会社紹介

株式会社ダイケン商会様は「食品のデザイン企業」として、食品衛生の観点から賞味期限の延長や工場の安全性向上など、多角的なコンサルティングを行っています。

微生物抑制や原材料の提案、ライン清掃の指導など、食品の品質を総合的に“デザイン”することで、メーカーや食品工場と協力しながら安全な食の提供に貢献されています。

また、新たなレシピ開発や検査・試験の実施にも力を入れ、お客様それぞれのニーズに合わせた最適解を提案できる点が強みです。

課題感

生成AI導入以前は、業務の多くが属人的で、担当者への問い合わせが一極集中する状況でした。翻訳や要約などの言語系タスクには時間がかかり、コア業務である食品衛生管理の提案や検証に十分なリソースを割くことが難しい場面も見受けられました。

また、営業ロープレにおいては対面の想定問答が中心で、新人や若手社員が幅広い質問への対応力を身につける機会が限られていたことも課題でした。

生成AI活用の効果

ドキュメント作成時間が大幅に削減されました。翻訳や要約などの言語系タスクをAIに任せることで、10分かかっていた作業が3分で完了するなど、約70％もの時間削減を実現しています。

問い合わせ対応の負担も大きく軽減され、社員が疑問点を「まずChatGPTに投げる」という流れが定着しつつあることで、特定の担当者への質問が減りました。その結果、担当者は食品衛生管理の提案や検証など、本来の業務により注力できるようになりました。

さらに、営業ロープレの質も向上しています。生成AIが商談相手役として想定問答を自動生成するため、新人・若手社員でも多角的な質問に触れながら実践的な営業スキルを身につけることが可能になりました。

加えて、研修を通じてAIに対するハードルが下がったことで、社員同士が活用方法を共有し合う文化が生まれています。食品の安全性や衛生管理に関する最新情報をAIでスピーディーに収集・分析できるようになり、結果的に提案力の強化にもつながっています。

今後の展望

今後は、さらなる業務効率化を目指してカタログ検索チャットボットの導入を進め、紙ベースで保管している多数の製品カタログを電子化し、生成AIと連携した社内チャットボットで高速検索・回答を実現することで、よりスピーディーに最適な原材料や衛生資材の提案ができるようになる見込みです。

また、受発注の自動化システムへの応用として、注文情報をAIが解析しシステムに直接入力する仕組みを整えることで、単純作業の負担を一層減らす計画もあります。

さらに、社内に蓄積した衛生管理・微生物制御・レシピ開発の知見をAIが学習し、外部向けのAIコンサルティングサービスを展開するなど、新しい事業モデルへの挑戦も視野に入れています。