
「社内で生成AIを活用したいが、情報漏洩が怖くて踏み出せない…」
「便利なのは分かるが、費用対効果をどう説明すればいいんだ…」
企業のAI推進担当者や情報システム部の皆さんとお話しすると、必ずと言っていいほど、このようなお悩みを伺います。AIの強力なパワーをビジネスに取り入れたいという熱意と、セキュリティという巨大な壁の間で、板挟みになっているのではないでしょうか。
そんなあなたの悩みを安全かつ確実に解決する答えが、Googleの「NotebookLM」にあります。この記事では、特に「企業導入」にフォーカスし、皆さんが最も懸念されている情報漏洩リスクの完全な払拭方法から、具体的な費用対効果(ROI)、そして導入後の成功イメージまでを、徹底的に解説します。
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目次
NotebookLMとは?
NotebookLMがどのようなツールで、なぜ今、多くの企業から熱い視線を注がれているのかを解説します。

NotebookLMの概要と主な機能
NotebookLMは、一言でいえば「企業が持つ独自のデータや資料を、安全な環境でAIに学習させ、あなただけの業務アシスタントを作るツール」です。
社内規定、過去の提案書、製品マニュアル、議事録といったPDFやドキュメントをアップロードするだけで、その情報だけを元にAIが質問に答えたり、資料を作成したりしてくれます。音声や動画、Webサイトなど、多様な形式のデータを扱えるのも大きな特徴です。
ChatGPTやGeminiとの違い
ChatGPTや一般的なGeminiとの最大の違いは、「情報の参照範囲」です。
| 特徴 | NotebookLM | ChatGPT / Gemini (標準利用) |
|---|---|---|
| 情報源 | 企業がアップロードした社内資料のみ | インターネット上の不特定多数のデータ |
| 回答の信頼性 | 極めて高い(情報源が明確) | 情報が不正確な場合がある(ハルシネーション) |
インターネット全体を情報源とするChatGPTなどとは違い、NotebookLMは閉じられた社内データのみを情報源とするため、AIがもっともらしい嘘をつく「ハルシネーション」のリスクが極めて低く、ビジネス利用に不可欠な情報の正確性を担保できます。
NotebookLMが企業で注目される理由
なぜこれほどまでに企業利用で注目されているのか?理由は3つあります。
- 圧倒的な情報整理・検索能力
「あのプロジェクトの資料、どこだっけ?」「この規定について知りたいんだけど…」といった、日々の業務で発生する膨大な情報検索の時間をゼロに近づけます。必要な情報を瞬時に、かつ正確に探し出すことが可能です。 - 業務の属人化の解消
ベテラン社員の頭の中にしかないノウハウや過去の経緯をNotebookLMに学習させておくことで、誰でもその知識にアクセスできるようになります。これにより、異動や退職に伴う業務の引き継ぎコストを大幅に削減できます。 - 安全なAI活用の第一歩
後述しますが、Googleの堅牢なセキュリティ基盤の上で動作するため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えながら、安全に生成AI活用の第一歩を踏み出すことができます。
NotebookLM完全ガイドを見ていない方はこちら
【2025年10月最新】NotebookLM完全ガイド!機能・使い方・料金・活用事例を専門家が徹底解説
「大量の資料を読む時間がない…」「情報が多すぎて、何が重要なのか分からない…」「AIに質問しても、本当に正しい情報なのか不安…」 こんな我々の悩みを解決できる、Googleのとんでもないツールがあります。その名も「Not…
NotebookLMは安全に使えるのか?
💡 結論:Google WorkspaceまたはGoogle Cloud経由で利用すれば、安全に利用可能です。
企業の担当者が最も知りたいのは、この一点に尽きるでしょう。「アップロードした会社の機密情報が、外部に漏れたり、GoogleのAIの学習に使われたりしないのか?」という懸念です。
Workspace/Cloud経由なら“人手レビューなし・AI学習不使用”で安心
ご安心ください。NotebookLMは、Google WorkspaceまたはGoogle Cloudアカウントを通じて利用することで、以下の点が明確に保証されています。
アップロードした資料やチャット内容がAIモデルのトレーニングに使われたり、人間のレビュアーに見られることはありません。
これはつまり、「入力したデータは、あなたの会社の環境内で完全に閉じられる」ということです。企業利用ではこの形態を選べば、情報漏洩リスクはほぼゼロにできると断言できます。
無料/Pro/Enterpriseでのデータ扱いの違い
プランによって、このデータ保護のレベルが異なります。企業導入を検討する上で、この違いを正確に理解しておくことが非常に重要です。
| プラン種別 | 主なアカウント | データ保護レベル | 人手レビュー | AI学習への利用 |
|---|---|---|---|---|
| Free(無料) | 個人Googleアカウント | 標準 | フィードバック送信時などで可能性あり | なし |
| Pro | Google Workspace | 強化 | なし | なし |
| Enterprise | Google Cloud | 最高レベル | なし | なし |
見ての通り、個人向けの無料版ではデータがサービス改善に利用される可能性がある一方、企業向けのPro(Workspace経由)やEnterpriseプランでは、データが完全に保護されます。
さらにEnterpriseプランでは、IAMによるアクセス制御や、特定のネットワークからしかアクセスを許可しないVPC Service Controlsといった、大企業で求められる高度なセキュリティ統制にも対応しています。
最低限のセキュリティ対策で安全に始める方法
Workspace経由で導入する場合でも、さらに安全性を高めるための社内ルールを設けておくことをお勧めします。
- 共有設定は「チャットのみ」共有を推奨
NotebookLMには、元の資料(ソース)を隠して、AIとの対話機能だけを共有する「チャットのみ」共有モードがあります。部署外のメンバーなど、元データを見せる必要がない相手には、この設定を活用しましょう。 - 個人情報や契約書類を避ける
導入初期段階では、万が一の操作ミスなども考慮し、特に機微な個人情報や、捺印済みの契約書といった最重要機密情報のアップロードは避け、運用に慣れてから段階的に対象を広げていくのが賢明です。 - AI利用ポリシーを社内で定義しておく
「どのような情報をNotebookLMで扱って良いか」「どのような目的で利用するか」といったガイドラインを事前に策定し、全社で共通認識を持っておくことが、安全なAI活用文化を醸成する上で不可欠です。
リスクを理解した上で“成果を出す”活用事例
では、具体的にどう使えば成果が出るのか。ここでは、部署別に具体的な活用事例をご紹介します。

営業チーム:提案のスピードと質を劇的に向上
過去の成功提案書、製品マニュアル、顧客の業界レポートをNotebookLMに学習させます。「A社向けの提案骨子を考えて」「B業界でよくある課題と、うちの製品での解決策をリストアップして」と指示するだけで、トップセールスのノウハウが詰まった提案書の初稿が数分で完成します。新人でもベテラン並みの提案が可能になり、チーム全体の営業力が底上げされます。
人事部:問い合わせ対応と研修を完全自動化
就業規則、福利厚生ガイド、各種申請マニュアルをNotebookLMに読み込ませ、「育休の申請方法を教えて」「経費精算の締め日はいつ?」といった社員からの定型的な問い合わせ対応をAIに任せます。人事担当者は本来注力すべき採用活動や制度設計に集中できます。また、新人研修資料を元に、対話形式で学べる研修ノートブックを作成すれば、学習効果の向上と研修コストの削減を両立できます。
教育機関:個別最適化された学習環境を提供
教科書、参考文献、過去の講義資料を元に、生徒一人ひとりの理解度に合わせた学習ノートブックを作成。「この単元の重要用語でテストを作って」「この歴史上の出来事を小学生にも分かるように説明して」といった対話を通じて、生徒は自分のペースで主体的に学習を進めることができます。
経営層:迅速な意思決定をサポート
市場調査レポート、競合の動向分析、社内の各部門からの報告書をNotebookLMに集約。「現在の市場トレンドを要約して」「競合A社と比較した際の、当社の強みと弱みは?」と問いかけることで、膨大な情報の中から意思決定に必要なインサイトを瞬時に抽出し、経営判断のスピードと精度を高めます。
NotebookLM導入後のROIシミュレーション
導入を検討する上で必ず問われるのが「いくら儲かるのか」という費用対効果(ROI)です。ここでは、具体的な業務改善のシミュレーションを見てみましょう。
| 業務 | 従来時間(1回あたり) | NotebookLM導入後 | 週回数 | 削減時間(週) | 削減時間(月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 議事録作成 | 1.5時間 | 0.5時間 | 3回 | 3時間 | 12時間 |
| 提案資料 | 3時間 | 1時間 | 2回 | 4時間 | 16時間 |
| 社内規定の確認 | 30分 | 0分 | 10件 | 5時間 | 20時間 |
現実的な削減効果のモデルケースとして、中央値である月16時間の削減(提案資料作成のケース)を例に考えてみましょう。仮に、従業員の時給を東京都の最低賃金に近い1,250円と仮定して、人件費に換算してみます。Google WorkspaceのStandardプランが1,600円/月*1であることを考慮すると、月々の残業代削減額は、以下の通りです。
1,250円(時給)× 16時間(月間削減時間)- 1,600円 (ツール代)= 18,400円
つまり、NotebookLMを活用して一つの主要な業務を効率化するだけでも、従業員一人当たり月々18,000円分のコスト削減が見込める計算になります。年間では216,000円の削減となり、これが10人のチームであれば年間216万円もの大きなインパクトです。
これはあくまで最低賃金での試算です。専門職など、より時給の高い社員がこのツールを活用すれば、削減できるコストはさらに大きくなります。
*1 出典:Google Workspace 料金ページ
NotebookLM導入で「安全なGemini環境」も同時に利用できる
さらに、見逃せない大きなメリットがあります。
NotebookLMをGoogle Workspace経由で導入すると、同じ環境でGemini(Gemini for Workspace)も安全に利用可能になります。
これはつまり、NotebookLMという「閉じた社内データに特化したAI」と、Geminiという「Webの情報も活用できる汎用的なAI」の両方を、同じエンタープライズレベルのセキュリティの下で使い分けられるようになる、ということです。AI活用の幅が一気に広がります。
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まとめ:NotebookLM導入は“安全に成果を出す”第一歩
今回は、NotebookLMを企業で安全に導入し、具体的な成果を出すための方法について、セキュリティの観点から徹底的に解説しました。
情報漏洩を恐れてAI活用をためらうようでは時代に取り残されてしまいます。正しい知識を持ち、適切なツール(Google Workspace / Google Cloud)を選択し、しっかりとした社内ルールを整備すれば、セキュリティを確保しながらAIの恩恵を最大限に享受することが可能です。
NotebookLMの導入は、社員一人ひとりの生産性を向上させ、企業全体の知識やノウハウを資産として蓄積・活用していく、“新しい働き方”への第一歩です。
正しい知識でNotebookLMを具体的な成果に変えましょう。



