2時間のリサーチ⇒「数分」対話⇒「AIとの三者面談」会計事務所が生成AIで実現した効率化と付加価値向上
税理士法人 山下会計事務所 様
導入前の課題
- 相次ぐ税制改正による業務量増大に対し、生産性の向上が急務だった
- 顧客相談のリサーチ業務に1日2〜3時間を要し、担当者の大きな負担となっていた
- 社内システムのコード作成に時間を取られ、DX推進が遅れていた
導入後の効果
- AIによる定型業務の代替により、膨大な事務作業を効率的に処理
- 自社資料を学習したAIにより、数時間の作業を数秒に短縮
- AIのコード生成活用により、数日を要した開発工程を数時間に短縮
目次
会社紹介
山下会計事務所は、兵庫県たつの市を拠点に35年以上の歴史を持つ、地域に根差した会計事務所です。地場産業である素麺、醤油、皮革業を中心に、兵庫県全域から近畿・中国地方の中小企業を幅広く支援しています。業界内でもいち早くクラウド会計やペーパーレス化を推進しており、平均年齢が若く、ITを活用したDX支援に強みを持つ組織文化が特徴です。
生成AI導入前の課題感
近年の税理士業界は、インボイス制度や電子帳簿保存法といった相次ぐ税制改正への対応に追われています。山下会計事務所においても、業務内容が複雑化・高度化する中で、いかに生産性を高めるかが大きな課題となっていました。
特に負担となっていたのが「リサーチ業務」です。地域密着型の事務所として、顧問先からは税務のみならず、業界動向や経営全般に関する多種多様な相談が寄せられます。これに対し、分厚い専門書籍を紐解いたり、断片的なネット情報を精査したりする作業に、担当者によっては1日2〜3時間を費やしてしまうことも珍しくありませんでした。マンパワーに頼った情報収集には限界がきており、テクノロジーを活用したシステム的な解決策が不可欠だったのです。
生成AI導入研修後の効果
研修を経て、現場では劇的な変化が生まれました。まず、事務所が過去数年分蓄積してきたブログ記事や内部資料をAIに学習させ、専用のチャットボットを構築しました。これにより、「過去の類似ケース」や「ベテランの知見」を数秒で引き出せるようになり、リサーチ時間は劇的に短縮されました。ベテラン職員からも「これがないともう仕事にならない」との声が上がるほど、AIは不可欠な存在となったのです。
また、ITチームにおけるシステム開発の現場でも、AIによるコード作成が定着しました。従来は数日を要していたツール開発が数時間で完了するなど、開発スピードは圧倒的に向上。さらに、メールの返信文作成といった日常的な事務作業も効率化され、組織全体で「書く」「調べる」という行為の心理的ハードルが大幅に下がったのです。。
今後の展望
山下会計事務所が描く未来は、AIを単なる効率化ツールとしてではなく、顧客価値を最大化させるための「パートナー」として位置づけています。
既に試行的に実施している取り組みなのですが、実際の経営者との打ち合わせに AI を同席させる「三者面談」スタイルの試みがあります。お客様と担当者、それからAIがその場で対話することで、客観的な第3の視点を提供し、新しい気づきを生み出しています。
今後は、事務的な作業やリサーチはAIに代行させ、そこで創出した時間を「お客様に寄り添い、後押しする」という人間にしかできない対話に充てていく方針です。AIと共に成長し、顧問先と共に進化していく。そんな新しい時代の会計事務所の在り方をこれからも追求し続けていくといえます。
