FAX文化からの脱却:生成AIで子育て社員も活躍!業務効率75%削減を実現したフードカタログギフト業界のDX
株式会社サンリッチ 様
導入前の課題
- 業務のデジタル化が進まず、生産性が上がらない
- 多くの社員が子育てと仕事を両立しており、業務効率の向上が急務
- 属人化した業務や文書作成に多くの時間を要していた
導入後の効果
- システム部門でのコード作成や、営業部門でのスケジュール作成など、幅広い業務のデジタル化が全社的に拡大
- 新人研修資料作成などで最大75%の業務時間削減を達成し、子育て世代を含む社員の働き方改革に大きく貢献
- AIによる「たたき台」の瞬時生成により、文書作成の工数を大幅削減。社内報や引き継ぎ資料などの属人化も解消
目次
会社紹介
株式会社サンリッチは福岡県に本社を構える、全国規模でフードギフトを展開するカタログ販売会社です。百貨店や生協向けに、お中元・お歳暮・おせちなどのカタログギフトを企画・編集・販売しており、とくに九州の旬の食材を生産者から直接届ける「産直システム」が強み。物流特許を取得したこのモデルにより、在庫を持たずに新鮮な商品を全国へ直送できる仕組みを実現しています。
従業員は20〜50名規模で、約8割が女性社員。そのうち多くが子育て中のママ社員で、限られた時間で効率的に働ける環境づくりに取り組んでいます。近年では、企業向け福利厚生用カタログギフトや、最短でフードECを構築できる「おまかせECマルシェ」などの新事業を展開。さらにフードロス削減や子ども食堂支援、キッチンカーを使った生産者取材など、社会課題にも積極的に貢献しています。
生成AI導入前の課題感
生成AI導入前、サンリッチでは業界特有のアナログ文化により、業務効率化が大きな課題となっていました。「メインのコミュニケーションツールがFAX」という超アナログな環境は、業務の属人化や非効率な作業を生み、働き方改革の妨げになっていました。
こうした背景から、企業向けの「DX認定制度」を取得し、本格的に変革へ舵を切る中で生成AIの研修導入を決断しました。「超アナログな職場でもAIは活用できるのか?」という半ば実験的な取り組みとしてスタートしたAI研修でしたが、結果として多くの部署で業務改善の手応えを得ることができました。
生成AI導入研修後の効果
AI活用研修の導入により、各部署で生成AIの利用が急速に進みました。アナログ業務が中心だった社内において、業務のスピードと質が格段に向上し、導入前の課題解決に大きく貢献しています。
新人研修資料:120分 → 30分(75%削減)
社内報作成:60分 → 20分(66%削減)
メルマガ原稿:90分 → 45分(50%削減)
また、関数検索やPC操作の不明点の即時解決も可能になり、生産性が向上しています。さらに、社員同士で日報を通じたAI活用法の共有文化が定着し、全社的なITリテラシーが向上しました。AIは「一人ひとりにドラえもんがついているようなもの」で、業務効率の飛躍的な改善を実感しています。
今後の展望
今後、サンリッチでは生成AIを単なる業務支援にとどめず、自社サービスや事業モデルの進化にも取り入れていく方針です。現在は、食品ラベルの表示ミスをAIで自動検出する実証実験を終え、品質管理業務の精度向上に取り組んでいます。また、カタログ制作を自動化するWebシステム「カタログマルシェ」では、AIによる原稿自動生成を導入予定で、制作工数の大幅削減を見込んでいます。
社外向けサービスとしても、チャットボットによる問い合わせ対応や、ECサイト上でのQA対応の自動化など、AIによる顧客体験の向上を推進。さらに、基幹システムである産直システムの高速化・高度化にもAIを組み込んでいく予定です。
