップ環境を備え、そこにAI自身がアクセスして実行を行います。
たとえば、履歴書の評価から応募者へのメール連絡、不動産情報の比較検討、株式データのダウンロード・解析、といった一連の業務をワンクリックで自動化できるのです。ユーザーがパソコンやスマホの前に貼り付いて都度コマンドを入力する必要はなく、最終的に必要な成果物(レポートやファイルなど)だけが提示されます。
また、Manusはユーザーの対話履歴や好みを「メモリ」として保持し、使い込むほど最適な判断・提案をしてくれます。そのため、まるで専属の秘書やインターンのように業務をサポートしてくれるのです。
2.3 Manusがもたらすインパクト
Manusが真に目指しているのは「考える⇒行動する⇒成果を出す」という一連のプロセスの完全自動化です。ChatGPTや他の言語モデルはあくまで「考える(アウトプットする)」までですが、Manusはその先の「行動」まで担ってくれます。
ビジネスパーソンが本当に欲しかったのは、提案から結果まで一気通貫でやってくれるアシスタントとも言えます。Manusの登場は、AIアシスタントの可能性を大きく押し広げました。
3. Manusの機能と性能
3.1 既存の大規模言語モデル(LLM)の組み合わせ
Manus自体は「AIエージェントのフレームワーク」に近い存在で、その“頭脳”部分には複数のLLMが使われているとされています。具体的には、Anthropic社が提供するClaudeや、中国アリババのQwenなどを組み合わせているという報道もあります。
独自のLLMをイチから開発するのではなく、すでに高い性能が認められている大規模言語モデルを統合し、さらにクラウド実行環境やタスク管理機能を付加したのがManusというわけです。ここにManus独自の「メモリ機能」や「外部ツール連携能力」を加えることで、単なるチャットボットを超えた自律的なエージェントとして成り立っています。
3.2 自律的タスク実行の仕組み
Manusのデモでは、以下のような工程が自動化されていました。
1. ユーザーが「◯◯を実現してほしい」と目的を伝える
2. Manusは必要な情報を収集する
3.クラウド上に用意された仮想マシンでコードを実行・検証する
4. 結果を加工・編集し、必要な形式(Excel、PDF、Webページなど)で出力
これまでであれば、ユーザーがChatGPTにコードを生成してもらい、それを自分のPCで実行し、不動産サイトを開いて情報収集して…というように複数のステップを手動で行う必要がありました。しかしManusなら“丸投げ”しておけば、最終的な成果物だけが届くのです。これにより業務の大幅な効率化が期待できます。
3.3 参考ベンチマークと評価
Manusチームは、AIエージェントの総合力を測る指標「GAIAベンチマーク」で高いスコアを出したと発表しています。具体的な数値は公表されていませんが、OpenAIが提供するエージェントのスコアよりも上回ったとも言われています。
もっとも、Manusが使っているLLM自体はAnthropicなど既存ベンダーのものであるため、回答の精度はベースモデルに依存する部分も大きいでしょう。しかし、「複合モデル+自律的タスク実行環境」の組み合わせが優秀であれば、ユーザーが求める“最終成果物の品質”に大きな差が生まれる可能性があります。
4. 安全性とプライバシーは大丈夫?

4.1 データの取り扱いと中国の法規制
Manusは中国発のサービスであり、今のところ本格的なグローバル公開は行われていません。開発元が中国のスタートアップということもあって、中国のネット安全法や個人情報保護法の適用を受ける可能性が高いといわれています。
今後、中国当局の生成AIサービス管理規則に従う形で、ユーザーデータを国内サーバーに保存し、必要に応じて当局に提出する義務が課される場合も考えられます。
そのため、機密性の高い情報をManusに入力する際は、米国企業のChatGPTを使う場合とは別のリスク面(国家機関へのデータ提供など)を認識しておく必要があるでしょう。
4.2 透明性や検閲リスクは?
Manusはまだ招待制でのテスト段階で、正式なプライバシーポリシーや倫理指針などは公開されていません。今後、一般リリースの際には情報が整備される可能性がありますが、現時点では不透明です。
また、中国国内向けのサービスでは政治的に敏感なトピックなどに対して一定の検閲が行われるのが通常ですが、Manusのメインターゲットは英語圏ユーザーとされているため、その程度はまだ定かではありません。利用する際は、不明な点は必ず直接確認するなど、慎重な姿勢が求められます。
4.3 利用時の注意点
- 機密情報を扱う際のリスク評価
- 利用規約やプライバシーポリシーの確認
- 大規模言語モデルを用いる上での情報漏えい対策
これらはManusだけでなく、あらゆるAIアシスタントを使う際に必要な注意事項でもあります。特に企業利用においては、情報セキュリティ部門と連携した管理体制が重要です。
5. Manusの使い方を徹底解説
Manusはまだ正式公開に至っておらず、招待制の状態です。ここでは、現状入手できる範囲の情報に基づいて、通常のWeb版Manusの利用手順や、無料オープンソース版「OpenManus」について解説します。
5.1 通常のWeb版Manusの利用手順
- 公式サイトで「Apply for Access」を選択
Manus公式ページにアクセスし、メールアドレスや簡単な利用目的を入力します。 - 招待コードが発行されるのを待つ

- ログイン後、ターミナル機能などを利用してタスクを指示
ChatGPTのようにプロンプトを入力して回答を得るだけでなく、仮想デスクトップ環境でコードを実行できたり、ファイル添付が可能だったりします。

私は奇跡的に、友人がチームに居てコードをもらえました笑
今は期間限定で無償で使えるので使い倒しております。

ManusはOperatorやDeep Researchなど他のAIエージェントと比較して、やや複雑なUIになっているとの声もありますが、サンプルの自動化もOperatorより高度なものが多い印象です
さらに詳しいツール解説は以下のnoteまで↓
https://note.com/chaen_channel/n/na6470bb44779
5.2 無料オープンソース版(OpenManus)の概要と導入手順
Manusが公開されるやいなや、有志の開発者コミュニティが「OpenManus」というクローン版プロジェクトをGitHubで公開しています。これはManusと同様のコンセプトを再現し、誰でも使えるようにしたオープンソースのAIエージェントです。

OpenManusの特徴
- 無料で利用可能
(ただし、内部で呼び出すLLMのAPIキーは別途必要。例えばOpenAI APIやAnthropicのAPIなど) - Pythonで動作
コマンドラインから起動し、対話型で指示を与えるスタイル - 複数のタスクをある程度並行実行
実装レベルでManusほどの洗練性があるかは要検証
導入手順(例)
- Python環境を用意
conda create -n open_manus python=3.12
などのコマンドで仮想環境を作成 - GitHubリポジトリからクローン
git clone https://github.com/mannaandpoem/OpenManus.git
- 必要ライブラリをインストール
pip install -r requirements.txt
- APIキーを設定
OpenAIやAnthropicなど、利用したいLLMプロバイダのAPIキーを環境変数や設定ファイルに記入 - 起動
python main.py
で起動し、コンソール上で質問や指示を入力
初期設定は多少エンジニア寄りの知識が必要ですが、一度環境が整えば、業務でも試せるレベルのAIエージェントが無料で利用できます。Manusの正式リリースを待ちつつ、先行して「自律型AIエージェント」の可能性を体感するには絶好の機会です。
6. 他のAIとの比較:Manus・ChatGPT・Claude・Google Gemini
6.1 Manusを使うべき場面
- マルチステップのタスクを自動化したいとき
たとえば、「Web上でデータ収集→Excelで集計→報告書作成」という一連の流れを自動で完了させたい - ユーザーがPCの前に張り付く必要をなくしたいとき
1回の指示で延々とバックグラウンド処理を進めてくれる - 複数のエージェント・ツールを一括管理したいとき
6.2 ChatGPTを使うべき場面
- 高精度な言語生成でアイデアを得たいとき
企画書の冒頭文やビジネスメール文面などを素早く書いてもらえる - 幅広い分野の知識を参照しつつ、自然なやりとりをしたいとき
ChatGPTは汎用性が高く、ほとんどの質問に一定水準の回答が可能 - リアルタイムの対話やアイデア出し
6.3 Claudeを使うべき場面
- 大量のテキストや長文を処理したいとき
長い契約書や研究論文を要約・比較するなど大容量の文章読み取りが得意 - 文章解析の深さが重要なケース
行間を読んだり、複雑な文脈理解を要したりする場面に強みがある
6.4 Google Geminiを使うべき場面
- マルチモーダル機能(画像や音声)を活用したいとき
- Googleサービスとの統合で効率化したいとき
Gmail、Googleドキュメント、Googleスプレッドシートなどとの連携 - クリエイティブな表現力やコンテンツ制作を重視
7. Manusの活用事例7選
ここからは、実際にManusが活用されている・または期待されている代表的な事例を7つご紹介します。Manus公式デモや海外テスターの事例をもとにまとめています。
7.1 旅行計画の自動立案
- 事例:
「7日間の日本旅行を計画してほしい」と指示すると、Manusが観光名所をピックアップし、交通機関や宿泊先までリサーチ。旅行プランを日程表形式でまとめ、さらにGoogleカレンダーと連携して予定を自動登録することも可能。 - ポイント:
データ収集→スケジュール組立→最適化の一連をManusに任せられる。
7.2 潜在顧客の調査(リード獲得)
- 事例:
B2B企業が「◯◯業界の企業リストを抽出→LinkedInで主要担当者を検索→連絡先リストを作成」まで自動化。 - ポイント:
営業チームがやっていたリード獲得の下調べ作業をAIが丸ごと代行。
7.3 不動産の調査
- 事例:
「ニューヨークで治安が良く、学区も評判の良いエリアを調べて。条件に合う物件情報をExcelにまとめてレポートを作って」という指示をManusに出すだけで完了。 - ポイント:
Web上の不動産サイトをスクレイピングし、治安データや学区評価なども参照して条件に合致する物件を一覧化。
7.4 講義・セミナー内容の要約
- 事例:
MITのオープンコースウェアの動画URLを指定し、「この講義を1時間で理解できる概要を作って」と依頼。Manusは自動的に動画字幕を解析し、重要ポイントを抽出してレジュメをPDFで納品。 - ポイント:
通常は人力で行う動画要約が大幅に効率化。会議録の要約などにも応用可能。
7.5 株価や投資分析レポート
- 事例:
テスラ株のチャート分析や決算情報を取得し、「来週の株価トレンドを予想してほしい」と依頼。Manusは関連ニュースやアナリストレポートを読み込み、独自にグラフを作成してPDFレポートを仕上げる。 - ポイント:
最終的にレポートという形で成果物が得られ、プレゼン資料作成も同時に可能。
7.6 ブログページ・LP構築
- 事例:
「新サービスの告知LPを作りたい」と依頼すると、Manusがデザインテンプレートの検索、文面制作、HTML/CSSコーディングまで実行し、クラウド上でホスティングまで行う。 - ポイント:
AIによるWebサイト自動生成は以前からありましたが、Manusはより一括で対応でき、必要な素材を外部リソースから持ってくるところまで自動化。
7.7 ゲーム開発のサンプル生成
- 事例:
シンプルな2DゲームのプロトタイプをUnityで作りたい、と指示。ManusはUnityプロジェクトを構築し、サンプルスクリプトを自動生成・テスト。完成したプロジェクトをGitHubリポジトリとして提示。 - ポイント:
開発初心者でもManusとやりとりしながら最低限動くゲームサンプルを手にできる。
8. まとめ:Manusが切り拓く未来
いかがでしたでしょうか?
「Manus」は、ただのチャットボットやサポートAIではなく、“自分で考え、動いて、成果を出す”という新次元のエージェントです。
- 革新的な特徴:複数ステップのタスクを丸ごと自律的に実行
- 高い拡張性:既存LLMを組み合わせ、あらゆるWeb・クラウドサービスと連携
- 注意点:プライバシー・データ利用に関するリスク管理は必須
今後、中国の法規制や検閲などの問題が懸念される一方、ビジネスや個人の生産性向上に圧倒的なインパクトを与えることは間違いありません。すでに有志によるオープンソース版クローン「OpenManus」も登場しており、AIエージェントの時代が加速しているのを感じます。
もし招待コードが手に入るのであれば、ぜひ一度試してみてください。既存の常識を超える働きぶりに驚かされるはずです。今後のアップデートに期待しつつ、Manusを賢く使いこなして、日々のタスクを大幅に効率化していきましょう!