生成AIが業務の新しい扉を開く ─ 業務効率化にとどまらず、“働き方”にまで及ぶ変革
株式会社MJE 様

導入前の課題
- 生成AIの活用に対する社内理解が進んでおらず、「使ってみたいが使い方がわからない」といった声が多く、活用が進んでいなかった
- 議事録やメール文の作成に多くの時間がとられ、また作業が重なると心理的な負担にもなっていた
- 生成AIの進化に取り残されないためにも、早期に全社員のリテラシーを底上げしたいという危機感があった
導入後の効果
- 研修により社員のAI理解が深まり、実務に即した活用が進み、業務効率化への意識が高まった
- 議事録やメール作成が着手しやすくなり、作業時間の短縮だけでなく、心理的負担の軽減という副次的な効果も得られた
- リテラシー向上に取り組んだことで、技術活用への苦手意識が薄れ、社内で生成AIを使った業務改善を進めやすい環境が整った
目次
会社紹介
株式会社MJE様は、「for Workplace Innovation 〜ワークプレイス(働く場)をよりよくすることで企業の成長に貢献する〜」というミッションのもと、
SS(スペースソリューション)事業とICT事業を展開されています。
社名に込めた “Makes Japan Energetic” の理念のもと、全国の中小企業やスタートアップ企業の成長を支えるさまざまなサービスを通じて、企業の活力を引き出し、日本を元気にすることを目指しています。
課題感
議事録やメール文の作成や文章添削といった日々の定型業務に時間がかかっていた一方で、どの生成AIサービスをどのように活用すればよいのか、またどのようなリスクがあるのかが不明瞭で、業務効率化には至っていませんでした。
事務部門ではその影響が大きく、限られたリソースの中で、より付加価値の高い業務へ集中する時間を確保できずにいる状況でした。
さらに、生成AIが急速に進化する中で、「社員全員が生成AIを使いこなすためにゼロから学ぶ必要がある」という意識も高まっています。このため、社員全体のリテラシー向上を目指して、使用時のリスクや具体的な操作方法を含め、生成AIの効果的な活用を促進する研修プログラムを進めています。
また、全社での生成AIツールの導入準備も進めており、これにより業務の効率化と新たなアイディアの創出が期待されています。部門を超えたスキルの標準化を図り、社内での生成AI活用の基盤を整え、さらなる成長とお客様への高い価値提供を目指して、この挑戦に取り組んでいます。
生成AI活用の効果
生成AIの本格的な導入を決めたことで、情報システム課をはじめ社内各所で、メール文や議事録作成といった定型文書業務の効率が改善されています。
ある社員からは、「メール文の書き出しが決まらず手が止まることが減り、スムーズに着手できるようになった点が大きな変化です。これにより、集中度を切らさず次の業務に移ることができ、業務効率が向上しました」との意見が寄せられています。
さらに、「作文が苦手だけど、原案を作成してくれるため、締め切りに迫られるプレッシャーが減りました」との声もあり、心理面での負担軽減といった副次的な効果が挙げられています。
また、現在はメール文の添削Botや、社内の情報システムに関する問い合わせ対応Botなど、生成AIを活用した社内Botの開発にも取り組んでいます。
Botはまだ試験的な段階ですが、情報検索の起点や業務判断の指針を提供する役割が期待されており、今後さらに精度を高めつつ、初心者の利用ハードルを下げることで、より幅広く社内業務を支援していく計画です。
今後の展望
生成AIの活用を一過性の取り組みに終わらせず、継続的に社内全体のリテラシー向上に尽力しています。その一環として、社内研修会も開催しています。また、各社員のスキルレベルに応じた段階的な学習機会(ステップ)を設けることで、AI活用の定着を目指しています。
他にも、発展著しいデザインや動画生成技術を活かした業務の迅速化や、各事業で収集した契約情報や履歴データをもとにした生成AIによる予兆検知やアラート機能の可能性を模索していきます。
さらに、蓄積されたデータの解釈支援や可視化においても、生成AIの役割が期待されています。