開発の知識はゼロからのスタート。初めてのチャットボット開発に、外部の伴走を選んだ理由。
株式会社チームエル 様
導入前の課題
- ナレッジ:長年の講演・セミナーで蓄積してきた知見が、必要なときに取り出せる形になっていなかった
- 進め方:チャットボットの開発は初めてで、データの整え方・ツールの選定・外部サービスとの接続など、判断の材料が社内になかった
- 届け方:知見に触れていただける場面が、講演やセミナー、個別の支援といった限られた接点に集中していた
導入後の効果
- 立ち上げ:ゼロベースから約4ヶ月で、自社の知見をもとに答える相談の窓口が立ち上がった
- 社内の判断力:データの整え方・ツールの選定・外部サービスとの接続を、伴走を通じて社内で判断できる状態に
- 届け方:採用・事業承継・決算書の読み方・競争戦略という4つの入口から、同社らしい語り口のまま、その場で相談を始められる形に
目次
会社紹介
株式会社チームエルは、自動車業界に特化したコンサルティングを手がける企業です。2011年11月に現法人を設立し(旧社名・カービジネス研究所)、東京都中央区に本社を構えています。中古車販売チェーン「愛車広場カーリンク」のチェーン本部運営と、会員制のカービジネスサポートサービス「CaSS」の運営を柱に、正規ディーラーから地域の整備・中古車販売事業者まで、自動車業界の経営を幅広く支援してきました。

市場環境の見通しから採用・組織づくり、事業承継、財務まで、同社が講演やセミナーを通じて発信してきた知見の蓄積は、そのまま同社の資産となっています。その蓄積をどう次の世代や会員企業に手渡していくかが、同社にとってのテーマでした。
生成AI導入前の課題感
同社がAI活用に踏み出した出発点は、「蓄積してきた知見を、どうすれば届けられる形にできるか」でした。知見に触れていただける場面は、講演やセミナー、個別の支援といった接点に限られます。相談する側からすれば、聞きたいことが出てきたその瞬間に引けるわけではありません。社内にとっても、必要な内容を必要なときに取り出せる状態にはなっていませんでした。
一方で、チャットボットの開発は同社にとって初めての取り組みでした。何から手をつけるかという以前に、何を決めなければならないのかが見えない。資料をどう整えればAIが読み取れるのか、どのツールを選べばよいのか、外部のサービスとつなぐには何が必要なのか。判断するための材料そのものが、社内にありませんでした。
結局、ナレッジの精度そのものが重要です。なんでもかんでも情報を入れるよりも、AIが読みやすい枠組みを決めて、その通りに整理して入れていく。
株式会社チームエル 代表取締役 堀越 勝格 氏
生成AI活用の効果
デジライズが加わったのは、この「決め方が分からない」段階からでした。支援の中心に置いたのは、作業を引き取ることではなく、同社が判断できる状態をつくることです。
手を動かして組み上げていったのは同社です。デジライズは、進め方を示し、判断の材料を渡す役に徹しました。
答えの組み立て方も整理しました。自社の知見を最優先に参照し、そこで答えられない場合には専門家の理論、さらに公的機関が公開する一次情報へと順に頼っていく。答えの土台を自社のものに置きつつ、足りない部分は根拠の確かな情報で補う形です。

支援は約4ヶ月、月次の定例を軸に進みました。毎回、実際の質問を投げて出力をその場で確認し、期待とずれた回答があれば、その原因をデジライズが持ち帰って次の回までに改善の方針を用意し、同社が手を入れていく。この往復を重ねることで、同社の知見が正しく引き出される状態に近づけていきました。参照した資料が画面に表示される仕組みも加えており、気になる回答があれば元の資料まで遡り、資料の側を直せます。
専門的な内容も、その都度かみ砕いて共有することを心がけました。判断が必要な論点は選択肢と理由を整理してお渡しし、同社の側に判断の基準が残る形で進めています。
情報源の扱いについても、著作権の観点から整理を行い、参照を控えるべきものは公的機関の一次情報に置き換える方針を立てました。どの分野で誰の考え方を土台にするかは、同社が長年の支援で拠りどころとしてきた専門家を挙げていただき、それを設計に反映しています。
- 相談が入る
- 過去の講演資料を探す(どこにあるか記憶頼み)
- 見つからなければ、詳しい人に聞く
- 回答の質は、誰が対応したかで変わる
- 相談が入る
- 自社の知見をもとに、たたき台が返ってくる
- 根拠になった資料をその場で確認できる
- ずれていれば、資料の側を直して次に活かす
こだわったのは、答え方そのものでした。相手に寄り添い、肯定し、明るく応じる。同社が普段の支援で大切にしてきた姿勢を、そのまま言葉づかいに落とし込んでいます。相談の入口も、採用、事業承継、決算書の読み方、競争戦略という4つのテーマを用意し、何を聞けばよいか迷わずに始められるようにしました。誰かの時間を押さえなくても、聞きたいことが出てきたその場で相談できる。同社の支援に、新しい入口がひとつ増えた形です。

定例の場だけでなく、その間の相談にも随時対応する形で進めました。判断が必要な論点は、選択肢と理由を整理した資料にまとめてお渡しし、同社が社内で検討できる状態にしています。
今後の展望
ナレッジは入れて終わりではなく、増やし続けるものです。同社では、資料を一定の型に沿って整理し、話した本人が内容を確認したうえで蓄積していく手順を定めました。この流れの原型は同社側から出た発想で、デジライズは運用できる形に整えるための型を示す役に回りました。実際にナレッジを整え、積み上げているのは同社です。
契約期間の満了後も、デジライズは精度を高めるための改善案の提供を続けています。今後は、いま整えた土台の上に、採用や事業承継、財務といった領域ごとのナレッジを厚くしていく構想です。触れられる知見が増えるほど、同社の支援はより多くの経営者の手元に届いていきます。

