「AIは魔法ではない」 流通支援大手エイジスが挑む、全社一丸の「AI内製化」とリテラシー変革の全貌
株式会社エイジス 様
導入前の課題
- 全社的に生成AIの導入が決まったものの、実務における具体的な活用イメージを模索している段階だった
- 業務改革のツールとしてAIを責任持って使いこなすための、基礎リテラシーやリスク管理が不足していた
- 効果を数値的なROIだけで測ろうとし、質の向上や自己成長といった本質的な目的を見出しにくかった
導入後の効果
- 先行研修を通じて受講者が自発的に知見を共有するなど、「AIで業務を変えられる」という空気が醸成された
- プロンプトの「型」やリスク対処を習得し、実務に直結する回答を導き出せる「正しい操縦法」を身につけた
- AIとの壁打ちにより思考が整理され、単なる時短を超えた「アウトプットの質の向上」と個人の成長を実現した
目次
会社紹介
株式会社エイジスは、1978年に日本で初めて棚卸ビジネスを立ち上げた業界のパイオニアです。「チェーンストアの発展と豊かな社会の実現に貢献する」という企業理念のもと、40年以上にわたり流通・小売業界の成長を支え続けてきました。
現在は新たな中期経営計画「Vision 50」を掲げ、従来の「サービスプロバイダー」から、顧客の課題を根本から解決する「ソリューションプロバイダー」への進化を推進。メーカーと小売業、そして非常時も含めた消費者を結ぶ唯一無二の存在として、社会的価値の向上を目指します。DX戦略本部を中心に、AIやクラウド等の最先端技術を自社サービスに融合させ、タグラインである “Your Partner in Retail Solutions” を体現する次世代の価値創造に挑んでいます。
生成AI導入前の課題感
流通業界のインフラを支えるエイジスにおいて、AI活用は組織全体の重要なテーマとして始まりました。全社的に活用の方向性が示される中、現場の意識をどう醸成し、実務レベルのソリューションへと繋げていくかが大きなテーマとなっていました。
しかし、導入を検討し始めた当初は、本部サービス部門などの実務層において「日々の業務にどう取り入れれば効果的なのか」という活用イメージが十分に浸透しきれていない側面がありました。AIを「特別な何かが降ってくる」もの、あるいは「魔法のように解決してくれるもの」といった認識もありました。そのため、業務改革を支える身近な「道具」として自分事化し、使いこなすための基礎的なAIリテラシーの底上げが急務となっていました。
生成AI導入研修後の効果
まず20名のメンバーで実験的に実施した研修は、社員のマインドに劇的な変化をもたらしました。
「何でもしてくれる魔法の道具」だと思っていた層からは、「意外としっかり指示をしないと動かない。正しく操縦する必要があるのだ」という、ツールとしての現実的な理解が得られました。一方で、既に一部で活用していた層からも「実は触りしか知らなかった。プロンプトの型を学んだことで、自分の使い方が『知ったかぶり』だったと気づかされた」という声が上がりました。情報の扱い方やハルシネーションのリスクを理解した上で、最後は人間が確認するという「正しい付き合い方」が浸透したことは大きな成果です。
また、定量的な数値以上に「質の向上」という効果が強調されています。AIを対話のパートナー(壁打ち相手)に据えることで、担当者の思考が深まり、自己実現やスキルの成長に繋がっています。単なる人件費削減としてのROI(投資対効果)だけでなく、同じ時間で生み出すアウトプットの価値を最大化する「攻めの活用」の入り口に立ったといえます。
今後の展望
株式会社エイジスが描く次なるステップは、全社員のAI活用レベルの底上げです。来期からは全社員を対象に、アーカイブ配信とハンズオンを組み合わせた基礎研修を実施し、AIリテラシーを「組織の標準装備」へと引き上げます。
さらに、社内独自の「AI資格制度」の設立も計画中。中級・上級へとステップアップする仕組みを整え、全社員が常に最新のAIトレンドにアンテナを張れる状態を目指しています。
「AI活用を前提とした組織へと、会社そのものをアップデートしていく」ためにDX戦略本部がハブとなり、人事制度の刷新や、顧客向けアプリケーションへのAI搭載も視野に入れた変革を推進することで、老舗企業の信頼感に最新テクノロジーを融合させた、圧倒的な価値創造を追求し続けていきます。
